発達障害の子供が、友達ができずに悩んでいる。
クラスで一人だけ孤立しており、毎日辛い学校生活を送っている。

発達障害の影響で、友人ができない子どもが可哀想でしかたがない。

学校という集団生活の場において、周りの人と打ち解けられず、孤立してしまう辛さは、想像を絶する苦痛です。

発達障害(ASD)の私も学生生活で友達と呼べる人はいませんでした。
かろうじて、修学旅行の班や、何かのグループに分かれるときなどに一緒になってくれる人はいました。
しかしそれは結局、弱者同士がハブれた結果の寄せ集めであり、友人と呼べる人は1人もいませんでした。

学校(クラス)で友達や話す人がいないと、本当に辛いです。
休み時間やお昼ご飯の際に、一人ぼっちになり、放課後遊ぶ子もいない。

そのような学生生活を子供の頃から続けていると、対人恐怖症や不安障害などの二次障害になり、大人になってもなかなか治りません。

ですので、発達障害のハンデがあっても、友達と呼べる子が最低1~2人は必要です。

発達障害が友達を作るには、なぜ友達ができないのか、を知る必要があります。

そして、会話をしてくれる子がいたとしても、発達障害特有の思考でトラブルになってしまい、嫌われ、避けられ、イジメられる可能性が、定型発達(健常者)よりも圧倒的に高くなります

発達障害が友達を作るのは様々な困難がありますが、特性を理解して親がサポートしてあげれば友達を作ることは可能です。

そこで今回は、発達障害の子どもが友達を作れない原因と、友人の作り方をお伝えしていきます。

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発達障害が友達ができない・作れない原因

発達障害の特性のコミュニケーションの欠如が一番の原因です。

コミュニケーションの欠如には、さまざまな問題があります。

空気が読めない

人の気持ちが考えられない

興味のあることを一方的に話す

人の目をみて話せない

幼稚

マシンガントーク

発達障害の特性によっては、他にもさまざまな要因があります。

空気が読めない

発達障害は空気を読むことが非常に苦手です。

会話の中に入っていこうとしても、和やかなムードなのか、ぎすぎすしているのか、周囲の状況判断が上手くできません

そのため、その場にあった適切な言動ができず、変な人と思われたり、嫌われてしまったりします。

授業中でみんなが静かにしているのに、隣の人にいきなり話しかけて、周囲の注目を浴びてしまうこともあります。

今どういった状況で、どのような言葉を発するべきなのかがわからないのです。

ある程度の経験や慣れで改善することもできます。
しかし、その場の空気を読むことは、様々な状況が想定されるので難しいです。
発達障害は目に見えない物(状況)を理解するのが非常に困難です。

さらに想像力の欠如から、その場に合った言葉がなかなか思いつかず、変な言動や行動をしてしまいます。

定型発達(健常者)の人から見れば、「空気が読めず、周囲の人を困らせている問題児」という認識になり、友達になりたいとは思わなくなります。

人の気持ちを考えられない

発達障害(ASD)は、人の気持ちを推し量ることが非常に苦手です。

その人が今、明確に怒っている、楽しんでいるという状態であれば、何となくは察することができます。
ですが、ちょっと不機嫌な状態や、今話しかけて欲しくない雰囲気など、微妙な気持ちがまるでわかりません。

そして、人を怒らせるような言葉や、意味不明な言動をしてしまい嫌われるのです。

何故そのようなことを言ってしまうのか。
それは想像力の無さから、適切な言葉が思い浮かばないからです。

発達障害(ASD)は視野の狭さや、マルチ思考が困難なため、1~2つのことしか思いつきません。
そして、その唯一思いついた言葉が、その人の気持ちに対する「最善な言葉」なのかも判断ができません。

