発達障害のasd(自閉スペクトラム症・アスペルガー)は、車の運転に向いていないのでしょうか。
私はasdですが、車の運転が物凄く苦手です。

状況を瞬時に判断する能力が低く、視野が狭さから、周囲全体を俯瞰して見れないのです。
また、アスペルガーの特徴である、「1つ1つを別々の出来事に見てしまう」要素が強いので、標識をじっくり見て考えてしまいます。

普通の人よりも、2テンポくらい遅いと思います。
頭の中で、1つの処理が終わると、次の注意に頭が切り替わります。

また、asdの特徴である想定外の事態にも物凄く弱いので、パニックになり、思考が停止してしまいます。
これは、運転において致命的だと思います。

そもそも私は、車の運転自体もう25年以上していないです。
また、車も持ってないので、運転自体もできません。

さらに、免許を取得してから、車の運転をした回数は30回も無いです。

今、車の運転をすれば、確実に事故ってしまうと思います。
よくニュースで高齢者の運転問題を見ますが、もし私が運転したらその何倍もの危険性があります。

もう25年以上前の話ですが、車で入ってはいけないような道(田んぼ)に入ってしまったり、一方通行だったと思う道を逆走してしまい、バックで戻るなどの経験もあります。

また、オートバイに乗った時は、暗がりで道に止まっていた車に正面衝突して、フロント部分が完全に破壊され、足(脛)が重症の一歩手前の状態にもなりました。

asdの人は、車の運転に向いていないのでしょうか。
私自身が苦手すぎるので、そう思っていたのですが、実際はそんなことは無いと思います。

何故なら、私の父親が200%発達障害の重度のasdですが、車の運転だけは上手かったからです。
仕事で上司の送り迎えを車で毎日していたようです。
また、事故など一度も起こしたことが無かったです。

そこだけが、私が父に感心している唯一の要素でした。
それ以外の何もかもすべてが、父親として大失格でしたが。

発達障害の症状は、誰一人として同じ症状はいないとされています。
asdの症状の程度や特性の違いによって、運転の上手さも変わってくると思います。

しかし、実際はどうなのでしょうか。

今回は、asdの運転の向き不向き、対処方法などについて考えていきたいと思います。

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ASD(自閉症スペクトラム・アスペルガー症候群)の人が運転に向いているかどうか

発達障害のasdの人が運転に向いているかどうかの判断は、asd当事者の特性やIQ次第だと思います。
asdの特性によって、車の運転に支障をきたすレベルであれば、運転が不向きな傾向があると思います。

逆にasdの特徴である、「こだわり」や「興味の限定」から、車好きであれば、運転も上手くなるのかもしれません。

好きこそものの上手なれということわざがありますが、asdの人は、1つの物事に執着して細部まで突き詰める気概があります。

もし、asdの特性が運転に支障のないレベルであり、車大好きであれば運転も上手くなるのではないでしょうか。
一般的に車の運転は「慣れ」とも言われていますし。

asdの人が車の運転に向いていない理由

asdの人が運転に向いていない理由はいくつか考えられます。

・状況判断力が低い
・視野が狭い
・集中力が低い
・感覚過敏
・想定外に弱すぎる
・不安やパニックになりやすい

これらのasdの特性は、運転において大きな障害になります。
運転は、常に周囲の状況に注意を払い、素早く正確に判断し、適切に操作することが求められるからです。

ですが、やはりasdの人が運転に向いていない最大の原因は、「予想力が低い」ことだと思います。

asdの人は、想定外の事が起こるとパニックになってしまって脳がフリーズしてしまいます。
運転中に自分の予想外のことが起こると、そこに注力してしまい、他が見えなくなってしまいます。

車の運転にも自分ルールがあるので、予想外の対処が困難になってしまいます。

例えば、信号が青に変わったときに、横断歩道を渡ろうとする歩行者が現れる。
ブレーキを踏む必要があるが、後ろの車が近づいているのを気にして判断を迷ってしまう。

高速道路を走っているときに、前方に事故が発生するとします。
渋滞に巻き込まれる可能性があるが、出口まであと数キロメートルしかない。
出口を目指すべきか、それとも別のルートを探すべきか迷うなど。

また、雨の日に車を運転しているときに、道路が滑りやすくなっているとします。
カーブを曲がろうとすると、車がスリップするかもしれません。
ハンドルを切るべきか、それともアクセルを緩めるべきか判断に小一時間かかるなどなど。

