最近SNSで子どもが発達障害を発症する理由は「食事の栄養の影響」と噂されています。
幼年期に必要とされる適切な養分を摂取し、エネルギーを吸収しなければ後に脳に問題を抱えてしまう。
脳の機能に偏りが起こり、発達障害の原因になる。

あたかも生後に発達障害が発症する「危機感」を親に植え付けようとしています。

ですが、発達障害は親の遺伝により発症する脳機能の偏りであり、先天性の脳機能異常です。
生まれた後の食事や環境によって、子供が発達障害になるわけではありません。
(最近では、生後の外部的要因も発達障害の原因と一部ではささやかれています)

子供が発達障害になってしまう」という怖いワードをちらつかせ、健康食品やサプリメント、無農薬がどうのこうのを「高い値段」で買わせる手段だと私は思っています。
SNSを利用して話題を広め、危機感をあおり、売り上げを伸ばす手法です。

親は子供の成長が大切です。
子供の発達障害の有無が栄養不足や取るべきエネルギー要素が関係しているとなれば、絶対に気を付けなければなりません。
発達障害は、親子ともに人生に多大な苦労をもたらすからです。

しかし、栄養不足や食生活が原因とされる因果関係はありません。
ただ、食事療法によって発達障害がある子供の症状を軽減させることはできます。
詳しく書いていきたいと思います。

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子供が発達障害になる理由は食べ物の栄養不足なのか

発達障害は遺伝が主な原因であり、子供に与える食事が原因で発症することはありません。
しかし、栄養失調状態や不衛生な環境下で育った子どもは、発達障害のようなバランスの悪い脳になってしまう可能性はあります。

子供に必要な適切な栄養を摂取していないと、脳に十分なエネルギーが行きわたらず、脳機能の成長を阻害します。
また、家庭崩壊、家族仲が最悪、イジメられる、貧乏など、子供の成長過程において精神衛生上よくない環境で育つと、脳に多大な悪影響を及ぼします。
結果、発達障害と似たような症状が出ることがあり、勘違いされることがあります。

子供が栄養不足や食べ物で発達障害になることはあり得ません。
全て発達障害の親からの遺伝、高齢出産、妊娠中の不衛生が原因です。

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ただ発達障害の子供の場合、食事やサプリメントなどの栄養により、症状を緩和させることはできます。

発達障害を改善させる栄養・食事療法

発達障害は大まかに、自閉症スペクトラム(ASD)、多動・衝動性、注意欠如(ADHD)、学習障害(LD)があります。

一般的に言われているのが、ASDはセロトニン不足、ADHDは、ドーパミン不足です。

自閉症スペクトラム(ASD)のセロトニン不足・増加方法

セロトニンは感情を安定させる神経伝達物質であり、気持ちをコントロールする脳機能です。
アスペルガー(ASD)の人は、セロトニンの分泌量が生まれつき少ないと言われています。
ASDの症状である、想像力の欠如、社会性の欠如、コミュニケーションの欠如は、セロトニンが少ない為、感情の制御に問題が出ているのです。

ASDの症状を緩和させるには、セロトニンを増幅させる必要があります。

食事やサプリメントを意識的に摂取してみてください。

一般的にバナナや豆類、乳製品、魚などがおすすめです。
牛乳や納豆、チーズなど、安価で簡単に取れるので、毎日意識的に摂取していきたいところです。

私も母親が毎日、牛乳や納豆などを食事として出してくれます。
母親自体は私が発達障害(ASD)だと認めてはいません。
(80代で古い人であり、頭が固いので)
しかし、栄養素には気を付けてくれている点は感謝しています。

発達障害(ASD)は、オキシトシンを高めることも症状の緩和に効果的だとされています。

オキシトシンは、幸福・愛情ホルモンと呼ばれ「うれしい」「楽しい」「幸せ」などを感じる気持ちです。

以前、私は自分のASDの症状をどうしても治したくて、薬で治せないか探していたことがあります。
2019年辺りに、アスペルガーを改善させる点眼液を作成している記事や企業を見た記憶があります。
その点眼液がオキシトシンを増幅させるというものでした。

自閉スペクトラム症(用語解説1)の中核症状に対する世界初の治療薬としての承認申請を目指している新しい改良型のオキシトシン(用語解説2)経鼻スプレーの有効性を認めました。
オキシトシンによる自閉スペクトラム症中核症状の改善効果に、U字型の用量反応関係があることを世界で初めて示しました。

引用元:国立研究開発法人日本医療研究開発機構
改良型オキシトシン経鼻スプレーに自閉スペクトラム症中核症状に対する改善効果

オキシトシンは、薬に頼らなくても幸せを感じられる環境を作ることで増幅させることができます。
主に恋愛や好きな動物との触れ合いです。

ASDの私の場合、犬が大好きなので、犬の動画を見ているだけでも癒されます。
幸せな気持ちや心の安らぎになるので、オキシトシンが増幅されていると感じています。
ただ、見ているときだけの一瞬だけですが。

