私は、発達障害のASD(アスペルガー)の当事者として、学生時代は壮絶ないじめを経験してきました。
小学生時代は、からかわれたり、何でも信じてしまい良いように操られ、3日に1度は泣かされていました。
中学生時代は、毎日、暴力におびえながら過ごし、全ての財産を奪われ、日本でも最悪レベルの苛めを経験しました。
高校生の頃は、イジメというよりは、頭のおかしい人物扱いをされて、誰も近づかない、孤立化していました。
それでも学校はほぼ休まず、皆勤賞でした。
自分でもよく不登校にならなかったな、と思います。
今振り返ると、ASDにはいじめに対する「忍耐力」があると感じます。
心の強さという意味ではなく、「自分の状態に気付けない」ので、どれだけイジメられていても、それが酷い事なのか想像できていないのです。
学校という集団の輪の中では、浮いた存在であり、最底辺レベルなのに、asdは自分を客観視することが苦手なので、わかっていません。
その為、ある意味ストレスを感じづらく、過酷な環境下でも毎日同じ行動をし続けるのです。
今振り返ると、自分がイジメのターゲットにされる理由はあったと思います。
ただ、それはASDの思考のおかしさに原因があり、自分ではどうすることもできないのです。
勝手に思ったことが言葉や行動になってしまうのです。
令和6年の今の時代は、発達障害の理解も進み、ある程度の対策も自他ともに出来るようになりました。
私の時代は、発達障害の概念自体がほぼ無く、健常者と同じ集団に放り込まれて何の理解もサポートも無く過ごした末路です。
ただ、それでもasdの人は、イジメのターゲットにされやすい傾向があり、イジメの被害者になってしまう可能性は、普通の人に比べれば高いと思います。
そこで今回は、asdがイジメられる原因、イジメられたらどうすればいい、イジメに遭わないためには、について考察していきたいと思います。
ASDの人のイジメられるリスクをチェックするテスト
発達障害のASDの人は、誤解やコミュニケーションの齟齬(そご)からイジメられるリスクが高くなります。
ASDの特性により、非言語的な合図や社会的な暗黙の了解を読み取ることが難しく、他者との調和を図ることが一般的な人よりも困難になることがあります。
これにより、意図せずして周囲の人々との間に距離を生じさせることがあり、その結果、集団内での孤立や誤解を招くことがあるのです。
そこで、ASDの当事者がイジメられやすい要因に焦点を当てたセルフチェックテストを作成しました。
このテストは、学校や集団生活の場面において、社交性、コミュニケーションの特性、周囲との適応能力など、ASD特有の問題を反映しています。
このテストは、ASDの特性に基づいた自己評価を提供するものであり、専門的な診断や治療を代替するものではありません。得点に関わらず、もしいじめや社交性に関する問題で苦労している場合は、専門家や信頼できる支援者と相談することをお勧めします。
また、このテストの結果が示すリスクレベルは、あくまで一つの指標に過ぎず、個々の状況や経験によって異なることを理解してください。自分自身や他人をラベル付けするためのものではなく、自己理解を深め、必要なサポートを求めるきっかけとしてご利用いただければ幸いです。
ASDがイジメられやすい理由
発達障害ASDの全ての人がイジメに合うわけではありません。
しかし、その確率はASDが無い人に比べるとかなり高いと思います。
イジメに合う原因は、ASDの特性や性格以外にも、家庭環境、対人運の悪さなどがあります。
家庭環境が酷いと、性格が歪みやすく、自己肯定感も低下しやすいので、精神的に脆弱になります。
その結果、普通を求められる集団の学校において、不安定になり、イジメに繋がる恐れもあるのです。
イジメの発生原因として最も重要なのが、対人運だと思います。
学校のクラス内において、いじめをするような性格の悪い人が同年代にいるかいないかが最も大きいです。
私の場合は、本当に極悪な人物が出席番号の真後ろにいて、中学の2年間ずっと執拗にいじめられ続けました。
また、地元の新聞に載るほどの最低最悪な学校として有名でした。
このように、学校や出会う人物によってイジメに発展するか否かが最も大きな要因となります。
イジメられるのはASDの何が原因?
