昔から「8050問題」がよく話題になってきました。親が80代、子どもが50代という組み合わせの、長期引きこもりの問題。私もその頃は、「自分には関係ないだろうな〜」なんて、軽い気持ちで見てました。

でも気づけば、私も23年以上の真性ひきこもり。40代半ばを過ぎて、母親もすでに80代後半。あれ?いつの間にか、8050問題の当事者になってる…という感じです。

そして今、とうとう「9060問題」のフェーズに入りつつあることに気づきました。

9060問題とは何かというと、親が90代、子どもが60代の状態。親は高齢で認知症が進んでいたり、頑固さが増していたりして、引きこもり本人だけじゃなく、親の介護や対応でも苦労が倍増してくる状況でかなり不味い状況です。

ひきこもり+高齢親。もう、どっちも限界きてる末期状態なのです。

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9060問題は手遅れ?

正直なところ、「9060問題」ってもうほぼ人生のエンディングクレジット流れてる頃なんですよね。
だから、手遅れか?って言われると…うん、たぶん手遅れです。

私自身が8050問題に近づきつつある状況で、もうかなり追い詰められている状況なのに、9060になったらと思うと精神が崩壊すると思います。

実際問題、60歳から働こうとしても、現実的には求人なんてほとんど無いです。体力も落ちてるし、社会経験も空白だらけ。ようやく「働こうかな」と思ったときには、世間から「今さら?」って言われるような状況。

ただ、逆に言えば「引きこもり」というラベルも外れかけてる気がします。
60歳は、一般的には定年退職の年齢だと思います。多くの人がそのタイミングで「無職」になります。なので、これまで引きこもってきた人でも、知らない人からは「退職後の人」と見える…かもしれない。

実際、私自身もいまだに母の被扶養者です。病院に行くと、そのたびに「職業:無職」ってバレてて、めちゃくちゃ恥ずかしい。でも、60歳を超えれば「老後枠」になるから、無職でも不自然じゃない。何か、ある意味ゴールにたどり着いた感すらある。もちろん、誰も拍手はしてくれない。

とはいえ、60歳まで働いてきた人たちと違って、引きこもりは貯金も年金もスキルも無い。しかも近所とか親戚とか、顔を知ってる人たちには全部バレてるから、劣等感は全然消えない。

「引きこもり脱出のラストチャンス」が過ぎた後の焦りと、もう無理っぽい現実の中で、なんとも言えないモヤモヤが残る。それが9060問題の怖さだと思います。

解決策はあるの?

じゃあ、9060問題みたいな状況に陥った人間に、まだできることってあるのでしょうか。

もう人生のかなり後半に差しかかってるし、体力的にも精神的にも、何か新しいことを始めるにはしんどすぎる。世間的には「もういい年なんだから」とか言われるし、こっちも「今さら何かやる気にもなれない」って気持ちの方が大きい。

でもそれでも、どこかに「このまま終わるのは嫌だな」っていう思いもある。
死ぬ前に絶対何か生きた証を残したい。
だったら、何かしら一歩だけでも、動ける方法を探したい。無理せず、現実的に、自分にできる範囲で。

じゃあどうすればいいのか。
結局、個人的に思うのは、「お金を稼げる手段を持つこと」だと思います。
少なくとも、人に笑われないくらいの額を稼げれば、自尊心もちょっとはマシになる気がします。でも現実には、どこも雇ってくれないし、脳も体も衰えていて、生産性も低い。

正直、どうしようもない。

だからこそ、国が引きこもり向けに「働ける環境」とか「稼げる場所」を整備してくれると助かるけど、それもまたハードルが高い。なにせ、こっちはメンタルもガタガタで、環境が整ったとしても飛び込む力がない。

詰んでる。かなり詰んでる。

じゃあ、どうするの?って考えたときに、私は「どっかの過疎地で、自給自足で暮らす」みたいな選択肢もアリかなと思ってます。
似たような境遇の人が集まって、小さな村を作る感じ。人との交流は最小限でいいし、自尊心もある程度守れる。

ただ、そうなると、90歳の親の介護はどうすんの?っていう問題がまた出てくるんですよね。
結局そこがネックで、話が詰まる。

10070問題とは

「10070問題」ようするに、親が100歳、子どもが70歳という組み合わせの引きこもり状態を指す言葉だと思います。
…もうここまで来ると、もはや人生のエピローグというか、もはや“ラスボス戦”も終わった後みたいな世界です。

正直、私自身、からだのあちこちが不調で、「60歳まで生きられるのかな…」とさえ思うことがよくあります。23年以上引きこもっていた影響もあって、体力はガタガタ。外に出ない生活って、精神だけじゃなく、身体のダメージも地味に積み重なっているからです。

親が100歳まで生きるって、現時点ではかなり珍しいと思います。でも、医療の発達や生活環境の変化で、今後はこういうケースが当たり前になってくる可能性もかんがえられます。
となると、70歳の引きこもりが現実のものになる未来も・・・。

とはいえ、そこまで行ったらもう好きに生きさせてほしい、っていう気持ちもあります。 来世に期待するしかない。
さすがに、こんな酷い人生だったんだから、次はイージーモードにしてくれるよね?

10070問題はもう残りの人生をどうにか楽に、静かに過ごしてほしい。別に「社会復帰してやるぞ!」とか、そんな元気な理想はもういらない。ただ、少しでも人に迷惑をかけず、自分を嫌いにならずに暮らせれば、それでいいのではないかなと思います。

9060問題は障害者?

親が90代で子どもが60代の引きこもり状態。
このくらいの年齢まで引きこもっているケースになると、もしかすると「生まれつき何かしらの特性や障害を抱えていたのでは?」という見方も出てきます。

私自身、ASD(自閉スペクトラム症)で、IQは67。いわゆる“障害者”のカテゴリに入ります。
普通の人が「ちょっと努力すればうまくいく」と思っているようなことも、私にとっては何倍も時間がかかる、もしくはできない状態となります。

引きこもりになった人の中には、子どもの頃から違和感を抱えていたり、社会の中でうまく馴染めなかった経験がある人も多いと思います。
そういった背景があって、気づいたら数十年の年月が経っていた──そんなケースも珍しくないです。

だから9060問題って、単なる「働かなかった人」の話じゃなくて、もっと根深い、生まれつきの脆さや、育ってきた環境の話でもあるんじゃないかなと、個人的には思っています。

まとめ

今回は、8050問題からさらに進んだ「9060問題」や「10070問題」について、自分の経験や考えを交えて書いてみました。

引きこもりという言葉だけでは語れない、それぞれの年齢層ごとの苦しさや現実があって、年齢を重ねるごとにそのしんどさはむしろ増していきます。

若いうちなら「まだチャンスあるよ」なんて励ましも届くかもしれないけど、60代・70代になったら、もう“励まされる側”ですらなくなってくる感覚があります。

でも、どれだけ遅れていようと、まだ生きているなら、そこに“何か”があるはず。
…とはいえ、それが希望かと言われると怪しいけど、「じゃあ寝てるだけで死ぬのか?」って言われると、それも・・・。だから、結局は“自分なりのやれること”を、地味に探していくしかないと思います。

他人に認められるとか、大きな成果を出すとか、そんなものはもう必要ない。
少しでも自分が「これならやってもいいかも」と思えるような、小さな場所、小さな役割、小さな安心感。そういうものが、今の真性引きこもり高齢者にとっての“救い”なんだと思います。

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