
発達障害の可能性を「違和感として感じやすい」主なサイン一覧(※ASD当事者の個人的な体験と主観に基づくものです)
| 観点 | 一瞬で感じやすいサイン |
|---|---|
| 雑談・会話 | 話がかみ合わない/一方的/急に自分語りが始まる |
| 興味の偏り | 興味のない話には極端に反応が薄く、興味のある話では急に饒舌 |
| 仕草・態度 | 表情や相槌がズレている/視線や距離感が不自然 |
| 行動の安定性 | 落ち着きがない/衝動的/忘れ物やミスが多い |
| 感覚特性 | 音・光・匂いなどに強い過敏、または逆に鈍感 |
| 周囲からの評価 | 環境の要求が上がるにつれ、違和感やズレが目立ちやすくなる |
※注意
これらは傾向であり、これだけで発達障害と断定できるものではありません。
最終的な判断には、医師や専門家による診断と、日常生活での困り感が重要です。
発達障害かどうかについて、雑談や行動の中で「違和感として気づくこと」はあるのでしょうか。
個人的には、当事者や詳しい人であれば、気づきやすい場面は多いと感じています。
自分自身もそうですが、どうしても「普通とは違う」「変なところ」が、会話や行動の端々に見え隠れしてしまうからです。
発達障害に詳しい専門家や当事者であれば、「この人、もしかして発達障害かも」と気づきやすい場面は多いと思います。
雑談は、いちばん分かりやすい判断材料
個人的に思う、発達障害を見抜きやすい方法。それは雑談です。
実際にコミュニケーションを取ってみると、
- なんとなく話がかみ合わない
- ちょっと変わっている
- 仕草や態度に違和感がある
といったサインが見えてきます。
もちろん、会話だけですべてが分かるわけではないです。
発達障害にはさまざまな特性がありますし、人によって出方も違います。
でも、発達障害の根本的な定義に含まれる特性は共通しています。
そのため、分かる人には「分かってしまう」のも事実なのです。
発達障害の特性に気づきやすい場面について
発達障害は大きく分けて、ASD(自閉スペクトラム症)・ADHD・LD があります。(今回はLDは除きます)
それぞれに比較的わかりやすいサインがあるので、順番に解説していきます。
ASDの特性として現れやすいコミュニケーションの特徴
個人的にほぼ確信しているのが、コミュニケーションによる特徴です。
ASD当事者として言うと、自分では普通のつもりでも、相手にとっては「明らかにおかしい」「なんか違和感がある」と感じさせてしまう言動を、無意識にしてしまいます。
本人は普通だと思っていたり、「ちゃんと演じているつもり」でも、分かる人には気づかれてしまいます。
いきなり始まる「自分語り」
ASDで特にわかりやすいのが、いきなり自分語りが始まることです。
普通に会話しているつもりでも、
- 自分が思ったことを
- 何の前触れもなく
- そのまま口に出してしまう
その結果、相手は「???」となります。
もちろん、
- 明らかな暴言
- 常識外れすぎる発言
をするわけではありません。
ただ、その場の流れに合っていないことや、
「今それ言う?」という発言をしてしまうのです。
実体験:初対面で給料の話をした話
例えば、私が初めて就職した時に、出向先に行かされたときのことです。
帰り道、バス停で同期の人に突然話しかけられました。
詳しいやり取りはあまり覚えていませんが、初対面にもかかわらず、私はいきなり会社の給料の話を始めてしまいました。
完全に脈絡なしです。
当然、相手は引いていました。
その出来事が出向先のグループ内に広まったのか、それ以降、誰も話しかけてくれなくなりました。
たった1日で変人扱いです。
ASDの場合、
- 頭に浮かんだことを
- 何のためらいもなく
- そのまま言ってしまう
という特性があります。
もちろん、症状の強さや環境によって差はありますが、この傾向はかなり共通しています。
質問したときに表れやすいコミュニケーションの特徴
一瞬で判断したいなら、何かについて質問してみるのがわかりやすいと思います。
すると、話の流れがこんな感じになりがちです。
- 結論
- 前提説明
- 細かすぎる補足
- 自分の体験談
しかも、相手の反応を見ずに一気に話す。
あるいは、
- 話が支離滅裂
- 頭に浮かんだ順でそのまま話す
相手が理解しているかどうかは、ほぼ気にしません。
※ただし、ここはIQや言語能力によって差が出るため、一概には言えません。
