発達障害は年齢を重ねるにつれ、サポートが必要となると思っています。
特に大学生となれば自分で考え、行動する場面が増えます。
子供の頃であれば、親や学校の先生の理解、支援がありました。
しかし大学生になると、手厚いサポートは期待できません。
また、対人関係においても難しくなります。
発達障害の特性故、変な人と見られることが多いです。
特に年齢が上がるにつれ、人は簡単に離れて行ってしまいます。
気付くのが早くなるからです。
大学でも発達障害の人の支援やサポートは必要です。
では発達障害の人が大学生活を
快適に過ごすためには
どうしたらいいでしょうか。
高校までは授業の時間割が
決まっていたり、普段するべきことは
マニュアル化され、
行動はパターンかされていました。
しかし、大学では授業の取捨選択を
自分でしなければなりません。
その為、比較的自由な時間も多く、
普段の生活時間も自分で決める
必要があります。
発達障害の人は、このような状態が
苦手な傾向があります。
ASDでは、自分で何をしたらいいのか
わからない主体性の無さ
(受動型アスペルガー)があります。
ADHDでは、スケジュール通りの
行動が苦手な人が多いです。
大学では自主性が求められますから
発達障害の人は苦労してしまうのです。
私の大学生活では、全て他の人のマネをして
何とかやり過ごしました。
偏差値40~42くらいの大学でしたので、
授業を出ていれば単位を貰えました。
大学4年の時に受けた英検3級は
落ちたのですが、それでも大学4年での
英語の成績は全て「優」
(優・良・可・不可の順)です。
Fランク大学だったので
卒論も適当で大丈夫でした。
もう20年位前のことなので、
今の大学事情は変わっていると思います。
しかし、それでも発達障害の理解がない
時代だったので、大学や普段の生活で
ASDの特性に苦しんだことは確かです。
今では、発達障害にも理解や
サポートのある大学が増えてきました。
ですが、大学生活では自由度が高いので
特性の影響による問題は出てしまいます。
そこで今回は、大学での発達障害の支援や
対応、生活面での気をつけたい事などを
お伝えしていきます。
大学の支援状況
全ての大学が発達障害に理解があったり、
支援が充実しているとはいえません。
現状では、大学もしくは学部の違いによって
理解やサポートに差があります。
発達障害の特性を保護者や本人から
大学に相談しても、
積極的に対応してくれるところもあれば、
曖昧な態度を取られることもあるのです。
発達障害は一人ひとり特性や症状が
違いますし、個別の配慮を求めるのは
難しいかもしれません。
ですが、大学内で発達障害のサポートや
支援の対応をしてくれる場所は
いくつかあります。
学生相談室
大学の職員が、学生の生活や
学業の悩みなど、さまざまな問題の相談に
対応してくれます。
発達障害の人が大学生活で困ったら
真っ先に相談する機関です。
発達障害の特性によって
講義に集中できない、
黒板を写すのが苦手など、
特性によって困りごとがある場合、
配慮の相談ができます。
相談する時は、自分の特性による問題点を
把握しておき、何が難しいのか
説明できるようにしておきましょう。
障害者手帳や発達障害の診断結果などの
わかりやすい資料を用意しておくと
サポートが得られやすくなります。
保健管理センター
学生の心と身体の悩み、
不安の解消を行っている機関です。
心身ともに充実した学生生活を
送れるようにすることが目的です。
臨床心理士や専門のカウンセラーが
どのような心と身体の問題にも、
丁寧に聴いてくれます。
発達障害の特性による困りごとでも
真摯に対応してくれます。
就職課(キャリアセンター)
就職活動や資格の取得などの相談に
のってくれる機関です。
就職活動を円滑に進めるためにも
一番頼るべき場所です。
就職課を頼らずに独自に
ネットでの就職活動(リクナビ・マイナビ)
はおすすめできません。
全国規模の求人ですので、
情報の透明さが明らかでなかったり、
個人の判断が必要となります。
大学の就職課では、大学の求人や、
さまざまな情報を持っています。
発達障害の適性のある求人を含む
可能性も高いです。
大学の職員が求人票に書けない情報も
詳しい場合があるため、
積極的に活用するべきです。
しかし、障害者枠での就職は、
大学の就職課で対応してくれるところは
ほとんどないようです。
新卒で発達障害者枠を狙う場合は、
ハローワークの新卒応援求人や、
発達障害の専門機関、
