発達障害のASD(アスペルガー)の人には、どのようなアルバイトが適応しやすいのでしょうか。
私はASD当事者であり、過去にアルバイトをいくつかしたことがあります。
しかし、ASDの特性により、長続きしない、嫌われる、バイトに応募しても受からないなど、辛い経験があります。
特に、臨機応変が求められるバイト先だったり、少しでも人間関係が必要な職場では、ほとんど上手くいかなかったです。
その他にも、バイトを始めて1~2カ月経過すると、居場所が無くなったり、居づらくなる状態になってしまっていました。
逆に、派遣で1日だけの付き合いだったり、流れ作業的な決まりきったバイトの場合は、ある程度続いていました。
ASDもADHDと同様に、自分の適正にあったアルバイトを見つけないと、長続きは難しいと私は思います。
adhdに向いているバイト探しガイド:自分の強みを活かす仕事とは
そこで今回は、発達障害のASD(アスペルガー)の人に向いているアルバイトや、ASDの特性を考慮した仕事を考察していきたいと思います。
ASD(アスペルガー)のアルバイトの適正診断テスト
発達障害のASD(アスペルガー)の人の全てが同じ特性や症状があるわけではありません。
私の場合は、異常なほど想像力が欠如していますが、ASDの人によって高低差はあります。
また、こだわりやコミュニケーション能力の差も人それぞれです。
五感の過敏性にも違いが見られます。
ASDとADHDの両方が併合している人もいます。
なので、一概にどの職種のアルバイトがASDに良いのか、不適合なのかというのは言えません。
そこで、ASDの特徴を考慮して、向いているアルバイトのセルフチェックプログラムを作成してみました。
これらの質問は、ASDの特性をより深く理解し、個々の適性に合ったアルバイトを見つけるための手助けとなることを目的としています。
診断結果は、回答者が自分自身の特性をよりよく理解し、適切な職場環境を探すための一つの指標となります。
ただし、これはあくまでガイドラインであり、実際の職場選びには、個人の経験や職場での体験も重要です。
また、発達障害の特性を理解し、サポートしてくれるバイト先(職場)を選ぶことも大切です。
ASD(アスペルガー)の人に向いているバイトとは
ASD当事者の私の経験からでは、一人で黙々と作業できる仕事だと思います。
もしくは、ルールや規則が決まっており、想定外の作業をさせられない。
そして、臨機応変や自分で考えて行動しなければならない、というような仕事内容はダメです。
具体的には、倉庫作業、流れ作業、PCの入力業務、引っ越し(体力があれば)、スーパー(品出し、レジ)、警備員など。
派遣も候補には入りますが、内容によります。
一人で黙々と作業系であればOKですが、集団で何かをしなければならない業務は上手くいかない可能性が高いと思います。
以上が私の経験からくるASDの適正バイトです。
しかし、ASDの特徴も人によって違いますし、向いているアルバイトも異なります。
ASD(アスペルガー)の人に向いているバイトとは、個々の特性に合わせた選択が重要です。以下は、ASDの特性を持つ人におすすめのバイトの例です。
図書館のアシスタント
図書館での仕事は、本の整理や貸し出し業務など、一定のルーティンがあり、静かな環境で集中して作業できるため、ASDの方に適しています。
データ入力のアルバイト
データ入力は、詳細な注意を払いながら単純作業を繰り返す仕事で、集中力を要するため、ASDの方に向いていると言えます。
在庫管理・商品整理
スーパーやコンビニでの在庫管理や商品整理は、決まったルールに従って作業を行うため、ASDの方が得意とする領域です。
ラボアシスタント
研究室でのアシスタント業務は、実験の準備やデータ収集など、細かい作業が多く、ASDの方の強みを活かせる可能性があります。
プログラミングのアルバイト
プログラミングは論理的思考が求められ、個々のペースで作業を進めることができます。プログラミングスキルを持っている場合、フリーランスでの案件や、IT企業でのインターンシップなどが適しているかもしれません。
ASD(アスペルガー)が向いていないバイト
ASDの特性は人それぞれですので、向いていないアルバイトもその人次第です。
個人的には、ASDの人に向いていないアルバイトは少ないとは思います。
何故なら、ASDの人は慣れれば、人並み以上に生産性があると感じるからです。
