
「アハ体験」って聞いたことありますか?
実は私もたまたまこの言葉を目にして知りました。
調べてみると、アハ体験とは「ずっと分からなかった問題や謎が突然理解できる瞬間」のことだそうです。
例えば、パズルをやっていて、ずっとモヤモヤしていたピースの場所が急にわかる瞬間。
あれが「アハ体験」だと言われています。
でも、私の人生経験上、アハ体験は普通の人よりも圧倒的に少なかったと確信しています。
いや、アハ体験自体、生きてきて1回か2回くらいしかなかったと思う。
ASDでIQが低いから勉強でも、何か問題が起こったときでも、解決策を見つけられず、理解できないことが多かったからです。
いつも曖昧なままで、理解したつもりになり、何となくで人生を過ごしてきました。
そして、調べていくうちにわかったのが、アハ体験自体が人によっては体験のしやすさが異なる概念だということです。
脳の認知処理の仕方や、ひらめきや抽象的思考を必要とするタスク高い人、要するに頭の良い人がアハ体験をしやすいのです。
ASDの私の場合、想像力が本当に低すぎるので、何事においても気づきが劣っている。
更にIQが低いので、相乗効果でアハ体験しずらいのだと思います。
逆に、発達障害のADHDの人の場合は、日常的に頭の中で情報が飛び交い、突発的にアイデアが浮かぶため、アハ体験が多いと思っています。
集中は苦手でも、直感的なひらめきや発見が得意そうだからです。
今回は「アハ体験」とASDやIQの関係性などについて考察していきたいと思います。
アハ体験とは?ASDやIQが低いと少ないのはなぜ?
私の場合、ASD(自閉スペクトラム症)があり、さらにIQも67と低いです。
学生の頃の授業中、他のクラスメイトは先生の説明を聞いて「なるほど!」と理解しているのに、私だけ理解できていない。
そんなことがよくありました。
例えるなら、パズルをしていて、他の人がサクサク解いていく中で、自分だけピースが一つもはまらない感じです。
そもそもアハ体験は、脳内で「気づき」が生まれる瞬間らしいのですが、ASDだと「全体を俯瞰する力」や「文脈を読み取る力」が弱いことが多いです。
さらにIQが低いと、情報処理の速度や思考力も弱いので、アハ体験の頻度は普通より少なくなるのだと思います。
でも、逆にASDの場合、「一点集中型」なので、逆に他の人が見落とすような細かい部分に気づく力があります。
普通の人が得られるようなアハ体験は少なくても、ASDならではの気づきや発見があるのではないかと。
誰もがこだわらない細部まで考えてしまい、自分なりの解釈で理解が深まり、アハ体験に昇格するとか..。
ASD流のアハ体験というのがあるのかもしれません。
アハ体験が少ないと生活でどうなる?
「アハ体験が少ない」からと言って、実際に人生にどんな影響があるのでしょうか。
私の場合、アハ体験がほとんど無かったことで、自他ともに頭が悪いと感じたことだと思います。
理解しているフリが増える
例えば学校や仕事で説明を受けたとき。
周りの人たちは「なるほど!」と納得しているのに、私はよくわかっていない。
でも、わからないと言うのが怖くて、とりあえず理解したフリをしてしまう。
そして後で一人で調べるけど、結局理解できず、モヤモヤしたまま終わることも多いです。
自分だけ取り残されている感覚
周囲は当たり前のようにできるのに、自分だけ理解できないと、本当に落ち込みます。
大学でプログラムの授業の時、自分だけ関数の使い方や意味が分からず、問題が溶けない。
周囲の人は、教授の話を聞いて問題を解いていく。
あの瞬間は本当に辛かった。
今思うと、自分だけアハ体験が出来ず苦悩し続け、ずっと考え込んでいる状態でした。
問題に対する気づきや閃きが劣っているので、いつまでもわからない。
本当にASDや低IQは大変です。
でも、違う気づきもある
ASDや低IQでも、アハ体験が少ないからといって「気づきゼロ」というわけではないです。
例えば、授業内容は理解できなくても、先生が黒板に書いた文字の形や、チョークの色の順番など、他の人が気にしない細かいことは覚えていたりしました。
ASDの「細部に注意が向く」特性がこういうところに現れるのかなと思います。
アハ体験が少ないことで苦労することも多いですが、普通とは違う視点で物事を見られるという強みも確かにあると感じています。
IQが低い人のアハ体験と脳の働き
そもそもIQが低いと、なぜアハ体験が少なくなるのでしょうか。
これは単純に「頭が悪いから」という話ではなく、脳の情報処理の仕方やスピードが影響していると思われます。
IQとは「情報処理の速さと正確さ」、どれくらい早く情報を理解できるか、どれくらい正確に記憶できるか、複雑な情報をどう組み合わせて考えられるか、といったものです。
IQが低い場合、情報を整理して組み合わせる力が弱めなので、パズルを解くときのように、複数のヒントを組み合わせて「これかも!」とひらめく体験が少なくなるのだと思います。
アハ体験には「認知の柔軟さ」が必要
アハ体験って、ただ記憶力がいいだけでは起きないようです。
例えば難しい問題を解くとき、今までに学んだ知識を自由に組み合わせて、新しい発想につなげる力が必要だと言われています。
この認知の柔軟さが、IQ(新しい問題を解決する力)と関係が深いのです。
IQが低くてもアハ体験は可能?
「IQが低いと一生アハ体験できないの?」と思うかもしれません。
でも、私の経験上、IQが低くても、自分に合った分野ならアハ体験を得られる可能性があると思います。
例えば私は勉強や論理問題ではほぼアハ体験が無いですが、ゲームや自分の好きな事に熱中している時は、細かいことまで気にしてしまうので、アハ体験的な気付きをしていた可能性があります。
なので、IQの高さよりも、自分が好きで集中できることに取り組む方が、アハ体験につながりやすいのかもしれません。
まとめ:アハ体験がなくても生きていける理由
「アハ体験が少ないと人生詰むのかな…」
「気づきがないってヤバいのでは…」
と不安になる人もいるかもしれません。
でも、アハ体験がなくても普通に生きていけます。
そもそもアハ体験は必須ではない
アハ体験は、脳にとっては気持ちのいいご褒美みたいなものです。
でも、アハ体験が少ないからといって、「全ての問題が解けない」というわけではないです。
私自身、アハ体験がなくても、諦めることを決定できたからです。
理解が出来ないなら、仕方がない。と割り切れられます。
時間をかければ理解できることもある
アハ体験がある人は、問題を一瞬で理解することができますが、私のようにアハ体験が少ない場合は、時間をかけて何度も繰り返すことで理解できることもあります。
結局、たどり着くゴールは同じになります。
早いか遅いかの違いであって、どちらが優れているというわけではないのです。
ただ、時間という人生の貴重な格差が、普通の人と明確に出てしまい、その後に影響してしまいますが・・・。
アハ体験がなくても、別の強みがある
ASDの人やIQが低い人は、アハ体験が少ない代わりに
- 細かい作業を丁寧にこなせる
- 一度覚えたことは同じ手順で正確にできる
- 感覚的な理解や体感的記憶が強い場合もある
といった別の強みを持っています。
私自身も、「気づき」や「ひらめき」は弱いですが、日常のルーティン作業や、同じことを繰り返す仕事は苦にならないタイプです。
つまり、アハ体験がないからといって、人生が詰むというわけではないということです。
「気づけないなら、気づかなくてもできるやり方を探す」
これも生きるための大事なスキルだと思います。