食べ物の好き嫌いや偏食は、発達障害の人にとって、日常生活に大きな影響を与える問題です。
発達障害の人は、感覚過敏やこだわり行動などの特性から、食べ物の触感や色、味、匂いなどに敏感に反応し、苦手なものや好きなものに偏りがちです。
また、新しいものや未知のものに対する不安や拒否感も強く、一度食べられないと思ったものは、なかなか食べられるようになりません。
私自身も、発達障害のASD(アスペルガー)の人間として、子供の頃から食べ物の好き嫌いが激しく、大人になっても変わらないものが多いです。
例えば、玉ねぎやニンジン、ピーマンなどの野菜は、触感が苦手で食べられません。
また、酢の物やレモンなどのすっぱいものは、匂いが苦手で食べられません。
さらに、マヨネーズやソースなどの調味料も、味が苦手で食べられません。
一方で、ピンク色の食べ物や辛いものは、色や味が好きで食べられます。
私の場合は、食べ物の見た目と味のイメージが合っていないと、食べられないという思い込みがあります。
また、小学校や中学校の給食では、自分の判断でこれは残すものと決めていました。
大した理由はなかったのですが、勝手な思い込みによって食べていませんでした。
このように、発達障害の人の食べ物の好き嫌いや偏食は、自分の感覚や思考に基づいて決まってしまうことが多いのです。
しかし、食べ物の好き嫌いや偏食は、健康や栄養にも関わる重要な問題です。
食べ物の好き嫌いや偏食が激しいと、栄養バランスが崩れたり、病気のリスクが高まったりします。
甘いものばかり食べると、糖尿病になる可能性があります。
炭水化物ばかり食べると、肥満になる可能性があります。
野菜や果物を食べないと、ビタミンやミネラルが不足して、免疫力が低下する可能性があります。
発達障害の人は、食べ物の好き嫌いや偏食を改善することが必要です。
しかし、発達障害の人は、こだわりの影響から、融通が利かず頑固な傾向があります。
人の忠告やアドバイスを素直に受け入れることが難しいです。
そこで、発達障害人の食べ物の好き嫌いや偏食の対処法をご紹介します。
食べ物の好き嫌いや偏食の対処法
発達障害の食べ物の好き嫌いや偏食の対処法として、以下のような方法があります。
- 少しずつ新しい食べ物に挑戦する
- 好きな食べ物と一緒に苦手な食べ物を食べる
- 調理方法や味付けを変えてみる
- 食べ物の見た目や色を工夫する
- 食べ物の匂いを消す工夫をする
- 食べ物に対するイメージを変える
それぞれ詳しく見ていきましょう。
少しずつ新しい食べ物に挑戦する
発達障害の人は、新しいものや未知のものに対する不安や拒否感が強いです。
そのため、食べたことのない食べ物に対しても、食べられないと思い込んでしまいます。
しかし、食べたことのない食べ物にも、自分の好きな味や触感のものがあるかもしれません。
また、食べることで、自分の好みや感覚が変わる可能性もあります。
そこで、少しずつ新しい食べ物に挑戦することで、食べ物の好き嫌いや偏食を改善することができます。
ただし、無理に食べさせたり、強制したりするのは逆効果です。
発達障害の人は、自分のペースで食べ物に慣れる必要があります。
そのため、以下のような工夫をしてみてください。
- 小さな一口サイズに切って、少量から試してみる
- 好きな味のソースやドレッシングをかけて、味を調整する
- 食べる前に、食べ物の名前や由来、栄養などを教えて、興味を持たせる
- 食べたことがある食べ物と似ているところを伝えて、安心感を与える
- 食べたら、褒めたり、ご褒美をあげたりして、ポジティブな気持ちにさせる
これらの方法は、発達障害の人の食べ物に対する不安や拒否感を減らし、食べ物に対する好奇心や楽しさを増やすことができます。
また、新しい食べ物に挑戦するときは、自分の好きな食べ物と一緒に食べることもおすすめです。
好きな食べ物と一緒に苦手な食べ物を食べる
発達障害の人は、好きな食べ物と苦手な食べ物に分けて食べる傾向があります。
しかし、好きな食べ物と苦手な食べ物を一緒に食べることで、苦手な食べ物に慣れることができます。
例えば、野菜が苦手な人は、野菜と一緒に肉やチーズなどの好きな食べ物を食べることで、野菜の味や触感を和らげることができます。
また、果物が苦手な人は、果物と一緒にヨーグルトやアイスクリームなどの好きな食べ物を食べることで、果物の酸味や匂いを消すことができます。
