自閉スペクトラム症(ASD)の子どもが、学校や日常において苦労することはたくさんあります。
ASDの特性によって、「普通」にすることが難しくなってしまうからです。
私自身もASDと診断された一人として、子ども時代には通常とは異なる困難を経験しました。
例えば、友達を作ることができなかった。
最初は親しくしてくれる子もいましたが、次第に孤立し、いじめの対象になることもありました。
また、想像力が乏しいため、自分で物事を考え、行動に移すことが非常に難しく、新しい課題や創造性を求められる場面では特に苦労しました。
私自身の子供の頃の経験を踏まえると、「普通」に出来ることが3割くらい、残り7割はちょっと変わっていたり、違和感を覚えさせてしまうような言動になっていました。
もちろん、全てのASDの人がこのような状態になるわけではありませ。
育った環境、IQ、ASDの特性も人によって異なりますので、「普通」がどれだけできるかの割合も異なります。
ただ、共通して言えるのは、学校という集団生活の場においては、コミュニケーションやこだわり、社会性の問題から浮いてしまう可能性が高いということです。
子供の頃の精神状態は本当に大切です。
自己肯定感が欠如したまま育ってしまうと、大人になっても精神的に苦労してしまうからです。
なので、子供の頃は、なるべくストレスがかからない状態で育って欲しいと願っています。
そこで今回は、ASDの子どもたちが一般的な子どもたちとは異なる、特有の苦労や課題に焦点を当ててご紹介します。
ASD(自閉スペクトラム症)の子どもが苦手なこと10選
ASDの子どもは、普通の人とは異なる認知や感覚、コミュニケーションの特徴を持っています。
そのため、日常生活や社会生活において、さまざまな困難やストレスに直面することがあります。
ここでは、ASDの子どもが普通の人よりも、物事が難しくなってしまう「10個の問題」を挙げていきます。
すべてのASDの子どもに当てはまるわけではありませんが、一般的によく見られる傾向です。
学校のクラスの集団生活が苦手
ASDの子どもは、学校のクラスの中で、みんなと一緒に過ごすことが苦手です。
それは、自分の好きなことややり方があるのに、それができないからです。
また、想像力の欠如や社会性の無さから、自分がどう行動したらいいのかわからなくなってしまうのです。
変化に対する適応力が無い
変化とは、時間割や先生や席が変わることです。
ASDの子どもは、自分の好きな順番やルールに従って物事を進めたいです。
変化が起こると、混乱したりパニックになったりします。
そのため、変化に対応するのが難しいです。
>新しい環境が嫌い
新しい環境とは、例えば、転校や引っ越しや遠足などです。
ASDの子どもは、自分の慣れた場所や人に安心感を感じます。
新しい環境に行くと、不安や恐怖を感じます。
そのため、新しい環境に慣れるのが難しいのです。
友達を作ることが苦手
asdの特徴である、「コミュニケーション能力の低さ」が友達を作ることを困難にしています。
普通に話す分には構わないのです。
でも、思いついたことをそのまま言ってしまうので、変人に見られたり、嫌われることを何のためらいもなく話してしまいます。
会話においてストッパーがかからないのが、一番の問題だと感じます。
子供同士の雑談が困難
ASDの子どもは、子供同士の雑談が困難です。
例えば、趣味やテレビやゲームなどについて話すことです。
基本的に、自分の興味のあることにしか話題が集中しません。
他の子の話に興味を持ったり、相づちを打ったり、質問をしたりすることが苦手だったり、変な感じになってしまいます。
そのため、会話が続かないか、一方的になってしまうのです。
対人関係の構築や維持が出来ない
対人関係の構築や維持が本当に苦手です。
例えば、挨拶やお礼や謝罪などのやりとりです。
他の人の気持ちや考えを理解すること苦手すぎます。
なので、自分の思いや意見を伝えることもできません。
そのため、他の人と仲良くなったり、トラブルを解決したりすることができないのです。
特定の学習や苦手科目
asdの人は、広く浅くが苦手だと思います。
ある特定の科目だけが得意だったり、好きになってしまうのです。
興味の限定やこだわりの特性の影響だと思います。
国語ができない
国語が苦手なasdの人も多いと思います。
私も、数学以外は壊滅手でした。
特に国語は、文章力の理解力が低く、また頭の中で考えるのが苦手(シングルタスク)なので国語が苦手なのです。
