長期間の引きこもりを病院へ行かせるにはどうすればいいのでしょうか。
かなり難しい問題だと思います。
20年以上引きこもっている私自身も、病院へ行くことは難易度が高すぎます。
そもそも普通の外出でも、重度の引きこもりにとっては敷居が高いです。
いきなり病院へ行かせたくても、様々な問題があり、ほぼ不可能なのです。
では、一体どうすれば長期ひきこもりは病院へ行くことができるのでしょうか。
今回は、外出が難しい長期の引きこもりを病院へ行かせる方法、外出が困難な理由をお伝えしていきます。
重度の引きこもりが外出不能な理由
長期間ひきこもっていると、病院どころか外出することすら難しくなります。
外に出て人に触れ合うことが、物凄く苦痛に感じてしまうからです。
原因は自分に対する劣等感があります。
長期間の引きこもり状態と言うことは、社会的身分が最底辺になってしまっています。
普通に働いていたり学校に通っている人から見れば、明らかに差別される対象に見られてしまいます。
ひきこもりやニートといった存在は、一般的にバカにされてしまう存在として認識されているからです。
引きこもりの人にどんな事情や問題があるとも知らずに、存在自体が悪とされてしまうのです。
長期ひきこもりは、自分の存在が最底辺だとわかっているから、外に出て人と交流することができません。
私も20年以上引きこもっており、ゴミのような存在だと認識しているので、他者との交流は絶対にできません。
絶対にバカにされる、憐れられる、悪意を向けられると思っています。
実際、私は10年以上前に目の病気で、個人経営の眼科に行ったことがありました。
その時に引きこもりだとバレてしまい、受付の人に冷たくあしらわれ、医師には「お金払えますか?」とバカにされたことがありました。
ちなみに被害妄想ではありません。
鈍感な私でもわかるくらい、あからさまな対応をされました。
長期ひきこもりの自己肯定感は、最低レベルであり、治すことはほぼ不可能です。
既に長期間のひきこもりにより、普通から外れてしまい手遅れだからです。
自己肯定感が低いと、他者との接触は苦痛です。
人とすれ違ったり、見られただけでも心が苦しくなります。
外出すると絶対に他者との接触は避けられない為、長期ひきこもりには難しくなるのです。
家に居ても常に近所の人や家族の気配が気になってしまいます。
その為、長期ひきこもりは他者との接触を避けるために昼夜逆転になってしまいます。
重度の引きこもりを病院へ行かせるには?
長期の真性ひきこもりが病院へ行けないのは、心の問題です。
対人恐怖症、社交不安症、鬱状態など、何かしらの精神問題を抱えており、外出が難しいのです。
内閣府の調査でも引きこもりの8割は、精神疾患を抱えているとされています。
長期間の引きこもりの人の場合、ほぼ100%メンタルの病気があると思います。
心の問題は、引きこもっていても自然に治ることはありません。
引きこもり期間が長いほど悪化し続けるだけであり、治療は困難となります。
では、長期ひきこもりを病院へ行かせるにはどうしたらいいのでしょうか。
確実な方法は、メリットと危機感です。
心に問題をかかえていても、それ以上に意欲が勝れば、行動することは可能となります。
病院へ行くメリットをわかってもらう
長期の引きこもりが病院へ行くメリットは何でしょうか。
それは、自分の引きこもった原因が判明する、未来への希望が得られることです。
長期間引きこもっていると言うことは、普通の人には無い精神病を抱えている可能性が多大にあります。
健常者でも、運が異常に悪くて引きこもりになって抜け出せない人もいます。
ですが、ほとんどの真性ひきこもりは、心の病を生まれつき抱えていた、もしくは遺伝による精神の脆弱さによって2次障害が起こっている状態です。
個人的には、重度の引きこもりの人は、発達障害があると思っています。
引きこもりになる原因は、社会に適応できなかったからです。
社会適応能力が極端に低い発達障害の人は、人生が困難だらけで引きこもりのリスクが非常に高いのです。
長期ひきこもりの人が、病院の精神科や心療内科に受診することで発達障害やその他の精神病が判明します。
結果、障害者手帳の取得や障害年金の申請も可能となります。
発達障害でなくても、鬱病や統合失調症、その他の精神疾患であれば、障害年金の申請は可能です。
特に家から出られず長期引きこもりの人は、重度の精神疾患を抱えているので、認可の可能性は高くなります。
ただ、障害年金の申請は難しく複雑なので、他者の協力が必要となります。
長期の引きこもりの人は、働いていないのでお金が無いです。
買いたいものも買えない、物欲を満たせない。
それどころか、自分のしたいことができず、行動を制限されています。
