雨音が主役になるとき、私はようやく眠れる。
昨日は久々に熟睡できました。もうそれだけで今日は大勝利。
なぜかというと――雨が降っていたから。
私は発達障害ASDで、聴覚過敏の中でも結構レアなタイプだと思います。
特に「低周波音」や「不意の物音」に異常に反応してしまう。
でも、雨の音って不思議です。
ザーッと一定のリズムで鳴り続けてくれるから、むしろ落ち着くのです。
逆に、静かな時に限って、外の誰かの足音、ドアの開閉、ポストの投函音……
もうそのたびに、完全に目が覚めてしまいます。
ASDの聴覚過敏あるある:「一定の音」はOKだけど「突発音」は無理
この感覚、同じASD持ちやHSP気質の人なら分かると思います。
ずっと続く“背景音”は実は平気だったり。雨とか、換気扇(これは人による)とか、遠くの高速道路とか。
問題は、「突然の」「予期せぬ」音。
朝6時に寝て、起きたのは15時30分。
寝すぎって言われたらそうなんだけど、毎日このくらい熟睡できたら、どれだけ人生違ったか。
普段は、玄関に回覧板が置かれるだけで起きるし、郵便受けに何か投函される「どうでもいいチラシの音」にまで反応してしまう。
どんだけ繊細なセンサー内蔵してるの。
雨が嫌いな人もいるけど、ASD聴覚過敏持ちには癒し
世間の多くの人は雨が嫌いだと思います。
外に出るのが面倒とか、濡れるからとか。普通の感覚です。
でも私は、外に出ない真性引きこもり+ASDの聴覚過敏というスーパーレア設定。
雨はむしろありがたい。周囲の人も外出しなくなるし、窓も閉めてくれる。
つまり、「静か」+「一定の雨音」という最強の癒し空間が誕生します。
……でも、低周波振動音には無力
ただし。
雨の音ごときではかき消せないのが、「低周波振動音」。
これは地獄です。
「音」じゃなくて「体に響く振動」なので、どんな音でもマスキングできない。エアコンの室外機とか、どこかの家のポンプとか、そういう“低周波兵器”には、完全に無力。
私はこれに何度もやられてきた。
誰にも聞こえないのに、自分だけノイローゼになってしまう恐怖。
自閉症の聴覚過敏いつから?ASDの聴覚過敏は、生まれつきの脳の仕様
「自閉症の聴覚過敏って、いつから始まるの?」という疑問について。
答えは、シンプルです。
生まれたときからです。
発達障害ASDは、先天的な脳機能の偏り。
つまり、親ガチャ(遺伝)+脳の配線設計ミスで始まる仕様バグみたいなもの。
私自身、小さい頃から母親に「とにかく音に敏感だった」「すぐ泣いていた」と言われていた。
泣くたびに親が「また音か…」と察するレベル。
まるで、生活環境のノイズがトラウマスイッチなのです。
気づくのは後から。でも、始まりは“最初から”だった
私が自分の聴覚が異常かも?と気づいたのは、たぶん20歳ぐらいのときだったと思います。
大学(偏差値40)で一人暮らしをしてた時、上の階の住人の足音に物凄く敏感に反応していたのです。
それが地獄の始まりだった。
深夜0時すぎにミシッと床が鳴るだけで、目が覚める。もう眠れない。
我慢の限界が来て、壁を殴って穴を開けてしまい、親や大家に怒られました。
そして母には「神経質すぎる」と一蹴される始末。
その後、自分がASDと診断された頃には、もう後ろの家の室外機の低周波振動音にノイローゼ一歩手前だった。
「え?それ聞こえないよ」と母は言う。私には地鳴りみたいに感じてるのに。
本当に自分が異常なのだと気付かされた瞬間かもしれません。
「敏感な子」はただの性格じゃない場合も
赤ちゃんの頃から、音にビクビクしていた。
物音で毎回起きる。環境音に過剰反応する。
そういう場合、ただの「繊細」じゃなくて、発達特性の可能性があります。
もちろん、全てのASDの人が聴覚過敏というわけではないけれど、ASDの人は“聴覚の敏感さ”を抱えている確率がかなり高いと言われています。
だから、「うちの子、音にすごく反応するな?」と思ったら、早めに対策を考えてほしい。
でないと、大人になって私みたいに「音のせいで社会生活から離脱」ってことになるからです。
ASDの聴覚過敏:効く薬は「今のところ無い」
発達障害のASDの人に対する聴覚過敏対策のお薬は残念ながら、存在しない
「ASDの聴覚過敏に効く薬ってあるの?」
答えは、無い。ゼロ。存在しない。
音に敏感すぎて毎日つらい。でも、耳鼻科に行っても異常なし。
精神科に行っても「気にしすぎ」扱いされる。
ASDの聴覚過敏って、医学的には“治療対象”として微妙な立ち位置にあります。
市役所に電話で相談したこともあったけど、全く取り合ってくれない。
個人で対策してと一蹴される始末。
結局、「気の持ちよう」とか「環境を整えましょう」で片づけられる。
うん、それができれば苦労しないって話です。
一応、精神的な負担を軽減する薬はあるけど……
私がよく使っている薬は、デパスやインデラル。
どちらも「音そのものに効く」わけじゃなくて、ストレスを一時的に和らげて、ちょっと気になりにくくするくらい。
効果は限定的。
聴覚過敏って、「耳」より「脳のフィルター機能」に問題があるので、心を落ち着けたところで、“音の刺さり方”そのものは変わらない。
正直、気休めレベル。
副作用もあるし、長期使用はオススメできない。
ADHDには薬があるのに、ASDにはなぜ無いのか?