有料の支援機関を頼る必要があります。
学生課
講義の相談、学割・通学証明書・施設利用
・アルバイトの紹介など、大学生活に
関する様々なことを相談できます。
発達障害の人は、履修や単位の取り方、
特性による授業の問題など
相談できます。
発達障害の大学生活での困りごと・対応方法
大学生になると、主体性が求められます。
高校まではある程度マニュアル化された
行動をするだけで済みましたが、
大学生活では、様々なことを自分で考え、
選択していかなければならないのです。
大学では授業の選択、サークル活動、
アルバイトなど、自分で決めて
責任を持つ必要があります。
発達障害の人の場合は、
スケジュール通りの行動が苦手です。
ゲームに依存してしまって単位を落とすなど、
特性によって様々な問題も発生します。
周囲にサポートしてくれる友達や
保護者などの理解者がいないと、
様々な困難にあってしまいます。
一人暮らしの人の場合は、
周囲の人に理解や支援を求めるの
は難しいと思います。
友達や家族に頼ることができない時は、
大学内の支援機関に相談しましょう。
問題を解決せずに放置してしまうと、
取り返しのつかない状態や、
二次問題を抱えてしまうからです。
では、大学生の発達障害の困りごとは
一体どのようなものがあるのでしょうか。
単位を落としてしまう
高校までは基本的に暗記中心の授業で
多様性が求めらえず、
発達障害の特性がそれほどハンデとは
なりませんでした。
しかし大学では、大学の質(偏差値)
にもよりますが、レポートや課題、
討論など、思考力や応用力が求められます。
発達障害の人の特性の影響が
もろに出てしまう事も多いです。
授業が理解できない、どうしたらいいのか
わからない状況に追い込まれることも
しばしばあります。
高校では課題が出来なければ、
先生が対応してくれたり、
補習などで赤点を免れました。
しかし、大学では課題を失敗してしまうと
追試はあるところもありますが、
親身に面倒を見てくれるとは限りません。
また、授業や課題の提出など、
自分で掲示板に張り出された紙の内容を
把握して、自分で解決しなければなりません。
普通の人(定型発達)であれば、
友達や周囲のネットワークを活用して
情報のやり取りをして、乗り切ります。
発達障害の人は、このようなやり取りが
苦手で、孤立してしまうことが多いです。
発達障害の人が授業やレポートなど
何かしらの問題や不安があったら、
大学内の相談窓口を利用するべきです。
ゲーム依存症になった
大学生になると使える時間が
高校生の頃よりも増えます。
授業をしっかりと選択して
単位を落とさないようにするには、
高校生の頃よりも拘束時間は長かった
気がします。
しかし、夏休みや冬休み、
春休みの期間が圧倒的に長いです。
大学生の夏休みは2ヶ月くらい、
冬休みは2週間くらい、
春休み2ヶ月くらい
となっています。
その間に発達障害の人がゲームに
はまってしまうと、
依存症になってしまうことがあります。
大学にもいかずにゲームをすることに
こだわってしまい、それ以外のものに
興味がなくなってしまいます。
私も大学3年生の頃に、
ネットゲームにはまってしまいました。
一応かろうじて大学には行っていました。
昔から学校を休むことは許されない、
環境だったのが、功を奏したとは思います。
しかし、発達障害の人は特性により、
自制心が効きずらかったり、
過集中により、授業を忘れてしまうことも
あると思います。
そして生活リズムが乱れてしまい、
学校に行かなくなってしまうことも
あります。
最近のゲームは毎日プレイさせようと
する依存方式による心理的戦略を
とっています。
例えばスマホゲームやブラウザゲーム、
ネットゲームなどは、
毎日ログイン(プレイ)させようと
さまざまなことをおこなっています。
依存傾向のある人が一度ゲームに
はまってしまうと、
あらゆる面で抜け出すのが
困難なのです。
対応方法としては、
ゲームへの執着心を減らすことです。
完全にゲームを禁止にしてしまうと
どうしてもやりたくなる欲求が
抑えられなくなります。
少しずつゲームの時間を減らして、
他のことに興味が持てるように
してあげることが必要です。
インドアの環境ではなく、
サークル活動やアルバイトなど、
外の世界で興味を持てる何かを
させることが大切です。
アルバイトをするには
発達障害の人は特性により、
アルバイトで失敗して解雇されたり、
孤立してしまい、居ずらい境遇に
なることがあります。