共通しているのは、自分の考えや気持ちを一方的に話してしまうという点です。
この「変さ」や「違和感」は、年齢が上がるにつれて目立ちやすくなり、
- 嫌われる
- いじめられる
- 避けられる
といった経験につながりやすくなります。(実体験)
興味の偏りでわかるASDのサイン
ASDのコミュニケーションで、もうひとつ分かりやすい点があります。
それは、興味の有無による反応の差が極端なことです。
自分にとって、
- 興味がない
- どうでもいい
と感じる話題になると、
- 反応が薄くなる
- 無難な相槌だけになる
- 無言になる
といった状態になりやすいです。
その結果、
「感じが悪い」「冷たい」「やる気がなさそう」と受け取られてしまうこともあります。
一方で、
- 興味があること
- すでに知っていること
については、一気に饒舌になります。
相手がその話題に興味があるかどうかは関係なく、
- 深掘りしすぎる
- 一方的に話し続ける
といったことが起こりがちです。
要するに、コミュニケーションの中で「普通ではない」という違和感を感じたら、ASDを疑うサインになりやすいということです。
わかりやすいASDの仕草のサイン
ASDの人は、見た目や仕草から分かりやすい場合もあります。
私自身、子どもの頃から相手と目を合わせるのがまったくできませんでした。
よく「相手の目を見て話しなさい」と言われていた記憶があります。
そして、その言葉を文字通り受け取り、
会話をするときは、相手の目を見なければならない
と考えた結果、今度は相手をずっと凝視してしまうようになりました。
もちろん、自分でも「これは変だな」と気づき、見たり見なかったりを繰り返していましたが、相手からすれば違和感バリバリだったと思います。
ASDに多い仕草や態度の例
ASDによく見られる仕草には、次のようなものがあります。
- 喜んでいるつもりでも表情があまり動かない
- 逆に、大したことではない場面で大げさな反応をする
- 相槌のタイミングや内容がズレている
- 距離感がおかしい(物理的にも心理的にも)
- 場の空気を読まずに行動してしまう
- 動きがぎこちない、落ち着きがない、または不自然に固まる
もちろん、これらすべてが全員に当てはまるわけではありません。
私の場合は、
- 距離感がおかしい
- 空気を読めない
- 微妙に変な仕草
あたりが特に当てはまります。
姿勢の悪さもサインになりやすい
人によっては、姿勢の悪さも分かりやすい特徴になります。
感覚処理の特性により、
感覚的に「楽な姿勢」を取りやすかったり、
- 体幹や抗重力筋の筋緊張が低い
- 姿勢を保つ筋力が弱い
といった理由で、姿勢が崩れやすいこともあります。
私の場合、小さい頃からかなりの猫背でした。
ASD由来の姿勢の悪さに加えて、胴長短足という体型もあり、自然と背中が丸くなっていました。
姿勢を正そうと意識しても、
- 数分で元に戻る
- そもそも正しい姿勢を取るのに強い労力が必要
その結果、楽な猫背に戻ってしまっていました。
感覚過敏でASDと分かることもある
発達障害の人は感覚過敏を抱えていることが多いですが、特にASDでは聴覚過敏が分かりやすいと思います。
例えば、
- 低周波の音(エンジン音・モーター音・プロペラ音など)が
「聞こえる」というより
脳や身体に響いてくる感じがあるかどうか。
定型発達の人には気にならない振動音が、強い不快感として伝わってくることがあります。
このような質問をして、
「ある」「かなりつらい」と答える場合、ASDの可能性は高いと言えます。
よくある研究や調査でも、ASDの人の60%くらいは聴覚過敏を抱えているとか。
もちろん、音だけではありません。
- 視覚
- 味覚
- 嗅覚
- 触覚
などが、
我慢できないほど敏感だったり、
逆に極端に鈍感だったりするのも、
発達障害のサインのひとつです。
ASDの人の 約69〜93%が感覚の異常を報告しているという研究報告もあります。
動きや行動の中で気づきやすいADHDの特徴
ASDと違って、ADHDは「話していて変」というより、動きや行動が落ち着かないタイプです。
数分一緒にいれば、分かることも多いです。
会話の流れに表れやすいADHDの特徴
まず、話が飛びます。
かなり飛びます。
「今、何の話だっけ?」
となることが頻繁にあります。
質問をすると、
- 答える前に別の話を始める
- 途中で思いついたことをそのまま口に出す
といったことが起こります。
ASDと同様、ADHD本人も悪気はゼロです。