ADHDにはストラテラとかコンサータとか、わりと有名な薬がある。
実際、症状が軽減される人も多い。
でもASDには、それが無い。
なんでですかね?。
脳の構造がもっと複雑だから? それとも社会的に“我慢すべき性質”とされてるから?
ASDの聴覚過敏は、「外から見えない苦しみ」だから、放置されてしまいます。(理解が無い環境では)
でも、当事者は寝れなくなるし、鬱になるし、引きこもり一直線ルートになります。
噂される「ASD向けの点眼液」って?
以前、「ASDに効く点眼薬が開発中らしい」っていう記事を見つけたことがあります。
点眼液で脳に影響を与えるというアプローチ。
実用化されてるかは不明。というか、正直ちょっと眉唾です。
でも、少しでも希望があるなら、期待したい。
副作用がなく、日常生活に支障が出ない方法で「音の刺激」が和らぐなら、革命的です。
ASDに有効とされる“オキシトシン”とは?
「幸せホルモン」と呼ばれるオキシトシン。
これがASDに良い影響を与える、という研究もある。
ストレスが減って、対人不安が少しだけ和らぐとか。
でもこれも、「聴覚過敏に直接効く」というよりは、心の余裕を作って、二次的に過敏さが少しマシになるかもという感じでしょうか。
気持ち的に楽になるなら、意味はあるのかもしれません。
でもやっぱり、「音に刺される痛み」そのものは、今のところどうしようもない。
素直すぎて逆にこわいんだけど、じゃあ次いきまーす。
ここでは「アスペルガー 聴覚過敏」パート。
アスペルガーはASDの一部だから、ちょっと分類や傾向も絡めて書いていくよ。あなたの体験談を中心に、社会的文脈も入れつつ。
【アスペルガー 聴覚過敏】タイプ別で違う?ASDの中でも敏感さが強く出る人の特徴
アスペルガー=ASDの一種。受動型・孤立型・尊大型…いろいろあります。
まず基本から。
アスペルガー症候群(現在ではASDに統合)は、言語や知的発達の遅れがないタイプの発達障害。
ASDの中では、比較的、見えにくい障害とも言われてる。
で、このアスペルガーにはいくつかの“タイプ”があります。
- 受動型(言われたことは従うけど自発的に動かない)
- 孤立型(一人でいるのが好き、人と関わらない)
- 尊大型(自分が正しいと思いやすく、相手を見下しがち)
- 積極奇異型(人懐っこいけど距離感がおかしい)
私は、子供の頃からほぼ「受動型+孤立型」だった。
というか、精神的な打たれ弱さと、父親からの遺伝で生まれながらの繊細型ASDセットだった。
学校ではイジメ。家庭では味方ゼロ。
外からのストレスに常にさらされてるうちに、「音」が攻撃に感じるようになった。
聴覚過敏の強さは「環境と心のコンディション」で変わる
アスペルガーの聴覚過敏は、*“元々の性質+環境ストレスで強くなったり弱くなったりすると強く思います。
例えば、自己肯定感が高くて、支援がちゃんと受けられている人は、ちょっとした音も「まぁいいか」で済ませられることがある。
逆に、私のように環境がボロボロだと、ちょっとした物音が“攻撃”に聞こえてしまう。
- 家が古くて音が漏れやすい
- 周囲の人に理解がない
- 音源に対して何の対処もできない
この三拍子がそろうと、人間不信+環境不信+音地獄のスーパーフルコンボです。
理解が無い環境だと「ただの神経質」と言われてしまう。
ASDの聴覚過敏は、普通の人とは違う感覚なので、「気にしすぎ」「神経質すぎる」って言われる可能性が高いです。
でもこれは、脳の“刺激フィルター”が標準より壊れてるからなんですけどね。
- 隣の人は気にしてない
- 親は「聞こえない」と言う
- 医者も「気のせい」扱いする
でも自分には、刺さる。響く。眠れない。壊れる。
これが、「アスペルガー+聴覚過敏」の現実。
人によって症状の出方も違うし、環境に依存する部分もめちゃくちゃ多い。
【聴覚過敏 チェックリスト】あなたの音ストレス、どのレベル?ASDの傾向が見える簡易テスト
ASD(自閉スペクトラム症)やHSPの人たちは、日常の「なんてことない音」にダメージを受けてることが多い。
でもそれって、他人には見えないし、分からない。
- 夜、車のドア音で飛び起きる
- 郵便受けにチラシが落ちる音でイライラ
- 隣の室外機の低周波音で眠れない
そんなあなたに、「自分の感覚、普通と違うかも?」って気づくキッカケになるかもしれない、
簡単なチェックリストを用意しました。
ASD 聴覚過敏 チェックリスト【非公式・目安】
以下は、私が自作したチェックプログラムです。
もちろん医学的な診断には使えませんが、「どれだけ敏感なのかの目安」として活用できます。
ASD 聴覚過敏 チェックリスト
注意:これはあくまで「目安」です
このリストは、医師の診断の代わりにはなりません。
ただ、自分の感覚がどの程度「平均とズレているのか」を自覚するには役立ちます。
もし、日常生活に明確な支障が出ているなら、一度、精神科や心療内科に相談するのがベストです。
聴覚過敏は「気のせい」ではなく、脳の特性であり、対策が必要な課題なのです!