障害年金を受給することで、多少は何かできるようになるメリットがあるのです。
また、長期ひきこもりの人は、働きたくても、どうしたいいのかわからない人もいます。
障害者手帳を取得することで、障害者雇用の道が開けるのです。
病院へ行くことで、未来への希望が持てることを上手く本人に理解してもらう必要があります。
ただそれが難しいのです。
長期ひきこもりは現状に満足しています。
現在の安息状況の変化は望んでいないのです。
今の引きこもり状態が変わってしまうことで精神的苦痛を味わう。
さらに絶望してしまう、生活状況が悪化してしまうのではないかという懸念があります。
要するに、辛い思をしたくないのです。
ではどうすればいいのか。
答えは、病院へ行くのは一時的であり、本人にとってメリットしかないと思わせる必要があります。
特に、お金の問題です。
長期の真性ひきこもりは、確実に精神障害を抱えており、障害年金の申請が可能です。
その為に、病院の精神科や心療内科を受診する必要があります。
そのことを理解してもらい、病院へ行く動線を作るのです。
危機感を感じさせる
人間を動かす行動原理は「危機感」です。
自分の身に降りかかる脅威を感じた時、恥ずかしい感情を感じたり、躊躇してしまうことでも、行動できるのです。
例えば私の場合、外出がほぼできない真性ひきこもりでしたが、病院へ行くことができたきっかけが2つあります。
1つ目は目の問題です。
引きこもってずっとパソコンの前で過ごしていた為、目に異常が発生しました。
目の隅に光の線がちらつくようになり、恐怖と心配で心が不安定になりました。
「放置していたらいつか目が見えなくなってしまうのではないか」と、常に辛い気持ちになりました。
調べてみると自然治癒することはなく、放置は危険ということで、病院へ行くしかなくなったのです。
長期の引きこもり状態で外出が困難でしたが、一大決心をして病院へ行くことができたのです。
しかし、引きこもりとバレて酷い対応をされ、さらにメンタルは悪化してしまい、トラウマとなってしまいましたが。
2つ目は、甲状腺機能亢進症(バセドウ病)です。
長期の引きこもりから昼夜逆転の生活、日光を全く浴びなかった等、不衛生な生活から甲状腺機能亢進症になってしまいました。
甲状腺機能亢進症の症状は、本当に恐怖でした。
心臓がバクバクして動悸が全く治まらず、死ぬと確信していました。
癌に侵されて末期症状なのかもしれないと感じていました。
あまりの辛さから、引きこもりの負い目などどうでもよくなり、病院へ自ら行きました。
長期の引きこもりの人は、ぎりぎりまで自分の辛い病気の症状を我慢してしまいます。
どうしても外出できないから、限界が来るまで放置してしまいます。
家族や周囲の人が、引きこもり本人の状態を把握し、病院へ誘導してあげて欲しいと思います。
「今、病院へ行かないと手遅れになる」というようなことを、本人に上手く説明し、理解してもらう必要があります。
ただ単に「病院へ行け」と言われても、逆に本人は病院へ行きたくなくなります。
長期の引きこもりになった原因は、親にあると思っているからです。
その場合、説得するのがかなり困難です。
本人が危機感や病院へ行くメリットを感じない限り、行動できないからです。
ひきこもり相談センターや市役所の福祉課など、外部の協力を頼る必要もあります。
まとめ
ひきこもり歴20年以上の私は、今では約2カ月に1度の心療内科と、甲状腺の病気ので6カ月に1度、病院へ行くことが出来てます。
どちらも自分にとって絶対に行かなければならない理由があるので、病院通いができるようになりました。
ただ、外出するだけで心が辛いですし、出来れば絶対に病院へは行きたくありません。
病院へ行けない長期ひきこもりの人は、何かきっかけが必要です。
本人にとってメリットのある事や危機感といった強い行動原理です。
長期ひきこもりは現状が続くことを願っており、変化は望んでいません。
辛い思いをしたくないからです。
心の中では、社会復帰して普通の人になりたいとは思ってます。
でも、それはほぼ不可能であるとわかっています。
また、社会復帰するための道筋も自分では思いつきません。
何をどうしたらいいのかわからないので、いつまでも引きこもっているのです。
誰かが助けてくれない限り、長期引きこもり問題が解決することはありません。
親や周囲の人が、本人が病院へ行くことで未来への希望を見出せるようにしてあげて欲しいと思います。
長期ひきこもりは精神病を抱えており、社会的なサポートの対象になります。
ただ、病院の精神科や心療内科は、あくまで心の問題や社会福祉の手続きがメインです。
ひきこもりを解決する為の具体性を相談する機関ではありません。
相談したり、精神安定剤などは処方はしてもらえますが、将来どうすべきなのかは本人次第なのです。