発達障害の1つであるASDは、学校や集団の環境下でイジメや孤立しやすいです。
では、その理由はASDの特性の何が原因なのでしょうか。
コミュニケーション能力の欠如
ASDのコミュ力の低さがあげられます。
コミュ力が低いというのは、言葉や会話のやり取りの能力が低いというわけではないです。
思ったことをそのまま言ってしまい、相手を傷つけたり、意味不明な会話になってしまい、「変人」と思われてしまうのです。
また、一般的な暗黙の了解やルールを守れず、他人との交流が上手く出来なかったり、「誤解される」こともあります。
そして、想像力の欠如から、察することが苦手で、相手の望んでいるコミュニケーションがとれず嫌われることもあります。
こだわりの問題
こだわりの問題とは、ASD(自閉スペクトラム症)を持つ人が特定の興味やルーチンに対して異常に強い執着を示すことです。
この強いこだわりは、ASDの人にとって安心感があるのですが、一方で対人関係や社会生活において誤解や衝突の原因となることがあります。
例えば自分の決めた行動(ルーチン)やルールが守られないと、極度の不安やストレスを感じることがあります。
その自分ルールを他人にも押し付けることがあるのです。
それが、対人関係の不和に繋がってしまい、イジメに発展する可能性もあります。
興味の限定
自分の好きな事や得意なことを、他人にも求めたり、出来るようになってもらいたいと強く思っていることがあります。
そして、聞き手が興味を共有していない場合、一方的なコミュニケーションとなりがちで、聞き手を疲れさせてしまうこともあります。
この興味の深さは、専門知識を身につける一助となり得ますが、社交的な状況では、他人が共有しない興味に対して過度に話を進めてしまいがちです。
また、他人がこの特定の興味を共有しない場合も、拒絶感に敏感に反応することがあります。
他人が自分の興味に同じ価値を見出さない時、理解されていないと感じ、孤独感や疎外感を覚えることがあるためです。この感情は、さらにコミュニケーションの障壁を高め、社交的なシーンでの適応が難しくなります。
このような興味の限定が、学校や職場などの集団生活の中で周囲との摩擦を引き起こすことが多く、それが誤解やいじめの対象になることも少なくありません。
ASDがいじめに遭わないためには
発達障害のASDの人がいじめに遭遇しない、ターゲットにされない、ようにするにはどうしたらいいでしょうか。
正直、かなり難しいと思います。
ASDの私自身が、今過去を振り返ってみても、どうすればよかったのか対策方法が思い浮かばないのです。
だって、勝手にASD脳が言葉や行動を支配して決めてしまうからです。
とにかく思ったことがそのまま口に出てしまうのです。
「これを言ったらだめ」と後々考えるとわかります。
しかし、その瞬間は抑えが全く聞かず、考えがよぎることもありません。
この言葉が正解(言っていい事)であり、何のためらいも持てないのです。
もちろん、当たり前の事や、社会的な常識は理解しているので、その辺は適切な言葉選びが出来ることが多いです。
しかし、一般的なコミュニケーションや雑談、学校というクラスの輪において、間違った言葉を選択して、イジメられる要素に繋がることがあります。
では、一体どうすればいいのでしょうか。
自己分析の重要性
「己を知れば百戦危うからず」ということわざがあります。これは、自分自身の強みや弱みを理解していれば、多くの困難な状況に対処できるという意味です。
ASDの人にとっても、自分の特性や振る舞いの傾向を深く理解することが、いじめや誤解を避けるための第一歩になります。
自分のASDの特性を知る為には、専門家のアドバイスが最も大切だと思います。
発達障害に詳しい、心療内科や精神科、クリニックの先生に相談して、対策方法を考えることが一番の近道です。
環境を整える
自己分析と並行して、学校や職場での環境を調整することも重要です。
例えば、教員やクラスの人にASDの特性について理解を求めることや、必要に応じて特定のサポートを受けることが考えられます。
このような取り組みは、周囲の人々とのより良い関係を築く助けとなり、いじめのリスクを減少させることができます。
逃げる
苛めを受けそうな学校やクラスの雰囲気ってあると思います。
明らかに自分だけが浮いてしまい、ボッチになっていると、自然とイジメに発展することがあります。
もしくは既に、陰でいろいろと言われているかもしれません。
その様な場合、環境の変更を考えることも一つの方法です。もし可能であれば、自分が安心して過ごせる環境や学校への転校を検討するのも良いかもしれません。
自分にとって居心地の良い場所であれば、ストレスも減り、自然と人との関係も改善されることが期待できます。
イジメられたらどうすればいい?
ASDの人がいじめを受けたら、どうすればいいのでしょうか。
私の場合は、常に耐え続け、我慢していました。
また、親や教師に言ったら「こ〇す」と常に言われており、受動型アスペルガーの何でも信じてしまう性格から、従い続けていたのです。
そして、学校の先生も荒れすぎていた学校だったので生徒にビビっており、いじめを認識していても放置していました。
家では父親(ASD)が浮気しており、家庭崩壊。
誰にも相談できる環境ではありませんでした。
ASDには異常な忍耐力があるかもしれませんが、いじめを受けたら回避しないと「自己肯定感」が欠如し続けてしまいます。
なので、私の経験上、いじめを受けたら、親や教師はもちろんですが、もっと上の機関である警察や教育委員会などに通報してもいいのではないかと思います。
また、イジメている子供の親の家に直接、自分の親と共に訪問するのが一番の対策だと個人的に思います。
ただ、この場合、その親もおかしい人だったり、いじめっ子自体が基地外だった場合、最悪な方向に進む場合もあります。
いじめが重大な場合や、身体的な危害が伴う場合には、法的な支援を求めることも一つの選択肢です。警察や弁護士に相談し、法的措置を講じることで、いじめを止めさせることが可能です。
いじめは決して容認されるべきではなく、被害者が声を上げることができる環境を作ることが大切です。また、いじめを受けた場合には、自己肯定感を保つためにも、自分を責めないようにしましょう。
まとめ
全ては、「人の気持ちがわからない」状態になるASDの特性が、イジメに繋がる最も大きな要因だと思います。
ASDの人とは違う考え方や行動が、「普通」を求められる学校の集団生活の中で浮いてしまうのです。
いじめは誰にとっても困難な経験ですが、特にASDを持つ人々にとっては、その影響がさらに大きい場合があります。
ASDはイジメの被害者になる可能性が高くなってしまうかもしれません。
でも、自己分析や周囲の環境を整えることで、その確率を減らすことはできます。
もしイジメに遭ってしまったら、すぐに親や教師、さらに権威のある機関に相談してください。
放置は悪手です。
自己肯定感が下がり続けるだけでなく、毎日の生活においても大きなストレスを感じ続けることになります。
大人になって、過去にいじめを受けていなければよかったな、と思うことがあります。
学生時代を健やかに普通に過ごせていれば、また違った人生になっていたと感じるからです。
ASDの人は、イジメに遭いやすい可能性がありますが、健全な環境で生きていける社会になって欲しいと願っています。