【子供の声が苦手な聴覚過敏】発達障害じゃなくてもツラい。でもASDには特にキツい現実
子どもの声って、なぜか脳に刺さりますよね・・・。
「子供の声がうるさくて頭痛くなる」
これは、発達障害の有無に関係なく、よくある話です。
でも、ASDの聴覚過敏持ちにとっては、ただの“うるさい”じゃない。
低周波振動音までとはいかないまでも、身体に響いてくるレベル。
高音域。甲高い。予測不能。突然の奇声。笑い声。
この全てがトリガーになる。
音というより、もはや攻撃。
笑っている声ですら、「なぜか心がざわざわしてくる」。不快感という名のノイズ爆弾。
でも、私は子供の声はあまり気にならないタイプです(他の音が地獄すぎて)
実は私自身、子供の声はそこまで苦手じゃないです。
なぜなら、もっと嫌な音が日常に満載だから。
- 低周波振動音(エアコン室外機とか)
- 予期せぬポストのカタン音
- 玄関前の人の気配音
それらの刺さる音の方が、100倍しんどいです。
だから、子供の声が聞こえても「あー子供がいますね」くらいでスルーできる。
でもこれって、「他のストレスが勝ってるから子供の声に鈍感になってるだけ」かもしれない。
普通に聴覚過敏を持ってる人の中には、子供の声に本気で苦しめられてる人も多い。
苦手でも、それは人間性じゃなく脳の特性
「子供の声がうるさいって思うなんて、自分はおかしいのかな」って、思わなくていいと思います。
むしろ、それが脳のスペック。
仕様書の“聴覚処理”の部分に「高音域過敏」って書いてあるだけです。
もちろん、四六時中子供の声を聞かされてイライラするなら、それはもう環境側が悪いです。
耳栓やイヤーマフでの対処もアリ。
ただし、長時間つけていると耳が疲れるし、周囲の危険音も聞こえなくなるから注意が必要です。
【ASD 聴覚過敏 大人】大人になってからの方が地獄。社会と騒音のコンボが最悪すぎる
子供の頃はマシだった?社会に出てからが本番なのです。
ASDで聴覚過敏持ちの人、子供の頃はなんとなく耐えられてたことが、大人になると一気に崩壊するってパターン、わりと多い。(私です)
私自身、小さい頃はエアコンなんて贅沢品だったし、周囲の「機械音」は少なかった。静かだった。
でも2000年代に入ったあたりから、住宅の構造も変わり、エアコン、室外機、換気扇、モーター音…音のジャングルに突入。
結果、私は社会に適応できずに引きこもり23年目。
人の声より、空調の低周波音にノックアウトされて終了。
「大人のASD」は、音と戦うヒマもなく働かされる
社会人になると、仕事、通勤、雑音、会話、全部が同時に襲いかかってくる。
「耳が痛い」と言っても、会社はイヤホン禁止。
「静かな環境が必要」と言っても、上司は無理解。
発達障害に理解の無い環境で発達障害の人が頑張るのはムリゲーです。
結局、自分の身を守るためには、静かな場所に引っ越すか、引きこもるしかない。
で、私の場合は後者を選択。
でも、これは社会的には「逃げた人」って見られてしまいます。
聴覚過敏は年齢とともに「こじらせる」こともある
ASDの特性は、年齢と共に落ち着くどころか、むしろ悪化する場合もある。
ストレスの蓄積。社会不適応。理解されないことで、感覚がどんどん過敏化する。
- 若い頃は眠れていたのに、今は物音で即起きる
- 他人の足音がなぜか昔より大きく感じる
- 音が気になって、外出すら控えるようになる
これ、ぜんぶ経験済みです。
聴覚過敏、対策をしないといつの間にか、「聴覚障害」となってしまい、どんな小さな音でも反応する辛すぎる状態になります・・・。
だから、大人になってASDに気づいた人も、今からでも遅くない。
静かな環境を探して、自分を守る。これが本当に大切なのです。
【ASD 聴覚過敏 対策】耳栓では防げない“音の罠”。できることと、できないこと

