タイトルの通り、真性ひきこもりの私は春の時期になると辛い思いをします。

それは、花粉が飛ぶからでもなく、新生活を始めるキラキラした人たちに劣等感を覚えているわけでもなく(もちろん感じていますが)、ただ単に生活音が外に漏れるのが怖いからです。

私は23年以上ひきこもり生活をしており、外出することはめったにありません。
誰にも自分の生活を知られたくないという強い気持ちがあります。
しかし「春」は、そんな私の“隠れていたい”という願いを、毎年容赦なく打ち砕いてきます。

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なぜ「春」が引きこもりにとって最も恐ろしいのか?

理由はシンプルです。みんなが窓を開け始めるから
冬は寒いので近所の老人方は、窓を閉めっぱなし。夏も暑さで冷房があるから窓は閉める。
秋はちょっと微妙だけど、涼しくなるのが早いので窓を開ける期間は意外と短いです。

でも春だけは違います。
暖かくなると、みんな「春の空気気持ちいい〜」とばかりに、窓を全開にします。
そして、当然のように近所中から生活音が聞こえてくる。

これはつまり、こちらの生活音も漏れているということ。

もちろん、私は家中の窓を閉めています。(本当は窓を開けて新鮮な空気を取り入れたい)
でも、引きこもっている私にとって、「生活している音が外に漏れている=自分の存在が知られる」ということが、何よりも辛すぎます。

家にずっといること自体、近所中にバレバレなのは分かっています。
でも家を閉め切っていても築50年以上のボロ家なので、掃除機の音、シャワーの音、ドアの開け閉め、椅子を引く音――こういう「日常の音」すら漏れてしまい恥ずかしいのです。

窓全開のご近所さん、丸聞こえのクラシック音楽

今日の最高気温は24度。春らしい、少し汗ばむくらいの陽気です。
案の定、近所の家々では一斉に窓が開きはじめ、外は生活音だらけです。

そして、特に気になるのが左隣の家のご老人
今日は2階の窓を全開にして、クラシック音楽を大音量で流していました。

実はこの左家の老夫婦は、大体お昼~3時くらいの間、1年中音楽(クラシック)を聞いています。
それが春になると、こちらの家にもまるっと聞こえてくるのです。

私の家は築年数も50年くらいと古く、壁や窓の気密性はまったく期待できません。
なので、自分の家の窓を完全に閉めていても、向こうの音がガッツリ入ってくる。
ということは、こちらの音も…当然、漏れているということ。

こうなると、毎朝の日課の掃除機をかけることすらためらってしまいます。
自分の存在、生活、行動が筒抜けになるような気がして落ち着かない。
気にしすぎかもしれませんが、私は物凄く他人に気を使ってしまう性格です。そして、とにかく人に何かしているのを聞かれるのが苦手で、怖いです

掃除機は40年以上前のオンボロ、でも毎日かけないと落ち着かない

私は、起きたらまず掃除機をかけるという習慣を、もう30年以上も続けています。
これは自分でも「やらずにはいられない」というレベルのルーティンで、ASD(自閉スペクトラム症)の特性からくるものだと思います。
生活の中でやるべきことが決まっていて、それを崩すと強い不安やストレスを感じるので止められない。

ただ、問題はその掃除機。

昭和感ただよう1998年製のオンボロ掃除機をいまだに使っています。買い替えればいいじゃん、って思われるかもしれませんが、長年使い慣れてしまっていて手放せない。 買い替えるお金も無い。

けれど、この掃除機、とにかくうるさいです。
家もボロいし、壁や窓はスカスカなので、その音はおそらく外にもダダ漏れ
まるで「今!ここの家の中で掃除してますよー!!」って叫んでいるみたいで、本当に恥ずかしい。
もちろん、弱でなるべく掃除機の音が出ないように気を使っていますが、それだとあまりほこりを吸い取れていない。。

そして昼夜逆転の生活なので、今日も起きたのが昼の2時。
ちょうど、外の空気が気持ちよくて、みんなが窓を開けている時間帯。
そんな時間に掃除機を回すので、こっちの行動がバレバレです。

それでも掃除をやらないと落ち着かないので、思いきって3分だけ、超短時間で終わらせました。
心の中では「頼むから誰も気づかないでくれ」「気づいてても、何も思わないでくれ」って思いながら。

シャワーの音すら恥ずかしい…風呂場と隣家の距離が近すぎる

掃除機を終えたら、次はシャワー。これも毎日のルーティンです。
でも実は、このシャワーの時間もかなり神経を使っています

うちの風呂場は、右隣の家との距離がとても近く、間に車1台ぶんほどのスペースを挟んで、すぐにお隣さんの窓が見えます。
今日もそうでしたが、隣の家のご老人が、これまた窓全開で爆音の野球中継を楽しんでいらっしゃる・・・。
ピッチャーの投球、実況の声、歓声――全部丸聞こえ。

ということは、当然、こっちのシャワーの音も向こうに聞こえている
もう、本当に恥ずかしい。

私ももちろん、風呂場の窓はすべて閉めています。でも家が古くて、防音性も皆無。
それでもシャワーは浴びたい。いや、浴びないと気持ち悪くて生活できない

だから、今日も気配をうかがいながら、なるべく静かに、なるべく短くシャワーを済ませました。
「もしかして今、音を聞かれてる?」「毎日この時間にシャワー浴びてるのバレてる?」――そんな小さなストレスを感じながらです。

