
環境や日常が変化すると、強い恐怖や拒否感を感じるのは、病気なのでしょうか。
ただ単にメンタルが弱かったり、適応能力が低いだけの可能性はあると思う。
でも実際に、ASDはこの変化に対する拒否反応はかなり強いです。
病気なのではないかと思うくらい。
自分の意思とは関係なく心や体がブレーキをかけてしまうような感覚で、無意識に拒絶反応が出る感じです。
どうしてもやりたくない、という強い思いが出てしまい、違うことをしていつまでも現実逃避をし続けます。
いつもと違うことをしてしまうと、心が重くなったような、ずっと棘が刺さっているような違和感を抱え続けるのです。
私は、新しい変化や違うことに慣れるのが本当に苦手です。
毎日同じことを繰り返したり、代わり映えの無い生活をしていたい。
いつもと違うことをしなければならなかったり、環境が変わってしまうと物凄くストレスになります。
asd脳は本当に柔軟性が無いと思う。
なぜこのようになってしまうのでしょうか。
脳の神経回路が普通(定型発達)とは異なっているから。
でも、脳神経もそうなのですが、心や身体全てで拒絶反応を出している気がします。
また1から覚えなければならない、いつものルーティーンを構築し直さなければならない、その状況に対応・順応するのが辛い。
例えマニュアルがあったとしても、自分で考えて決めなければならない訳です。
0か100かの極端思考もあり、完璧にやり遂げなければならないという思いもある。
非常にめんどくさいと感じてしまいます。
このようにASDは、変化が物凄く怖いだけでなく、気持ちも萎えてしまいます。
発達障害ではない普通の人の場合は、MBTIのタイプによって変化への適応が異なるようです。
たとえば、J(Judging)タイプは秩序や計画性を大切にするため、環境の変化に対して強いストレスを感じやすい。
予定が崩れたり、ルーティンが乱れると大きな不安や苛立ちを覚えることがある。
逆に、P(Perceiving)タイプは柔軟性や即興性を重視するため、変化そのものを刺激として楽しめる場合も多いです。
でもこれはあくまで性格傾向についてです。
ASDの神経的な変化への過敏さとは別の次元のものです。
なので、ASDの特性とMBTIによる性格傾向が重なることで、環境の変化への感じ方が強まったり、逆に少し緩和されたりすることがあるのです。
変化が怖い心理
個人的には、生まれつきの親からの遺伝によって、変化への耐性や心の強さは全く違うと思う。
発達障害のASDは変化に弱いのは脳の仕様上、当然です。
でもそれ以外にも、親が心配性だったり変化を嫌うタイプだと、子どもも同じように新しいことに強い不安を覚えやすいのです。
逆に、親が柔軟思考で環境の変化を楽しめる人だと、その子供も自然と「変化=ワクワク」と感じやすくなるのです。
ようするに生まれつきの遺伝で「変化に強いタイプ」と「変化に弱いタイプ」といった傾向が、ある程度決まってしまうと思われます。
人生経験による変化の辛さ
人生経験から生まれた後天的な変化への恐怖もあります。
例えば、学校で新しいクラスになって自己紹介が失敗してしまった、友達が全くできなかった。
初めてのサークルで馴染むことが出来ずボッチになる、新しい仕事がいつまでたっても慣れないなど。
その様な経験をずっとしていたら、新しい変化に対する極度の警戒心や不安が起こり、心理的に変化=危険・ストレスと結びついてしまいます。
一度そのような失敗体験や孤独感を味わうと、脳が「同じことを繰り返さないように」と強く学習してしまい、結果的に変化そのものを避けるようになるのです。
ASD脳の特性として環境変化に順応しづらい場合には、その恐怖やストレスがより強く、日常生活に支障をきたしやすくなります。
生まれつきの遺伝による脳の特性+経験による学習の両方が合わさって、変化への恐怖感やめんどくささが強まるのです。
変化が怖いのは病気?
特に病名はあるわけではないけど、精神的に近いのは「不安障害」や「適応障害」といった診断の対象になるのだと思います。
変化が怖いこと自体は誰でも感じると思います。
でも、日常生活に大きな影響が出たり、回避行動やメンタル悪化に繋がるなどは、心療内科案件です。
ASDの変化への極端な苦手さは病気というよりも、「ルーティンへの固執」、「強い同一性保持」、「柔軟性の困難」などの特性によって引き起こされるので、病気では無いです。生まれつきの脳の問題です。
変化が怖い事へのメリット・デメリット
個人的な体感としては、メリット20%、デメリット80%くらいだと思っています。
メリットとしては、同じことの繰り返しを毎日することで、それに特化した存在になれる。
好きな事や同じ条件下では、専門性に磨きがかかり、他の人が飽きてしまうような反復や細部のこだわりも苦にならないため、職人的なスキルを発揮できる・・はず。
デメリットは、やはり「環境の変化」や「予定外の出来事」に強いストレスを感じやすく、行動の幅が狭くなってしまうことです。
予期せぬ事態が起こると適応が難しくなり、人間関係や仕事、生活に影響が及んでしまう。
また、「めんどくさい」という気持ちが強すぎるあまり、新しい挑戦や経験を避けてしまうので、成長や可能性の機会を逃してしまいます。
まとめ
私は、新しいことや環境の変化に対して非常に強い苦手意識があります。
それは「ただの甘え」では済まされないレベルで、身体や心が無意識に拒絶反応を起こしてしまいます。
たとえ自分がやりたいことであっても、最初の一歩がどうしても踏み出せない。
下手すると、数日どころか数ヶ月かかることもあります。
この感覚は、ASDの特性である「ルーティンへのこだわり」や「柔軟性の低さ」「同一性の保持」と深く関わっています。
MBTIで言うところのJタイプの性格傾向とも重なる部分があり、計画の崩れや予測不能な変化に強いストレスを感じやすいのです。
しかし、一度その変化に慣れてしまえば、私は同じことを長く続けることができます。
むしろ、他の人よりも安定して継続できる力があります。
だからその慣れるまで、が最大の難所であり、そこをどう乗り越えるかが最大の課題なのです。
変化が怖いのは、脳の問題に加えて、過去の失敗体験や環境による学習も大きく影響しています。
けれど、自分の傾向を理解し、小さな工夫や準備で負担を軽くすることはできるはずです。
苦手意識やめんどくさいという気持ちに飲まれるのではなく、最初の壁をどうにかして越えられるよう、戦略的に取り組むこと。
それが、この「変化という壁」とうまく付き合っていくための鍵だと思っています。