「普通の音」は防げる。でも、問題は身体に響くやつ
ASDの聴覚過敏に悩む人がまず試すのは、耳栓やイヤーマフ。
たしかに、普通の高音・中音域の騒音なら、これでかなり軽減できる。
- 工事の音
- 子どもの声
- 車のクラクション
- 近所の生活音
このあたりなら、フィジカルにシャットアウト可能です。
でも問題は、“低周波振動音”。
耳じゃなくて、身体に響いてくるあの震え。
これが、どうにもならない。
振動音には防御策が無い。それが現代社会の罠
ASD聴覚過敏持ちにとって、最大の敵は室外機。
エアコンの室外機、給湯器、モーター、ポンプ、24時間営業の低周波祭り。
音というより、“地鳴り”。
そしてこの振動音は、耳栓もイヤーマフもまったく意味なし。
- 壁越しに伝わる
- 床から響く
- 背中にモワッとくる
つまり、どこにも逃げ場がない。
私の対策:最後は「人間力」と「手紙」
私が経験したケースでは、後ろの家の室外機が常に低周波音を発していて、ノイローゼ寸前まで行った。(いや、精神が崩壊しました)
結局、手紙を書いてお願いして止めてもらった。
でも、これってすごく勇気がいるし、申し訳なさと罪悪感も残る。
しかも、また別の家から同じ音が聞こえてきたら、次の戦いが始まる。
こんな生活、まるで音のサバイバルゲーム。
環境音に対して、自分一人で常に防御と交渉を繰り返さなきゃいけないの、普通に営業より難しいと思う。
国、なんとかして?
本当に国レベルで対策してほしい案件です。
低周波騒音の基準値、対策義務、施工時のルールづくり。
「感じる人が少ないから問題じゃない」って切り捨てる時代、もう終わってほしい。
ASDの人が音で崩れていく社会って、正直すごく非効率で不親切です。
国会で議論してください。(切実)
【まとめ】ASDの聴覚過敏は、ただの“うるさい”じゃない。だからこそ雨音が救いになる
一定の音は“安心材料”、でも不規則な音には耐えられない。
今回の記事で伝えたかったことはひとつ。
ASDの聴覚過敏は、「音量の問題」じゃなく「質と予測性」の問題。
- 雨音:ずっとザーッと続いてて落ち着く
- 換気扇の音:ずっとなら気にならないどころか、むしろBGM
- 不意の物音(ポスト・足音・車のドア):一撃必殺
つまり、「脳が安心できるかどうか」がすべて。
だから、雨の日は本当にありがたい。
人々は外に出ず、窓を閉め、車も少なく、雨音が世界を支配する。
まるで音のフィルターがかかったかのような空間。この中でようやく眠れる。
発達障害は“目に見えない苦しみ”と戦ってる
ASDは、生まれつきの脳の構造。
誰のせいでもなく、本人の努力では変えられない仕様バグ。
それに「音の過敏さ」が組み合わさると、社会生活や人間関係がどんどんしんどくなる。
- 夜眠れない
- 音でイライラする
- 他人に理解されない
- 引きこもるしかない
これ、どれか1つだけでもツラいのに、全部一気に来る。
でも「気のせい」とか「我慢しろ」とか言われる。
そういう言葉で、どれだけのASD当事者が黙って壊れていったか。
音と共に生きる方法は、“逃げる”ことじゃなく“守る”こと
耳栓、イヤーマフ、防音室、静かなエリアへの引っ越し、対話、交渉、理解者。
どれも、逃げではなく対策であり自衛です。
周囲に合わせすぎて壊れるくらいなら、自分の快適さを最優先すべき。
なぜなら、他者はあなたの耳の痛みなんて知らないし、知ろうともしないから。
最後に:ASDの聴覚過敏がある人へ
あなたが今、どんな音で苦しんでいても、
「それは気のせいじゃないし、脳のせいでもない。現実です。」
だからこそ、無理に周囲に合わせすぎず、あなたにとって心地よい環境を探してほしい。
雨の日の安心感が、それを少しでも教えてくれたから。
この記事を書いた意味も、ちょっとはあったかな。