発達障害のASD(自閉症、アスペルガー)が、人の目を見て話せないのは何故でしょうか。

普通の人であれば、恥ずかしいという理由があると思います。
しかし、発達障害の人が目を見て話せない理由は別にあります。

まずASDの私が学生時代に目を見て話せていなかった、体験談を書いていきたいと思います。

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発達障害は目を見て話せない

私が人の目を見て話していないと気づかされたのは、高校の3年になってからでした。

それまでの学生時代は人から避けられ、イジメられ、嫌われていたので、他の人と会話をする機会がほとんどなかったことが原因だと思います。

一応、会話をしてくれる人は1~3人いましたが、友達ではありません。
頭の悪い弱者(IQが低い)が集まって、学校で恥をかかずに生き残るための、相互援助友達みたいな感じです。

例えば、体育の授業でペアにならなければならないときや、修学旅行、休み時間の合間に一人ぼっちにならない為になど・・・。

友だちでない根拠は、クラスが変わったり学校を卒業したら、外で会ったり、連絡等はほぼ0だったからです。

そして1~3人程度のバカ(IQが低い)同士だったため、私が目をみて話していなくても、気にしていなかったと感じます。
内心では、変な人と思われていたのかもしれませんが。

そのため私自身も、相手が私の目を見て話していようがいまいが、まったく気にしていませんでした。
そもそも会話をするときに、目を見て話すことはあり得ないと思っていました。

私は父の遺伝の影響で、物凄く精神が弱い子だったため(現在も)人の顔を見るのが怖かったことが原因だと思います。

私が人の顔を見て会話をしていない、と指摘されたのは高校3年生のときでした。

高校3年のとき、何故か私に話しかけてくれる(構ってくれる)心優しい人がいました。
その人は定型発達であり、コミュニケーションも普通にできる方です。

20年以上前の事なのでほとんど覚えていませんが、彼から「何で目を見て話さないの?」的なことを言われた記憶があります。

それまでの私は、相手の胸元から左辺りをずっと凝視して会話をしていた気がします。
首から上を見て話したことはなかったと思います。

それが定型発達の彼には変に感じたのでしょう。

軽い感じで言われた記憶はありますが、人と会話するときは「目を見て話すのが普通だよ」と教えてくれました。

それから彼と話す時は、たまに目を見て話すようになりました。

しかし私は相手の目をずっと凝視してしまっていました。

そのため、彼から「私(男)から見つめられるとドキッとする」と言われたことを未だに鮮明に覚えています。
もちろん、どちらも、そんな気はないですが。

ただあまりにも相手の目を見過ぎてしまっていたので、明らかに変な人だと思われていたと思います。

また、私はASDの特性(ハンデ)上、2つのことが同時にできないので、話すときは目を見ることはできません。
相手が話しているときだけ、目を凝視していました。

そして会話中に相手の目を見る間隔や、目をそらすタイミングがわかりませんでした。

そのため、目を見て話す必要性があるときのみ、必死になって相手の目を見ていました。

ASDの私でも意識をすれば、相手の目を見ることはできます。
しかし、不自然すぎる動作と、コミュニケーションに障害があるので、明らかに変な人になります・・。

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発達障害のASD(自閉症 アスペルガー)の人が目を見て話せない理由

ASDの人が目を見て話せないのは、先天性の脳の特性(ハンデ)が原因です。

マルチタスクの困難

ASDは、マルチタスク(2つ以上の処理)を頭の中で行うのが非常に苦手です。
そのため、「目を見て」「話す」という2つの動作になると、どちらかを優先してしまいます。

目を見ることに注視してしまうと、話を理解することが難しくなります。

話を聞くことに注視すると、視線が何処か1つの場所を凝視したり、目をそらしてしまうのです。

シングルフォーカス

ASDは、視野が狭いので1つの物事に集中してしまう「シングルフォーカス」という特性があります。

定型発達の場合は、何気なく人の目を見ていると思います。
しかし、発達障害(ASD)の場合は、瞳の動きやまばたき、マツゲなど、一部分に注視し気をとられてしまいます。

ですので、目を合わせようとすると、注意をひかれるものが多く、刺激を強く感じてしまうのです。

目を見ることに注目してしまうと、話を聞けなくなってしまうので、あえて目を見ないでいるのです。

まとめ

発達障害(ASD)に理解がない人の場合、何で目を見て話さないんだ?と不快に思われてしまう可能性があります。

また、視線が他を向いているので、適当に聞き流しているのでは?と誤解されてしまいがちです。

しかし、ASDの人は話を理解するために、あえて目を見る動作をしていなのです。

目を見ることに集中してしまうと、どうしても話の内容が頭に入ってこないのです。

ですので、会話をしているときに目を見ていなくても、注意したり怒ったりしないようにしてください。

目を見ていなくても、しっかり話は聞いているのです。

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