引きこもりとは、社会的な活動や人間関係から遠ざかり、自宅に閉じこもってしまう状態のことです。

引きこもりの人は、自分の置かれた状況に不満や恥ずかしさを感じており、自己肯定感が低くなっています。

そのため、親や家族などの身近な人に対しても、イライラしたり攻撃的になったりすることがあります。

この記事では、引きこもりの人の心理と対処法について、私自身の経験や知識をもとにお話ししたいと思います。

私は、22年以上も引きこもりの状態であり、発達障害の診断も受けています。
引きこもりの人の気持ちや苦しみは、誰よりも理解できると思います。

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引きこもりの人の心理とは

引きこもりの人は、様々な心理的な問題を抱えています。 主なものは、以下のようなものです。

・恥ずかしい気持ち
・不安感
・無気力状態

これらの感情は、引きこもりの原因や結果として生じています。 それぞれについて、詳しく見ていきましょう。

恥ずかしい気持ち

引きこもりの人は、自分の状態に対して、深い恥ずかしさを感じています。
自分はダメな人間だと思い込んでおり、親や世間に対して劣等感を抱いています。
親や家族には、申し訳ないという気持ちが強くあります。

しかし、恥ずかしい気持ちは、プライドの裏返しでもあります。
自分の弱さを見せたくないという思いから、反抗的な態度をとったり、自尊心を保とうとしたりします。
親や家族に引きこもりの状態を注意されたり、非難されたりすると、恥ずかしさから怒りに変わってしまいます。

自分でも引きこもりの状態は良くないと分かっているのですが、どうにもならないと感じています。
親や家族から引きこもりについて言われても、迷惑だと思ってしまいます。 ストレスが溜まっていくばかりです。

不安感

引きこもりの人は、将来に対して、強い不安感を抱いています。
社会に出るのは怖いけれど、いつかは社会復帰したいという思いがあります。
今日はダメだけど、明日は何かが変わるかもしれないという希望も持っています。

しかし、毎日同じことの繰り返しで、何も変わりません。
未来への不安感は、日々増していきます。

不安な気持ちは、うつ病を引き起こしたり、ストレスを溜め込んだりします。
でも、誰にも相談できません。

そこで、身近にいる親や家族に対して、不安感を発散しようとします。
親や家族は、自分にとって安心できる存在であり、八つ当たりをしやすい相手です。
他人には、暴言や暴力などはできませんが、親や家族には、思い切り怒鳴ったり、暴れたりします。

親や家族は、引きこもりの人の不安感を理解しようと努めますが、なかなかうまくいきません。

引きこもりの人は、親や家族の言葉や態度に敏感に反応し、不満や不信感を募らせます。
引きこもりの人の気持ちを傷つけることなく、サポートしようとしますが、逆効果になることもあります。

無気力状態

引きこもりの人は、何事にも興味や関心がなくなり、無気力な状態に陥ります。
何をするにもやる気や意欲がなく、感情も薄れていきます。

しかし、同時に刺激に対して過敏になり、感情的になりやすくなります。

うつ病や統合失調症などの精神疾患の影響で、自分の感情をコントロールできなくなります。
思考力や判断力も低下し、一度イライラやストレスを感じると、抑えきれなくなります。

親や家族は、引きこもりの人の無気力状態を改善しようとしますが、なかなか難しいです。
引きこもりの人は、自分に余裕がなく、親や家族の言動に対して、過剰に反応します。
親や家族は、引きこもりの人に何かをさせようとしますが、拒否されたり、攻撃されたりします。

引きこもりの原因

引きこもった原因が親に非がある場合、もしくは引きこもり本人が家族に責任があると感じている場合です。

例えば、家が貧乏だった、家庭環境が最悪、遺伝によって頭が悪い、容姿が悪いなどです。

親が原因で普通の人以下の状態であり、「引きこもりになってしまった」と感じていると、ストレスが溜まった時に、より攻撃的になります。

引きこもった状態を家族に何か言われたり、不満を感じさせられると、イライラは何倍も感じてしまいます。

また、親のせいだと思っているので、アドバイスやサポートも受け入れられなくなります。
自分が正しいと思っており、素直に忠告が聞けず、逆に怒りの感情が沸き上がってくるのです。

引きこもりの人は心労やストレスに弱い?

