発達障害の人との関係づくりは、簡単ではないと思います。
発達障害の人は、他の人とは異なる考え方やこだわり、コミュニケーションや社会性の特性を持っているからです。
特にコミュニケーションにおいては、誤解や衝突が起こりやすいです。
私自身がアスペルガー(asd)の当事者として、友達や知り合いが一人もいないという現実に直面しています。
自分では仲良くしたいと思っていても、脳の特性によって、思ったことをそのまま話してしまいます。
どれだけ酷い事であっても、空気が読めず言ってしまいます。
その結果、避けられ嫌われ、そして孤立します。 リアルでもネットでも、同じです。
また、想像力の欠如から、察する能力がないので、相手が望んでいることができません。
あくまで自分が考えた最初の思い付きをそのまま実行してしまうので、呆れられたり、嫌われるのです。
私は、発達障害ということを知らずに、何のサポートや理解も受けられずに生きてきました。
発達障害の人であっても、症状や特性は人それぞれであり、それなりに関係づくりも可能だと思います。
ただ、他の人と同じように接しようとしても、上手くいかないことも多いです。
発達障害の人とのコミュニケーションは工夫や努力が必要です。
今回は、発達障害(asd、adhd)の人との関係づくりについて考えていきます。
発達障害の種類と特徴
発達障害にはASD(自閉症スペクトラム障害)、ADHD(注意欠如多動症)、LD(学習障害)などがあります。
今回は主に、ASDとADHDに焦点を当てていきたいと思います。
asd(アスペルガー)の特徴
asdの場合は、コミュニケーションの欠如、社会性の欠如、こだわり、想像力の欠如などがあります。
これが本当に酷いと感じます。
人との付き合いが困難になってしまう先天性の脳の問題であり、一生治らないからです。
私自身が40代半ばになっても、子供の頃から一方的な考え方や思い付きの無さが全く変わっていないと実感しています。
ただ、いくら脳の未発達や凹凸、さらに成長がほとんどしないと言っても、対処法はあります。
それは、経験によって理解する方法です。
察したり想像することが出来なくても、場数を踏んで行けば、その時々の場面でどうすればいいのか理解できます。
アスペルガー(asd)には、受動型アスペルガー、孤立型アスペルガー、積極奇異型、尊大型、大仰型などの種類があります。
それぞれ、育った環境や性格によってタイプは異なります。
しかし、大元のasdの特性は同じなので、人との交流が難しくなることには変わりはありません。
簡単にそれぞれの特徴をご紹介します。
受動型アスペルガー
- ・自分から積極的に人と関わろうとしない
- ・人と話すことや目を合わせることが苦手
- ・自分の世界に閉じこもりがち
人と仲良くしたいとは思っている気持ちは強いです。
だから、人から話しかけられたり、優しくされたりすると、必要以上に嬉しい気持ちがあります。
このタイプと付き合うには、相手のペースに合わせて、ゆっくりと信頼関係を築く必要があります。
孤立型アスペルガー
- ・人と関わることに興味がない
- ・自分の世界観がある
- ・人と仲良くなりたいという気持ちはあまりない
人から話しかけられたり、優しくされたりしても、無関心だったり、迷惑だったりします。
このタイプの人と付き合うには、相手の気持ちを尊重して、無理に関わらないことが大切です。
積極奇異型アスペルガー
- ・自分から背局的に人と関わろうとする
- ・人と話すことや目を合わせることが得意で、自分の世界を広げる
- ・人の気持ちや意図を理解することが苦手
自分の考えや興味を押し付けたり、不適切な言動をしてしまいます。
その結果、人から変わっていると思われたり、嫌われてしまいます。
このタイプの人と付き合うには、相手の特性を理解して、親切に指摘したり、説明してあげてください。
尊大型アスペルガー
- ・自分は優れていると思い込んでいる
- ・自分の世界を誇示する
- ・自信を保とうとする
自分の考えや興味を優越感を持って押し付けてしまうことがあります。
嫌味だと思われたり、反感を買いやすくなります。
このタイプと付き合うには、対等に話したり、尊敬したりすることが大切です。
大仰型アスペルガー
- ・自分が目立ちたいと思っている