国語といえば、読解や作文や漢字などの学習です。
ASDの子どもは、言葉の意味やニュアンスを正確に捉えることができません。
文章の内容や登場人物の感情を理解することもできません。
自分の考えや感想を言葉にすることもできません。
そのため、国語の学習に苦労します。
数学ができない
ASDの子どもの中には、数学が苦手な子もいます。
例えば、計算や図形や方程式などの学習です。
抽象的な概念や規則を理解することが苦手だからです。
数字や記号や図に興味を持たないか、逆に執着しすぎます。
問題の解き方や答えの導き方を説明することもできません。
そのため、数学の学習に苦労します。
運動が苦手
運動が苦手なASDの子どもにとって、学校や家庭や社会での運動の機会は、楽しみではなく苦痛になることが多いです。
運動が苦手な理由は、協調性やルールの理解が難しいことや、身体能力や運動神経が低いことなどがあります。
運動が苦手なことは、自信や健康や人間関係にも影響を与えます。
運動が苦手なASDの子どもにとって、どうすれば運動が楽しくなるか、または運動が得意になるか、という問題は、重要な課題です。
協調性やルールの理解が難しい
協調性やルールの理解が難しいため、チームスポーツやゲームなどの運動が苦手なことがあります。
他の子どもと協力したり、相手の動きを予測したりすることが得意ではないため、運動の楽しさを感じられないのです。
また、ルールが複雑だったり、変わったりすると混乱してしまうこともあります。
身体能力や運動神経が低い
運動が得意ではない子供の中には、身体的な能力や運動のセンスが低いという理由もあります。
運動するときに必要なバランスや協力などのスキルが発達しきっていないことが多く、運動の基礎となる動作が苦手になるのです。
例えば、走ったり、飛んだり、投げたり、キャッチしたりといった動作ができない子どももいます。
さらに、運動に欠かせない筋肉やスタミナも足りていないことがあります。
恋愛が苦手
相手の気持ちやサインが分からない
相手の気持ちやサインが分からないため、恋愛が苦手なことがあります。
恋愛においては、言葉だけでなく、表情や態度、雰囲気などの非言語的なコミュニケーションが重要ですが、ASDの子どもはそれらを読み取るのが得意ではありません。
また、自分の気持ちや好意を伝えるのも苦手なことが多く、恋愛関係に発展する機会が少ないこともあります。
恋愛に興味がない
恋愛に興味がないことも恋愛が苦手な原因の一つです。
恋愛には多くの感情やストレスが伴うことが多く、ASDの子どもにとっては負担に感じることもあります。
また、恋愛に関する社会的なルールや期待にも疎いことが多く、恋愛に対するモチベーションが低いこともあります。
集中が苦手
ASDの子どもは、集中が苦手なことがあります。 例えば、授業や宿題やテストなどの学習活動です。
自分の興味のないことに注意を向けることができないか、逆に興味のあることに没頭しすぎることがあります。
また、周りの音や光や人の動きなどの刺激に敏感に反応してしまうこともあります。
そのため、集中力を持続するのが難しいのです。
音や光などの刺激が苦手
ASDの子どもは、音や光などの刺激が苦手なことがあります。
例えば、教室や公園やスーパーなどの場所です。
感覚の処理能力が低いか、逆に過敏なことがあります。
そのため、普通の人には気にならないような刺激にも強く反応してしまいます。
刺激が多すぎると、不快感や痛みや恐怖を感じます。
そのため、刺激の少ない場所や状況を好むのです。
刺激に対するコントロールができない
刺激に対するコントロールができないことも刺激が苦手な原因の一つです。
ASDの子どもは、自分の感覚に合わせて刺激の量や質を調整することができません。
さらに、刺激に対して適切な反応や対処法を知らないこともあります。
そのため、刺激に対して無力感や不安感を抱きます。
刺激に対する理解や共感が得られない
刺激に対する理解や共感が得られないことも刺激が苦手な原因の一つです。
ASDの子どもは、自分の感覚が普通の人とは違うことに気づきにくいことがあります。
また、他の人に自分の感覚を説明することもできません。
他の人から刺激に対する理解や共感を得ることができないことが多く、孤立感や不満感を感じます。
興味を持つことが苦手
ASDの子どもは、興味を持つことが苦手なことがあります。
例えば、新しいことや違うことに挑戦することです。
自分の興味の範囲が狭いか、逆に偏っていることがあります。
