子どもの発達が気になる保護者の方は、
幼稚園・保育園の受け入れや支援が
気になると思います。
集団生活に馴染めないのではないか、
他の子に迷惑をかけてしまうかも・・・、
と悩む親御さんも多いと思います。
このような困りごとを
NHKテレビすくすく子育て
「私の子育て これでいい?」
の番組内でテーマにしていたので
見てみました。
幼稚園の支援や対応の仕方を
ホゴシャーズや専門家の方を
交えながらの討論がありました。
とてもためになる内容でしたので、
あらすじとともに
お伝えしていきます。
幼稚園・保育園の支援の仕方
近年、発達障害に対する世間の認識が
高まってきており、幼稚園や保育園など
子どもの幼児期の理解や支援も増加傾向
にあります。
番組では、発達障害の子に対する様々な
工夫や配慮がなされた幼稚園・保育園が
紹介されていました。
ASD(自閉症スペクトラム・アスペルガー症候群)の子どもに対する支援
ASDは会話やコミュニケーションが
苦手です。
1日のスケジュールを伝える時は、
言葉だけでなく、目でも見えるように
プリントやメモなど
視覚的にわかるようにします。
想像力の欠如では、
運動会や集団で行うイベントがあれば、
去年の活動記録や写真を見せて
説明をしてくれます。
聴覚の問題では、声の大きさを調整
できるように、ボリューム音を
視覚的にわかるようにしています。
パニックがおきたときのための
気持ちを静める専用のスペースが
もあります。
ADHD(衝動性/多動性/注意欠陥)の子どもに対する支援
ADHDの子にみられる
落ち着きの無さの特性を抑えるために、
「コーナー保育」を取り入れています。
「コーナー保育」とは、
お絵描きや玩具、ゲームで遊ぶ専用の
ブロックを作ります。
これらのブロックを家具や棚で
スペースを区切り、他の遊びに子どもが
注意や興味が移らないようにします。
目的ごとに遊びの空間が決まっていて、
1つの遊びに集中できるのです。
ADHDの子は、たくさんの玩具が
視界に入ると、目移りして気になってしまい
衝動的に行動してしまいます。
ブロックの区切りによって、
遊ぶ場所が決まっているので、
興味のある遊びに集中できます。
こだわりの強い子や行動の切り替えが苦手な
子どもでも、満足するまで遊べるので
気持ちの切り替えも楽にできます。
akashiyouchien公式youtubeより
コーナー保育で発散した後は、
集会やグループ活動で、子どもが落ち着いて
いられるメリットもあります。
ADHDの改善だけでなく、
他の子と玩具の取り合いや遊びのトラブル
改善にも役立っているのです。
発達障害の子どもに理解がある幼稚園・
保育園のオーナーや先生は、
「(発達障害だけでなく)配慮が必要な
子どものために工夫した結果、いろんな子
にとって過ごしやすい環境になった」
「どんな子どもが来ても、
どんな配慮が必要な子でも、
その子がきたときに必要としている
配慮をすれば良いだけです」
とおっしゃっています。
素晴らしい考え方だと思います。
ですが、現状では理解やサポートのある
幼稚園・保育園は少ないようです。
幼稚園・保育園を経営していく上で、
配慮が必要な子を受け入れることは
難しいことがあるといいます。
普通の子とトラブルになったり、
発達障害の子に対する理解やサポートの
仕方がわからない。
他にも人手不足や園の方針などが理由です。
番組内でも、
上記のような支援をしてくれている
幼稚園・保育園は稀だと言います。
難しい問題だと思います。
ですが、今では発達障害の子は
15人に一人といわれており、
サポートや特性の理解は必須の状況に
なってきていると思います。
今回NHKが発達障害キャンペーンを
してくれて、世間の認知や理解が
深まってきたと思います。
幼稚園・保育園など子どもの
環境作りにも力を入れてくれるように
なって欲しいところです。
国が率先して改善するべき案件だとも
思います。
支援のない幼稚園ではどうすれば?
番組では、支援や理解がない幼稚園・
保育園に通う発達障害の子はどうすれば
いいの?という話になりました。
ホゴシャーズは、
「絵本が好きな子なので、
他のことを無理にさせないように」
「家ではこうしたら上手くいっています」
と幼稚園の先生に伝える。
「先生の方からも、上手く言った方法が
あったら教えてください」
など積極的に幼稚園の先生と交流して
特性による困り感を伝えたり、
支援が上手くいく方法をお互いに
模索し合っていたそうです。
保育園・幼稚園の先生も
発達障害に理解がある人もいるけど
特性がわかっていない先生もいます。
そのようなときは、
自分から子どもの特性を書いた紙や
サポートの仕方など、
保護者側から先生に伝えます。
先生と保護者が一緒になって
子どもの特性に対するサポートの仕方
を学んで、お互いに成長できるのです。
他の子の保護者に伝えるのは?
最初は怖かったけど、
担任の先生が「言ったほうがみんな
わかりやすいから」
「理解してくれるとおもうから」と
積極的に、伝える場を用意して
くれたそうです。
ほとんどの保護者の方は、
わかってくれて、
「言ってよかった」と
思ったそうです。
「困難はあるけど一生懸命育てています」
「(特性に)向き合って育てています」
と伝われば、
みんな協力してくれたそうです。
「物理的な環境支援」、
「特性に対する先生の理解」、
「他の子の保護者の理解」、
この3つが今後、幼稚園・保育園に
通う発達障害の子どもに必要な
支援だと思います。
(特性のある子に)支援するという言葉は、
日本の独特な表現だそうです。
「支援する」とは(相手に)してあげる
という意味があります。
表現的にあまり良くないと思います。
お願いしなければいけないという
気持ちになってしまいます。
ですので、アメリカでは、
特性のある子どもたちを、
「特別なニーズのある子」
と呼んでいるそうです。
ニーズとは、需要という意味があります。
「(子供の)需要に合わせる」
ということです。
あくまで子ども主体、
子どものニーズに合わせるという定義です。
日本でも(子どもの)支援を求める
という考えではなく、
ニーズ(需要)というような意味を持つ
言葉の考え方に変わってきてほしいと
思います。
まとめ
今回は、幼稚園・保育園の支援
についてお伝えしてきました。
幼稚園・保育園は他の子と
コミュニケーションをとったり、
集団生活を最初に学ぶ大切な場所です。
周囲の子と触れ合ったり、
いろいろな環境を体験して
成長していきます。
発達障害の子どもは、
幼稚園くらいの年齢から特性による
生きずらさを感じ始めます。
その為、子どもがストレスを
感じないように幼稚園の環境や、
他の子の保護者の理解、
先生のサポートが必要です。
発達障害の子に対する学園の支援状況は
まだまだ少ないですが、
今後改善されていくことを
期待しています。