刹那主義という言葉を聞いたことがありますか?

最近「刹那主義」という言葉の意味を初めて知りました。読み方は「せつなしゅぎ」。どこかで聞いたことがあるような気もするけれど、なんとなく響きがかっこいいなって思って調べてみました。

未来のことは考えず、今この瞬間を最優先にして行動する価値観

発達障害のASDの私にモロに当てはまっている言葉だと思いました。

そこで今回は、ASDと引きこもりの視点から、「刹那主義」を考察してみたいと思います。

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発達障害のASDはなぜ刹那主義的になってしまうのか?

ASDは想像力の欠如や柔軟な思考の低さから、未来思考が非常に苦手。今現在の事を考えるのに精いっぱいで、予測不可能なことや曖昧さに対して強い不安を感じてしまうので、目の前の安心や確実さを優先して行動してしまう。

それが結果的に、今を生きることに脳の思考が一杯で刹那主義的な生き方につながっているのだと思います。

周囲からは「計画性がない」と見られてしまうこともあるけれど、実際には未来が見通せない不安を抱えているからこそ、今を大切にしているだけです。

将来には希望が持てないから、せめて今を少しでもストレスなく生きることに集中する。それが、自分を守る手段なのです。

引きこもりと刹那主義

真性ひきこもりの人全般にも同様に刹那主義が当てはまるのではないでしょうか。

今後、どうしたらいいのかわからない。
でも、自分ではどうすることもできない。
誰も助けてはくれない。

なら、今を生きることに全力で楽しむしかない。
将来には希望が持てないから。ぎりぎりまで引きこもってやる。

いつか絶対に引きこもり生活が終わる日が来るとはわかっています。
しかし、その引き金は自分では難しい。その時が来るまで、なるべくストレスを抱えず、現在の状況で最大限に安心感を得て、自分を守る。
それが刹那主義と通じているのです。

刹那主義のメリット

私の場合、刹那主義のメリットとして一番に感じるのは、「未来の絶望に耐えなくていい」ということです。これは決してポジティブな意味ではなく、単に“未来をリアルに想像できない”から、無駄に苦しまないだけです。

本当は未来がヤバいことは重々承知です。先がない、終わってる、どうしようもない。でも、数年後の自分をちゃんとイメージができない。なんとなく“お先真っ暗”とは思っているけど、具体的にどうヤバいのか分からないから、精神的にギリギリで保てているだけです。

これが重度の現実逃避というやつでしょうか。

「あー、詰んでるな」
と分かっていても、どこか他人事のようにしか思えない。

鬱病のお薬や精神安定剤などはありますが、実際もう末期的過ぎて感情が死んでいる。
悲観的な気持ちを感じなくなっている気がする。

たぶん、自分を守るために脳が勝手に未来への思考をシャットアウトしているのかもしれない。
将来を直視したら本気で精神が崩壊すると思う。

ASDの想像力の欠如やIQの低さから、考えられない。最悪な脳機能のハンデだけど、逆にしぶとく生きてしまっている。
刹那主義の極致なのではないでしょうか。

刹那主義のデメリット

デメリットは一目瞭然。
未来にツケを回し続けているということ。
いつか訪れる、今までの楽をしてきた分が自分に返ってくる。

それが本当に怖い。わかっている。絶対に引きこもりが終わることを。
でも、それが怖くて、いつまでも引きこもり続けている。
今を生きる刹那主義で現実逃避するしかない。

刹那主義が続くほど、未来のしわ寄せが大きくなる。比例しています。

刹那主義のデメリットを帳消しるにする方法はあるけど、それは・・・。

ASDや引きこもりは刹那主義になりたいわけではない

なぜ「今を生きる」しかないのか。ASDはそのような思考になってしまうから。
刹那主義は選んでいるというより、仕方なくそうなっている。

人の気持ちを考えられず失言してしまう。自分の思ったことをそのまま実行してしまう。後先考えずに。
リアルタイムのこの瞬間を考えることに脳の使用量の大半を使用しており、他の情報を加味して行動できない。

勝手に刹那主義的になってしまうわけです。
その結果、人に嫌われたり、避けられる、変に思われるといったデメリットが発生してしまいます。

引きこもりも同じです。
自分では抜け出したいと思っていても、それは難しい。
自分なりに頑張っては見るけど、無理、困難。
それでも誰も助けてはくれないから、今を生きる刹那主義になってしまう。

毎日引きこもって、将来を心配しても仕方が無いと思ってしまうのです。
そして、現実逃避→長期引きこもりの結末へ。

刹那主義は楽をしていると思われてしまう

実際、私は近所の人に引きこもって働いていないので、蔑まれています。
危険人物扱いされているとも思います。

毎日、引きこもって遊んでいると思われているのでしょう。
でも刹那主義的にならざるを得ないからそうしているわけで、別に楽をしているわけでは無いです。

普通に働いて、普通の人並みに収入が得られるのであれば、社会復帰したい。
しかし、それは無理。

モンモンと悩んでも仕方がない。
少しでもストレスを抱えず、いつか現実と向き合うときが来た時に、ベストな精神状態でいたい。
そんな気持ちが刹那主義に自動でなっていると思う。

まとめ:刹那主義は「今を生きる生存戦略」

刹那主義は、怠惰でも無責任でもない。
ただ、限界まで消耗して、それでも壊れないように無意識が編み出した「生きるための精神の安定化」。

ASDや真性ひきこもりがまともにリアルを受け止めてしまうと、精神が崩壊する。
ぎりぎりで踏みとどまり、いつか社会復帰できるその日に備えて、心を守る必要がある。

だから、未来を見ない選択をする。目の前だけを見て、自分を壊さずに保つ。
今この瞬間を少しでも穏やかに生きる」ことが、最小単位の未来への投資になるのだと思う。
これって、何かの自己啓発本にありそうですね。

現実逃避じゃなくて「現実を小さく受け止める」ことができたら、刹那主義は「サバイバルモード」から「回復へのプロセス」に変わるのかもしれない。

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