インターネットの掲示板で
アスペが~」というフレーズを
見たことのある人が多いと思います。

アスペ=ダメな人
というイメージが世間的に定着しており、
変なことを書き込んでいる人に対して、
バカにしているのです。

実際、アスペルガー当事者として、
他人に対して無意識に不快にしてしまう
言動があるので仕方がないと思います。

しかし、どうしても相手の気持ちを考えて
言葉を選んだ発言ができないのです。

悪気はなくても、
普通の人には失礼と感じられる
ことを言ってしまうのです。

アスペルガー(ASD)の人は、
人とのコミュニケーションにおいて、
感じたことや思いついたことを
すぐに言ってしまい、
嫌われたり、避けられてしまいます。

本人としては、普通に会話をしている
つもりなのですが、無意識に言葉が
出てしまうのです。

相手が不快に感じていることにも
気づけず、深刻化することもよくあります。

何故、思いついたことをストレートに
言葉にしてしまうのか。

原因として、アスペルガー(ASD)の
特性である想像力の欠如思考の狭さ
マルチタスクの困難などが挙げられます。

相手の気持ちを推し量ることを想像できず、
失礼なことを言ってしまう。

物事を多角的に捉えることができず、
思いつきがほとんどない。

話すことに集中してしまい、
他のことを考えることができない。

などが主な理由です。

私も子どもの頃から、
思いついたことを何でも言ってしまい、
嫌われ、避けられ、イジメられ続けました。

大人になると、人から相手にされない、
無視される、ヤバイ奴と思われてしまいました。

自分でも何でこうなってしまうのかと、
まったく理解できていませんでした。

そして今更、アスペルガー(ASD)の特性が
原因と分かっても遅すぎです。

これからは気をつけようと
思っていても、治すことも難しいです。

人の性格を変えるのが難しいように、
アスペルガーは治らない脳の異常であり、
改善することが非常に困難なのです。

モデルであり俳優の栗原類さん(ASD)が、
アスペルガーの「思ったことを言ってしまう」
状態の改善に、主治医に言われたことがあります。

栗原類の発達障害の症状とは?同じ悩みの人に伝えたいこと

アスペルガーは思考のブレーキができない
正確な状況判断ができない

これを改善するためには、

思考する時間をとる必要がある

と主治医にアドバイスされていました。

栗原類さんも、これを実践して
良い影響を受けたそうです。

アスペルガーの「思ったことを言ってしまう」
状態を改善するには、唯一の対策方法だと
思います。

しかし、実際に人とのコミュニケーションの
場面になると「改善法」は忘れてしまいます。

話すことに集中してしまったり、
会話のテンポを考えて、
十分な思考時間をとれないからです。

また、時間をかけて考えたとしても、
思いつかないのです。

思慮分別がなく、思いつくことが
ほとんどないため、
唯一、思いついた一つのことを
言葉にして話してしまうのです。

そのため、アスペルガーの人が、
他人とのコミュニケーションを円滑に
するためには、聞き手に徹するか、
ひと言、二言で済ませるしかありません。

暗い奴、冷たい人と思われてしまっても、
嫌われたり、避けられたり、イジメられる
よりは全然マシです。

現代社会において、
ASD(自閉症・アスペルガー)の
コミュニケーションの問題は、
酷すぎる特性だと思います。

学校でのコミュニケーション、
会社(社会)での言動、
雑談ができないなど、
さまざまな場面で誤解され、
浮いた存在となってしまうのです。

アスペルガーの人が
「思いついたことを言ってしまう」状態は
いくつかの心理的状況にわけられます。

Sponsored Link

純粋・正義感が強い

アスペルガー(ASD)の人は、
嘘がつけず、わかりやすいため、
純粋な人と思われます。

また、正義感も強く、、
規則や規律などを守ることを
絶対視しています。

学校の先生や医師、政治家など
権威のある人に対しても、
絶対に正しいと思い込んでいます。

自身も人として正しいふるまいを
しようと常に心掛けているのです。

そのため、人との会話において、
間違ったことや、自分が正しいと
思ったことに対し、
はっきりと口に出してしまいます。

状況的にそれを言ってしまうと
まずい場面でも話してしまい、
自分に不都合が訪れてしまうのです。

周囲の状況が理解できていない

ASDは人が悲しんでいたら、
励まそうとはしますが、
言葉が思いつかずに、
間違ったことを言ってしまい、
余計に悪化させることがよくあります。

また、場にそぐわない言動も
してしまいがちです。

礼儀が必要な場面で、
ずれた敬語や、思いついた変なことを
言ってしまいます。

私が会社員として働いていた頃(2ヶ月)、
研修がありました。

問題ができた人から、前に出て担当者に
見せに行く場面がありました。

当然、周囲の人は静かにしていて、
社会人としての振る舞いをしていました。

しかし、私は周囲から孤立しており、
「何とかしないといけない」
と焦っていました。

そして、担当者に問題の解答を見せにいく
列に並んでいるときに、
前の人に話しかけてしまいました。

その人は、以前、就職活動で別の企業の
時に出会った人に物凄く似ていました。

私はその人がその時の本人だと
思ってしまい、話しかけてしまったのです。

もちろん勘違いで、違う人でした。

衝動的に行動してしまったことと、
思い付きで、適当なことを話してしまい、
余計に周囲から孤立する原因と
なってしまったのです。

感情のコントロールができない

アスペルガー(ASD)は普段は冷静
ですが、一度感情に火がつくと、
止められなくなります。

そのため、相手がどう思おうとも
自分の感じたことや思いついたことを
抑えられず、言ってしまいます。

周囲からはその出来事があまりにも
異常に映ってしまい、
ヤバイ奴と思われてしまうのです。

アスペルガー(ASD)は特性により、
感情のコントロールが苦手で
パニックになりやすくもあります。

発達障害(自閉症 アスペルガー)パニックになる原因や特徴と対処法

パニックになると余計に思考力が
落ちてしまい、
会話が変になってしまうのです。

Sponsored Link

まとめ

アスペルガーの人は、自分の発言が
相手にどう思われているのか、
想像することができません。

そのため、思ったことを口にして
問題が起きたとしても
何が悪かったのか理解することが
難しいのです。

また、周囲の状況を考えることが
できず、感じたり、思いつくことが
ほとんどできない為、
思いついた一つのことを
言ってしまうのです。

自分では気をつけようと対策しても、
いざその場面になると、
「話し」に集中してしまい、
考えられないのです。

普通の人(健常者)がどのように
相手の気持ちを想像して会話を
しているのか、物凄く知りたいです。

頭の中でどのような思考になっているのか。

物凄く興味深いです。
そして、コミュニケーションが円滑に
行える定型発達が羨ましすぎます。

人生を生きていく上で必須の
「コミュニケーション能力」が劣っている
アスペルガー(ASD)は、
酷すぎる特性だと改めて感じました。

Sponsored Link