このように、好きな食べ物と苦手な食べ物を一緒に食べることで、苦手な食べ物に対する抵抗感を減らし、食べ物のバリエーションを増やすことができます。
ただし、好きな食べ物と苦手な食べ物を混ぜてしまうと、好きな食べ物も食べられなくなる可能性があります。
そのため、好きな食べ物と苦手な食べ物は、別々に食べるか、少しずつ混ぜて様子を見ることが大切です。
調理方法や味付けを変えてみる方法
発達障害の人は、食べ物の味や触感に敏感です。
そのため、同じ食べ物でも、調理方法や味付けによって、食べられるかどうかが変わることがあります。
例えば、生の野菜は苦手でも、煮たり焼いたりすると食べられることがあります。
また、塩や砂糖などのシンプルな味付けは苦手でも、カレーやチリなどのスパイシーな味付けは好きなことがあります。
このように、調理方法や味付けを変えてみることで、食べ物の好き嫌いや偏食を改善することができます。
ただし、調理方法や味付けを変えるときは、以下のような工夫をしてみてください。
- 急に大きく変えるのではなく、少しずつ変えていく
- 食べ物の形や色はできるだけ変えない
- 食べ物の名前や内容は正直に伝える
- 食べ物の温度や硬さは自分の好みに合わせる
- 食べ物の量は少なめにする
これらの方法は、発達障害の人の食べ物に対する不快感や不信感を減らし、食べ物に対する受容性や柔軟性を高めることができます。
また、調理方法や味付けを変えるときは、食べ物の見た目や色を工夫することもおすすめです。
食べ物の見た目や色を工夫する方法
発達障害の人は、食べ物の見た目や色にも敏感です。
そのため、食べ物の見た目や色が自分の好みに合わないと、食べられないことがあります。
例えば、茶色や緑色の食べ物は、汚れていると感じて食べられないことがあります。
また、赤色や黄色の食べ物は、鮮やかで美味しそうに見えて食べられることがあります。
このように、食べ物の見た目や色を工夫することで、食べ物の好き嫌いや偏食を改善することができます。
ただし、食べ物の見た目や色を工夫するときは、以下のような工夫をしてみてください。
- 人工的な着色料や添加物は使わない
- 自然な食材や調味料で色をつける
- 食べ物の形や大きさを変える
- 食べ物をかわいくデコレーションする
- 食べ物の盛り付けや器を工夫する
食べ物の匂いを消す工夫をする方法
発達障害の人は、食べ物の匂いにも敏感です。
そのため、食べ物の匂いが自分の嫌いなものだと、食べられないことがあります。
例えば、魚や海藻などの海の匂いは、臭いと感じて食べられないことがあります。
また、チーズやバターなどの乳製品の匂いは、酸っぱいと感じて食べられないことがあります。
このように、食べ物の匂いを消す工夫をすることで、食べ物の好き嫌いや偏食を改善することができます。
ただし、食べ物の匂いを消す工夫をするときは、以下のような工夫をしてみてください。
- 食べ物の匂いが強いものは、別の容器に入れて冷蔵庫に保存する
- 食べ物の匂いが移らないように、ラップやフタをしっかりする
- 食べ物の匂いを中和する食材や調味料を使う
- 食べ物の匂いを消すために、水やお茶などを飲む
- 食べ物の匂いに気を取られないように、音楽やテレビなどを聞く
まとめ
発達障害の人の食べ物の好き嫌いや偏食は、感覚過敏やこだわり行動などの特性から生じることが多いです。
食べ物の好き嫌いや偏食は、健康や栄養に影響するだけでなく、社会生活や人間関係にも支障をきたすことがあります。
そのため、食べ物の好き嫌いや偏食を改善するためには、少しずつ新しい食べ物に挑戦したり、好きな食べ物と一緒に苦手な食べ物を食べたり、調理方法や味付けを変えたり、食べ物の見た目や色を工夫したり、食べ物の匂いを消したり、食べ物に対するイメージを変えたりするなどの方法が有効です。
しかし、これらの方法はあくまで参考であり、発達障害の人は個人差が大きいので、一概には言えません。
発達障害の人の食べ物の好き嫌いや偏食に対しては、無理に食べさせたり、責めたりするのではなく、その人の感覚や思考を尊重し、理解し、サポートすることが大切です。
また、食べ物の好き嫌いや偏食は、時間とともに変化することもあります。
食べ物に対する興味や楽しさを持たせることで、食べ物の好き嫌いや偏食を克服するきっかけになることもあります。