誰でも一度は徹夜でゲームをしたり、
他の用事をほったらかして
遊び続けたことはあると思います。

その結果、寝不足で学校へ行ったり、
約束事が果たせなかったりと、
何かしらの犠牲はあります。

しかし、ゲームをして楽しんだし、
ある程度の代償は仕方がないと
割り切れます。

ですが、ゲームの楽しさが忘れられず、
継続的にこのような行為を続けて
しまったらどうでしょうか。

ゲームをし続けることで
実生活に悪影響を及ぼし続けて
しまいます。

それでも生活が破たんしていなければ、
まだ「依存」という形で
保てています。

しかし、実生活に影響が出たり、
心身に支障をきたしてしまうと、
ゲーム障害の傾向が強まります。

ゲーム障害は、ゲームによって
日常生活や心身に重大な問題を
引き起こしている状態です。

ゲーム以外の物事が
崩壊寸前の可能性もあるのです。

ゲーム障害になっている人は、
他の二次障害を抱えてしまっている
ケースが多いからです。

ゲーム障害は自分で治すことが難しいので、
専門の医療機関で見てもらう必要が
あります。

では、ゲーム障害の症状の定義や
診断基準はどのようなものなのでしょうか。

発達障害や引きこもりの影響についても
併せてお伝えしていきます。

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ゲーム障害の症状の定義・診断ガイドライン

ゲーム障害とは、ゲームをすることに
依存してしまい、日常生活において
多大な悪影響を及ぼす状態です。

ゲーム依存とゲーム障害の違いは、
ゲームによって普段の生活に著しく
問題が発生しているかどうかです。

ゲーム障害は、
常にゲームのことが頭から離れず、
ゲーム主体の生活になっています。

睡眠時間を減らしたり、
学校や会社を休んだり、
食事中もゲームをしながらだったり。

ゲームをし過ぎて、目や腰、関節など
身体的な問題も起こります。

また、脳機能も変化していき、
理性や判断などをおこなう
前頭前野の働きも低下しています。

ゲーム依存は、
ゲームに没頭しているけど、
日常生活をぎりぎりで
こなしている状態です。

学校や会社から帰ってきたら
ゲームをし続けるけど、
休んだりはしない。

ゲーム中心の生活ではあるが、
倫理感や理性は保てている
状態です。

依存の状態であれば、
適切な治療を施すことにより、
改善することは可能です。

ゲーム障害は、身体や精神に
悪影響が出てしまい、
中毒症状が出ていたり、
廃人寸前の状態なのです。

ICD-11ゲーム障害の診断ガイドライン

WHOが世界の研究者と協力して作成した、
ゲーム障害の定義「ICD-11」
があります。

1.ゲームのコントロール障害

ゲームの熱中度、プレイ時間、環境など、
日常生活よりも、ゲームを優先する。

対人関係、学校、仕事、健康の問題が
ゲームによって引き起こされている
にもかかわらず、ゲームをし続ける、
エスカレートする。

2.ゲームの行動パターン

ゲームをプレイするための行動パターン
(生活)が出来上がっており、1年以上
反復的、持続的に行っている。

3.ゲーム行動の影響

ゲームの行動パターンにより、
個人、家族や社会、学校、職場において、
著しい問題、苦痛が引き起こされている。

ゲーム障害の症状の程度として、
依存期間が12ヶ月以上であると
重症」とされています。

これは、他の依存症状の水準と
同様に考えて判断されたものです。

ただ、他の依存と違い、
脳への影響、本人の環境など
さまざまな要素があります。

ゲーム障害の定義は、
まだ草稿(下書き)の段階であり、
今後変わっていくと思われます。

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発達障害や引きこもりの影響

発達障害や引きこもり、
うつ病などの人がゲーム障害に
陥っているとされています。

発達障害や引きこもり、うつ病の人は、
学校や会社、対人関係が上手くいかず、
ゲームに逃げたり、ストレス解消を
求める傾向があるからです。

普通の人であれば、スポーツや
友達と遊んだり、買い物、お酒などで
ストレスを解消できます。

しかし、何らかの精神障害を抱えていると、
外での活動が苦手になり、
家に籠ってしまいがちです。

また、発達障害のASD(自閉症・アスペルガー)
の特性である「こだわり」によって
普通の人(定型発達)よりも
ゲームに依存してしまう傾向が
