発達障害・自閉症スペクトラムアスペルガーASD)の人と会話すると、同じことを聞かされていることがあります。
以前話していたことや、同じような言葉を何度も話していたりします。

これは発達障害・自閉症ASDの特性から、無意識に同じ話や言葉を話してしまうのです。

発達障害の特性の影響から、自閉症ASDの人には「エコラリア」と呼ばれる同じ言葉を繰り返す症状があります。
エコラリアの症状は主に、自閉症の子供の頃に起こります。
大人になるにつれて、言語能力や情緒の成長により、エコラリアは改善されていくとされています。

しかし、発達障害・自閉症ASDの人は、生まれつきコミュニケーションに難を抱えています。
子供の頃からしっかりとしたサポートが無く、会話が苦手なまま大人になると、エコラリアの症状は続いてしまいます。

今回は発達障害・自閉症の子供や大人が同じ言葉を繰り返すエコラリアの症状や原因を記載していきます。

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発達障害・自閉症の子供が同じ言葉を繰り返す原因エコラリアについて

発達障害・自閉症スペクトラム(アスペルガーASD)の特性である「こだわり(常同行動)」「想像力の欠如」「コミュニケーション能力の欠如」などの影響から、エコラリアの症状がみられます。

エコラリアには、遅延型と即時型のタイプがあります。

遅延エコラリアとは

遅延エコラリアとは、以前、見聞きした言葉や情報を、コミュニケーションの方法として使用します。
例えば、「今日は暑いね」と聞くと、「今日は暑くなる予報です」など、天気予報でインプットした言葉をそのまま言ってしまいます。
記憶の中にある類似している言葉を、オウム返しのように話すのです。
会話がかみ合わなくなります。

また、印象に残っている言葉や、自分の好きなフレーズなどを、話の脈略に関係なく言葉として発してしまいます。

自閉症ASDの想像力の欠如から、相手の会話に対して適切な返答が出来ているかどうかは、本人は全く気づいていません。
また、こだわり行動の影響から視野が狭く、適切な言葉でなくても、思いついた記憶の中にある言葉を連呼するのです。

遅延エコラリアの影響から、何度も自分の記憶の中にある好きな言葉や印象に残っているフレーズを使用します。
相手にどう思われているか全く気づけず、注意されるまで理解できません。

発達障害・自閉症ASDの人は、想像力が異常に欠如しており、コミュニケーションが非常に苦手です。
相手の言っていることがよくわからない。
言葉をそのまま受け取ってしまう。
などの影響から、どのように返答したらいいのか自分の頭の中で考えるのが非常に苦手です。

思い付きや気づきの能力が欠如している為、言葉に詰まってしまうこともしばしばあります。

その為、自閉症ASDの人は、たいてい思いついた1つの言葉を発してしまうのです。
それが受け答えに対して本当に正しいのか、間違っていないか、などわからずにです。
そして、過去の記憶から印象に残っている言葉、好きなフレーズを繰り返し話してしまうのです。

即時エコラリアとは

即時エコラリアとは、聞かれたことに対して、そのままオウム返しのように同じ言葉を繰り返す症状です。

例えば、「こんにちは、元気ですか」と聞かれたら同じように「こんにちは、元気ですか?」と即座に同じ返答をしてしまいます。
質問に対して同じ質問で回答してしまう為、コミュニケーションが成立しません。

何故、発達障害・自閉症ASDの人が即時エコラリアになってしまうのか。
それは、言葉の意味が理解できていなかったり、返答が思いつかない、常同行動などがあげられます。

自閉症ASDは、想像力が欠如しており、相手の言葉の意味が想像できない、どう返答したらいいのかわからなくなることがあります。
即時性を求められる会話において、押し黙ってしまうことは無視している、感じが悪い印象になってしまいます。

しかし、発達障害の人はコミュニケーションに難を抱えている為、思いつかず、考え込んでしまうことがしばしばあります。
その為、相手の話していることに対して、そのまま同じことを繰り返して返答してしまうようになるのです。

自閉症ASDの子供は、同じ行動や言葉を好む傾向があります。
相手の会話に対して、同じことを言うことで安心感を得ます。

また、自閉症ASDの興味の限定や視野の狭さから、想定外のことを聞かれたり、自分の認識外の言葉に不安を感じてしまいます。
その様な状況下では、パニックになって頭が真っ白になることがよくあります。
どう返答していいのかわからず、相手の質問と同じことを繰り返して話してしまうのです。

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発達障害・自閉症の大人が何度も同じ言葉を繰り返してしまう原因

発達障害・自閉症スペクトラム(アスペルガーASD)の人は、特性上、同じ会話やフレーズを言ってしまいがちです。

私も子供の頃から、過去の経験の同じことを何度も話してしまうことがよくあります。
学生の頃は、「また同じこと言ってる」「それ何回目だよ」とか馬鹿にされていた記憶があります。

今思うと、自閉症ASDの特性がモロに出ていたと思われます。
思いついたことをそのまま言ってしまう、自分がコミュニケーションにおいてそれが適切だと思っている、視野が物凄く狭い、思いつかないから、などです。

大人になってオウム返しとなる即時エコラリアの症状は無くなりました。
しかし、遅延エコラリアは残ったままだと思います。

自分の記憶の中にある印象深い出来事を、それが会話において適切かどうかに関係なく、思い付きで話してしまうのです。
だから、人から変な人に見られる、嫌われる、避けられるのだと思います。

思い付きが極端に出来ない想像力の異常な欠如、視野の狭さ(興味の限定・こだわり)の影響から、同じ言葉や出来事を繰り返してしまいます。
治すことはできません。
出来ることと言えば、即時性を求められる会話を極力しないことです。
考える時間が十分あれば、何かしら思い付き、同じような言葉を繰り返さないと思います。

出来れば、紙面やSNSのツールなどが最適だと思われます。

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まとめ

発達障害・自閉症スペクトラム(アスペルガーASD)の人は、繰り返し同じ言葉を返すエコラリアの症状があります。

エコラリアには、即時エコラリアと遅延エコラリアがあります。
即時エコラリアは、相手に言われたことをそのまま言ってしまう、オウム返しです。
遅延エコラリアは、記憶の中にある自分の好きな言葉やフレーズを、そのまま言ってしまい会話がかみ合わなくなります。

全ての発達障害・自閉症の人がエコラリアになるわけではありません。
発達障害の症状は千差万別であり、誰一人として同じ症状の人はいないからです。

即時エコラリアは、子供の頃によくみられるとされています。
大人になると、言語能力の発達、経験により、即時エコラリアは治る傾向にあると言われています。

遅延エコラリアは、思いついた好きな言葉や出来事を話してしまう為、大人になっても治らないことがあります。
発達障害・自閉症ASDの特性から、興味のあることしか思いつかず話せない、こだわりの影響から、それを言うことが正しいと思い込んでいるなど。

どちらにしても発達障害・ASDの人のコミュニケーションの困難さの原因となっています。

同じ言葉や好きな言葉を繰り返していると、人から変人扱いされてしまいます。
その為、発達障害・自閉症ASDのエコラリアの症状がある人の場合、周囲の理解とサポートが必須なのです。

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