発達障害のASDと引きこもりの相性は最悪だと思う。
理由は、一度引きこもってしまうと環境も思考も変化させるのが難しくなるからです。

何故私が23年以上(現在)も引きこもり続けてしまっているのかというと、過去の酷い体験や精神状態など様々な問題があります。
でも、やはりASDの未来思考が苦手すぎることが原因だとも思います。

普通の人であれば、「このまま引きこもっていたらまずい」と気付いて、自然と行動できることがあります。(たぶん)
また、何かのきっかけで行動することになったり、しなければならない状況になった時、危機感から引きこもり脱出の計画を立てたり、なんとか状況改善を試みるはず。
成否に関係なく。

でも発達障害のASDの場合、自分の現状から将来の姿や状況など、考えられないというか、ぼやけてしまうのだと思います。
もちろんすべての発達障害の人がそうというわけではないけれど、先々の考えて今どうするべきなのか、何をするべきなのかというような思考や想像が難しいのです。

実際、私も長期の引きこもりになってしまったのは、「今抜け出さないとどんどん苦しくなる」というようなことは10%くらいは何となく感じてはいるのですが、それでも何も行動できない。

数か月後、数年後の有様がもっと酷いのに現実感が全くない。
どうしようかと考えようとすると、現実逃避をする。

さらに、ある程度完璧に近い計画ではないと気が済まない完璧主義やゼロサム思考の問題もあると思う。
引きこもりを抜け出した後も、今の安定したメンタルを保てる保障。
誰にも恥ずかしい思いや劣等感を抱えたりせずに、リアルで活動できるようになる等。

その他にも、引きこもり脱出が完全に成功したり、普通の人にある程度近づける状況になる、というような確信がないと、いつまでたっても行動できない。

もちろん、そんな保証はどこにもなく、また誰も助けてはくれない。
自分で何とかするしかない。
そして、ほぼ不可能だということがおぼろげながらわかってしまっている。

だから、いつまでも「無理」というような気持ちを抱えて、それを言い訳に引きこもり続けているのです。それが未来がどんどん苦しくなって、絶望へ向かっているとも気づかずに。

発達障害のASDは普通のひきこもりの人には無い、様々なしがらみや問題を抱えてしまっています。
だから、発達障害の人が引きこもりになるのは、本当に危険だということを身をもって知りました。

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発達障害と引きこもりの相性問題

発達障害の引きこもり併発する確率は普通の人よりは絶対に高いし、抜け出せないレベルも段違いです。
発達障害の特徴がそうさせてしまうのですが、問題はそれだけでなく、自分で何でそうなってしまうのか気づけないのがもっとひどいと思う。

ASDやADHDの脳は自然と、環境の変化や予想外の出来事に敏感すぎたり、逆に注意が散りすぎてまとまらなかったりと、普通の人とは違う部分でエネルギーを消耗してしまうからです。

ASDの場合

ASDは環境の変化や普段と違うことをするのが非常に苦痛だったり苦手です。
なので、長年引きこもっていると、その環境が当たり前になってしまうので、抜け出すのが本当に難しいです。

何でこれほど、新しい事や未知の事に対する腰の重さや不安、めんどくさいなど、脳が拒絶反応してブロックしてしまうのでしょうか。
普通の人ではない、ASD特有のそういう脳神経の回路で生まれてきてしまったのは事実だけど、明らかにバグのようにおかしい。

よく言われているのが、ASDは「安全」と感じた環境にとどまろうとする力がとても強い、ということです。

たとえば、外の世界がどれだけ明るく、優しく見えたとしても、脳は「今いる場所のほうがずっと安全だよ」と必死で守ろうとする。
その守る力が強すぎるせいで、本来は望んでいるはずの変化までブロックしてしまうのです。
脳が過剰に守ろうとしているシステムの暴走なのだと思っています。

ということで、ASDと引きこもりの相性は最悪で、抜け出すのは当事者がどれだけ頑張っても難しい。
他者の協力や強制力が必要だと思っています。

ADHDの場合

ASDとはまた違い、ADHDの人が引きこもりに陥る理由は、動けないのではなく、動けすぎるのに続かない、という脳の問題があります。
ADHDの脳の特徴である 「注意の散りやすさ」や「衝動的な思考」 が日常生活の中で良く起こり、気持ちがすぐに疲れ切ってしまう状態になるからです。

私自身はASD120%ですが、ADHDの注意力や集中力の低さなどもかじっていると思っています。
その影響から、何かをしようと試みても、少し間が開いたり立ち止まる変化が起きると、他の事をしようとしてそっちに集中が行ってしまうことがよくあります。

