発達障害のASD(自閉スペクトラム症)の人は、心や精神の問題を相談する精神科や心療内科に通うことがあります。
しかし、担当医との相性が悪いと感じることも多いのではないでしょうか。
相性が悪い医師が担当になってしまうと、気まずくなったり、本音が言えず、逆に心に負担となってしまいます。
また、人の気持ちを推し量れないので、医師側が何を考えているのかわからず、恐怖心を抱いてしまうこともあります。
担当医との相性が悪いと、悩みを聞いてもらえなかったり、本音が言えなかったり、逆にストレスを感じたりします。
これは、発達障害の自閉症の人が、コミュニケーションや感情の理解に困難を抱えていることが原因です。
では、発達障害の人が担当医との相性に悩んだとき、どうすればいいのでしょうか。
この記事では、担当医との相性に関する問題の原因と対処法を紹介します。
担当医との相性が悪いと感じる理由
発達障害のASD(自閉スペクトラム症)の人が、担当医との相性が悪いと感じる理由は、どういったものでしょうか。
ASDの私の場合、対人関係が苦手なので、担当医と上手くいかないことがあります。
また、話したいことが上手く伝わらなかったり、誤解させてしまうこともあります。
その為、担当医に対して、不信感を抱いてしまったり、嫌いな感情を持ってしまうことがあります。
ASDは、人の気持ちを推し量れないので、医師側が何を考えているのかわからず、恐怖心を抱いてしまうこともあります。
私も毎回、心療内科の医師に自分を見透かされている怖さを感じています。
自分の考えていることがバレている、本心を把握されている気持ちになるのです。
根底には、アスペルガーASDの「権威に対する信頼」があるからです。
「医師」という称号に対して、「絶対に正しい人」という認識があります。
また、頭がよく「何でもわかっている」と感じています。
私が心の心療内科に初めて通ってから5年間くらい同じ人が担当してくれました。
その医師は、穏やかな人で、こちらの要望を嫌な顔せず何でも聞いてくれる人でした。
ただ、何となく演じられている気がしていましたし、本心は全く分かりませんでした。
今思うと、理想的な担当医であった反面、実は陰でぼろくそに思われていたのではないかという恐怖があります。
その担当医は他の病院に行くことになってしまい、今は別の医師に変わっています。
昨日も約2か月ぶりに心療内科へ行き、その医師と接触しました。
今の担当医は、世間一般から見れば普通だと思います。
しかし、発達障害ASDの私にとっては、かなり苦手な部類です。
例えば、形式的な対応をされている感じがひしひしと伝わってくるのです。
事務的というか、感情が平坦な印象があります。
その為、自分の思っていること、言いたいことは一切相談できていません。
困っていることは話しますが、本心や本音は全く言えない状態です。
無意識に苦手意識や恐怖心、嫌いな気持ちが心にあるのかもしれません。
その為、いつも気を使ってしまいます。
会話も最小限に留めますし、薬のお話やちょっとした現状を報告するだけです。
診療時間も1~3分程度です。
また心療内科が混雑していると、担当医からあからさまに早く終わらせたいというプレッシャーを掛けられている感じが凄くします。
私自身が末期的な状況であり、「最底辺の扱いでも大丈夫」と思われている気がするのです。
もちろん、自分の感じている思いや気持ちを担当医に告げることはありません。
絶対に険悪になってしまうし、その後を考えると悲惨な結末しか生まないと思うからです。
担当医は、薬もしっかり処方してくれますし、言いたいことが言えないだけなので、現状は特に問題はありません。
ただ、個人的に発達障害ASDの影響から、苦手意識を持ってしまっているだけなのかもしれません。
1度ADHDのストラテラを処方してもらう為に、別の個人クリニックに行ったことがあります。
そこで感じたことは、医師からの威圧感です。
絶対に自分の正直な気持ちを話せないし、素を出せるような人ではないと感じてしまいました。
アスペルガーASDの初めての場所や人が物凄く苦手な特性の影響もあったかもしれません。
ですが、やはり今まで通っていた心療内科の方が明らかに恵まれていた環境だと気づかされました。
発達障害ASDの人は、好き嫌いがはっきりしてしまいます。
ゼロサム思考やこだわりの影響から、担当医を一度嫌いになったり、苦手感を感じてしまうと覆すのは困難です。
自分の中で、位置づけをしてしまうのです。
担当医との相性が悪い場合どうしたらいい?