常にオキシトシンを増幅させ、心を豊かにする必要がASDの症状の緩和に大切だと思います。

多動・衝動性・注意欠如(ADHD)のドーパミン不足の解消方法

ドーパミンは快感や幸せなどを脳に伝える神経伝達物質です。
感情が盛り上がったり、興奮する、運動後のアドレナリンが上昇している状態でドーパミンは分泌されます。

ADHDの人の場合、ドーパミンが上手く取り込めず、不足していることで多動・衝動性、不注意が引き起こされていると言われています。
(ドーパミンの阻害が全てではない)

ドーパミンを改善させる食事として、たんぱく質の摂取があげられます。
チーズやバナナ、牛乳、卵、肉類、豆類、お魚など。
ASDのセロトニンを増やす食事同様、簡単に摂取できるので、意識的に食べていきたいところです。

ADHDの場合、ストラテラやコンサータなどドパミンを増幅させ、症状を緩和させるお薬があります。
しかし、化学物質てんこ盛りであり、子供の頃から摂取することは個人的にお勧めしません。
私はストラテラを飲んだことがありますが、何か自分ではない感じ、そして明らかに体に良くないと思い、服用を止めました。

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子供が発達障害になる理由の噂は食べ物の栄養不足なのか

食生活によって子供が発達障害になる因果関係は全くありません。
全て親からの遺伝が原因です。

何故、特定の健康食品やサプリメント、栄養素を取り入れないと発達障害になる噂が出てきたのか。
人間の心理に働きかける「危機感」を促し、購入させる原動力とするからです。

危機感は本当に人間を動かす行動原理となります。

絶対に行動しなければ、将来的に崩壊する
今、しなければ手遅れになってしまう
そういった危機感は人間を動かします。

自分の子供がある特定の栄養を摂取しないと発達障害になってしまう。
その様な噂がSNSでたくさん拡散され、広まったらどうなるでしょうか。

人は、自分で判断できない物事に対して、他者への判断を仰ぎます。
要するに「大多数の意見が正しい」と認識してしまうのです。

SNSで「子どもの発達障害の原因は○○の栄養素が不足しているから」とたくさん目にしたらどうなるでしょうか。
真偽の判断が自分ではできず、大多数の意見を信じてしまうのです。

欲しいものがある場合、商品の口コミを見ることがあると思います。
ほとんどの人が星5の評価をしている。
マイナスなレビューはほとんどない。
結果、良い商品だと認識します。

レビューを意図的に操作し、いい商品と思わせる通販サイトもあります。

不確かな状況下において、多くの人の意見が正しいと認識してしまう。
その人間のメンタルを操作して、購買意欲とする。

最近思うのが、人の心理を突いた商売、CMがほとんどだと感じます。
ゲームでもそうですが、依存させる、止めさせない、課金させる心理状態に持っていくなど。

心理学を徹底的に研究し、その通りの手法が目につきます。
回避するには、人間をコントロールする手口の手法を理解するしかない。

何故わたしがこんなことを書いているのかというと、「影響力の武器」という本を読んだからです。
この本によって、人がコントロールされる危険性に気づきました。

特に日本人は、簡単に騙されてしまうので、一度心理学の本を読むことをお勧めしたいです。

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まとめ

子供が発達障害になる原因は、食事の栄養ではなく、親からの遺伝子が要因です。

食事や環境など、子供が生まれ後に発達障害になることはありません。
栄養失調や劣悪環境によって、脳が萎縮し、発達障害のようになる可能性はあります。
しかし、発達障害とは明白に違います。

発達障害の症状は人によって違いますが、脳の問題によって普通の人ができることができないのです。
後天的に脳に悪影響が出て、行動や言動に問題が出る状態とは違うのです。

食事によってドーパミンやセロトニンを増やすことで、ASDやADHDの症状を緩和することはできるとされています。

確かに、私は5~6年くらい毎日、朝食に魚を食べていました。
その頃の脳の機能は、少しはまともであったと思っています。

歌で「魚を食べると頭が良くなる」というのがあります。

今、私は魚をあまり摂ってはおらず、明らかに脳機能が著しく低下していると実感しています。
年齢による脳の劣化も考えられますが、ミスが大幅に増えた気がします。

発達障害の人は、意識的にドーパミンやセロトニンを増やす食事やサプリメントを摂取した方が良いと思います。

コンビニや外食などの塩分過多、偏った栄養ではなく、バランスの取れた食事が大切だと感じます。

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