ADHD的な部分も混ざっていると、自分でも自分の行動がコントロールしづらくなるのです。
ASDとは、まるで正反対のような特徴も、引きこもりと相性が悪いと思います。

ADHDの人が引きこもりに陥りやすい理由としてよく上げられるのが、

  • 気分が変わりやすく、生活リズムが安定しにくい
    →外出するタイミングが読めなくなる
  • 衝動性があるので、行動が続かない
    →人間関係や仕事がうまくいかず、自己否定が強まる
  • 片付け・整理・準備などの“段取り”が苦手
    →外へ出る前の段階で疲れ切ってしまう
  • 興味がないことに手がつかない
    →外出のための準備行動が“永遠の後回し”になる

このような問題で、気づけば部屋の中が一番落ち着く場所になってしまうということです。

実はADHDの人も一人では抜け出しにくい

ADHDの引きこもりは、ASDとは違う理由で「自力での脱出が難しい」と言われています。

  • 行動が散漫になる
  • 計画が立てられない
  • モチベーションが急に落ちる
  • 小さな失敗で心が折れやすい

脳の問題なので仕方が無いのですが、本人がどれだけ頑張っても空回りしてしまい、サポートなしでは生活の立て直しが困難になってしまうのです。

なのでADHDの人も、誰かの手助け無しに自ら引きこもりを脱出するのは難しいと思っています。

ASDやADHDだけでなく、発達障害の定義に当てはまる人全般に言える事なのですが、やはり個人で何とかするのはかなり困難すぎるということです。

発達障害は引きこもりになってはいけない

ということで発達障害の人は、引きこもりになる前段階で何としてでも踏みとどまらなければならないです。

私の場合、会社を4カ月で辞めてからとにかく絶望していたので引きこもらざるを得なかった。
特に対人関係が壊滅的で、同期の人と全く交流が出来なかった。

そして、すぐに一人になり、噂されたり使えない奴扱いされるなど。
それ以前に、最初の少し会話をして交流した時点で、「ヤバイ奴」認定されてしまっていた。

最初は気づかないけど、数日たつとさすがに鈍感なASDでも分からされてしまいます。
そして、学生時代からイジメられたり、避けられたり、嫌われた経験から「またか」という状態になり、もう働くのは無理、というか辛い気持ちになり、引きこもるしかなくなったのです。

もちろん能力的にも圧倒的に劣っていて、劣等感から「もう無理」と判断してしまったのもあります。

このように、発達障害の人は過去や現在に普通の人には無い苦しい想いをしてきたと思います。
でも、それでも、そこで我慢してなりふり構わず心を殺して、リアルにしがみつくべきだと強く思います。

一度落ちてしまうと、本当に現実で頑張るのが難しくなってしまう。
特に発達障害の人の場合は、普通の人には無い世間や社会で辛いことが沢山あるからです。

なので、精神科や専門家に相談する、周囲の人の理解を得るなどして、何としてでも引きこもりになってはいけない。
引きこもってしまうと、本当に脱出が困難だから。

まとめ

今回は、発達障害と引きこもりの関係性について考えてみてました。

問題は、発達障害があると普通の人の何倍も人生がハードモードになる確率が高くなり、引きこもりになる可能性も増してしまうということです。

そして一度引きこもりになってしまうと、抜け出すのは容易ではない。
ASDにもADHDにも、それぞれ違うつまずきやすさがあり、その特徴が引きこもりと結びついてしまうと、当事者が独自で頑張っても難しいです。

なので、発達障害の人は引きこもりになってはいけない。
なりそうだったとしても、必死でなりふり構わず現実世界に留まるのが絶対です。

ただ、その場合、ストレスやメンタルが耐えられるかどうかの問題があります。
私は無理でした。
生まれつき精神の異常な弱さやその他の様々なハンデがあり、「もう絶対に無理」と諦めてしまった。

でも、もし発達障害で引きこもりになりそうだったり、リアルから逃げたくなったら、踏みとどまって欲しい。
心療内科に相談したり、周囲の人に相談するなど、使えるものは何でも使ってリアルを頑張って欲しいと思います。

一度引きこもりになると、普通の人でも現代の日本では異端扱いされてしまうし、その空白期間がハンデとなってしまう。
まして発達障害を抱えているとなると、様々な面で大変になってしまう。

だから、個人で頑張らずに誰でもいいから相談して、引きこもりにならない解決の道を見つけて欲しいと思います。

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