- ・自分の世界を派手に表現する
- ・自分の感情や思いを強く伝えたい
熱い気持ちを持っています。
人から面白いと思われることもありますが、逆にうざがられる可能性もあります。
このタイプとの交流では、楽しく話すことも必要ですが、間違っていたら注意してあげてください。
asd(アスペルガー)と言っても、人によって全く性格は異なります。
私の場合は、受動型と孤立型アスペルガーがモロに当てはまっています。
ですが、小さい頃は、積極奇異型だったり、尊大型の傾向もありました。
育った環境によって、本当にこのasdの性格は変化していきます。
私はイジメや孤立した結果、受動型や孤立型に変わっていったのです。
ADHD(注意欠如・多動症)の特徴
ADHDの場合は、注意力の散漫、衝動性、多動性などがあります。
これも人との付き合いに影響を与えます。
集中力がなくて、物事を最後までやり遂げられなかったり、忘れ物が多かったりするのがよくある特徴です。
また、衝動的に行動してしまって、後悔したり、トラブルを起こしたりします。
ADHDの人は、自分の欠点に気づいていても、なかなか改善できないことに悩んでいます。
自分の思い通りにならないことに、イライラしたり、落ち込んでしまいます。
周りの人からは、だらしないとか、子供っぽいとか、非難されたり、理解されないのです。
感情のコントロールも苦手で、怒りやすかったり、落ち込みやすくもあります。
さらに、社会的なルールやマナーを守ることが難しかったり、人間関係にトラブルが起きやすいのです。
ADHDには、主に以下の3つのタイプがあります。
不注意型ADHD
- ・注意力が散漫で、物事に集中できない
- ・細かいミスや忘れ物が多い
- ・物事を整理したり、計画したりするのが苦手
このタイプの人は、物静かで大人しい印象があります。
しかし、内面では、自分のミスや忘れに対して、自己嫌悪や不安を感じています。
このタイプと付き合うには、優しくフォローしたり、サポートしてあげてください。
多動・衝動型ADHD
- ・衝動的に行動してしまい、後先考えない
- ・多動的に動き回ってしまい、静かに座っていられない
- ・自分の感情や思いを抑えられない
多動・衝動型ADHDは明るくて活発的な印象があります。
ただ、自分の行動や言動によって、周りの人を困らせたり、傷つけることもあります。
このタイプと付き合うには、ルールやマナーを教えたり、注意したりすることが大切です。
混合型ADHD
- ・不注意型と多動・衝動型の両方の症状がある
- ・状況によって、症状の強さや表れ方が変わる
- ・自分のコントロールができない
最も一般的なタイプとされています。
しかし、一番苦労も多いです。
自分の症状に振り回されてしまい、安定した生活が送れません。
このタイプと付き合うには、理解と寛容さが必要です。
ADHD(注意欠如・多動症)と言っても、人によって症状や程度は異なります。
小さい頃は、多動・衝動型の症状が目立つ人もいます。
成長するにつれて、不注意型の症状も出たり、環境やストレスによって、症状の出方は変わっていきます。
adhdには、ストラテラやコンサータなどの症状を抑えるお薬があります。
しかし、効果は人それぞれですし、一生飲み続けるのは難しいと思います。
私も過去にストラテラを飲んだことがありますが、明らかに体に良くないと感じました。
発達障害の人との付き合い方のコツ
発達障害の人との付き合い方は、一概には言えません。
症状は人それぞれですし、タイプも異なります。
ですので、発達障害の人の症状や性格や傾向を注意深く観察する必要があると思います。
極論を言えば、何を言われても寛大な心でいて欲しいと思います。
「発達障害の特性が関係しているから仕方がない」と理解してあげてください。
ただそれなら、付き合いたくないと思います。
ですが、どうしても発達障害の人と関わらなければならない、友達になりたい、恋人になりたい、結婚したいと思うかもしれません。
では、どうやって付き合っていけばいいのでしょうか。
発達障害の人との付き合い方
発達障害の人との付き合い方は、一筋縄ではいかないと思います。
発達障害といっても、ASD(アスペルガー症候群)やADHD(注意欠如・多動症)など、さまざまなタイプがあります。
