世の中を円滑に生きぬくために必要な
スキル「社会性」。
社会性がある人は世渡り上手であり、
人生を快適に過ごしています。
逆に社会性がない人は、
生きずらさを感じてしまいます。
社会性とはいったい何でしょうか。
一般的には、集団生活や集団行動などを
おこなう場面で、人と上手く接したり、
協調作業を円滑に行うスキル
といわれています。
ASD(自閉症スペクトラム・
アスペルガー症候群)の人は、この
社会性の発達が著しく欠如しています。
先天性の脳の未発達が原因なので、
社会性の発達を育てることは
できません。
ですが、社会性を身につけたり、
向上させることはできます。
現代の日本では、周囲との同調、共感、
周りと同じであることを強く求められます。
少しでも輪の外に外れると、のけ者に
されたり、集団で責められる恐れも
あります。
日本ではみんなと一緒、同じように振る舞う
スキル「社会性」が求められます。
社会性が著しく劣っているASDにとって
現代社会を生き抜くのは大変です。
そこで今回は、社会性を育てるのが困難な
ASDが、社会性を向上させたり、
身につける方法をお伝えしていきたいと
思います。
ASD(自閉症・アスペルガー)の社会性の欠如
ASD(自閉症スペクトラム・
アスペルガー症候群)の人は、
生まれながらに社会性がありません。
これは、ASDの特性である想像力の欠如や
視野の狭さが原因です。
特性によって、人と同じように行動したり
他人の気持ちを考えたり、
意識を傾けることができません。
そのため、自分勝手と思われてしまい、
社会性がない人と受け取られます。
・他人に共感できない
・自分の考えが正しく、
違う意見に耳を傾けない
・友達、知り合いがいない
作ろうとしてもできない
・他人の感情が理解できない
・周囲の目に気づかず、
勝手な発言や行動をする
・場にそぐわない行動をとる
・礼儀をわきまえない
・敬語を使えない
(逆に誰にでも敬語)
・感情表現が変
ASDは特性によって、
様々な場面で普通の人ができる
社会性が行なえないのです。
社会性が上手くいかないことにより、
周囲からは浮いた存在となり、
孤立してしまうのです。
ASDの社会性の欠如は
年齢が上がるにつれて特性の辛さが
どんどん表面化されていきます。
学生時代はなんとか生き抜けたとしても
社会人になると、この社会性の無さが
致命的になるのです。
定型発達(健常者)が生きていく中で
身につけている社会常識が、
ASDにはないのです。
そのため、年齢相応のその場に合った
振る舞いや言動ができません。
社会常識やマナーが身についていないので
会社の人との交流や、
適した態度ができないのです。
ASDが社会性を身につける・向上させる方法
ASD(自閉症・アスペルガー)は
先天的に社会性が欠如しており、
自然に無意識に社会性を発達させることも
脳の特性上、かなり難しいです。
そのため、ASDが社会性を身につけたり、
向上させるには、経験が必要となります。
その場に即した「適切な行動や言動」
をたくさん経験して覚え、
自分の中に社会のルールとして記憶し、
蓄積してくことが効果的です。
人から誘われた時や、
集団行動をしなければならない場面などを
たくさん経験して、
パターンとして記憶するのです。
ASDは決まった行動やパターンが
マニュアルとして存在していれば、
極端なミスをすることも減ります。
全ての行動パターンの経験が
マニュアル通りにいくことはありません。
ですが、社会性が必要な場面で、
最低限重要なポイントを押さえて
行動できればそれでいいのです。
全てが完璧に社会性を発揮できる人は
頭の良い人だけです。
ASDは社会性を向上させるために
さまざまな経験を積む必要があります。
最初は経験値が低いため、
上手くいかないのは仕方がありません。
ASDにとって知識の無いことや、
未体験の物事は大抵失敗してしまいます。
その為、ASDにはサポートや理解者が
絶対に必要なのです。
まとめ
ASD(自閉症・アスペルガー)の人が
社会性を身につけたり、向上させるには
経験の積み重ねが重要です。
またASDは、目で見えない感覚的な物事は
非常に苦手ですが、視覚的な要素には
普通の人(健常者)と同じように
理解できることがおおいです。
目で見える、紙面でのマニュアルを
用意しておき、社会性が必要となる場面を
事前に学んでおきましょう。
経験や事前のマニュアルが全て、
社会性が必要な場面で
助けになるとはかぎりません。
想定外のことが起こって、臨機応変に
社会性が必要になる場面もあります。
そのようなシチュエーションでも
落ち着いて社会性を発揮できるように
気持ちの準備をしておくことが、
ASDには必要なのです。