夫とコミュニケーションがとれない。
妻の気持ちを全く理解してくれない。
子育ては手伝ってくれないし、
金銭感覚もおかしい・・。
ASD(自閉症・アスペルガー)の夫と
暮らしていると、普通の家には起こらない
様々な問題に直面します。
周囲の人に相談しても
「どこの家でもよくあることだよ」
「男はみんなそんな感じ」などと
言われてしまいます。
当事者でない限り、
本当の苦しさを理解してくれず
共感も得られません。
ストレスだけが溜まっていき、
次第に精神的な問題を抱えるように
なっていきます。
妻の思考力も鈍っていき、
「本当は自分の力不足なのかも」
「そんな夫を選んだ私の自己責任」
などと感じ始めます。
そして、マイナス思考や自己否定を
繰り返し、カサンドラ症候群に
なってしまうのです。
カサンドラ症候群とは、
医学の病名ではなく、
ギリシャ神話のカサンドラの悲劇のお話
を元につけられました。
アスペルガーの人と情緒的な交流が
できずに、身体的な問題、精神的な症状を
引き起こしてしまう現象が
カサンドラ症候群です。
今回はASD(自閉症・アスペルガー)の
夫を持つ妻が離婚したい理由、
カサンドラ症候群になりやすい訳、
改善方法などをお伝えしていきます。
ASD(自閉症・アスペルガー)の夫と離婚したい理由
ASD(自閉症・アスペルガー)の
夫を持つ妻は、夫との情緒的な交流に
問題を抱えてしまいます。
気持ちが伝わらない、
傷つくことを平気で言うなど、
コミュニケーションが上手く
いかないことが多いです。
夫婦間の会話や触れ合いが
うまく行かない日常が続くと、
妻は心労を積み重ねていきます。
無気力、孤独、絶望感などを
抱え込んでしまい、
夫との夫婦生活が耐えられなく
なってしまうのです。
基本的にASD(自閉症・アスペルガー)
の人は、社会に適応することが難しく、
人生で失敗している人も多くいます。
しかし、社会に適応できるASDの人は、
IQが高く、会社内でも有能な人が多いです。
そのため、社会的な地位も高く収入も良い
場合が多いのです。
世間からも結婚相手として好条件の人と
思われています。
しかし、実際に夫婦生活をすると、
ASDの特性によって妻が苦しみます。
周囲に相談しても、
「真面目で良い旦那さんなのに
何が不満なの?」
「求める理想が高すぎ」
などと、妻に問題があると思われて
しまうこともあります。
そして、カサンドラ症候群に陥り、
離婚に繋がるのです。
ASDの離婚率は80%と
いわれています。
収入以外の情緒的なやりとりが
夫婦生活をする上で最も大切な
ことなのです。
カサンドラ症候群になりやすい理由
ASD(自閉症・アスペルガー)の人は
結婚する前は、好印象を受けます。
普通の人とはちょっと違うけど、
素直で優しい、浮気しなさそうなど、
誠実な人の印象と受け取られることが
多いようです。
しかし、結婚後にASDの特性のよって
様々な問題が発生してしまいます。
ASDの夫とのライフイベント
(夫婦生活で起こる様々なこと)では、
すれ違い、失敗、喧嘩、
コミュニケーション不全など、
特性によって様々な問題が起こります。
「何を考えているのかわからない」
「話がかみ合わない」
「どうせ否定される」
などのネガティブな感情に支配されて
しまいます。
そして妻は、想像していた夫婦生活
との落差に失望してしまうのです。
人は期待していた分、真逆の結果になると、
失望感を物凄く感じてしまいます。
ASDの人との夫婦生活は、
健常者(定型発達)の人とは比べ物に
ならないほどの苦労があるのです。
そのため、周囲にも理解されず、
追い込まれてしまいます。
カサンドラ症候群になりやすい人は、
真面目な人、自己責任が強い人が多いです。
ASDの夫の特性による夫婦間の問題も、
妻は「全て自分が悪い」と思い込んで
しまうのです。
カサンドラ症候群を改善・回避する方法
カサンドラ症候群になると、
身体的、精神的な問題を抱えてしまいます。
片頭痛、自己嫌悪、パニック、鬱病、無気力
など様々な症状があらわれます。
自分が精神的に落ち込んでいたり、
体の調子が悪いと感じたら、
カサンドラ症候群になっている、
もしくは片足を突っ込んでいる状態です。
放置してしまうと、気持ちや体の問題
だけでなく、生活上の二次問題も発生する
こともあります。
そうなる前に、カサンドラ症候群の改善、
回避する必要があります。
カサンドラ症候群を改善
カサンドラ症候群になってしまう理由は、
夫との情緒的な交流が上手くいかない
からです。
夫のASDが原因で夫婦のライフイベント
が上手くいかないのです。
そのため妻は「自分が悪いのではない」
と強く意識することが重要です。
カサンドラ症候群で苦しむ理由は、
パートナーの特性が影響しているからです。
しかし、それは誰のせいでもありません。
好きでASDになった人はいません。
相手を責めて絶望しても、
何の解決にもならないのです。
問題解決に向けて、
何をするかが大切なのです。
カサンドラ症候群を改善させるには、
一人で悩まないことが大切です。
精神科や心の心療内科などの専門医や
カウンセラー、自助グループを頼って下さい。
カサンドラ症候群はひとりで
解決することは無理です。
夫婦で一緒に専門機関に相談しに行くと
問題点を把握しやすくなります。
カサンドラ症候群に対処するには、
夫のASDの特性を理解して、
問題解決に向けてどうすればいいのか、
第三者を交えて考えていく必要があるのです。
カサンドラ症候群を回避するには
私の父もASD(自閉症・アスペルガー)
の傾向が非常に強く、母が物凄く苦労
していました。
私が小学生の頃までは、多少夫婦の
コミュニケーションはありました。
しかし、父は何を考えているかわからない人で
会話が上手く成り立ちませんでした。
また、浮気やアル中など、
世間的に見れば最悪な父親像でした。
それでも母は凄く苦労していましたが、
カサンドラ症候群にはなっていない
と思います。
結婚当初は、父のASDの影響で
ホームシックになったり、
沢山悩んでいたそうです。
しかし、離婚せずに乗り切りました。
母がカサンドラ症候群にならなかった、
回避できた理由が1つ思いつきます。
それは、ほとんど父との交流を
持たなくなったからです。
父は浮気をして週に1~2回は、
夜の3時くらいに帰宅していました。
最初は母は待っていましたが、
そのうち諦めました。
父はお酒も大好きで、
毎日飲んでいました。
普段はもの凄く気が弱いのに、
お酒を飲むと、強気になって
近寄りがたい人でした。
母もほとんど相手をせずに、
放置していました。
まともに相手をしていたら
精神が持たないと判断したのでしょう。
ASDの特性だけでも酷いのに、
さらに酔っぱらって
対処できなくなっているのです。
カサンドラ症候群は、
夫に不満や苦痛を感じるから
起きるのです。
その状態を回避するためには、
距離を置くしかないのです。
ASDの人をまともに相手をしていては、
精神が崩壊してしまいます。
頑張って夫を支えようと努力しても
ASDの特性は治るものではありません。
夫がASDを理解して、
自分から変わろうと考えない限り、
解決できないのです。
自分の精神上良くない状況になったときは、
逃げることで、回避しましょう。
ただ、問題を放置したままでは
何の解決にもなりません。
カサンドラ症候群を本当に回避する
のであれば、第三者を交えての
相談が必要なのです。