一度、自分のパターンややり方をマスターすれば、それを永遠と繰り返すのが得意な傾向があるからです。
ただ、実際問題、その慣れる(理解する)までが大変なのです。
その過程において、人間関係や、ASDの特性による失敗が重なってしまい、アルバイトを辞めざるを得なくなってしまうことがあるのです。
もう1つASDに向いていないアルバイトとしては、自分で考えて行動しなければならない仕事だと思います。
私もそうですが、視野が狭く、想像力が低いので、自分で考えて行動しても、効率が悪かったり、間違っていることがよくあります。
また、臨機応変に対応するのも難しいので、そのようなバイトは難しいと思います。
以下は、ASDに向いていないと思われるバイトです。
接客業
お客さんとのやり取りが多い
予測不能な対応が求められる
ちょっとしたミスが大きな波紋を呼ぶことも
営業職
「ノルマ」という名のドラゴンと戦わなきゃいけない
人との関係構築がカギ
柔軟な対応力が必要
フードサービス業
ピークタイムはまるで戦場
急な注文変更に対応する機敏さが求められる
清掃や準備など、目に見えない努力が必要
イベントスタッフ
予期せぬトラブルが付き物
大勢の人と協力して動く必要がある
状況に応じた迅速な判断が求められる
その時の適応力が必要だったり、集団でチームワークを求められるバイトはASDの人には難しいと感じます。
ただ、全てのASDの人に当てはまるというわけではないです。
ASDの人がバイトで気を付けなければならないこと
ASDがアルバイトで気を付けなければならない事とは一体何でしょうか。
真っ先に思いつくのが、バイト仲間や上司とのコミュニケーションです。
私のアルバイト経験においても、とにかく他人とのコミュニケーションが上手くできずに、いつの間にか嫌われたり、避けられていました。
そうならないように、「思ったことをそのまま口にしない」というのを厳命すべきだと思います。
しかし、そうはいっても、どうしても上手くいかない。
無意識下において、勝手に言葉が出てしまったり、行動をしてしまうからです。(人によります)
出来れば、アルバイト先でもASDの理解があればいいのですが、クローズドで働くこともあると思います。
その場合は、なるべく無難な受け答えで頑張るしかないと思います。
その他に、ASDの人がバイトで気を付けなければならない点としては、以下のようなものがあります。
コミュニケーションの基本を押さえる
まずは挨拶から。笑顔で「こんにちは」は基本中の基本。
簡単な「お願いします」「ありがとうございます」も忘れずに。
自分の特性を理解する
自分が得意なこと、苦手なことをしっかり把握しておく。
必要なら、事前にバイト先に伝えておくのもアリ。
ルーティンを作る
毎日の仕事の流れを一定にすることで、予測可能な環境を作り出す。
予期せぬ変更があった時は、一呼吸置いてから対応する。
ストレスマネジメント
仕事の合間に深呼吸をするなど、リラックスする時間を作る。
疲れたら、無理せず休憩を取ることも大切。
ASDの人は、とにかく対人関係を上手く築くことが大切です。
まぁでも、アルバイトなので、割り切って付き合っていけばいいとは思います。
ただ、長く続ける必要のあるバイトの場合、周囲のASDの理解や、交流を考えなければなりません。
もしくは、人との交流が少ない、もしくはほとんど必要のない環境のアルバイトにしましょう。
まとめ
このブログ記事では、ASDの人に向いているバイトについてお伝えしてきました。
今回ご紹介したバイトの選び方や、向いている・向いていないバイトの例を参考にして、自分にとって最適なバイト(職場)を見つけてください。
ASDの特性によって、普通の人と同じ環境下でアルバイトをするのが難しいこともあります。
以下のポイントを踏まえたバイト選びをしてみてください。
自分の特性を活かす
・自分の強みや興味があることを生かせるバイトを選ぶ。
・ルーティンワークや詳細な作業が得意なら、その能力を活かせる職場を。
環境を重視する
・静かで予測可能な環境や、明確な指示がある職場を選ぶ。
・必要なサポートが得られる職場かどうかも、チェックポイント。
コミュニケーションを工夫する
・コミュニケーションが苦手なら、言葉よりも行動で示す。
・分からないことは、遠慮せずに質問する勇気を持つ。
これらのポイントを参考に、ASDの特性を理解し、受け入れてくれる職場を見つけることが大切です。
自分に合ったバイトを見つけて、充実した職業生活を送りましょう。