NHKのEテレで発達障害をテーマにした番組が放送されていたので見てみました。

放送時間は10分と短かったのですが、障害(協調運動の困難)の特徴がわかりやすく説明されていました。

この番組を見れば障害のことがわからない、理解がない人でも障害者がどれだけ普段の生活で大変な思いをして、苦労しているのかが伝わってきます。

今回は、NHKテレビ放送u&iの協調運動の困難をテーマにした番組を見た感想と内容について書いていきたいと思います。

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協調運動の困難とは

今回は第3回目の放送で「協調運動の困難」をテーマにした内容です。

協調運動の困難とは、一言でいうと運動音痴であったり、手先が不器用になる脳神経の異常です。

2つ以上の動作をする行動が苦手、できません

番組上では、

食器の器を持ちながらスープを入れる(食器を持つ、スープの量を考える、スープを入れる)

プリントの誤字を消しゴムで消す(プリントを押さえる、消しゴムで消す)

自転車に乗る(ハンドルを持つ、ペダルをこぐ、バランスを保つ、周囲に気を配る)

といった例がされていました。

発達障害のASDの特性であるマルチタスクの困難と似ていると思いました。
しかし、微妙に違うとも感じます。

協調運動の困難では、1つ1つの動作を同時にできないのに対して、
発達障害のマルチタスクの困難は、
例えば、食器に食べ物を入れる行為は、一つのタスクとして捉えられることもあるのです。

私の勝手な結論なので間違っているかもしれませんが、、協調運動の困難では、どれだけ単純で簡単なことでも1つの動作と捉える。
発達障害(ASD)のマルチタスクの困難は、簡単な事は一つの動作としてタスク処理ができる可能性がある、ということです。

また、協調運動の困難と発達障害(ASD)は同時に発症はしないようです。
ADHD(衝動性/多動性/注意欠陥)やLD(学習障害)と併発するといわれています。

発達障害の特性は大人になっても治らないのに対して、協調運動の困難は、成長とともに改善されることもあるようです。

u&iの内容(あらすじ)と感想

歌を交えながら、「協調運動の困難」の特徴をわかりやすく説明していました。

協調運動の困難の障害があるu(ユウ)は、給食の配膳係で食器にスープを入れる役割を任されていました。

しかし、器にうまくよそうことができず、こぼしてしまったり、量がバラバラだったりします。
不器用なユウを見て他のクラスメートは、真面目にやっていないと感じ、怒ってしまいます。

ユウは決して適当にやっているわけではありません。
協調運動の困難の障害で、普通の子が簡単にこなしていることができないのです。

自分が思った通りに体が動かせない」とユウは悩んでいました。

歩くことや走ることは1つの動作だから普通にできる。
でも2つ以上の動きになると、頭と体がこんがらがっちゃって出来なくなる

同時にいろんな動きがどうしてもできない。
できるように頑張ろうとしてもどうしてもできない、と悩んでいます。

生活上では、2つ以上の動作を必要とする物事がたくさんあります。
ですので、「協調運動の困難」の障害を持つ子には、サポートが必要不可欠なのです。

クラスメートのi(アイ)は、どうすれば手助けできるのかを考えてくれました。

そして、2つ以上の動作が必要なときは、1つ1つの動作に分けて、1つの動作にだけ集中してもらおうと思いつきました。

例えば給食の配膳では、食器を持つのはアイがやって、ユウはスープを入れるのに専念してもらいます。

ただ、毎回アイが手助けできるわけではないです。
クラスメートに協力してもらおうと考えつくのです。

以上が大まかなあらすじです。

「協調運動の困難」の障害を知らないクラスメートには、「不真面目な人間に映ったり、わざとやっている」と思われてしまうのが本当に悲しくなります。

本人にしてみれば障害の影響で、周りの子と同じようにしたいのに、それができないだけなのです。

本人が障害を受け入れてハンデがあると自覚したり、「周囲の子が障害に理解を示してくれる環境にしなければならない」と強く思います。

障害が理解されずに、嫌われ、避けられ、イジメられるのは本当に辛いです。

このような番組をもっとたくさんの人や子どもに見てもらい、失敗ばかりする子には何か理由(障害)があるとわかってもらいたいです。
そのためには、ゴールデンタイムや休日の時間帯で、30分以上の長さの番組を毎週放送して欲しいと思います。

難しいとは思いますが、最近は障害に対する認知度は上がってきていますし、NHKは公共放送ですので視聴率を争ったりしなくてもいいはずです。
頑張ってほしいところです。

u&iでは、声の出演で伊野尾慧さんときゃりーぱみゅぱみゅ、笹野高史さんが担当されていました。

芸能人にまったく興味が無いので、知らない人たちです。
(きゃりーぱみゅぱみゅさんは、名前くらいは聞いたことがあります)

調べてみるとジャニーズの人だったり、ファッションモデル/歌手の方で有名な方たちでした。

有名な人を起用することで、見てくれる方が増えるのは良いと思いました。

まとめ

私自身も発達障害(ASD)のマルチタスクが非常に苦手で、普通の人ができることができなかったり、物凄く時間がかかったりします。
しかし、「協調運動の困難」は、どんなことでも1つのタスクにしなければならず、困難差はだいぶあると思いました。

ただ「協調運動の困難」は、年齢(成長)とともに改善されていく傾向もあるようです。

定型発達(健常者)の子にも、障害の大変さや辛さを理解してもらうために、このような番組を道徳授業で取り扱ってほしいところです。

脳の障害は、自分ではどうすることもできないことが多く、サポートや周囲の理解が絶対に必要です。

障害者が困り感を極力避けられるような環境作りを、テレビ番組を通じて理解が得られればと思います。

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