私は発達障害のアスペルガー(ASD)であり、絵が下手、美的センスが壊滅的です。
いや、下手すぎる以前に、全く描けないです。
何をどう描いたらいいのか全く分からない。
小学生の工作や絵の授業で、先生が「好きなように描いて」というようなお題を出したことがあります。
私は全く何も書けず、また何をどうしたらいいのかわからず、隣の人が書いている絵を真似してしまいました。
周りから「どっちが真似したんだよ」と冷やかされ、隣の人に迷惑をかけてしまったことを覚えています。
被写体があるものは真似をすれば描くことはできます。
しかし、それでも幼稚園児並みの絵になってしまいます。
高校生の頃の美術の授業で、粘土を渡されて自由に作品を作る課題がありました。
そこでも自分だけ作業が進まない。
仕方なく、猫を作ろうとしたのですが、下手過ぎて周りから笑われていました。
明らかに幼稚園児が遊びで作るような「猫の形をした何か」を粘土で作ってしまいました。
本当に何で上手くできないのだろうかと、美術や工作などの授業がトラウマとなっていました。
子供の頃から本当に美術、芸術関係の才能が全く皆無であったことは実感していました。
その理由が、大人になって今更ながらわかりました。
全て発達障害とIQの低さが関係していたのだと。
今回は、発達障害の人の絵が下手な理由や、描けない原因を書いていこうと思います。
発達障害の人の絵が下手で描けない訳
「発達障害の人は絵が下手」というのは世界的に証明されているわけではありません。
特に科学的根拠はありませんが、いくつかの理由は考えられます。
発達障害(ASD)の私が実感しているのが、想像力の異常な欠如が原因です。
空想や思い付きがなく、脳内で絵のイメージが全く作れないのです。
被写体や真似する対象を見ながらであれば、その通りに実行するだけなのである程度は描くことができる。
それでも私はIQの低さのせいで、上手く真似することは苦手です。
幼稚園児並みの完成度になります。
「自分なりに考えて自由に書いて」と言われると、手も足も出ません。
本当に描けない。
無理やり絵を描いても、意味不明なものが出来上がる。
アスペルガー(ASD)の想像力の欠如が全ての原因だと考えられます。
「発達障害の人は絵が下手」と言われていますが、実際はそのようなことはないようです。
発達障害のADHDの人は、想像力が豊かなで、絵心が生まれつきある人もいます。
普通の人とは違うセンスや見え方、独創的な考え方があり、絵が物凄く上手い人もいます。
発達障害の症状は千差万別で同じような人はいません。
発達障害でも動作性IQが高く、空間認知力や空間把握能力、視覚的な情報処理能力が高い人は、絵の才能があります。
妹の子供(つまり甥っ子)の友達はアスペルガーなんですが、
この子はいつも特選レベルの賞をもらっています。
元デザイナーの妹は「とにかく上手すぎて怖い」とよく話しています。アスペルガーでも空間認知が高く異常に絵が上手い人もいますし、
やはり空間認知が低いと白い画面のどこに何を描いていいのかさっぱり分からない人もいます。
私は発達障害の検査WAISーIIIのテストで動作性IQが60台でした。
日本の平均IQが110です。
水準を大幅に下回る動作性IQの影響から、絵心や美的センスが皆無だったことが今更ながらわかりました。
何の分野にしてもそうですが、全て生まれつき、遺伝の影響で知能、運動能力、コミュニケーション力などが決まています。
ある程度の努力でカバーはできますが、才能がある人には勝てない。
それなのに発達障害は脳の凹凸、未発達の影響から最初から出来ない。
努力しても普通の人の経験値の0.1倍以下にしか成長しない。
自分に絵の才能が普通の人並みにあれば、また違った人生の分岐点があったのではないかと嘆いています。
まとめ
発達障害の人の絵が下手だったり、描けない理由は「動作性IQ」が低いことが原因です。
特に自閉症スペクトラム(ASD)の人は、動作性が極端に低い傾向があります。
視覚的、空間認知力が低く、絵が下手、絵を描くことが苦手で描けないのです。
また、絵だけでなく、工作や何かを自分で考えて作るセンスにも影響します。
動作性IQが低いと、絵心がないだけでなく、クリエイトする能力を必要とする全てが難しくなります。
動作性IQ60台の私が物凄く実感している事実です。
なんというか、物事を自分で作ることができない。
美術や工作もできませんが、仮想や架空の文章を書くことも非常に苦手です。
私は小説を読むのが好きで、自分でも書いてみようと思い立ちました。
しかし、全く書けない。
何をどう描いたらいいのかわからない。
そもそも、物語が全く思いつかない。
また、アスペルガー(ASD)の動作性IQが低く想像力が異常に欠如しているため、固い文章になってしまう。
ニュースの記事のようなただの事実の羅列。
周囲の状況や出来事を想像できるような文章を書けない。
想像、ひらめき、思いつきが必要な小説や絵は、動作性IQが低い人アスペルガー(ASD)には、不可能な分野なのです。
私は絵が下手で全く掛けないので、よく困っていました。
中学生の頃、卒業文集で、自分の似顔絵を描かなければならない状況がありました。
周りのほかの人はみんな適当に書いているのに、自分だけ全く描けない。
締め切りが近づいても私だけ書けませんでした。
見かねたある一人の人が、私の代わりに描いてくれました。
今でも本当に感謝しています。
発達障害の人(私)が、自分が発達障害と気づかずに普通学級で過ごした悲劇の1つです。
高校生の頃の粘土の課題も、下手すぎて恥ずかしくなり、最終的に母親に作ってもらいました。
その当時、風邪をひいて熱を出していたのもあって、提出日まで粘土の作品を作れませんでした。
私と違い、母親はセンスがある人でした。
結果、職員室への行く道の展示物に飾られていました。
おかげでその時だけ、美術の成績は10段階で8か9だった記憶があります。
最初に私が作った幼稚園児以下の粘土の作品を見て笑っていた人からは、「誰に作ってもらったんだよ」と何度も責められていました。
私の父親はアスペルガーであり、その美的センス皆無の劣等脳がモロに私に遺伝してしまいました。
母親似の脳であればどれだけよかったことかと、いつも思っています。