とにかく、自分の想定していること以外の出来事が車の運転中に起こると、パニックになったり、思考が停止してしまい、本当に危ないです。

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ASDの運転に関する研究や統計

運転免許を持っている人は、一般的には多いですが、自閉スペクトラム症(ASD)の人はそうではないかもしれません。

いろいろな研究によると、ASDの人は、普通の人と比べて、運転免許を取る人が少ないことがわかっています。
たとえば、米国では、知的障害がないASDの人でも、21歳になるまでに運転免許を取る人は3人に1人しかいませんが、普通の人は8人に7人は取っています。

日本でも、ASDの人の半分くらいは運転免許を持っていないという調査結果があります。

このことから、ASDの人は普通の人よりも、運転免許を取るのが難しいと思います。

ASDの人は、一般人よりも運転免許を取得する割合が低い

アメリカの国立保健研究所(NIH)や自閉症研究協会などの機関による研究では、ASDの人々が運転免許を取得する割合が一般人に比べて低いことが示されています。
この背景には、運転時の不安や恐怖、そして運転中のミスや事故のリスクが高いことが関係していると考えられています。

ASDの人は、一般人よりも運転に対する不安や恐怖が高い

ASDの人は、普通の人よりも、運転することに不安や恐怖を感じやすいとも言われています。

運転するときには、たくさんのことに注意しながら、いろいろな状況に合わせて動かなければなりません。
しかし、ASDの人は、刺激に敏感だったり、注意力や行動の調節に問題があったり、社会的なルールや信号を守るのが苦手だったりすることがよくあります。

そのため、運転しているときには、ストレスやパニックを感じたり、事故や違反を起こすのではないかと心配したりすることがあります。

実際に、ASDの人は普通の人と比べて、運転に自信がなく、運転の技術も劣っているという情報があります。

特に、ASDの人々は新しい環境や予期せぬ状況に適応するのが難しいため、運転という常に変化する環境では特に不安を感じやすいです。

心理学界の研究では、ASDの人々が運転に関する不安を感じる主な理由の一つとして、運転環境の予測不可能性が挙げられています。

さらに、交通事故研究所(NHTSA)の統計によると、ASDのドライバーは、運転中の判断ミスや集中力の欠如により、一般のドライバーよりも事故を起こす可能性が高いことが示されています。

これは、ASDの特性による情報処理の遅れや、状況に応じた適応の難しさが原因であるとされています。

ASDの人は、一般人よりも運転中のミスや事故が多い

ASDの人は、普通の人よりも、運転でミスをしたり、事故を起こしたりすることが多いというわけではありません。

米国の研究では、ASDの若い人は、自閉症でない同じ年代の人と比べて、交通違反や免許停止の割合が少なく、事故を起こす割合も少ないことがわかっています。

これは、ASDの人が運転に慎重だったり、運転しないことを選んだりする傾向があることや、運転免許を取るときに、もっと時間や支援が必要だったりすることなどが理由として考えられます。

ただし、この研究は知的障害がないASDの人だけを対象にしているので、ASDの人全体が運転でどのくらい危険にさらされているかは、まだはっきりとわかっていないと言えます。

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ASDの運転に影響する特性や症状

ASDの人は、一般人とは異なる特性や症状を持っています。
これらの特性や症状は、運転においてメリットにもデメリットにもなります。
以下に、ASDの運転に影響する主な特性や症状を紹介します。

ルールや順序に従うことが得意

メリット:運転においては、ルールや順序を守ることが重要です。
ASDの人は、ルールや順序に従うことが得意なので、運転においてもそれを忠実に守ることができます。
例えば、信号や標識、速度制限などを遵守することができます。

デメリット:運転においては、ルールや順序だけではなく、柔軟性や臨機応変さも必要です。
ASDの人は、ルールや順序に従うことが得意なので、それ以外のことに対応することが苦手です。
例えば、予期せぬ事態や緊急時に対応することができません。

細かいことにこだわることが得意

メリット:運転においては、細かいことに注意することが重要です。ASDの人は、細かいことにこだわることが得意なので、運転においてもそれを念入りにチェックすることができます。例えば、車の状態やメンテナンス、道路の状況や天候などを確認することができます。

