発達障害の人が障害者枠で就職、
正社員になることは、
どのくらい難しいのでしょうか。

2016年に障害者促進法の改定
行われました。

障害者の差別の禁止、
合理的配慮の提供義務、
不満、苦情に対する努力義務など、
障害者の雇用と環境の整備が
主な目的です。

しかし、現実的には、障害者対する
イジメや不当な扱いが存在します。

特性に対する理解・配慮などは、
企業によって対応の差があります。

また、企業側も精神障害者よりも
身体障害者を最優先での雇用を
考えています。

厚生労働省がハローワークのデータを
元に、身体障害者と精神障害者の雇用を
比較してみると、精神障害者の人の方が
雇用率が高かったようです。

しかし、就職をサポートしている団体
によると、圧倒的に身体障害者が
有利という状況だといいます。

また、発達障害の人の障害者枠での
正社員雇用は10%未満です。

3~5年の使用期間を経て
正社員登録への転換となります。

障害者枠での正社員枠は、
ほとんどの企業は身体障害者狙いなのです。

現状では、精神・発達障害者の
障害者枠雇用は厳しいものと
なっているのです。

今回は、発達障害の人の障害者雇用枠
についてお伝えしていきます。

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発達障害(精神障害)の障害者枠

近年、発達障害(精神障害)の人の
障害者枠での雇用が増え続けていると
言われています。

しかし、実際の障害者枠では、
身体障害者を優先的に考えている
企業がほとんどだといえます。

これは、企業側が求める人材の基準
発達障害(精神障害)の人と
あまりにもかけ離れているからです。

日本経済団体連合会(経団連)の
新卒採用に関するアンケートの
調査結果があります。

画像出典
日本経済団体連合会(経団連)
2018年11月22日
「2018年度 新卒採用に関するアンケート調査」

企業が新卒採用時の雇用で最も重要視
されているのが、
コミュニケーション能力」です。

他にも、主体性やチャレンジ精神、協調性、
誠実性、責任感、リーダーシップ、
想像性など、発達障害(精神障害)の人に
最も足りない能力なのです。

身体障害者の人の場合は、
知能がまともで対人関係は
健常者(定型発達)の人と同等です。

コミュニケーションや対人能力が重要視
される会社において、
発達障害(精神障害)の人の扱いは、
難しいと思われているのが現状です。

このデータは企業の新卒採用時の統計です。

しかし、障害者枠であっても
会社が求める人材は、
対人関係を円滑に行えて、
扱いやすい人を求めているのです。

ネットでの意見(評価)

