勉強ができない、
人とのコミュニケーションが苦手。

私は周りの人と違うから
発達障害なのでは?
と思う人が多いようです。

最近急速に広まりつつある発達障害ですが、
定型発達(健常者)の人が間違いやすい
病気と明確な違いがあります。

発達障害には、
ASD(自閉症・アスペルガー)、
ADHD(衝動性/多動性/注意欠陥)、
LD(学習障害)
があります。

ASDは想像力が著しく欠如している、
五感の感覚が異常に敏感、
こだわり。

ADHDは、頭の中が常にざわついている、
衝動を抑えられない、
不注意が治らない。

LDは、読み書き、聞く話す、
計算などが著しく困難。

この3つの特性の症状と、
二次障害として起こる症状が、
定型発達(健常者)の人が環境的、
外部的な要因から引き起こされる病気と
同じ症状
が表れることがあります。

発達障害の特性はわかりやすく、
見分けるのは容易です。

ウエクスラーIQ検査や問診で
ほぼ判明すると思います。

発達障害と間違えられやすい
病気の症状が出て、気になった場合は、
専門機関や精神科で調べてもらうことを
おすすめします。

今回は、発達障害と間違えられやすい
病気の症状についてお伝えしていきます。

Sponsored Link

発達障害と勘違いしやすい病気

発達障害の特性がある子どもは、
学校や家庭内で特徴のある問題が
起こりやすく、判明は容易です。

問題は、大人になるまで発達障害が気づかれず
二次的な問題として引き起こされる病気です。

この病気の症状が定型発達(健常者)の
環境的、外部的な要因から引き起こされる
病気と同じ症状であることから、
自分は発達障害では?」と
勘違いしやすいのです。

では具体的にどのような症状が
「自分が発達障害かも?」と思う
病気なのでしょうか。

鬱病

うつ病になるきっかけはいくつかあります。

無理な仕事をたくさんしすぎてメンタルが
壊れてしまう場合。

友人や親族などの身近な人との別れ。

新しい環境に馴染めず、我慢のしすぎ。

原因は人それぞれですが、
全て脳の神経伝達物質の異常が
引き起こされて、うつ病となります。

うつ病の症状は、
全てのことに無関心になる、
眠れない、食欲がない、疲れがとれない、
気持ちがずっと沈んているなどがあります。

この症状が発達障害と似ているため、
勘違いしやすいようです。

鬱病はASD(自閉症・アスペルガー)の
特性と似ています。

人との関りを持ちたがらない。
無表情で笑顔がない。
無気力で、興味関心が少ない

また、ADHDの睡眠障害もあります。

うつ病が「実は発達障害だった」ということ
もありますし、逆のパターンもあります。

また、発達障害の特性によって
生きずらさを感じ、
鬱病になってしまうケースもあります。

うつ病になりやすい人は真面目な方が多く、
ASDの人も特性により、嘘をつけず、
真面目な人が多いです。

自分は周りの人と違うと感じて、
うつ病のような症状が出ているようであれば
発達障害を疑った方がいいかもしれません。

Sponsored Link

強迫症

強迫症とは、不安があることに対して何度も
繰り返し確認してしまう反復行動のことです。

例えば、ガスの元栓の閉め忘れが気になって
何度も確認してしまう

玄関や車の鍵の閉め忘れていないか、
不安になり、繰り返し見に行ってしまう。

自分が不安になったり、
気になることがあると、
何度も確認しないと気が済まなくなります。

この強迫症は、ASDの特性である
こだわり」の行動と似ています。

ASD(自閉症スペクトラム)の
スペクトラムとは連続するという意味です。

「こだわり」の連続性による繰り返し行動と
強迫症の繰り返し行動が似ていることから
発達障害と勘違いされることがあります。

強迫症は外部的、環境的な要素が原因
発症します。

例えば、母親が潔癖症で子ども時代に
何度も手を洗わされたり、
厳しいしつけによる影響もあります。

発達障害のこだわりは、先天性の特性です。
生まれた時点からの症状ですので、
強迫症が現れた時期が遅ければ、
こだわりの特性ではないということです。

私も強迫症になったことがあります。

一人でお墓参りに行ったときのことです。
線香の束の火がちゃんと消えているかどうか
気になってしまい、10回以上お寺を
入ったり出たりして、お墓を確認しに行って
しまいました。

