心の病気と聞くと、どんなものを思い浮かべますか?
鬱病や不安障害など、一般的に知られているものもありますが、実はそれ以外にもさまざまな種類があります。
例えば、適応障害やADHDというものがあります。
これらは、どちらも心の病気ですが、原因や症状、治療法などが異なります。
適応障害とは、人生に起こる大きな変化やストレスに対応できずに、心が不安定になってしまう病気です。
ADHDとは、生まれつき脳の機能に特徴があって、注意力や集中力が低く、落ち着きがなく、衝動的に行動する病気です。
適応障害とADHDは、どちらも学校や仕事、人間関係などに影響を与えてしまうことがあります。
しかし、適応障害はストレスの原因がなくなれば治る可能性がありますが、ADHDは一生付き合っていかなければなりません。
この記事では、適応障害とADHDの違いと共通点について、わかりやすく解説していきます。
心の病気に悩んでいる方や、周りの人に理解してもらいたい方の参考になれば幸いです。
適応障害とは
適応障害とは、人生に起こる大きな変化やストレスに対して、うまく対処できないときに起こる心の病気です。
たとえば、引っ越しや転校、親の離婚や死別、いじめや虐待、恋人との別れなどが原因になることがあります。
適応障害になると、以下のような症状が現れます。
- 気分が落ち込んだり、泣いたりする
- 不安や恐怖を感じたり、パニックになったりする
- 怒りやイライラを感じたり、暴力的になったりする
- 学校や仕事に行きたくなくなったり、集中力ややる気がなくなったりする
- 友達や家族との関係が悪くなったり、孤立したりする
- 睡眠や食欲が変わったり、体の不調を感じたりする
適応障害は、ストレスの原因がなくなれば、自然に治ることもありますが、放っておくと悪化することもあります。
適応障害になったときは、心療内科や精神科などの専門医に相談することが大切です。
また、家族や友達など周囲の人に悩みを打ち明けたり、励ましてもらうことでも症状が軽くなります。
適応障害になった人は、自分の気持ちを話したり、聞いてもらったりすることで、安心感や自信を取り戻すことができるのです。
ADHDとは
ADHDとは、Attention Deficit Hyperactivity Disorderの略で、日本語では注意欠陥多動性障害と言います。
ADHDは、生まれつき脳の働きに特徴があるために、注意力や集中力が低く、落ち着きがなく、衝動的に行動するという心の病気です。
ADHDは、幼児期から発症することが多く、成長とともに症状が変化することがあります。
ADHDになると、以下のような症状が現れます。
- じっとしていられなかったり、動き回ったりする
- 話を聞いたり、指示に従ったりするのが苦手だったりする
- 物事に飽きやすかったり、忘れ物が多かったりする
- 順番を守ったり、ルールを守ったりするのが苦手だったりする
- 思いついたことをすぐに口に出したり、行動したりする
- 学校や仕事で成績が悪かったり、トラブルが多かったりする
- 友達や家族との関係がうまくいかなかったり、自己評価が低かったりする
ADHDは、薬やカウンセリングなどの治療で症状を改善することができます。
しかし、ADHDは完全に治るということはありません。
自分の特性を理解し、それに合わせた生活習慣や学習方法を身につけることが大切です。
また、家族や友達などの理解や支援も必要です。
ADHDの人は、自分の長所や強みを見つけたり、自分に合った目標を立てたりすることで、自信ややりがいを持つことができます。
適応障害とADHDの違い
適応障害とADHDは、どちらも心や精神の病気ですが、違いがあります。 適応障害とADHDの違いは、以下の通りです。
- 適応障害は、人生に起こる大きな変化やストレスが原因で起こる心の病気です。
- ADHDは、生まれつき脳の凹凸や未発達が原因で起こる精神(心)の問題です。
- 適応障害は、ストレスの原因がなくなれば、自然に治ることもあります。
- ADHD(発達障害)は、現代医学では治すことができません。
- 適応障害は、気分が落ち込んだり、不安や恐怖を感じたりすることが多いです。
- ADHDは、注意力や集中力が低く、落ち着きがなく、衝動的に行動することが多いです。
- 適応障害は、環境や周囲によって、後天的に引き起こされるメンタルの病気です。
ADHDは、先天性の脳機能異常ですので、発症の仕方が全く違います。
適応障害は誰にでもなる可能性がある心の病ではあるけど、ADHDは、最初からある人とない人がはっきりしています。
適応障害とADHDの共通点
適応障害とADHDは、メンタル(心)の病気と精神(心)の問題なので、構造は全く違います。 ですが、共通点もあります。
- 適応障害とADHDは、目に見えないので、周りの人に理解されにくい。
- 適応障害とADHDは、どちらも学校や仕事、人間関係などにマイナスの影響を与えてしまう。
- 適応障害やADHDになった人は、自分の状態を隠したり、無理をすることがある
- 適応障害とADHDは、どちらも自分の気持ちや考え方に影響を与えてしまう
- 適応障害は、ストレスが原因で引き起こされる心の病気です。 鬱病や不安障害、睡眠障害などがよく見られる症状です。
適応障害とADHDの症状には、どちらも集中力や記憶力の低下、人間関係や仕事の問題などがみられます。
ADHDも、衝動・多動性・注意欠如などの特性から、ストレスや精神が悪化してしまいます。
適応障害と同じように、心の問題を抱えやすいです。
ADHDの2次障害として、適応障害の症状が現れるのです。
まとめ
今回は、適応障害とADHDという二つの精神や心の病気について、違いと共通点をお伝えしていきました。
適応障害は主に、心や精神が弱かったり、環境運が悪くてなってしまう病気です。
治すことも出来るので、普通の病気とある意味同じように扱うこともできます。
しかしADHD(発達障害)は、生まれた時からある脳の凹凸や未発達です。
一生、ADHDの特性と付き合っていかなければならないので、苦労はまるで違います。
適応障害とADHDは、どちらも心や精神の病気ですが、その原因や治療法は異なります。
適応障害は、ストレスによって引き起こされる心の病気で、原因がなくなれば自然に治ることもあります。
ですが、放っておくと悪化することもあります。
適応障害になった人は、心療内科や精神科などの専門医に相談し、薬やカウンセリングなどの治療を受けることが必要なのです。
ADHDにはストラテラやコンサータといった症状を抑えるお薬はありますが、治すことはできません。
副作用もあるし、人によっては症状が軽減されないこともあります。
適応障害は治すことが可能な心の病ですので、早めに治療をして学校や社会に復帰して欲しいと願います。