引きこもりの人は、ストレス耐性が物凄く低いと言えます。
引きこもりによって精神的な病気にかかっているからです。
うつ病」、「社交不安症」、「統合失調症」などのメンタルの病は、ストレスを感じた時、より強く心に感じ取ってしまうのです。

そもそも引きこもりは、自身に受けるストレスを回避するための「現実逃避行動」です。
心労を極力受けたくない気持ちから、引きこもっているのです。

引きこもりは、自然と辛いことや悲しい気持ちを回避する脳の思考状態です。
常に引きこもりによってストレスから逃げ続けている為、たまに自身に降りかかる心労に遭遇すると、ダメージは計り知れません。

引きこもりになる原因は人それぞれですが、ほとんどは人間関係や社会に馴染めなかった結果だと思います。
自信喪失状態であり、自己肯定感も酷く欠如しているので、ストレスを感じやすくなります。
ちょっとしたことで落ち込んでしまったり、怒りっぽくなるなど、感情抑制がしずらくなっています。

さらに引きこもりによって脳の伝達物質が滞っている状態です。
外に出ない、他人と会話しない為、脳機能の低下し続けており、何事においてもストレスを感じやすい、弱い状態であるのです。

引きこもりの人と上手に接するための対処法

引きこもりの人は、自分の状況に対して深い苦しみや葛藤を抱えています。
家族や身内にイライラや不満をぶつけてしまうのは、本心ではなく、ストレスのはけ口になっているのです。

引きこもりの人と上手に接するためには、以下のような対処法が有効です。

・引きこもりの人の気持ちや考え方を尊重する
・引きこもりの人に無理や圧力をかけない
・引きこもりの人に対して暴言や暴力をふるわない
・引きこもりの人に対して説教や批判をしない
・引きこもりの人に対して共感や理解を示す
・引きこもりの人に対して優しくやさしく話しかける
・引きこもりの人に対して一緒に何かをすることを提案する
・引きこもりの人に対してプロの支援や相談を受けることを勧める

引きこもりの人は、孤独や不安に苛まれています。
家族や身内は、引きこもりの人に対して愛情や信頼を持って接することが大切です。

引きこもりの人に対して、自分は味方であることを伝えることで、少しずつ心の壁を取り除くことができます。

引きこもりは、自分の力だけでは問題を解決できないこともあります。
その場合は、プロの支援や相談を受けることが必要です。

家族や身内は、引きこもりの人に対して、プロの支援や相談を受けることのメリットや必要性を説明し、できるだけ協力的になることが望ましいです。

引きこもりの人は、自分の状況を変えたいと思っています。

家族や身内は、引きこもりの人の気持ちを理解し、サポートし、応援することで、引きこもりの人の社会復帰に向けて一歩一歩進むことができます。

まとめ

引きこもりの人は、自分の状況に対して不満や恥ずかしさ、不安や無気力などの負の感情を抱えています。
そのため、ストレス耐性が低く、親や家族に対してイライラしたり、攻撃的になったりすることがあります。

引きこもりの人は、自分の状況を変えたいと思っています。
家族や身内は、引きこもりの人の気持ちを理解してあげて欲しいと思います。

引きこもり本人は、常に自分の不甲斐ない状態を非常に申し訳なく思っています。
親や周囲にイライラや不満を感じて、攻撃的になっていても、後から物凄く後悔しているのです。

自分では引きこもり問題をどうすることもできない、でも誰も助けてはくれない。
将来への不安を抱えており、常にストレスを受け続けているのです。

引きこもり本人は、辛い思いをしたくないから他者や社会との接点を自ら放棄しています。
ストレスを感じたくないが故の回避行動なのです。
でも、引きこもることで何かしらのストレスは感じ続けてしまっています。

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