令和6年の1月1日に石川県能登地方で最大震度7の地震がありました。
9日経った今現在も、救出活動が続けられています。

避難所には約2万人が滞在しています。
被災者の方々には、心からお見舞い申し上げます。

今日、ヤフーニュースのトップに「自閉症の人の避難所に行けない」という問題が取り上げられていました。
自閉症の子供が避難所で生活するのが難しいというものです。

・食事の好き嫌い
・食器の違い
・よく動いたり叫んだりする

自閉症の症状によって、周囲の雑音や食事など、生活環境の変化に対応するのが困難なのです。

発達障害のアスペルガー(ASD)当事者として、物凄くわかる話です。

もし自分が同じ境遇に置かれた時、発達障害の特性によって集団環境に絶対に馴染めない、辛い思いをすると感じるからです。

特に自閉症スペクトラム症(アスペルガーasd)の人は、社会的なコミュニケーションや相互作用に困難を感じることが多いです。

記事を読んでみると「福祉避難所」は無く、障害のある人が集まる場所に行っているようです。
障害のある人や高齢者が対象だそうです。

でも、発達障害の自閉症の人は、普段とは違う環境や場所に置かれた時、パニックになったり、気持ちの持ちようが本当に難しいです。
慣れるまで、時間もかかります。

私の場合ですと、聴覚過敏の影響から周囲の物音や雑音がダイレクトに脳に響いてきてしまいます。
周囲の人が静かであっても、ちょっとした話し声や小さな音であっても、聞き取ってしまい、ストレスを感じてしまいます。

また、集団生活や集団で行動する場面において、上手く指示が把握できずに変な行動をしてしまう可能性も高いです。

発達障害の人は、天災が起きると普通の人以上に困ることがたくさんあります。

今回は、発達障害の人の被災時での問題を考えていきたいと思います。

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発達障害・自閉症の人が避難所で苦しむ理由とその解決策

発達障害の自閉症スペクトラム症(アスペルガーasd)は、災害時にどんな困難に直面するのでしょうか?

まず、発達障害・自閉症の人は、日常生活においても、以下のような特徴を持っています。

・ルーティンや習慣にこだわり、変化に対応するのが苦手

・感覚過敏や感覚過鈍があり、刺激に過敏に反応したり、感じなかったりする

・非言語的なコミュニケーション(表情やジェスチャーなど)が苦手で、言葉だけで伝えたり理解したりする

・抽象的な思考や想像力が弱く、具体的な事実やルールに基づいて考えたり行動したりする

・集中力が高く、興味のあることに没頭したり、細かいことに気づいたりする

発達障害の自閉症の人の特徴は人それぞれですが、一般的には上記のような状態となります。
災害時には、これらの特徴が避難所でストレスになることもあり、辛い思いをしてしまいます。

特に被災時には以下の状況がおこります。

・突然の地震や津波などの自然現象によって、生活環境や物資が一変する

・避難所や仮設住宅などの不慣れな場所で、多くの人と共同生活をしなければならない

・情報や指示が不足したり、矛盾したり、変更されたりする

・心理的なストレスや不安が高まり、感情のコントロールが難しくなる

これらの状態は、発達障害・自閉症の人にとって、非常に困難なものです。

例えば、食事の好き嫌いや食器の違いによって、食事が摂りずらくなってしまう。

また、周囲の雑音や人の動きによって、聴覚過敏や視覚過敏になったり、パニックに陥ったりすることもあります。

さらに、コミュニケーションが上手く取れず、避難所のルールや指示を理解できなかったり、自分の要望や困りごとを伝えられなかったりすることがあります。

そして、抽象的な思考や想像力が弱いために、災害の原因や影響、今後の見通しを把握できなかったり、自分の立場や役割を認識できなかったりすることもあるのです。

これらのことは、発達障害・自閉症の人にとって、心が物凄く辛い状態になってしまい、メンタルがやられてしまいます。

では、どうすれば、発達障害・自閉症の人が避難所で辛い思いを少しでも減らすことが出来るのでしょうか。

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発達障害・自閉症の人が避難所でストレスを抱えない為には

避難所では、初めての環境、知らない人達に囲まれて生活をしなければなりません。
その様な環境下では、特に発達障害の自閉症スペクトラム症(アスペルガーASD)の人は、健常者の何倍も心理的ストレスを抱えてしまいます。

