「発達障害でも大丈夫」という気持ちは単なる気休めなのでしょうか。
実際に自分子供が発達障害だったら、そう簡単には前向きな気持ちになれないと思います。
また、本人が発達障害と認識しており、「発達障害でも平気」と思える人はそうそういないと思います。
確かに何事においてもポジティブな気持ちを持つことは、本当に大切だと感じます。
ネガティブ思考でいると精神病になってしまいますし、やる気も無くなります。
脳の構造上、マイナス思考でいると本当にその通りに行動してしまい、悪い方向に行ってしまうのです。
私も、心が弱っている時は何をやってもダメでした。
逆に、捨て身な感じや、強い気持ち、気にしない心でいると、自然と物事が上手くいっていたのです。
でも、発達障害となると別です。
自分の過去を振り返ってみると、発達障害の症状がモロに人生に大ダメージを与えたからです。
発達障害でなければ、絶対に今の酷い現状にはなっていなかったと言い切れます。
発達障害によって人生の全てを台無しにされたと確信できるのです。
「発達障害でも大丈夫」と言える人は、発達障害をわかっていない、もしくは発達障害でも運よく健常者のように生きてこられた人だけだと思います。
今回は、発達障害という言葉の捉え方について考えていきたいと思います。
誰が発達障害でも大丈夫だと言っているの?
人に「発達障害でも大丈夫」とは、なかなか言えないし、本人もそう自覚できるものではありません。
本人に「発達障害だってダイジョブ」と言うのは、親や教師、医師、サポーターくらいだと思います。
でも、かなりの気休めだと感じます。
例えるなら、事故で手遅れな人に「助かります」、「大丈夫だから」と言っているようなものです。
「発達障害でも大丈夫」と言うのは、かなり無責任な発言です。
どう考えても発達障害の人には、健常者の何倍もの苦労が引き起こされる未来が待っているからです。
それでも、発達障害の人にネガティブなことを伝えても仕方がありません。
「あなたの未来は真っ暗です」と言われたら、自暴自棄になってしまうからです。
以前何かの本で、アメリカの医師が親に子供の発達障害の有無を伝えるやり取りを思い出しました。
「おめでとうございます」「あなたの子供は選ばれた○○です」のように、医師が親に話すのです。
子供に発達障害が判明したことを、物凄く前向きな言葉で親に伝えています。
半分は気遣った言葉だと思います。
ですが、アメリカでは発達障害に対する理解やサポートが充実しており、育て方次第で健常者以上の成功する可能性があるからです。
日本では、発達障害の人が人生で成功できる可能性はかなり低いです。
障害者雇用の給与も激安ですし、普通(定型発達)以外は生きずらい世の中の仕組みになっているからです。
日本で「発達障害でも大丈夫」と、親や医師や先生、権威のある人に言われても理解はしづらいのです。
発達障害でも大丈夫な根拠
発達障害でも大丈夫な理由は、一般人並みかそれ以上の未来が約束されているかどうかです。
発達障害の人でも、突出した能力のギフテッドだったり、親がお金持ち・優秀であれば、未来は明るいのです。
本人が大丈夫と感じるのは、発達障害の特性の強みから、将来、普通の人以上に稼げる余裕の表れです。
「発達障害でも大丈夫」と言えるのは、人生において普通の人以上に苦労はするけれど、人並みの幸せを手に入れられるからなのです。
また、発達障害の事実を受け入れて、諦めの境地に立っている人くらいだと思います。
人並みの幸せを追求しない、食べて行けるだけで十分、健常者との比較をしないのであれば、大丈夫と言えないことも無いと思います。
一応、発達障害でも大成功を収める可能性はあります。
映画監督のスティーブン・スピルバーグは、発達障害の限局性学習症だそうです。
また、マイクロソフトのMicrosoftの創設者であるビル・ゲイツも発達障害の自閉症スペクトラム症です。
極稀ですが、発達障害でも超成功者は生まれるのです。
発達障害だって大丈夫!は無理がある
自分の子供が発達障害でも大丈夫!と思える人はいないと思います。
「障害」という言葉は、「人生で苦労することがほぼ確定してしまう」重みがあるからです。
「発達障害だって大丈夫」と思いたい気持ちはわかります。
ポジティブ思考で考えていないと、行動原理も悪くなってしまうからです。
でも発達障害に対しては、楽観的になってはいけないと思います。
日常において常に悲劇が起こる可能性があるからです。
また、大丈夫と前向きな気持ちでいて、いざダメな状態になるとショックの落差が激しくなってしまいます。
常に、最悪を想定しておかないと、メンタルがやられますし、気持ちの整理が出来なくなるからです。
発達障害の人が親や教師、医師などに大丈夫と言われても、ただの気休め程度にしか聞こえないと思います。
発達障害者が感じてる特性のハンデの辛さは、健常者にはわからないからです。
普通が出来ないことが本当にどれだけ辛い事なのか。
また、五感の過敏性からくる生き辛さは本当に大変です。
「発達障害だって大丈夫」と言う言葉は、慰めにしか使われないのです。
まとめ
発達障害の人は、どう考えても人生がハードモードになってしまいます。
彼氏彼女、友人、結婚が出来ない。
社会的地位が得られない。
収入が低いなど。
「発達障害でも大丈夫」とは、言えないのです。
全ての発達障害の人が人生を失敗するわけではありません。
でも、成功者の割合は5%くらいだと思います。
20人に一人くらいの割合で、健常者並みに人生を謳歌出来ればいい方だと感じます。
「発達障害だって大丈夫」と私も思いたいです。
でも今までの経験上、あり得ない妄言だと感じてしまいます。
発達障害でも健常者と同じような幸せを掴める確率に世の中が変われば、そう感じられると思います。
でも実際、発達障害の脳機能の未発達や凹凸は本当に最悪です。
生まれた時点で普通が出来ない、健常者と同じように社会に貢献できないのです。
「発達障害でも大丈夫」と思える・言えるような世の中になって欲しいですが、本当に難しい問題だと思います。