特に対人関係が必要とされる環境では、
仕事の振る舞いを自然に覚えたり、
お客様とのコミュニケーションが
うまく行かないことがあります。
発達障害の人は特性により、
アルバイトの職種に向き不向き
があるのです。
ASD(自閉症・アスペルガー)の人
の場合は、口頭指示や周囲を察知して
臨機応変な対応が苦手です。
接客業は苦手な人が多いです。
ASDは視覚的情報に優位な人が
多いので、マニュアル通りの仕事を
こなせば良いアルバイトがおすすめです。
たとえば、倉庫整理や仕分け作業、
事務作業、清掃業などです。
ADHD(衝動性/多動性/注意欠陥)の人
に向いているアルバイトも
基本的にASDと同じです。
ADHDの人の中には、接客業が好きな人も
いますので、ゲームセンターや試食の売り子
などがおすすめです。
複雑な作業を必要や瞬時に行う必要のある
レジ打ちなどは、特性により、
難しいと思われます。
LD(学習障害)の人の場合は、
特性によりできない業務があります。
数字の処理を必要とする事務作業や、
コミュニケーションが必要な接客業など
自分の特性に合わないアルバイトは
難しいです。
ティッシュ配りやポスティングスタッフなど
体力面で問題がなければ、
取り組みやすいと思います。
発達障害の大学生のアルバイトは、
その後の就職の為の対人関係や
社会勉強の場として良い経験となります。
また、何かの依存症を防ぐだけでなく、
引きこもりの防止、お金も稼げます。
会社と違って無理そうであれば、
辞められますし、気軽にチャレンジ
できます。
怪しい勧誘に騙されない
大学生になると、怪しげな団体に勧誘を
受けたり、詐欺に合ったりすることが
増えると思います。
特に一人暮らしの場合は要注意です。
私も一人暮らしをしているときに、
詐欺の電話で騙されそうになりました。
もともと私の電話番号は一部の人しか
知らないはずです。
ですが、派遣会社に登録した際に、
個人情報を勝手に売られてしまったのか、
電話番号が他の詐欺業者に
知られていました。
詐欺の内容は、アルバイトの紹介で
先に50万円で独自開発したCDを
買って勉強し、仕事を紹介する
というものでした。
私は何でも信じてしまう性格では
ありますが、50万円という大金は
出せないので、騙されずに済みました。
しかし、何度もしつこく電話が
かかってきたのを覚えています。
発達障害(ASD)の人は、
想像力の欠如から人から騙されたり、
詐欺られたりしがちです。
特に日本ではここ数年オレオレ詐欺や
何かしらの詐欺の手口が巧妙化
し過ぎています。
大学生を狙った怪しげな宗教や
団体の勧誘も多種多様です。
発達障害の人は騙されやすいので、
絶対に対策をしなければ
なりません。
たとえば、少しでも違和感を感じたら
常に疑う気持ちを強く持つことです。
ですが、そうはいっても初めての場面や
経験がないことに対しての対応が
発達障害の人はかなり難しいです。
そして、騙されないという気持ちを
持っていても、
どうしても忘れてしまうのです。
ですので、一人でそのような場面に
遭遇してしまったら、
誰かに頼るべきです。
友達でも家族でも警察でもいいので、
一人で考えずに、相談してください。
自分だけで考えて行動すると
間違った判断をしてしまいがちです。
発達障害の人は常に誰かに頼る意識を
持つべきだと私は思います。
また、最低限の自分ルールを
作っておくべきです。
知らない人に声をかけられたら、
絶対に怪しむ。
連帯保証人や何かの頼み事には
絶対に乗らない、
誰かに相談するなどです。
まとめ
2016年4月に施行された
「障害者差別解消法」によって
大学での理解・支援が得られやすく
なりました。
国立大学では合理的配慮の義務化、
公立・私立大学では、努力義務と
なったのです。
大学で配慮を求めるには、
本人が積極的に大学側に要求する
必要があります。
保護者や周囲の人が配慮を求めようと
しても、難しい場合があります。
本人の特性によって大学内で
何の配慮が必要なのか、
何が困ってしまうのか
自分で伝える必要があるのです。
大学では主体性が求められます。
大学で授業を選択し、受けるのも
自分次第ですし、友達を作るのも
自分から行動しなければできません。
発達障害の人は、特性により
大学で困難なことが起こりやすいです。
何か困りごとに遭遇したら、
すぐに大学内の各相談機関に
支援を求めてください。
大学生活を快適に過ごす為には、
問題解決に向けて素早く行動することが
大切なのです。