では、一体どうすればいいのでしょうか。
一般的な解決方法は以下の通りです。

避難所のスタッフやボランティアの人に発達障害の自閉症の人の特徴や症状を伝える

発達障害の自閉症の人は、見た目では障害が分からないことが多いです。
また、症状も人によって違います。

発達障害の自閉症の人の特徴や症状を知らないまま、普通の人と同じように接してしまうことがあります。
しかし、これは、発達障害の自閉症の人にとって、大きなストレスになります。

本人が避難所で一番困ることや問題をスタッフに伝えて理解してもらい、配慮してもらう必要があります。

避難所の環境をできるだけ快適にする

避難所で生活することは、発達障害・自閉症の人にとって、非常にストレスフルなことです。
しかし、避難所には必ず行かなければならないというわけではありません。

もし可能であれば、親族や友人の家に避難することを検討してみてください。
そうすれば、より落ち着いた環境で、自分のペースで生活できるかもしれません。

もし避難所に行くことが避けられない場合は、避難所の環境をできるだけ快適にすることが大切です。

自分のスペースを確保する

多くの人と共有するスペースが限られています。
発達障害の自閉症の人は、誰にも邪魔されず、落ち着ける空間が必要です。

でも、避難所では周囲の雑音や状況が物凄く気になってしまいます。
少しでもプライバシーを保つことができるように、可能であればカーテンや毛布などで仕切って一人の空間を作るのも良いと思います。
また、ヘッドフォンや耳栓などで音を遮ったりするとかなり落ち着けます。
でも、必要な情報や呼び出しが聞こえないデメリットもありますが。

自分の時間や予定を管理する

発達障害の自閉症の人は、ルーティンや習慣にこだわり、変化に対応するのが苦手です。
災害で日常生活が一変すると、不安や混乱を感じることがあります。

自分の時間や予定を管理することで、少しでも安定感を得ることができます。
カレンダーや時計、メモなどを使って、自分のやるべきことややりたいことを明確にしましょう。

もし避難所のスタッフやボランティアの人に協力してもらえるなら、避難所のスケジュールや情報、指示などを文字や絵、実物などで目に見える形で伝えてもらうことも助かります。

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自分の興味や趣味に没頭する

発達障害の自閉症の人は、集中力が高く、興味のあることに没頭したり、細かいことに気づいたりすることがあります。
災害でストレスや不安が高まると、自分の興味や趣味に没頭することで、気分転換やリラックスを図ることができます。

自分の興味や趣味に関するものを持参したり、避難所で提供されるものを利用したりしましょう。
本や雑誌、漫画やアニメ、ゲームやパズル、図鑑や写真集、音楽や動画など、自分が好きなものを見たり聞いたりしたりしましょう。
もし避難所のスタッフやボランティアの人に協力してもらえるなら、自分の興味や趣味に関するものを提供してもらうこともできるかもしれません。

自分の感情や思いを表現する

発達障害の自閉症の人は、非言語的なコミュニケーション(表情やジェスチャーなど)が苦手で、言葉だけで伝えたり理解したりすることがあります。
災害で感じた恐怖や悲しみ、怒りや不満など、自分の感情や思いを表現することが難しいことがあります。

自分の感情や思いを表現することで、自分の気持ちを整理したり、他人に理解してもらったりすることができます。
言葉で話すことが苦手なら、絵や文字、写真や動画などで表現しましょう。
もし避難所のスタッフやボランティアの人に協力してもらえるなら、自分の感情や思いを聞いてもらうこともできるかもしれません。

まとめ

発達障害の人が災害時に困ることや対処法について書いてきました。

発達障害の自閉症の人は、普段の生活でも、特徴や症状によって、様々な困難に直面しています。
災害時には、それがさらに大きくなり、避難所で生活することがとても辛くなります。

日常生活が一変し、不慣れな環境や人との共同生活を余儀なくされるからです。
これが本当に発達障害の人にとって大きなストレスや不安となってしまうのです。

発達障害の自閉症ASDの私も、普段と違う環境下に置かれただけで思考停止になってしまいます。
普通の人のように、同じような行動がとれず、パニック状態となるのです。

被災して、「避難所で他者との共同生活する」という想像をしただけでも、尋常じゃない心労になると確信しています。

個人差はありますが、多くの発達障害の人は、被災時や避難所において、普通の人の何倍もの心労やストレス、困りごとを抱えると思います。

少しでも、発達障害の人の心が辛くならないように、避難所のスタッフやボランティアの人に自分の状況を伝えて、理解や配慮を求めてみてください。

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