本当なら、もっとリラックスして過ごすべき場所なのに、お風呂ですら気を使ってしまうのが、引きこもりとしてのつらさの一つです。

「存在を消したい」けどバレている――ひきこもりの苦悩

私は、できることなら「誰にも気づかれずに生活したい」と思って生きています。
正直なところ、存在そのものを消したい、と思う瞬間すらあります。

でも、もう23年以上も引きこもっていれば、近所の人にはとうにバレています
「あの家の人、ずっと家にいるね」「あの時間にシャワーの音がする」「掃除機、毎日かけてるよね」――そんなふうに思われているかもしれません。

それでも私は、自分の行動が外に伝わっていると考えるだけで、恥ずかしくて仕方がない。
誰も見ていないのに、誰かに見られているような気がして、常に気配を殺して生きています

春は、その「気配」がどうしても漏れてしまう季節。
窓全開、音ダダ漏れ、日差しが明るくて…いろんな“外とのつながり”が自動的に増えてしまう。
私にとってはそれが本当に苦痛で、心が休まらない季節なのです。

もちろん、外で元気に暮らしている人が悪いわけじゃない。
でも、私のような引きこもり生活をしている人間には、春の明るさが逆に鋭く突き刺さるような感覚になるのです。

同じように悩んでいる引きこもりの方へ

もしかしたら、この記事を読んでいる人、私と同じように「春」が苦手な引きこもりかもしれません。
「窓が開いて生活音が漏れるのが恥ずかしい」「自分の存在が近所にバレるのがつらい」「でもルーティンは崩せない」――ASDで引きこもりならわかる人もいるはず。

春は外の世界が一気に明るくなって、空気も開放的になります。
でもそれは同時に、近所が怖い真性引きこもりには、“隠れた生活”にも光が差し込んでくるということ。

音に敏感なのも、人に知られたくないのも、自分を守るための感覚だと思います。

春はまだ始まったばかり。
しんどいけど、なんとかやり過ごして、早く“みんなが窓を閉める季節”になってほしいな…と、そんなことを願いながら、今日も静かに生活しています。

近所の状況

私の家は、築50年以上のボロ家で、防音性はほぼゼロ。
なので、周囲の家のちょっとした生活音でもガンガン入ってくるし、こちらの音もたぶん全部漏れている。
しかも私は引きこもりで、生活のすべてを“隠したい派”なので、音の存在感がそのままストレスになる。

というわけで、私の周囲の家々がどんな感じか、軽く紹介しておきます。


Aの家:クラシック音楽の老夫婦(左下)

春〜夏にかけて、気温が20度を超えると2階の窓を全開にして、クラシック音楽を爆音で流すご夫婦がいます。
静かならまだいいのですが、こちらの掃除機をかけるタイミングと見事にかぶる。
「今、音が聞こえてるよね…?」というプレッシャーと戦いながら、私は音を抑えて掃除しています。

引きこもりが近所の老夫婦にガチギレされた話【発達障害ブログ】

Bの家:野球中継が漏れまくるお宅(右上)

昼の12時ごろから夕方にかけて、1階の窓が常に全開
テレビでよく野球中継を流していて、その実況や歓声が丸聞こえになります。
それだけならまだしも、私のシャワーの時間と重なることが多く、毎回、水の音が漏れていないか気になってしょうがない。
浴びながら「今、絶対聞かれてる…」と思ってしまうのが日常です。

Cの家:散髪屋さん(左中)

この家は散髪屋さん(店舗はどこか知らない)なのですが、驚くほど静か。
特に音が気になることもなく、心の中で「いつも静かでありがとう…」と感謝してます。
こういう存在、本当にありがたいです。

Dの家:以前はにぎやかだったが今は静か(左下)

昔は子どもの声などがよく聞こえていましたが、最近は成長したのか、とても静か。
問題なし、平和そのもの。感謝。

Eの家:静かだけど油断できない(左上)

この家も基本的に静かです。
ただ、私のシャワー音が漏れているとしたら、おそらくこの家にも聞こえている。
特に気にされている様子はないので助かってますが、それでも毎回、「聞こえてないかな…」と心配になります。

Fの家:向かいの酔っ払いおじさん(右中)

特に問題はないけど、週末の深夜に酔っ払って帰ってくることが多い
夜中の12時〜3時くらいに、一人でブツブツしゃべりながら歩いてくる声がモロに聞こえる
こっちは家を閉め切ってるのに聞こえるってことは、あっちにもこっちの音、聞こえてるんじゃないか…と、考えるだけで胃が痛い。

Fの奥の家:低周波のトラウマ

この家のエアコン室外機の低周波音に、去年の夏は本気で悩まされました。
深夜まで鳴り続ける「ブーーーン」という音に耐えきれず、勇気を出して丁寧な手紙をポストに投函
その後は使用を控えてもらえて、なんとか平和に戻りました。
ただ、夏が近づくたびに「またあの音が来るんじゃないか…」という恐怖がよみがえってきます。

近所のエアコンの室外機の低周波の振動騒音が辛すぎる…

音のある生活、それ自体がプレッシャーになる

こんな感じで、私の生活は周囲の家との“音の関係”でできていると言っても過言ではありません。
普通の人なら「気にしすぎでしょ」と思うかもしれませんが、引きこもりでASDの私は、こういう音の小さな情報一つひとつがものすごく気になるのです。

自分の存在を隠したい。音を出したくない。
でも生活するには、掃除もシャワーもやらないといけない。
この葛藤が毎日続くのが、春から夏にかけての最大のストレスです。

 

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