しかし、沈黙は気まずいため、「思いついた適当なこと」を言ってしまうのです。

本人は決して怒らせたり、不満を言うためにその言葉を言ったわけではありません
本当に何も考えずに、思いついたことを話してしまっただけなのです。

過去を振り返ると、何であんなことを言ってしまったのだろう、と本気で後悔します。

興味があることを一方的に話す

発達障害は、自分が興味のあることには周りが見えなくなるほど熱中します。

会話では、好きなことに関しての知識や記憶がたくさんあるため、それを教えたくなり、趣味や興味の共有をしたくなります。

相手の子がそれに興味がなくてもお構いなしに、一方的に話してしまいます

そして定型発達の子は、「はぁ、何言ってんだコイツ」とか「・・・・・(沈黙)」をしてしまい、変人扱いされてしまうのです。

発達障害の子は普通の会話が上手くいかないことを理解しているため、自分の得意で興味があることや、類似する会話の流れになったら、急に話し始めます。

それまでの会話の流れなど関係なく(気づかず)、いきなり自分の好きなことを話し出してしまいます。

また、専門用語や難しい言葉も使うため、聞く方としては理解が追い付かず、困ってしまうこともあります。

人の目を見て話せない

発達障害(ASD)は、人の目を見て話すことが非常に苦手です。
一応注意されれば、目を見て話すことはできます。
しかし、目をそらすタイミングがわからず、凝視してしまい、相手を困惑させてしまいます。

発達障害は会話中に相手の目だけでなく、顔全体を見ていません。
ASDの私の場合ですと、大体左肩か下の方を見てしまいます。

人の目を見て話していないと、会話を真剣に聞いていない、適当に受け答えされていると感じ取られてしまいます。

本人にしてみればそんなつもりは全く無いのですが、その場に合った適切な振る舞いもできないため、嫌われる要素となってしまうのです。

幼稚

発達障害は、精神年齢が低く、幼稚と思われがちです。
精神年齢はIQの値によって変わってくるのですが、発達障害は思考レベルが年齢よりも2~5歳くらい低いと感じられてしまいます。

これは、視野(興味)の狭さや想像力の無さ、物事の体験からの経験値が低いため、言動が幼くなってしまうのです。

そのため同じクラスの同年代の子と、会話がかみ合わなくなります。

考え方や言動のレベルが低く、何でも信じてしまうため、定型発達の子からしてみれば友達になるどころか、「利用しやすい」「からかいやすい」などと思われてしまいます。
そしてイジメられたり、騙されるターゲットになってしまうのです。

マシンガントーク

マシンガントークは、自分の話を一方的に相手に話し続けてしまう会話です。

発達障害のASDではアスペルガーの積極奇異型、ADHDだと衝動性が強い人がマシンガントークになりやすいです。

ASDの場合は、自分の興味のあることになると言葉が思いつくので、話したくなってしまいます。
しかし、相手に「ちょっと話すのを止めて」と注意されれば、自ら話しを止められます。

ADHDの場合は、頭の中に言葉がたくさん溢れてきて、話すのを止めることが難しくなります。

話の内容もどうでもいい自分のことや、関係のない話題を織り交ぜてしまい、何が言いたいのかまったくわからないこともあります。
ADHDの子は、人から注意されても止めるのが難しいです。
最初から話に参加しないようにするしかありません。

