NHK「今日の健康全力サポート!」内で
限局性学習症(LD)を特集した
番組が放送されていました。

3回のシリーズに分けられており、
今回は第2回目となる限局性学習症(LD)。

第1回目
ADHDの子供が行動療法で症状が改善!?治療の秘訣とは?

第3回目
自閉スペクトラム症の定義の特徴と違い!子供の診断基準・理解と支援

限局性学習症とは、
「読む・書く」「聞く・話す」
「計算する・推論する」のいずれかが
困難になることです。

知能検査(IQ)では、全ての項目が低い
のではなく、一部の能力だけに凹凸が
みられます。そのため、限局性(一部)
と呼ばれているのです。

限局性学習症は、
ASD(自閉症・アスペルガー)、
ADHD(多動性/衝動性/注意欠陥)
併発していることもあります。

ただ、限局性学習症の場合は、
文字が苦手でも、想像力が高いとか
聞くことが困難でも、視覚には強いなど
他の能力が秀でていることも
あるそうです。

今回は、今日の健康全力サポート!内で
放送された「限局性学習症」の特徴、
病院での診断、支援の最新情報を
お伝えしていきます。

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限局性学習症の特徴

限局性学習症は、
読む・書く」「聞く・話す
計算する・推論する」のいずれかの
脳の処理機能に問題があります。

「読む・書く」

文字がにじんで見える
揺らいで見える
左右さかさまに見える
かすんでみる

文字の大きさ変になる
句読点を書き忘れる
似たような字と間違えて書く

「聞く・話す」

聞き間違いが頻繁におこる
考えをまとめて、順序立てて話せない
うまく言葉で言い表せない
言葉の理解が困難
音(長音・拗音)を聞き分けられない

「計算する・推論する」

数の概念が理解できない
文章問題が苦手
図形や表、グラフなどが理解できない

早ければ、幼稚園の頃に上記にあてはまる
症状がみられます。

テレビ放送内では、
限局性学習症の症状の中で一番多くみられる
読みの困難(ディスレクシア)について
取りあげられていました。

さくら→ちくら
(形の似た字を間違える)

はし→ほし
(似た字を間違えて書く)

じゃがいも→がじゃいも

小学1年生以降になると
限局性学習症の特徴がはっきりと
わかり始めます。

限局性学習症の症状がお子さんにあると
気づいたら、すぐに専門機関に相談する
ことが大切です。

ASDやADHDでも同じですが、
早期発見し、対策や支援を行うことで
子どもの二次障害を防げるのです。

限定性学習症では、
子どもが学習意欲があるのに、
特徴により、上手くできない。

自分はできない人間だと自己嫌悪に陥る。
自尊心が低くなる。

やる気がない、努力していないなどの
誤解を受けてしまう。

鬱病や不安障害、対人恐怖症など
さまざまな二次障害になってしまうのです。

限定性学習症の相談先

小児科・児童精神科
保健センター
子育て支援センター
児童相談センター
児童発達支援センター

限定性学習症の病院での診断基準

専門機関で限定性学習症を診断する場合は、
いくつかの検査項目があります。

CT・MRIなどを使って脳の病気や
異常がないかを検査・確認

知能テスト・心理テスト、
表現力や行動力のテスト

読み書き・計算・聞く話すの検査

これらのテストや検査を行い、
限定性学習症の診断を行います。

限定性学習症の周囲のサポート

限定性学習症は、
先天性の脳の機能の問題ですので、
ASDやADHDと同じく、
完全に治療することは困難です。

そのため、周囲の理解やサポートが絶対に
必要
となります。

限定性学習症の特性のために、
普通の人ができることができなかったり、
勉強が苦手な子が多くみられます。

子どもが困難に陥って、困りごとを
してしまったり、落ち込んでいるときには
絶対に叱ったり、注意をしてはいけません。

できないことを注意して咎めるよりも、
できることをみつけて、それを褒めて
あげることが大切です。

子どもが自身をつけることで、
やる気がでたり、前向きな思考になるのです。

自己肯定感や自尊心を低下させず、
育てることが、限定性学習症や
ASD、ADHDの子に必要なことなのです。

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限定性学習症の支援の最新情報

番組内では、限定性学習症の
「読むことが困難」な子をサポートする
最新の教材が紹介されていました。

解決の糸口は、デジタル教材です。

読むことが困難な子どもに開発された、
大きなタブレットです。
このタブレットには、学校の教科書全ての
同じ内容が収録されています。

このタブレットでは文章の切れ目ごとに
ハイライト表示(蛍光表示)や音声が出ます。

使用した子どもは、

これならいける
音が効きやすい
音読する時間が短くなった
読み誤りが少なくなった
読む力がどんどんついてきた

などの効果が現れました。

このタブレットを使用して一番よかったことは、

勉強が(理解できて)楽しくなった
学校が楽しく感じられる

など、限定性学習症の特性を緩和することで、
自信をつけ、他の事にも良い影響を
もたらしてくれるのです。

このタブレット
(マルチメディア デイジー教科書)は、
現在、全国で8000人以上使用しており、
普及が進んできているようです。

文部化科学省が普及促進を図っており、
全国規模で使用できるように
検討されているそうです。


JSRPDinfo公式サイトより

個人的にはスマホでも代用可能かなと
思いましたが(スマホ持っていませんが)、
字の大きさ、音声の問題など、
限定性学習症の特性に合わせた
タブレットでないといけないことに
気づきました。

プログラムだけでなく、子どもの使用感が
一番大切なのだと思います。

文部科学省の音声教材・概要

まとめ

今回は限定性学習症の特徴、
病院での診断、最新の支援などを
ご紹介しました。

日本ではまだまだASDやADHD、
LDに対する支援や、理解がアメリカや
ドイツ、イギリスなどよりも
遅れています。

それでも年々、日本では理解や予算などが
増えてきており、今回のタブレット
(マルチメディア デイジー教科書)の普及
にも力をいれています。

ASD、ADHD、LDの人がもっと
理解されて、サポートしてくれるような
環境が整ってくれることを期待しています。

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