発達障害の本を読んでいたら、インクルーシブ教育というキーワードが出てきました。
気になったのでネットで検索してみると、興味深い内容や意味がかかれていたので記事にしてみようと思います。
インクルーシブ教育ってどんな教育
インクルーシブ教育とは、発達障害や知的障害のある子どもでも、定型発達(健常者)の子供と同じ環境(クラス)で学校生活を送る教育です。
障害のあるなしに関わらず、子供が同じ場所で生活し、学習することによって、共生社会の体現を目指しています。
ただ単に障害者を普通級に通わせるのではなく、授業についていけるようにしたり、学校生活で困らないように、複数の教員がサポート役として付いています。
インクルーシブ教育の意義としては、健常者と同じ環境で学び、生活することによって、普通の子と同じような視点でいられるようにする、という意味だと私は解釈しました。
特別支援級だけで育つと、幅広い交流ができなくなり、社会に出たときに人付き合いや普通の振る舞いが苦手になりがちだからです。
発達障害の子どもはどうすればいい?
発達障害の子供は、定型発達(健常者)の子供と一緒にインクルーシブ教育を受けるのがいいのか、それとも特別支援級に行くべきなのでしょうか。
発達障害はASD(自閉症スペクトラム・アスペルガー症候群)、ADHD(衝動性/多動性/注意欠陥)、LD(学習障害)の3つの種類があり、さらに感覚過敏もあります。
さらに、症状の軽い人から重い人までさまざまで、同じような脳の特性(未発達)の人はいません。
インクルーシブ教育でやっていける発達障害の子もいますし、支援級でないと難しい子もいます。
ただ、インクルーシブ教育に向いていない発達障害の子は大体わかります。
それは、ASD(自閉症スペクトラム・アスペルガー症候群)であり、IQが80以下の子だと個人的に思うのです。
いくら発達障害に理解がある教員がサポートしても、周囲とのコミュニケーションや触れ合いの1つ1つ全てをフォローしてくれるわけではないと思います。
学校生活は学業の他に、ほかの子供と交流を育む場でもあります。
ASDは、想像力の欠如やマルチタスクの困難、興味の限定など、様々な脳の問題を抱えており、他の子とのコミュニケーションが上手にとれません。
インクルーシブ教育は、障害者を健常者と馴染ませる目的もあると思いますが、定型発達の人の全員が全員、コミュニケーションが苦手なASDの人に気を使って生活できるわけではありません。
その為のサポート教員がいるわけではありますが、発達障害(ASD)の当事者からしてみれば、気を使われている環境を申し訳なく思う子もいます。
また、定型発達の人としても、腫れ物に触るような気持になる子もいると思います。
ASD当事者でコミュニケーション障害を抱えていた私は子供の頃に、避けられ、嫌われ、イジメられた学生生活を送りました。
もちろん、インクルーシブ教育は無かったので、一概には言えません。
しかし、どうしても定型発達(健常者)の人とのコミュニケーションがうまくいきませんでした。
インクルーシブ教育でサポートする大人の教員が一緒でも、特別扱いされているように映ってしまうと思います。
ですので、サポート付きでもコミュニケーションが上手くできないASDの子は、インクルーシブ教育を受けるべきではないと思います。
また、発達障害であり、IQが80以下の子もインクルーシブ教育を受けるべきではないと思っています。
これは、IQの値が近い人でないと理解力や会話力に差が出てしまい、コミュニケーションがかみ合わないからです。
一番酷いのが中学生時代だと思います。
義務教育なので、基本的に頭のいい人(IQが高い人)から悪い人(IQが低い人)まで、同じ環境やクラスで勉強や生活をします。(私立以外)
小学校では、頭の良し悪しの差によって交流の難しさは確かにありますが、それほど影響はありません。
高校は偏差値によって、一定の学力(IQ)の人が集まりますので、会話がスムーズになります。
しかし、中学校でのインクルーシブ教育はかなりシビアな環境であると思います。
中学生の年代は多感な時期ですし、発達障害と定型発達の子を同じ環境で生活させるのはリスクが大きすぎます。
ASDのコミュニケーション障害だけでなく、IQの差によって生まれる会話のかみ合わなさも重なります。
いくらサポート教員がいるとしても、孤立してしまう可能性は高いのではないかと思います。
私自身もIQ60台であり、中学時代は頭の悪い人は40人のクラスに対して3~5人程度でした。
大半の人はIQ80以上であり、会話が上手くいかず、ほとんど話せませんでした。
さらにASDのコミュニケーション障害もあり、クラスで一番ダメな人間としての扱いを受けていました。
発達障害(ASD)でありIQ80以下の中学校の場合、インクルーシブ教育は受けるべきではないと思います。
もちろん、発達障害の子の症状によって違いますので、一概にはいえません。
ですが、中学生の年代はかなり難しい時期ですので、子どもがインクルーシブ教育でやっていけるかどうか、十分に検討をしてほしいと思います。
特別支援級の意義
インクルーシブ教育が健常者と一緒に学校生活を送るのに対して、特別支援級は、障害をもつ子どもの集まりです。
基本的に症状が軽く、定型発達(健常者)と一緒に過ごしても、それほど影響がなければインクルーシブ教育でも良いと思います。
発達障害の特性が強く、普通級で生活していると様々な困難がある子が特別支援級に行くべきです。
私は広汎性発達障害でIQ60台なのに、普通級で過ごし、最悪な学生生活を送りました。
特別支援級で、サポートされながら平和な学校生活を送ってみたかったです。
発達障害の子が、発達障害に理解のある環境で育ち、似たような境遇の子と一緒に生活することは大切だと思います。
もちろんインクルーシブ教育で、定型発達の子と交流して、様々な普通の体験をすることも大事だとは思います。
ですが前提として、ストレスのかからない安心できる環境で子どもが健やかに育つことが一番重要です。
発達障害の人が子供の頃に、不安やストレスを感じて育つと、2次障害につながる恐れがあります。
発達障害の特性が強い子どもには、平穏な環境の特別支援級に進むことも考えてあげて欲しいと思います。
まとめ
発達障害の子供にとってインクルーシブ教育を受ける意義は、定型発達の子との交流、体験を経て、将来普通の生活で困難にならないようにするためです。
特別支援級は、普通級で馴染めない発達障害の子の2次障害を防いだり、サポートのある安心な環境、特性に合った生活を送るためです。
どちらも一長一短であり、発達障害の子にとってどちらが良いのかは、特性やIQ、サポート次第だと思います。
一番大切なのは、発達障害の子がストレスフリーな環境で学生生活を送ることだと私は強く思います。