デメリット:運転においては、細かいことに注意することだけではなく、全体を見ることも必要です。ASDの人は、細かいことにこだわることが得意なので、運転においてもそれに集中しすぎてしまいます。例えば、標識や計器などに目が行きすぎて、周囲の動きや危険を見落としてしまいます。

ASDの運転における長所と短所

ASDの人の運転における長所と短所をまとめてみました。以下の表を参考にしてください。

長所 短所
ルールや順序に従うことが得意 柔軟性や臨機応変さが苦手
細かいことにこだわることが得意 全体を見ることが苦手
特定のことに興味や関心が強い それ以外のことに興味や関心が薄い
記憶力や集中力が高い 注意力や判断力が低い
独自の視点や発想がある 他者の視点や感情がわかりにくい
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ASDの人の運転の対処方法やコツ

ASDの人の運転が上手くなるにはどうしたらいいのでしょうか。
個人的には、とにかく場数を踏んで慣れるしかないと思います。

ただ、教習所で練習するとなると、都内では1時間2000円以上かかります。
それに、実践ではないので、予期せぬことの対処の練習にはなりません。
asdの予想外の対処には経験を積むしかない訳で、それが出来ないのは辛い所です。

基本的にasdの特性のハンデを運転において、極力感じさせない必要があります。

asdの特性の対処として以下の方法があげられます。

予測運転:事前に次に何をすべきかを考える。

リラックスする方法を見つける:長時間運転になる場合は、休憩を取りリラックスする方法を見つける。

ルーティンを作る:出かける前にルートを確認するなど、準備を怠らない。

練習を重ねる:慣れは大切です。毎日車に乗ることで経験値を上げられます。

運転の練習や教習の方法

運転中には、様々な刺激やストレスにさらされることがあります。
ASDの人は、運転中に感じる困難や不安を軽減するために、以下のような注意点や工夫を試してみることができます。

運転中の注意点や工夫

運転する前に準備する

運転する前には、自分の体調や気分をチェックし、運転に集中できる状態になるようにしましょう。

例えば、十分に睡眠をとったり、水分や食事を摂ったり、リラックスしたりすることが有効です。
また、運転するルートや目的地を事前に確認し、ナビゲーションや地図などを完璧に準備しておく。

運転中に必要な情報を得る

運転中には、周囲の状況や他のドライバーや歩行者の動きなど、多くの情報を同時に処理する必要があります。

ASDの人は、このような情報を得るのが苦手です。

運転中には、色や形、記号など、視覚的な情報が多くあります。
これらの情報を見逃さないように、目を動かして周囲を確認しましょう。

また、自分の視界を邪魔しないように、サングラスや帽子などを調節したり、ミラーや窓を清潔に保ったりすることも大切です。

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まとめ

車の運転は慣れだとは思います。

いつも同じ道や同じ場所への運転だけであれば、asdの人でも人並みに運転することはできると思います。

基本的にasdの人は、繰り返しの行動が得意であったり、こだわりなどから、1度慣れると健常者以上の強みになる事もあります。

でも、想定外の事態や新しい道路、知らない場所での運転は本当に苦手です。

視野が狭く、想像力が乏しいので、周囲のいたるところに気が散ってしまうし、1つ1つ考え込んでしまいます。
危機察知能力が低下するので、運転においてはかなり危険です。

なので、個人的には、自分の知っている場所、慣れているいつもの道以外の車の運転は極力避けるべきだと強く思います。

仕方なく未知の場所へ行かなければならない時は、事前に道路や風景などの状況をインプットしておくべきです。
googleマップやオンラインの地図サービスをパソコンで見ておくなど。

個人的にお勧めなのが、PCのsteamの中のゲームで、トラックシュミレーターというのがあります。
海外のゲームですが、日本の道路事情にも対応しており、トラックに乗って運転のシュミレートができます。
知らない場所に慣れるという意味では、おすすめです。

引用元:アフロマスクさんの【Project Japan】リアルに再現された日本の道を運転できる日本版大型トラックシミュレーター

まとめると以下の通りです。

・自分の得意な道や場所に限定して運転すること

・未知の場所に行く場合は、事前に道路や風景を調べておくこと

・運転のシュミレーションをすること

これらのことを実践することで、asdの人でも運転のストレスや不安を減らすことができると思います。

もちろん、運転には個人差がありますし、asdの症状も人それぞれですので一概には言えません。

まとめると、asdの人は想像が苦手で想定外の対処が難しいので、車の運転をたくさんして経験を積むことが必須ということです。

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