発達障害が友達を作る方法

発達障害が友達を作るには、「障害でのトラブルを減らし、理解者を見つけ、周囲の人がサポートする」必要があります。

①上記にあげた原因を極力抑え、会話のトラブルを減らす。

②発達障害の事実を打ち明ける。

③親や教師、サポートする人が子供たちに積極的に関わっていく。

特性を抑えトラブルを減らす

発達障害がコミュニケーションの欠如の特性を抑えるためには、聞き役に徹することが大切です。

発達障害は特性上どうしても言葉が変になったり、不快にさせてしまい、会話でのトラブルを引き起こしやすくなります。

ですので、自分から積極的に話すのではなく、聞き役に徹してください。
それでも意見を求められたり、返答をうながされることがあります。

会話の流れで自分が思ったことや、感じたことは出てくると思います。
しかし、それをすぐに口に出して言うのはやめるべきです。

当たり障りのない返答であればいいのですが、少しでも違和感があったり、これを言ったら気まずくなるのでは、と感じられたら一度熟考すべきです。

しかしそれほど考えている余裕はありません。
無視されていると勘違いされる恐れもありますし、会話のテンポが悪くて、話すのに疲れると感じられてしまうかもしれません。

だから「私は発達障害なので会話がぎこちなかったりするけど、ごめんね」と前もって理由を理解してもらうのです。

それは親や教師がフォローして、それとなく言ったり、感じさせるべきだと思います。

ですが、定型発達(健常者)の子が、会話に難がある発達障害の子と友達になってくれるかは別です。

心優しい人であれば、気にせず対等な立場で付き合ってくれる人もいるでしょう。

しかし、全員が全員そうであるとはいえません。

また友達になるには、基本的にIQの値が近くなければなりません。
知能に差があると会話の理解度が変わってきます。

そのため、IQ(知能)が高い人が低い人と会話をすると、会話のテンポが悪く感じられたり、話している内容のレベルが低く感じられます。

一般にIQの値が20違うと会話がかみ合わないと言われています。

子どもが小さい頃であればIQの影響は微小ですが、小学5~6年生以降は大抵似たような知能指数の人とグループになっているものです。

ですので、発達障害があっても気にしない、IQ(知能指数)の値が近く、心の優しい子が友達候補となります。

しかし、都合よくそのような子が見つかるとは限りません。
仮に見つかったとしても、会話が苦手な発達障害の子は、自分から積極的に話しかけたり、きっかけを作るのは難しいです。

そこで、教師が子どものIQ検査やテストの結果などから総合的に判断して、クラス委員のペアにしてあげたり、グループ事の際には、一緒に組ませてあげて、仲良くなる機会を設けてあげてほしいのです。

また親御さんも、同じクラスの子とママ友になったりして、子供同士を遊ばせてあげてください。

この場合は、相手の子どもの知能指数がわかりませんし、心が優しい子だとは限りませんのでリスクはあります。

私の場合、小学生低学年の時に、母親同士が仲良くしていた子どもと一緒に遊んでいました。
しかしその子の親が経営者で、エレベーター付きの家に住んでいるお金持ちの子でした。
当然親も頭が良く、子どものIQも高いです。

私は貧乏家庭で両親が頭の悪い人でした。
頭の悪い(IQが低い)親からは、IQの低い子どもしか生まれません。

私の兄弟もみんな頭が悪く、偏差値45以下でした。(私は40以下)

で、その子と遊んでいると、何かといいように利用されていたのです。

遊ぶ内容や場所は全てその子の言う通りです。
遊びの勝負もずるをされて、ガンダムの消しゴムやレアカードをよく取られました。

しかし、私はその子がいかさまをしていたとは全く気づきませんでした。

頭のいい子は性格に少しでも難があると、弱者を利用する発想が浮かぶこともあります。

小学生の段階であればまだ被害は小さいのですが、中学生以降にそのような人に出会ってしまい、抜け出せない環境になると、人生はボロボロになります。

ですので、親が介入する場合は、相手の子がどのような子なのか見極めるべきです。
例えば家に招待して、遊んでいる風景を近くで見守る、などです。

発達障害の事実を告げる

発達障害の子が定型発達の子と友達になろうとしても、コミュニケーション障害の問題から難しくなります。

そこで事前に障害の有無を告げることで、嫌われたり、避けられたり、イジメられる状態を回避するのです。

もちろん小学生の段階で「自分は発達障害だから気を使ってほしい」と言われても、周囲の子は理解できないでしょう。
また、本人も発達障害を理解して受け入れ、そのように振る舞うことはできません。

ですので親や教師、サポートする人が周囲の子どもにそれとなく気づかせてあげて、仲良くできるように手助けしてあげるべきなのです。

また、クラスに1~2人でもいいので、発達障害を理解してサポートしてくれる子がいると、クラスでの居心地はまるで違います。
そのような子を友達にできるように、親や教師、サポート役が頑張ってほしいところです。