発達障害・自閉症スペクトラム(アスペルガーASD)の人が、精神科や心療内科の担当医が苦手・嫌い・怖いと感じてしまったら、どうすればいいでしょうか。
我慢し続けるか、別の医師に代わってもらう、もしくは病院自体を変更する選択肢が考えられます。
我慢する
我慢をしてずっと同じ医師に担当してもらう選択は、あまりお勧めしません。
自分の本当の気持ちを伝えられないので、悩み事は解決しないですし、治療方針の妨げにもなります。
信頼関係が築けないので、表面上の交流になってしまいます。
別の医師に代わってもらう
担当医と相性が悪いと感じたら、別の医師に変更してもらう必要があります。
ただ、通っている病院が個人経営のクリニックだったり、少人数の場合は無理です。
私が通っている大学病院の心の心療内科は、毎日5~6人の医師がいます。
多分言えば、担当医を変更してもらうことも可能です。
ですが担当医を変更してもらっても、問題児扱いされる可能性が高いのでできません。
医師側に問題が無く、発達障害ASDの私自身に過失があると思われてしまうのです。
結果、担当医が変わっても本心や本音は言えず、問題が解決しない可能性が高くなります。
むしろ、担当医を変更したことで、状況が悪化してしまうのです。
担当医を変更してもらう明確な理由、納得できる原因を説明できればスムーズに行くかもしれません。
ですが、今まで担当してくれていた医師は不満を感じてしまいますし、新しい担当医も何かしら思うことはあるかもしれません。
別の病院へ行く
別の精神科や心療内科へ転院する選択肢もあります。
自分に向いていない病院・医師であれば、継続していても辛い思いをするだけです。
逆にストレスが溜まって、心の負担になるのであれば、思い切って別の病院を探すことも手です。
ただ、精神科や心療内科を別の病院へ変更する場合、紹介状が必要となります。
今までの診療情報記録を、現在の担当医に記載してもらう必要があるのです。
紹介状がなくても、重複受診は可能です。
しかし、2か所以上の精神科や心療内科へ通うことを禁止している病院が多いです。
薬の問題や診療が難しくなってしまうからです。
また、自立支援を受けている場合、病院や薬局は1か所しか登録できないので、負担が増加してしまいます。
別の心療内科や精神科へ転院して、相性問題が解決することもあります。
ネットや口コミなどの情報である程度の評判はわかります。
しかし、実際に行ってみるとダメだったり、自分には合っていることもあります。
ただ、発達障害の専門医は少ないですし、地域によっては心療内科や精神科が近くに無い場合があります。
別の病院に転院したくても、住んでいる場所によっては変えられず我慢をしなければならないです。
発達障害・自閉症に相性が良い医師とは?
発達障害・自閉症スペクトラム(アスペルガーASD)の人にとって、理想的な担当医はどのような人物像なのでしょうか。
個人的には、威圧感を感じない、優しい、自然体ても接しやすい人が良いです。
また、見下されていると感じない、緊張しない、劣等感を抱かないなどが理想です。
前提として発達障害に詳しい・理解があり、経験豊富な知識が必須となります。
発達障害の人をたくさん見てきた医師でないと、本当の助言や気持ちに寄り添うことはできないと思います。
発達障害の症状は千差万別であり、人によって症状は異なるからです。
発達障害ASDの人はコミュニケーションが苦手なので、なるべく「はい」か「YES」で返答できる受け答えが望ましいです。
深く考える必要が無い会話をしてくれる医師が理想です。
また、ASDは思ったことをそのまま言ってしまうので、間違った受け答えをしてしまったり、担当医を不快にさせてしまう恐れがあります。
私もいつも失言をしてしまう恐怖がある為、言葉が上手く出ないし、なるべくコミュニケーションをとらないようにしています。
発達障害ASDの人は、本当に人から嫌われる属性なので、担当医には十分理解していて欲しいと思います。
相性の悪い心療内科や精神科で乗り越えるための対処法
発達障害・自閉症の人が、心療内科や精神科で苦労する理由を紹介しましたが、それを乗り越えるための対処法はどのようなものがあるでしょうか。
