NHKテレビで18:10~放送されている
「首都圏ネットワーク」の番組内で、
中高年(大人)のひきこもりを特集して
いたので、見てみました。
私自身が15年以上(厳密には16年と
8ヶ月くらい引きこもっています)
ということもあり、興味深い内容でした。
今回は、NHKのテレビ番組
「首都圏ネットワーク」内で放送された
引きこもり特集のあらすじと感想、
不満に感じた点、ネット(2ch)の意見
などを書いていきたいと思います。
NHK首都圏ネットワーク引きこもり特集の内容・あらすじ・感想
1人目は、41歳男性の方。
引きこもり歴は10年以上。
大卒でしたが、当時、就職氷河期の時代で
飲食シェーン店に就職しました。
しかし、ブラック企業だったようです。
拘束時間の長い労働環境と
不規則な労働時間で
身体を壊してしまいます。
29歳のときに退職されたので、
約6~7年間、辛い環境で耐えていた
と考えられます。
再就職をしようとしたが、
第2就職氷河期のリーマンショック時代。
求職者が大量に溢れており、
就職しようにも不採用され続け、
精神的に追い込まれてしまいます。
(うつ状態のような感じで)
10年以上引きこもっています。
母親は、息子が
「生きていく方法がわからない、
闇の中にいるような状態」。
母親は何とかしようと(引きこもりの)
専門家の本を読んだり、精神科医に
相談します。
少しずつ外出はできるようになったけど、
働くことはできない。
親がいなくなった後、
息子はどうなってしまうのか。
1人目の引きこもりの方は
このような理由でした。
私とほぼ同じような年代で
超就職氷河期を経験された人であり、
引きこもりということで
共感できるものがありました。
当時の就職難は異常です。
求職者に対しての採用率が
異常なほど少ない、しぼっている
状態だったのです。
優秀な人ですらブラック企業にしか
就職がないような時代。
1人目の引きこもりの方は、
明らかに就職氷河期の不運という
外的要因によって
引きこもりに落とされました。
ブラック企業で精神と肉体を壊され、
頑張ってもまったく報われない就活。
これは一体だれの責任なのでしょうか。
少なくとも本人のせいではない、
と私は思います。
確かに、頭がすごく良かったり、
コネがあったり、運が良い人は
生き延びれたと思います。
でも普通の人には、無理です。
この人がリーマンショック以降の
就活生であれば、今の引きこもりの
状態にはなってはいないでしょう。
明らかに時代が悪すぎたのです。
2人目は、52歳の男性。
引きこもり歴は30年以上。
人間関係が苦手で高校を中退。
親がいなくなり、頼れる人もいない。
話し相手がいない。
自分で困ったことを解決することが
できない。
支援者の片岡さんは、
「何でこんな長く・・・」
「本当に孤立ですよね・・」
片岡さんは、時間をかけて外に出れるように
してあげて、働く場所も見つけてきました。
仕事は、農家の収穫作業のお手伝い。
52歳の引きこもりの方は、
「案外(仕事は)大丈夫でした」
「仕事をしていないと、人と関われない」
片岡さんは、
「(作業ができている様子に)一安心」
「引きこもりの方への支援は、長期に渡り
継続的な支援が必要だと感じました」
2人目の引きこもりの方は
このようなあらすじでした。
まっさきに思いついたのは、
私と同じASD(自閉症・アスペルガー)
ではないかということです。
対人関係が苦手と冒頭で紹介されています。
しかし、対人関係が苦手だけで
30年以上も引きこもるわけがありません。
絶対に発達障害のASDだと思います。
ASDによるコミュニケーション問題や
社会性の欠如によって、
引きこもりになったと思います。
ASDの対人関係の苦手(コミュ障)は、
定型発達(健常者)には理解されないほど
難しいものです。
頭が良い(IQが高い)人との会話が怖いASD(自閉症・アスペルガー)
発達障害ASDの先天性コミュ障(話し方や会話力)のハンデは酷い
50代の方なので、育った環境は
もちろん発達障害の概念が無い時代です。
発達障害ASD(自閉症スペクトラム・
アスペルガー症候群)は、
周囲のサポートや理解がない環境で育つと
最悪な学生時代~大人までの人生を
歩んでしまいます。
対人関係が苦手で高校中退し、
引きこもりになったということで、
相当辛い目にあってきたと思います。
それを考えるだけで私は、
本当に可哀想で辛い気持ちになります。
普通の人と同じようにしたいのに
それができない辛さ。
そして、周囲の人から変な人にみられたり
避けられ、嫌われてしまう。
それがどれだけ辛いかは、
当事者以外、定型発達(健常者)には
絶対にわからないと思います。
この方は、引きこもっている間も
人との関りを持ちたいと願っていました。
今は徐々に働けるようになり、
社会との接点ができ
人との触れ合いが可能になりました。
農家の作業ということで、
周囲の作業員もご年配の優しそうな
感じの人たちです。
今までできなかった
人ととの関りを頑張ってほしいと思います。
中高年ひきこもり特集のネット(2ch)の反応
2chのNHK実況板で
この番組を見た人の意見や反応を
まとめてみました。
自分なりの反論を交えてご紹介します。
氷河期を言い訳にするな
いや、就職氷河期を乗り越えた人の意見なら
多少は同意できます。
しかし、あの時代の就職難は尋常では
ありません。
優秀な人や専門的な強みがある人以外は
ほとんど無理です。
仮に就職できたとしても、未来の無い
安月給だったり、ブラック企業なのです。
そして、一度会社を辞めてしまうと、
再起するのはほぼ不可能でした。
精神科も保健所も役に立たない
その通りです。
精神科は、メンタルのケアを相談する
所であって、引きこもりの相談をしても
有用なアドバイスは得られません。
また保健所も地域によっては違うと
思いますが、引きこもりにはほとんど
意味がないです。
私も地元の保健所に電話で相談したこと
があるのですが、適当な受け答えをされ
てしまいました。
引きこもりについての具体的な解決策は
まったくありません。
しょうがないから話を聞いてやっている
というような印象しか受けませんでした。
引きこもりに肉体労働は無理では?
確かに1日中トイレや食事のとき以外
まったく動かない生活をしていると
肉体労働はきついです。
でも、思考を必要としない
身体を使う作業であれば、
病弱でない限り、
慣れれば誰でも体力はそのうち
ついてきます。
私も筋トレを始めて、
体力がつきました。
(病気の影響で一般人以下ですが)
人間関係が苦手な人も無理して頑張っているから引きこもらないで頑張れ。
ASD(自閉症・アスペルガー)に
とって、対人関係の苦手さは
定型発達(健常者)の比ではありません。
会社で絶対に孤立してしまいます。
ASDは、周囲の支援やサポート、
理解される環境でなければ、
精神が崩壊します。
まとめ
この引きこもり特集の番組を見て
不満に感じた点は、
10分前後の番組でしたので、
内容が薄いと感じたことです。
当事者が何故、引きこもりに
なってしまったのか、具体的な
描写がありませんでした。
一人目に関しては、ただ単に
親が引きこもりの息子を
どうすればいいのか悩んでいる
表現だけです。
二人目に関しては、
どのような状態でサポートする人が
外の環境に慣れさせ、
仕事に行けるようになるまで
支援していたのかが謎です。
10分前後の特集番組ということで
端折る必要があったと思いますが、
もう少し長い時間で
引きこもりになった経緯や辛さ、
サポート方法などを
取り入れて欲しかったと思います。