強いです。

「こだわり」の特性は、
1つのことにはまってしまうと、
細部まで徹底的に追及してしまう
欲求があります。

ゲーム障害は基本的に終わりのないゲーム
(ネットゲーム)によって
引き起こされます。

ネットゲームは、
プレイヤーを依存させるために、
あらゆる心理的要素を取り入れています。

そのため、ASDの「こだわり」
によって、終わりのないゲームに
はまってしまい、抜け出せず
ゲーム障害に陥ってしまうのです。

また、ASD(自閉症・アスペルガー)の
人は、想像力の欠如、視野の狭さなどから、
簡単に騙されてしまう特徴があります。

ネットゲームの、あらゆる心理学を駆使して、
プレイヤーを依存させる手法が、
発達障害のASDと最悪な相性なのです。

課金ネットゲームがアスペルガーに危険な理由!無駄に依存する原因

発達障害のADHD
(注意欠如・衝動・多動性障害)の特性も
ゲーム障害になりやすいです。

衝動性の特性により、
ゲームをしたい欲求が抑えられず、
依存してしまうからです。

また、ガチャシステムと呼ばれる
確率で「レア」を当てて
射幸心を煽る心理との相性は最悪です。

低確率でしかレアは当たらないため、
何度もガチャに課金してしまう
欲求を抑えることが難しいのです。

レアを手に入れても
ネットゲームの場合、どんどん新しく
珍しいものが登場します。

ADHDの人の場合、
新しいものや限定品などに
興味がいきやすく、
衝動を抑えるのが難しいため、
依存してしまいます。

発達障害や引きこもり、
うつ病などの人は、
対人関係や仕事が上手くいかず、
自己肯定感が低いです。

そのため、自分の存在を証明したり、
自尊心を満たしてくれる
ネットゲームにはまりやすいです。

外での活動が上手くいかないことと、
ネットゲームの依存システムにより、
発達障害や引きこもり、
うつ病などの人は
ゲーム障害になりやすいのです。

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まとめ

スマホやネットの発達していない時代
であれば、ゲーム障害の人はほとんど
いませんでした。

家庭用ゲーム機では基本的に、
終わり(エンディング)があるからです。

ゲームセンターでも対戦格闘ゲームや
メダルゲームなど、終わりのないゲーム
ではありますが、目にみえてお金が
かかりますし、飽きることもあります。

しかし、現在のゲームは、
スマホでいつでも手軽にできますし、
永遠と続けさせる
飽きさせない心理を取り入れています。

課金の仕方も、単位が「円」ではなく、
「コイン」やゲーム独自の通貨表記にして、
ぼかしています。

また、ゲームに夢中にさせるための
さまざまな人間の心理を突いてくるため、
依存しやすいです。

普段の生活に影響が出ないように
抑えるのが難しいほど、
徹底しているネットゲームもあります。

例えば、毎日2~3時間継続して
プレイしないとレアが当たらないとか。

そのようなゲームにはまってしまうと、
依存だけでなく、心身に影響が出てしまう
ゲーム障害となるのです。

ゲーム障害を抱える人の7割は、
他の病気も併発しているといわれています。

発達障害や引きこもり、うつ病の人が
ゲーム障害になりやすいように、
ゲーム障害から引きこもりやうつ病に
なってしまうケースもあるのです。

ゲーム障害になってしまうと、
ゲーム依存よりも治療は難しいです。

視力の低下、前頭前野の機能の低下、
体の異常、止められない依存状態など、
脳や身体にさまざまな問題が
発生しているからです。

私も発達障害、引きこもり、
うつ病であり、ゲーム障害になっていました。

そのため、目の網膜の手術や
昼夜逆転による自律神経失調症からくる
甲状腺の病気、体の不調など
さまざまな悪影響がありました。

今はゲーム障害といわれるほど
ゲームに依存はしていませんが、
息抜きで遊んだり、ときおり猛烈に
ゲームがしたくなる欲求があります。

ゲーム以外にストレス解消や
楽しみがないため、
どうしてもゲームをしてしまうのです。

発達障害の特性のため、
のめり込んでしまう性格を自覚しているので、
今は何とか抑えています。

しかし、自暴自棄になったり、
何かしらのきっかけがあると、
1日中ゲームだけをする生活に
戻ってしまうと思います。

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