発達障害のASDの人の文章は、一目見るとわかりやすいことがあります。
文章の構成が変だったり、自分視点でしか書かれていない、一般的ではない言葉を使うなど。
私自身がASDであり、自分でも本当に文章が変だと感じています。
起承転結や文章の流れを意識して書くことが出来ないので、何を書いているのかわからなってしまいます。
伝わりずらい文章にもなります。
そして、主題とは関係ない話題の流れになってしまうこともよくあります。
全ては、想像力の欠如から、自分の思ったことをそのまま書いてしまうからです。
文章を書く際に、読んでもらう「ターゲットを決めてから書く」必要があります。
ですが、ASDは人の気持ちを考えたり、想像が苦手なので「誰かに向けて書く」というのが苦手です。
また、読む人の知りたい情報や望んでいることが書けずに、ズレてしまいます。
そして、相手の気持ちを考えるのが苦手なので、難しい用語や意味の通じない自分だけが知っている言葉や専門用語を使ってしまうこともあります。
さらに一番感じているのが「文章が機械的になってしまう」ということです。
ASDは自分の想いや感情を表現することが苦手なので、事実の羅列や決まりきった言葉を使ってしまいます。
良く言えば論理的なのかもしれません。
ただ、読んでいてつまらない文章になってしまうと思います。
今回は、ASDの人の文章の特徴について書いていきたいと思います。
アスペルガー症候群(ASD)と文章:特徴を探るクイズ
発達障害のASDの人の文章の特徴をクイズ形式にまとめてみました。
このクイズは、ASDの人々のコミュニケーションスタイルや表現方法に関する一般的な認識を深めることを目的としています。
各質問を注意深く読み、選択肢から最も適切だと思われるものを選んでください。
【注意事項】
クイズの結果に関わらず、ASDの人々の文章やコミュニケーションスタイルには個人差があります。このクイズは一般的な傾向に基づいていますが、すべてのASDの人に当てはまるわけではありません。
ASDの人々とのコミュニケーションを通じて、個々の特性や要望を理解することが大切です。また、このクイズがASDの理解と支援に向けた一歩となることを願っています。
ASD(アスペルガー)の文章はなぜ特徴的になるのか
ASDの文章が特徴的になる理由は、独自の認知と感覚の違いがあるからです。
ASDの人は、情報を処理する際に、細部に注目し、全体像よりも個々の要素に焦点を当てる傾向があります。
文章においても同様に、細かい事実やデータに重きを置くことが多く、それが結果として、違和感のある分になってしまうのです。
またASDは、みんなが知っている常識やルール(社会的コンテキスト)や暗黙の了解を理解するのが難しい場合があります。
これが、文章が時に抽象的な表現や独特の言い回しを含む理由の一つです。
想像をするのが苦手なASDの場合は、自分の経験や知識を基にした言葉を選ぶので、それが一般的な表現とは異なることがあります。
さらに、ASDの方々は感情を言葉にするのが苦手な場合があります。
そのため、文章において感情を表現することが少なく、客観的な記述が多くなる傾向があります。
これが、文章が機械的に感じられる一因となっています。
以下にASDの文章の特徴をまとめます。
- 細部への注目: 全体像よりも細かい要素に焦点を当てる。
- 社会的コンテキストの理解: 一般的な暗黙の了解を捉えるのが難しい。
- 独特の言い回し: 自分の経験に基づいた言葉選びが、一般的な表現と異なることがある。
- 感情表現の困難: 感情を言葉にするのが苦手で、客観的な記述が多くなる。
- 機械的な文章: 事実の羅列や決まりきった言葉の使用により、論理的だが読み手にはつまらなく感じられる。
- 反復的なパターン: 同じフレーズや構造を繰り返し使うことがある。
- 直接的な表現: 遠回しな言い方を避け、直接的な表現を好む。
- 抽象的な概念の具体化: 抽象的なアイデアを具体的な例や比喩を使って説明する。
- ルールや体系への強い関心: 言語のルールや体系を厳密に守る傾向がある。
- 長い文: 複雑な文や長い文を好んで使うことがある。
これらの特徴は、ASDが持つコミュニケーションの独特さを反映しています。
ただ、これらは一般的な傾向であり、個人差がありますので、全てのASDの人に当てはまるというわけではありません。
(ASDの私はすべて当てはまっています。)
ASDはライン(line)が苦手?
ASDの人とLINEでやり取りするとき、違和感を感じることがあると思います。
例えば、メッセージが短かったり、とてもはっきりしていたりします。
「今日は楽しかったね!」と送ると、「はい、楽しかったです。」とすぐに返事が来たりします。
感情が直接的に表れないこともあるけど、それはASDの人なりの、心からの返事なのです。
でも、もし「この人、なんだかメッセージが硬いな」と感じたら、それはその人なりの気持ちの表現の仕方ないです。
ASDの人は、感情を文字にするのがちょっと苦手です。ですが、心の中では、いろんな感情が渦巻いています。
それが上手く表現できないか、する必要が無いと感じていたりすることがあります。
だから、「ありがとう」や「嬉しいよ」という言葉一つ一つに、たくさんの気持ちが込められているのです。
ASD(アスペルガー)は文章力がある?
ASDの人は、文章を書くのが得意かというと、これは人それぞれです。一つ言えるのは、とてもユニークな書き方をする人が多いということです。
細かい部分にとても注意を払ったり、とても論理的に物事を説明したりします。だから、読んでいて「へえ、そういう見方もあるんだ」と新しい発見があるかもしれません。
でも、時には「この説明、ちょっと難しいかも…」と感じることもあります。それは、ASDの人が細かいことにとても興味を持っていて、それを一生懸命に伝えたいからなのです。
なので、もしASDの人とのやり取りで、その人の文章を読んでいてわからないことがあったら、「これ、どういう意味?」と聞いてみるのもいいかもしれません。
文章力は、個人の経験や知識、感じ方に基づいています。
ASDは、自分の得意分野や興味のあることに対しては知識が豊富ですので、説得力があると思います。
ただ、自分よがりな文章になってしまうことがあるので、読みづらかったり、違和感を感じてしまうかもしれません。
逆に、ASDの人の興味が無い分野だったり、未知の分野に関しては、気持ちをこめられなかったり、ありきたりな文章になってしまう可能性があります。
まとめ
今回は、発達障害のASD(アスペルガー)の人の文章についてお伝えしてきました。
ASDの人は、非常に幅広い能力と特性を持っており、一概に「文章が苦手である」とは言い切れません。
ただ、ASD当事者の私の経験や、他のASDの人の文章を読んでいると、「特徴的だな」と感じています。
特に、自分の感情や感想を上手く表現できず、機械的な文章になることです。
ASDは、感情を表現するのが苦手なため、事実を並べたり、具体的な例を挙げたりすることが多いです。
これは、感情よりも事実を重視するからです。
文章を書くことは、自分の考えや感情を伝える手段です。
ASDの人も、自分の個性を活かしながら、心を込めて文章を書くことができます。
大切なのは、自分らしさを失わずに、読む人に伝わるように工夫することです。
たとえば、難しい言葉を使わずに、シンプルでわかりやすい言葉を選ぶこと。また、長い文章よりも短くても、ポイントをしっかりと伝えることができれば、それで十分です。
そして、何よりも、自分の言葉で書くことが大切です。他の人とは違う独特の視点や考え方が、読む人に新しい発見や感動を与えることがあります。自分の感じたこと、考えたことを素直に表珀することで、読む人の心に響く文章が生まれるのです。