風が強くて、他の所に飛び火していないか
不安になってしまったことが原因でした。

私はASDでこだわりの特性もあります。
ですので、強迫症とASDのこだわりの
両方が出たのだと思います。

摂食障害

精神的な影響から、食べすぎや、
全く食べない状態に陥る
拒食症」と「過食症」が摂食障害です。

太るのを怖がって食べなかったり、
対人関係や環境によるストレスから
食べ過ぎてしまうなど、心理的な
ストレス
が原因です。

食行動の異常から、発達障害のASD
(自閉症スペクトラム・アスペルガー症候群)
の症状と似ています。

ASDでは「こだわり」の特性から、
極端な食生活をしてしまいます。

例えば、パンしか食べない。
赤飯や混ぜご飯などが苦手で
白いご飯しか食べないなど。

お菓子やジュースなど、甘いものを
食べることに執着(こだって)しまい、
肥満となり、摂食障害の拒食症と
間違えられることもあります。

社交不安症

人にどう見られているのか、
その場に合った振る舞いができているか、
など、人前で強い不安や緊張を感じて
しまい、苦痛を感じる精神障害です。

身体が震えたり、強い動悸、赤面症、
発汗、気持ち悪くなる、声が震えるなどの
症状が現れます。

また強い不安や極度の思い込みがあると
パニックにもなることもあります。

脳内物質のセロトニンの機能不全による
精神バランスのみだれが原因であると
いわれています。

発達障害のASD(自閉症・アスペルガー)
にも似たような症状があります。

ASDには、コミュニケーション問題の特性
によって、対人関係が上手くいきません。

また、社会性の欠如により、
その場に合った行動や言動も
うまくできないのです。

セロトニン不足もASDの原因だと
いわれています。

ASDの最大の特徴である
コミュニケーションと社会性の欠如から
社会不安症と同じような症状になって
しまうのです。

私自身も、ASDの特性と社会不安症の
症状が完全に一致しています。

ASDの特性によって社会不安症のように
なってしまい、社会不安症も発症した
感じです。

Sponsored Link

総合失調症

幻覚症状や妄想などの思い込みから
独り言やひとり笑い、変な言動を
してしまいます。

幻覚症状では、本来存在しない物を、
感じたり、聞こえたりして
意識してしまい、暴れたり
錯乱することもあります。

妄想では、
人が自分の悪口を言っている」、
誰かに見張られている気がする
など、本来ありえないことが
脳内で肯定化され、被害妄想
引き起こします。

統合失調症になると、
集中力や記憶力が落ち、
片付けや計画性ができなくなるなどの
認知障害がおこります。

原因は、脳内神経伝達物質の乱れが
影響しているといわれています。

発達障害にも似たような症状があります。

ASD、ADHDによる独り言や、
意味の通じにくい言動。

ASDの社会性の欠如から
その場にそぐわない行動や服装。

ASDのこだわりから引き起こされる
思い込みによる幻覚、妄想
フラッシュバックからの被害妄想。

統合失調症と発達障害は症状が似ており、
誤診されることもよくあるそうです。

パーソナリティ障害

極端なものの考え方や、
本人の性格がより強く出てしまい、
普通の人とは違う言動や物事の捉え方を
してしまいます。

対人関係や社会生活において、
浮いた存在となり、
本人は非常に苦痛を感じてしまいます。

自傷行為や反社会的な行動をとってしまう
こともあります。

発達障害でも同様の症状があります。

ASDでは、
人との関りが苦手だったり、
逆に積極的にかかわるなど、
変な人と思われてしまいます。

こだわりの特性では、頑固だったり、
自分主体の考えから、性格が尖鋭化
していると思われることも。

細部にこだわったものの見方や
想像力の欠如から、
普通の人とは違う考えを持っていると
思われてしまいます。

発達障害の特性の影響による二次障害で
パーソナリティ障害になることもあります。

パーソナリティ障害も発達障害と
似ていることから、誤診されることも
よくあるそうです。

Sponsored Link

まとめ

最近では、自分が発達障害と感じて、
専門機関や精神科に診察に訪れる人が
増えているそうです。

私も15年以上引きこもっており、
なんでこうなってしまったのだろうと
調べていくうちに「発達障害」を知って
大学病院に診察しに行きました。

そこで受けたWAIS-III成人知能検査と
問診による診察で、
広汎性発達障害と診断されました。

発達障害と気付かれず人生を過ごした男の末路

ですが、大人になって発達障害と診断
されても手遅れです。

さらに、社会人の方や家庭を持っている人が
発達障害と確定されても、
良いことはないと思います。

周囲の理解がない人には距離を置かれる
こともあります。

会社では、昇給や昇進の影響にもなります。

さらに発達障害の障害者枠で働こうとしても
給料は激安で昇給や昇進はほぼ見込めません。

そして障害者雇用は、精神系の問題よりも
身体障害者の知能がまともな人の雇用が
圧倒的に有利なのです。

子供の頃に診断されていれば、
理解やサポートを受けながら
成長していくことができます。

もし自分が普通の人と違って
上手くいかないから発達障害かもと
疑ってみるのは良いと思います。

その可能性は高いかもしれませんし、
今回ご紹介した病気の症状だったのかも
しれません。

どちらにしても、原因を突き止められて、
症状を改善させていくことが
必要だと思います。

しかし、発達障害と診断されたら
かなりショックを受けるかもしれません。

先天性の脳の病気であり、
現代医学では治らないからです。

さらに子供に遺伝もします。

日本ではまだまだ発達障害の理解や
サポートも、世界と比べると劣っています。

大人になって発達障害と診断されることほど
酷い現実はない
、と私は思います。

ただ、今まで人生を生きてきたなかで、
苦しく辛い思いをした理由が判明することは
精神的には良いと思います。

Sponsored Link