友達作りを周囲の人間がサポートする

発達障害が独自で友達を作ることは特性上、困難です。
ですので、親や教師、サポート役がきっかけを作る必要があります。

学校は親が介入しずらいので、教師やサポート役がきっかけ作りを手助けします。

基本的に一番長く過ごす必要のある学校で友達を作れるのが理想です。
しかし、学校にこだわらず、発達障害者同士のコミュニティーであったり、「子どもが好きなことでの出会いの場」を親が提供してあげるのも良いと思います。

そこでは友達を作る目的もありますが、純粋に子どもが楽しめる場であればいいのです。
子供同士の交流がなくても、「同じ場所で好きなことを楽しんでいる子がいる」と認識してもらうことが大事です。

そこから徐々に、ふれあいがはじまり、交流につながっていく、自然な流れに任せてみてください。
親が全て介入してしまうと、子どもは何もできなくなってしまいます。

あくまで子ども同士が同じ空間で過ごせる「きっかけ作り」をして、親の介入なしでもコミュニケーションがとれるようにしてあげてください。

子ども同士の相性はありますし、上手くいかないこともあります。
また、発達障害の子は、友達になるまでに時間がかかります。

焦らず色々な出会いの場を子どもに提供してあげてください。

発達障害の友達関係は狭く深く

発達障害の人は、広く浅い交流はできません。
定型発達の人でコミュニケーションが得意な人は、誰とでも仲良くなれて交流の幅広い人がいます。

発達障害は興味の幅が狭く、限定的なので対人関係も局地的です。
そのため同じ趣味の人や、似たような境遇の子には相性が良い場合が多いです。

同じような悩みを持つ子と交流がもてる場所に積極的に参加してみたり、インターネット上の匿名チャットやスカイプで、対人関係に慣れてから友達作りをしてみるのも良いとおもいます。

自分が興味のあることだと話も弾みますので、狭く深い交友ができる人を探してみましょう。

しかし発達障害は、リアルでのコミュニケーションであろうと、ネットでの会話でも発達障害特有の空気が読めない、嫌われてしまう言葉が出てしまいます。

ですので、インターネット上では匿名を一番に考えてください。
匿名であれば、失言をしてしまって相手を怒らせても、その場で謝れば後には引きづりません。
最悪アカウントを削除して、また新規の匿名で参加すればいいだけです。

学校で一度嫌われたり、のけ者にされると取り返しがつきません。
同じクラスで長期間過ごさなければならないため、失言は避ける必要があるのです。

まとめ

発達障害は特性上、友達を作ることが難しいです。
ですが、親や教師、サポート役が、子ども同士が交流できる場やきっかけ作りをしてあげれば、友達を作れる可能性はあります。

友達になってくれたら、発達障害の特性に気を付けつつ、円滑な交流をして下さい。

発達障害は長く付き合っていると、どうしても失言や変な行動が出てしまいます。
嫌われたり、避けられたりすることがあると思います。

そうならないように、前もって発達障害の特性を理解してもらうことが大切なのです。

IQに差があるとコミュニケーションが難しくなるように、発達障害と定型発達(健常者)も長期的な関係を築くことは難しいです。

ですので、無理に普通の人と友達にならなくてもいいのではないかと思います。

学校生活で友達がいないのは辛いですが、本人が気にしていなかったり、ストレスを感じていないようであれば問題はありません。

私は友達が1人もいませんでしたが、受動型アスペルガーの影響からか寂しいと感じたことはありません。

しかし、修学旅行やペアを組まなければならないイベントがあると、どうしたらいいかわからず困ることがよくありました。
たまたま、似たような知能ではぶられていた人がいたから、その人と一緒になることはできました。

昔は発達障害という言葉もなく、発達障害に理解がなかったので苦労しました。

しかし、現在はサポートが充実してきていますし、学校でも教師や理解者がいると思います。

発達障害の人が自分で考えて行動し友達作りをしようとしても難しいです。
周囲の大人がサポートし、コミュニケーションを図れるような環境を整えてあげてください。

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