以前障害者の職業訓練施設で働いてた体感

就職が決まっていくのは
肢体→聴覚→軽度知的→発達→精神。
って順だった。

少なくとも当方がお目にかかった
障害者枠の方は、全員、身体障害の方です。

役所の性質からいって、
身体以外の障害者の方を敢えて
採用対象にするのは、なかなか厳しそうです。

2018年4月から、障害者総合支援法
の改定により、障害者雇用義務の対象に
精神障害が新たに加わりました。

精神障害者の短時間労働者の雇用率も
変わりました。

精神障害者の雇用率計算が1人につき、
0.5→1になりました。

また今まで企業の障害者雇用は、
約50人に一人の雇用義務でした。

今回の障害者総合支援法の改定により、
従業員50人から45.5人に一人
となったのです。

もちろん、義務であって強制ではないので
企業側がこの法律を破っても、
年間120万円の障害者雇用納付金
を支払うことで済みます。

基本的に企業側は、身体障害者の雇用が
出来ない場合のみ、発達・知的障害者の
雇用を考えています。

企業側が求める人材が対人能力を重視
しているので仕方がありません。

しかし、発達障害の人は理解や支援、
環境の整備が整っていれば、
能力がある人であれば、
定型発達(健常者)以上の生産性が
あると思います。

テレビでも発達障害の人を積極的に
採用している会社がありました。

発達障害の特性を理解して、
環境の整備がされた子会社です。

一般企業でも、このような取り組みを
行えるように、国が積極的に法整備
していく必要があると思います。

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障害者枠での昇給

障害者枠での昇給はほとんどないようです。

昇給がまったく0というわけでは
ありませんが、
一般枠の昇給と比べると圧倒的に少ないです。

月に数百円程度です。
もちろん業種や企業の大きさによって
違います。

しかし、中小企業以下の場合は、
ほとんど昇給は見込めないようです。

障害者枠での仕事は、
簡単な業務を何年も行うことを前提に
採用している企業が多いからです。

一般枠では、仕事の権限が大きくなり、
責任が増していくため、
昇給が期待できます。

障害者枠の人でも、
仕事で成果を上げた人や、
責任ある立場を任せられると
昇給の可能性はあるようです。

ネットでの意見

障害者枠での昇給はゼロではありませんが、
微々たるものです。
あっても年間¥1000とか位です。

障害者枠では余り年齢は関係なく、
おおよそ200万~350万位が多いようです。

それ以上稼ごうと思えば、
健常者での採用か、
完全出来高しかないと思います。

一般的には一般枠と比べて給与を昇給幅も
かなり見劣りするケースが多いようです。

障害者枠での就労による年収は、
一般枠の約半分、
180万~400万円とお考えください。

障害者枠で正社員になれる?

障害者枠で雇用された人の離職率が高く、
最初から正社員で雇用する企業は
少ないようです。

障害者枠の人の4人に1人が
1年以内に辞めてしまうそうです。

そのため、企業側としての正社員雇用は
リスク
が高くなってしまうのです。

そのため、正社員で就業できる人は、
10%未満と言われています。

障害者枠雇用の9割以上は
契約社員からとなります。

3~5年の勤続年数を経て、
正社員登用している企業が多いようです。

発達(精神)障害者の人を始めから
正社員で雇用すると、
体調や精神面を崩し、休んだり、
人間関係の問題が起きた時、
労働問題に発展してしまう可能性が
あるといいます。

リスクを避けたい企業側としては、
契約社員として、ある程度の年数をかけて
見極める狙いがあるようです。

障害者枠雇用での正社員求人は、
ほぼ身体障害者を企業は狙っています。

9割以上の企業が正社員募集では、
身体障害者を雇用したいと考えています。

発達(精神)障害者は、
目に見えない特性があります。

ひとりひとり症状は違いますし、
対応方法やサポート、
理解の難しさがあります。

日本では発達障害の理解が深まってきた
といっても、全ての企業が理解し、
サポートがある環境を作れるわけでは
ありません。

身体障害者の場合は、
何をサポートすればいいのか、
理解が容易です。

また、対人関係やコミュニケーションにおいて
定型発達(健常者)と変わりがないため、
受け入れやすいのです。

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障害者枠の給料(月給、年収)はいくら?

企業の大きさや業務内容、業種、
資格の有無など様々な条件によって
違います。

厚生労働省の調査(アンケート)によると

身体障害者は約22万円

知的障害者は約11万円

精神障害者は約16万円

年収にすると200~250万円前後です。

発達(精神)障害の障害者枠の平均給与が
一番高かった職種は、IT関連。
月給21.7万円くらいです。

他に給料が高い職種は、
機械設計や翻訳など、専門的な知識を
必要とされる業種です。

一般事務職では約17.5万円
となっています。

IT(プログラマー)関係は
発達障害の人が最も適していると
されている職種です。

また、人材不足の業界で、
常に人手を求めています。

IT土方といわれており、
過酷な仕事量と常に学ぶ知能が必要です。

労働力に割に合わないとも
いわれており、
介護職並のブラックイメージがあります。

テレビでも発達障害の人を積極的に
採用している企業は、IT関係でした。

業務内容的には、
一般の労働者と変わらないと思います。

障害者雇用枠でも、一般枠と変わらない
給料や昇給、ボーナスなど、
支払われているか心配です。

まとめ

障害者雇用枠での発達障害者の就職は、
やはり難しいものがあります。

正社員は対人関係に問題がない
身体障害者がほとんどですし、
給与も低いです。

契約社員を数年続けてからでないと、
正社員登用はしてくれないのです。

そして、発達(精神)障害者に
対する理解の無さや、
イジメや差別的な問題は
あるようです。

ハローワークの担当者は
「障害者枠の求人も何件か出していて、
積極的に紹介しています。

紹介していますが、
残念ながら紹介した人全員が職場内で
差別的な対応やパワハラ、
過度で長時間広範囲な掃除だけを
やらせるという業務制限があります。

もちろん法律でそのようなことは
禁じられています。
しかし、実際の現場で本人が
そのように感じ取ってしまう人もいます。

また差別ではないですが、
明らかに「区別」される印象が
あるようです。

障害者雇用なので給与や昇給など
区別がありますので仕方が
ないと思います。

ただ、障害者雇用で働くということは
何かしらの負い目を持ってしまう
と思います。

それがストレスになり
二次障害につながる恐れもあります。

自分に合わない職場だと感じたら
転職も選択肢に入れた方が良いと思います。

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