それぞれに特徴や強みや弱みがあります。
発達障害の人と上手く付き合うためには、その特徴や強みや弱みを理解し、受け入れ、サポートしてあげてください。
ASD(アスペルガー症候群)との接し方
社会性やコミュニケーションに障害があるので、感情やニュアンスや空気を読むのが苦手です。
また、自分の感じ方や考え方が他人と違うことに気づいていないこともよくあります。
さらに自分の興味や趣味に没頭する傾向もあります。
asd当事者としては、かなり付き合うのが困難な性格(特性)だと思います。
どうしても変なことを言ってしまったり、心にもない酷いことを思いついて、そのまま話してしまうことがあるからです。
生まれついての対人関係困難症とも言えます。
ですので、交流する人が「asdだから仕方がない」と思って寛大な心を持たないと続かないです。
asdとの交流ポイント
彼の興味や趣味に関心を持つ
相手の興味や趣味に関心を持つことは、コミュニケーションの基本です。
asdの人は、特に自分の興味や趣味について話すことが好きです。
なので、興味や趣味に関心を持って聞いてあげると、あなたに心を開いてくれるかもしれません。
もちろん、あなたも自分の興味や趣味について話してもいいです。
彼は、あなたの話にも耳を傾けてくれる可能性は高いです。
ただし、彼の興味や趣味に否定的な態度をとったり、馬鹿にしたりしないでください。
感情やニュアンスや空気を読むのが苦手なことを理解する
asdの人は、感情やニュアンスや空気を読むのが苦手です。
言葉や表情や態度に隠された意味や感情を捉えるのが難しいのです。
そのため、相手の気持ちや思いを正しく理解できないことがよくあります。
同様に、自分の気持ちや思いを正しく伝えられないこともあります。
その結果、言動に不快や不満や不安を感じてしまうのです。
ただそれは、悪気があるわけではなく、本当に純粋にただ単に言葉が出てしまったり、行動になってしまうのです。
ある意味、素直すぎる気持ちです。
なので、本当に寛大な心で許してほしいと思います。
ADHD(注意欠如・多動症)の人との接し方
ADHDは、物事に飽きやすく、気が散りやすく、衝動的に行動する傾向があります。
常に、新しいことや面白いことや刺激的なことに興味を持ってしまうのです。
これは、ADHDの男性の脳の特徴であり、仕方が無いです。
ただ、それが原因で、普通の人との仕事や勉強や生活がうまくいかないことがあるのも事実です。
物事を最後までやり遂げるのが苦手で、計画性や組織性や時間管理にも困ることがあります。
また、感情のコントロールが難しく、イライラしたり、落ち込んだり、自信がなかったりすることもあります。
adhdの人との交流ポイント
ADHDの人は、注意力や集中力や自制力が低いことが多いです。
そのため、以下のような配慮が必要です。
・重要なことや興味のあることにフォーカスさせる
・仕事や勉強では、目標や期限や報酬などを明確にして、モチベーションを高める
・恋愛では、彼らの好きなことや趣味や特技などに関心を持って、共感や賞賛を示す
重要なことや興味のあることにフォーカスさせることで、注意力や集中力や自制力をサポートすることができるのです。
まとめ
発達障害の人との付き合い方は、簡単ではありませんが、不可能でもありません。
ただ単に、一般的な常識やルールに従うのが苦手なことが多く、周りの人とのコミュニケーションにも困難があるだけです。
現代社会において、致命的とも言えますが。
しかし、発達障害の人にも、個性や長所がありますし、愛情や友情を求める気持ちもあります。
asd(孤立型・受動型アスペルガー)の私の場合は、様々な経験から、他者の干渉が非常に苦手で、一人でいたいと思っています。
発達障害の人との付き合い方のコツは、その人の特性や傾向を理解し、受け入れることです。
また、発達障害の当事者も、自分の特徴や性格を自己分析して、どうしたらいいのか、考える必要があります。
一番ダメなのが、発達障害なのにそれと気づかずに、一般人と交流することです。
絶対に不和が起きるし、辛い目に合ってストレスや心の問題を抱えてしまいます。
これは、私が体験してきた事実であり、他の当事者も同様だと思います。
発達障害の人は、自分を知って、交流する側も理解や寛容な気持ちが大切です。