よく見られる特徴としては、
- 話している途中で急に別の話題に切り替わる
- オチの前に脱線しまくる
- 「あ、そういえばさ!」が多い
- 相手の話を最後まで聞く前に被せてくる
- 会話のテンポが妙に速い、または不安定
などがあります。
沈黙が苦手
ADHDの人は、沈黙が苦手です。
会話に間が空くと、
なんとなく耐えられない感じになります。
雑談をしていると、
「ずっと喋ってるな……」
という印象を持たれやすいです。
ただし、話の内容は浅くなりがちです。
深く掘る前に、次の話題へ移ってしまうからです。
また、自分の話も忘れます。
- さっき言ったことと矛盾する
- 話の前後がつながらない
といったこともあります。
本人は覚えていないだけで、
嘘をついているわけではありません。
仕草や行動に表れやすいADHDの特徴
ADHDは、体が先に動くタイプです。
座っていても落ち着かず、
- 貧乏ゆすり
- 指を動かす
- ペンを回す
- スマホを触る
など、何かしら動いています。
「じっとしている」のが、とにかく苦手です。
話している途中で、
- 急に立ち上がる
- どこかへ行ってしまう
といったこともあります。
忘れ物の多さは鉄板
ADHDでよくあるのが、忘れ物の多さです。
これはかなり鉄板です。
- 財布を忘れる
- 鍵をなくす
- さっき置いた物が見つからない
- 締切を忘れる
- 予定を勘違いする
そして本人も、本気で困っています。
だらしないわけでも、やる気がないわけでもなく、
注意があちこちに飛んでしまう感覚です。
衝動性と感情の振れ幅
行動は衝動的になりやすいです。
- 思いついたら即やる
- 止まらない
- 後先をあまり考えない
(※これはASDにも一部当てはまります)
その結果、
- 余計な一言を言ってしまう
- 余計な行動をしてしまう
あとから「あ……」となることも多いです。
感情も表に出やすく、
- テンションが高いときはうるさい
- 落ちると一気に無気力
- 切り替えが極端
といった特徴があります。
正直、一緒にいると疲れると感じる人がいるのも事実だと思います。
でも本人は、常に全力で脳が動いているだけなのです。
ADHDは「元気な人」と勘違いされやすい
これは本当に大事なポイントだと思います。
ADHDの人は、
- 明るい
- よく話す
- 動きがある
ため、ASDとは対照的で、一見すると「ただの陽キャ」に見えることがあるのです。
でも、よく見ると、
- ミスが多い
- 継続できない
- 同じ失敗を繰り返す
- 生活が崩れがち
といった特徴があり、そこで「あれ?」となります。
ASDのような強い違和感ではなく、「なんか安定しないな」という印象です。
一瞬で100%見抜けない人もいますが、雑談と行動を少し見れば、ADHDっぽさはかなり出るので、分かりやすいと思います。
まとめ
今回は、発達障害かどうかを見分けるサインについて書いてきました。
学校や職場、日常生活の中で、
- なぜか浮いている人
- ちょっと変わっている人
- 関わると違和感がある人
というのは、どこにでも一定数いると思います。
もちろん、その人が本当に発達障害かどうかは、医師や専門家による診断が必須です。
雑談や行動だけで断定できるものではありませんし、素人判断は慎重であるべきなのは大前提です。
ただし、ASD・ADHDといった発達障害の根本的な特性は共通しています。
それが、
- コミュニケーション
- 仕草
- 行動
- 感覚の偏り
といった形で、どうしても「にじみ出て」しまうのも事実です。
特に、グレーゾーンと呼ばれる人たちは、診断基準に明確に当てはまらないことも多く、「どこまでが個性で、どこからが特性なのか」が非常に分かりにくい存在です。
発達障害の人によく見られる、
- 雑談が極端にかみ合わない
- 反応や距離感がズレている
- 動きや行動に一貫性がない
- 感覚過敏や鈍麻が強い
といったサインがあっても、グレーゾーンの人に関しては判断が難しい場合もあります。
発達障害と明確に診断される重要な要素のひとつが、日常生活での困り感だからです。
この記事は、
誰かをラベリングしたり、決めつけたりするためのものではありません。
「変な人」
「空気が読めない人」
「だらしない人」
そう片づけられてしまいがちな人たちの中には、このような発達特性が隠れていることもある、という視点を知ってもらえたら嬉しいです。
気づけること自体が、生きづらさを減らすための第一歩なので。
