発達障害のASD(自閉症スペクトラム アスペルガー症候群)は、普段生きていく中で突然環境が変化すると、物凄く狼狽えてしまいます。

ASDはさまざまな特性上、一度感情が乱れると気持ちをコントロールすることが困難になってしまうからです。

健常者であればほとんど気にしない細かな環境の変化でも、ASDにとっては重大な事件のようになるのです。

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気持ちが乱れる原因

気持ちが乱れる原因は、ASDの特性(ハンデ)である「対人関係の困難」や「感覚過敏」など発達障害の特性によってまちまちです。
共通しているのは、普段起こらない「変化」や「刺激」を与えられることが物凄く苦痛だということです。

ASDは、いつも決まった行動をしていないと落ち着きません。
また、ASDの普段の行動や生活は、前もって決められています。
次に何をするかなど、時間配分なども細かく決めています。

そのため、普段の生活パターンを邪魔されたり、突然の予定変更が起こると、物凄くイライラしてしまうのです。
これは、ASD特有の「こだわり」が影響しています。

ASDの「こだわり」は、マルチタスク(2つ以上の物事)の困難と、シングルフォーカス(1つの事に注視)によって引き起こされていると感じます。

この「こだわり」によって、普段のパターンを邪魔される変化」が我慢ならないのです。

また、環境の変化が苦手なもう1つの理由の原因として、ASDの最大の特性(ハンデ)である「想像力の欠如」があります。

ASDは想像力が物凄く劣っているので、物事が変化すると、次に自分がどのような行動を取るべきか、何をどうしたらいいのか、わからなくなってしまうのです。

私の場合は、その場でフリーズしてしまい、考えこんでしまうことがよくありました。

昔、私が体験した1つのできごとがあります。

少し傾斜のある踏切で、私の前方に年配の方が自転車に乗っていました。

その踏切は傾斜があるので、「自転車は降りて渡って下さい」という看板があるのですが、その老人は無理やり自転車に乗ってわたっていました。

フラフラしていたので、危ないなと思っていたら、案の定、横に倒れてしまいました。

私はすぐ後ろにいたので、助け起こさなければいけない立場だったのですが、思考が追い付かずに固まっていました。

反対側からも一人の男性が踏切を渡っており、その人が先に動いてくれました。

しかし、倒れた場所は大きめの石の砂利が敷き詰められている場所で、足場が物凄く悪く、その男性一人では倒れた老人と自転車を起き上がらせることはできませんでした。

私は自転車には降りていたのですが、立ったまま固まっていました。
そして、助けていた男性が、「何か固まってんだ、早く手伝え」みたいな視線を向けてきました。

私はすぐに気づき、起すのを手助けしました。
しかし、老人は大きな怪我はしていないようでしたが、自分では起き上がれず、また足場が悪すぎて、その場から動けず、助けるのがとても大変だった記憶があります。

なんとか2人がかりで救助し、踏切を渡り終わらせました。

そして、心配だったので「大丈夫ですか」と何度か声をかけましたが「大丈夫です」しか言わず、自転車に乗って去っていきました。

結局「ありがとう」の一言はありませんでした。

特に感謝されるためにやったわけではなく、当たり前のことなので気にはしていませんでしたが、なんだかな~とは思っていました。

何が言いたいのかよくわからなくなってしまいましたが、ASDの私一人では「突然の出来事の対処が困難」だということです。

助けなければいけないということはわかっていても、想像力がないので、「うまく助けるにはどうしたらいいのか?」と考え込んでしまい、その場で固まってしまっていたのです。

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ASDはパターン行動が絶対

ASDの私が思うことは、普段の物事を「自分ルールで決めてパターン化」していることです。
この物事をパターンが通りに行くと信じています。

しかし、頭の悪い(IQが低い)私のようなASDは、予想外のことがよくあります。
そうなると、大抵パニックになり、あたふたしてしまいます。

ASD特有の想像力の欠如、視野の異常な狭さによって、対処が困難になり混乱してしまうのです。

また、このパターンが崩れることが非常に嫌いで、イライラしたり怒ってしまいます。
先ほど説明したようにこの怒りは「こだわり」の影響によって引き起こされています。

この「こだわり」による怒りが強ければ強いほど、パターン行動が上手くいっていない証明になるのです。

まとめ

発達障害(ASD)は、臨機応変に物事を対処することが本当に困難です。

健常者が普通に対応できる対処ができないので、突然の環境の変化には不安感でいっぱいになってしまうのです。

どうやって対処すればいいのかは、わかりません。
発達障害(ASD)の生まれつきの脳の欠如(未発達)が原因であり、現代医学では治すことは不可能だからです。

突然の変化に感情を動かされたときは、まず対処を考える前に、落ちつかなければならないとは思います。
ASDは焦ったり、イライラしたりと、気持ちをコントロールするのが苦手なので、まず冷静になる必要があるのです。

発達障害の生きずらさは、本当に辛過ぎます。
発達障害の人が環境や物事の変化で戸惑っていたら、周りはサポートをしてあげるように心がけてほしいところです。

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