私の経験から、以下のような方法が有効だと思います。
担当医との相性を見極める
担当医との相性は、心療内科や精神科での治療の成否に大きく影響します。
相性が良ければ、信頼関係が築けて、悩みや症状を正直に話せます。
相性が悪ければ、不安やストレスが増えて、治療効果が低下します。
担当医との相性を見極めるには、最初の数回の診療で、自分の感覚に素直になることが大切です。
担当医と話していて、心地よいと感じるか、不快と感じるか、緊張するか、リラックスできるかなどをチェックしましょう。
担当医との相性が悪いと感じたら、早めに変更することを検討しましょう。
担当医を変更することは、悪いことではありません。
自分に合った医師を探すことは、自分のためになります。
ただし、担当医を変更する場合は、その理由を丁寧に伝えることが必要です。
担当医に失礼にならないように、感謝の気持ちや謝罪の言葉を添えましょう。
コミュニケーションの方法を工夫する
発達障害・自閉症の人は、コミュニケーションが苦手なので、担当医との会話に困ることがあります。
しかし、コミュニケーションの方法を工夫することで、担当医との関係を改善することができます。
コミュニケーションの方法を工夫するには、以下のようなことが有効です。
- 診療前に、話したいことや聞きたいことをメモしておく
- 診療中に、担当医の話をよく聞く
- 診療中に、自分の話を分かりやすく伝える
- 診療中に、担当医の質問にはっきりと答える
- 診療中に、担当医のアドバイスや指示をメモする
- 診療後に、担当医に感謝の言葉を言う
自分の気持ちを受け入れる
発達障害・自閉症の人は、自分の気持ちを抑え込んだり、否定したりすることがあります。
しかし、それは自分を苦しめるだけです。自分の気持ちを受け入れることで、心の負担を軽減することができます。
自分の気持ちを受け入れるには、以下のようなことが有効です。
- 自分の気持ちを正直に認める
- 自分の気持ちを自分の言葉で表現する
- 自分の気持ちを他人に話す
- 自分の気持ちを日記やブログに書く
- 自分の気持ちを芸術や趣味にぶつける
発達障害・自閉症の人が心療内科や精神科で乗り越えるための対処法を紹介しました。
心療内科や精神科は、発達障害・自閉症の人にとって、大きな支えになる場所です。
しかし、それだけに、担当医との相性やコミュニケーションが重要になります。
自分に合った医師を見つけて、自分の気持ちを受け入れて、心の問題を解決していきましょう。
まとめ
発達障害の人にとって、心療内科や精神科の先生との相性は非常に大切です。
発達障害の特性によって、コミュニケーションが上手くいかず嫌われてしまい、継続通院が辛くなるからです。
精神科や心療内科の医師は、クセが強かったり、親身になってくれない、などのネット情報があります。
確かに、心や精神に問題を抱えている人と常に触れ合っているので、仕方が無いのかもしれません。
医師と言っても同じ人間であり、ストレスや心労も抱えるし、完璧ではないのです。
発達障害の人が相性の悪い医師になってしまうと、悩みが解決されず、ただ薬を処方してもらうだけになってしまいます。
発達障害の理解や対処ができる医師や医療機関は少なく、自分にとって理想の病院を見つけることは難しいです。
ですので、自分に合った医者でなかった場合、割り切ることも必要です。
私も、本心は言えず相談はできません。
発達障害の人にとって、心療内科はとても大切な場所です。
相性の良い担当医を見つけることは、自分の心の安定や生活の質の向上につながります。
しかし、相性の良い医師を探すのは簡単ではありません。
発達障害の人は、自分の気持ちや考え方をうまく伝えられなかったり、相手の反応や態度に敏感になったりすることがあります。
そのため、医師との信頼関係を築くのに時間や努力が必要です。
相性の良い医師に出会えたら、その医師に長くかかり続けることが望ましいです。
しかし、医師の転勤や退職、病院の閉鎖などの事情で、相性の良い医師と別れることもあります。
その場合は、新しい医師に自分の状況や治療歴を説明することが大切です。
また、前の医師から紹介状や診断書をもらっておくと、スムーズに引き継ぎができます。