そのため、自分の興味のないことには関心を持たないか、拒否反応を示します。
興味を持つことができないと、学習や成長にも影響が出ます。
好奇心や探究心が低い
好奇心や探究心が低いことも興味を持つことが苦手な原因の一つです。
ASDの子どもは、自分の知らないことや分からないことに対して、興味や疑問を持ちにくいことがあります。
また、自分の知っていることやできることに満足してしまうこともあります。
そのため、新しいことや違うことに挑戦することができないのです。
自信や自己肯定感が低い
自信や自己肯定感が低いことも興味を持つことが苦手な原因の一つです。
ASDの子どもは、自分の能力や価値に対して、否定的な評価を持ちやすいことがあります。
また、他の人と比較して、自分は劣っていると感じることもあります。
そのため、自分にはできないと思い込んでしまい、興味を持つことができないのです。
自分の感情や欲求を表現することが苦手
ASDの子どもは、自分の感情や欲求を表現することが苦手なことがあります。
例えば、嬉しいことや悲しいことや怒っていることなどです。
感情の認識や制御ができないか、逆に感情が強く出すぎることがあります。
そのため、自分の感情を言葉や表情で伝えるのが困難です。
感情を表現することができないと、他の人とのコミュニケーションや関係にも影響が出ます。
言葉や表情で伝えるのが困難
言葉や表情で伝えるのが困難なことも感情を表現することが苦手な原因の一つです。
ASDの子どもは、自分の感情を言葉で説明することができません。
また、他の人の言葉や表情から感情を読み取ることもできません。
そのため、自分の感情や相手の感情を言葉や表情で伝えることができないのです。
感情の爆発や引きこもりが起こる
感情の爆発や引きこもりが起こることも感情を表現することが苦手な原因の一つです。
ASDの子どもは、自分の感情をコントロールすることができないことがあります。
そのため、感情が溜まりすぎて、突然怒ったり泣いたり暴れたりすることがあります。
逆に、感情を出すことが怖くなって、人と話さなくなったり部屋に閉じこもったりすることもあります。
ルールや手順にこだわることが苦手
ASDの子どもは、ルールや手順にこだわることが苦手なことがあります。
例えば、遊びやゲームや作業などの活動です。
自分の好きなルールや手順があるか、逆にルールや手順が分からないことがあります。
そのため、ルールや手順に従うことができないか、拘束感や不安感を感じます。
ルールや手順にこだわることができないと、柔軟性や創造性にも影響が出ます。
例外や変更に対応できない
例外や変更に対応できないこともルールや手順にこだわることが苦手な原因の一つです。
ASDの子どもは、自分の思い通りに物事が進まないと、混乱したりパニックになったりします。
また、ルールや手順が変わると、理解したり受け入れたりすることができません。
そのため、例外や変更に対応することができないのです。
自分のルールや手順を押し付ける
自分のルールや手順を押し付けることもルールや手順にこだわることが苦手な原因の一つです。
ASDの子どもは、自分のルールや手順が正しいと思い込んでしまうことがあります。
また、他の人のルールや手順に興味を持たないか、理解できないことがあります。
そのため、自分のルールや手順を他の人にも強制しようとすることがあります。
まとめ
この記事では、ASD(自閉スペクトラム症)の子どもが苦手なことについて、10個の問題を紹介しました。
それぞれの問題は、ASDの子どもの認知や感覚やコミュニケーションの特徴に関係しています。
ただ、全てのasdの子供に当てはまっているわけではありません。
でも、asdの私自身を顧みると、ほぼ全て子供の頃に体験してきた問題だと感じています。
これらのasdの子供が直面する苦手な事に、周囲の人のサポートや理解が無いと悲惨な状態になります。
私の場合は、発達障害の概念が無い時代に生まれ、誰からもわかられずに育った結果、ボロボロのメンタルや人生となりました。
今回あげたasdの苦手なこと10選は、代表的なものです。
他にも、細かいことを挙げたらたくさんあります。
ただ、発達障害の症状は誰一人として同じ症状の人がいないとされています。
なので、症状の大小だったり、特性も異なるので問題点は一概には言えません。
1つだけ言えるのは、絶対にasdの子供に支援やサポートが必須だということです。
asdの子供が困っていたら、手厚い手助けを絶対にして欲しいと願っています。