クラス替えなんてしたくない」と、誰もが思うのではないでしょうか。
発達障害の人にとっては、特に厳しい試練となります。
仲の良かった友達や周囲との関係、環境がリセットされてしまうからです。
また一からクラスカーストを構築しなければならない。
失敗してしまうと、次のクラス替えまで1~2年間、不遇な状態になってしまいます。

発達障害・自閉症スペクトラム(アスペルガーASD)の人の場合、クラス替えとの相性は最悪です。
いつも同じ環境、同じ行動をしてないと心が不安定になってしまうからです。
また、発達障害の特性によって、新しい人間関係の構築、環境への慣れなど、全てにおいて困難となります。

そもそも何故クラス替えをしなければならないのでしょうか。
調べてみると、子供の成長を阻害しない為だそうです。
新しい環境、新しい人間関係に触れ合うことで、脳が育つのです。

でも発達障害の人にとってクラス替えは困難な試練となってしまいます。

今回は、発達障害の人のクラス替えについてお伝えしていきます。

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発達障害・自閉症にとってクラスが変わるのは最悪

発達障害の自閉症スペクトラム(アスペルガーASD)の子供にとってクラス替えは、最悪な出来事です。
ASDの私も小学校・中学校・高校のクラス替えで辛い思いをしました。

まず、新しい環境が非常に苦手なので、クラスが変わった時、何をどうしたらいいのかわからなくなります。
周囲の人と同じように振る舞う振りをしてはいます。
しかし、心は極度の緊張状態であり、頭の中は真っ白、そしてプチパニックになっています。

ASDは特性上、未知の出来事や変化が物凄く苦手です。
経験が無い・もしくは少ないことに対して、健常者のように感覚で行動することができないのです。
頑張って真似たり、調和しようとしますが、ストレスが尋常じゃなくかかっています。
上手くいかないことも多く、変な振る舞いになってしまうことも多々あります。

そして、ASDにとってクラス替えの最も辛い出来事が、対人関係です。
クラス替えで今まで何とか平穏に築き上げてきた人間関係をほぼリセットされてしまいます。

また新しく未知の人と交流しなければならない、自分を知ってもらわなければならないのです。
これがASDにとって非常に難題すぎるのです。

ASDは生まれつきの脳機能異常から、友達付き合いが非常に苦手です。
友達関係を構築できないどころか、「嫌われやすい」、「避けられる」、「いじめの対象になる」こともよくあります。

クラス替えによって、心無い人間と同じクラスになってしまうと、人生は崩壊します。
発達要害ASDの人は、悪い意味でクラス内で浮きやすく、最底辺の人間として認識されてしまうからです。

例えば、健常者側の子供が何かしらの問題行動を起こしても、ASDの人がいるから「まだ自分は大丈夫」という心持ちができるのです。
要するに、ASDの子供は、健常者にとって心のスケープゴートなのです。

ASDの人は、自分が健常者とは違い劣っている存在と認識してしまう為、自己肯定感の欠如から、将来的に心に闇を残すのです。

発達障害ASDの人は、クラス替えによって振る舞いやコミュニケーションが上手くいかず、馴染めず上手くいかない可能性が高いです。
そこでさらにクラスの子供の性格ガチャ(運)が発生します。
対人運が悪いと、友達が出来ないどころか、イジメやクラスのカースト最下位扱いされてしまうのです。

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クラス替えで学校へ行きたくない不登校になる?

クラス替えによって発達障害ASDの人が学校を休みたがったり、不登校状態になる可能性はあります。
普通(定型)の子供よりも、クラス替えによるストレスや心理的負担が多大にかかるからです。

文部科学省によると、不登校の1番の原因が「不安など情緒的混乱」です。
心に不安感を抱えてしまい学校へ行きたくなくなる。
メンタルの悪化から体の不調に陥り、登校できなくなる。

発達障害ASDの子供はクラス替えによって、環境が安定するまで不安感を抱え続けてしまいます。
新しいクラスに馴染めなかったり、コミュニケーションが上手く取れず独りぼっちになってしまうと、不登校や学校へ行く気力がなくなる可能性があるのです。

ただ、全ての発達障害ASDの人が、クラス替えによって不登校や学校を休みがちになるわけではありません。

発達障害ASDの私の場合、クラス替えによってメンタルはボロボロになりましたが、不登校にはなりませんでした。
また、イジメを受けたり、孤立し続けましたが、病気以外で学校を休んだことはありません。

健常者であれば確実に不登校になる状況でした。
何故わたしは毎日学校へ真面目に通い続けられたのか。
それは、自分の状況を理解してなかったからです。

発達障害ASDは、クラス替えによる環境の変化や対人関係で辛い気持ちを抱えてしまうことは事実です。
しかし、同時に自分の置かれている状態を把握できてもいません。
その為、辛い状況下でも耐えてしまうのです。
ある意味忍耐力が強いと言えます。
しかし、心は常に不安感を抱え続けており、ストレスを多大に感じています。
その為、自己肯定感が異常に欠如しているのです。

ASDはクラス替えによって不安な気持ちを抱えますが、回避する行動やどうするべきかという思いも感じません。
親や教師に相談すると言う思いつきが無く、「助けて」が言えないのです。
その為、学校を休んだり不登校になる選択肢を選ばないのです。

また、ASDは学校や世の中の決まり事などのルールや規律を厳守します。
その為、不登校になる=悪い事であり、一般から外れると考えています。
ですので、学校は何があっても休まず行くべきだと思い込んでいます。

もちろん全てのASDの人が真面目な思考ではありません。
育った環境や親からの遺伝、教育によるところも大きいです。

ASDの私の場合、特に親は何も言いませんが、学校は辛くても絶対に行くべきものだと思い込んでいました。

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クラス替えによって友達が出来ずボッチになる?

発達障害ASDは生まれつきコミュニケーションが苦手なので、友達が出来ずらいです。
クラス替えによって、さらに新しい人と交流しなければならない為、上手くいかない可能性が非常に高くなります。

そもそも健常者の中に発達障害ASDの人を、クラスの集団生活の場に混ぜる行為自体が完全に間違っています。
コミュニケーションが上手くいかず、確実に孤立(ボッチ)になってしまいます。

ASDの私は、初対面の人でも言ってはいけないことを話してしまいます。
頭の中に思いついた1つのことをそのまま話してしまうのです。
それが、他人を驚かせたり、嫌われる要因になるような言動とも気づかずにです。

クラス替えの新しい環境では、一から自分のことを知ってもらう必要があります。
ASDの子供は上手く自己紹介が出来なかったり、変な印象を与えてしまう傾向があります。
その為、クラス内で孤立して友達が出来ない状態となります。

ASDの私が一番感じているのが、とにかく人に誤解されることです。
自分では普通にしているつもりでも、健常者から見ると変になっているのです。

自分の気持ちを上手く伝えられない、そして他人の気持ちも理解できない。
空気が全く読めないので、誤解されてしまうのです。

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学校や先生に配慮やお願いはできる?

発達障害・自閉症の子供は、クラス替えによって多大な心理的ストレスを抱えてしまいます。
その為、学校側やクラスの担任教師の配慮や理解、サポートが必要です。

学校側としても、発達障害の子供の状態をある程度把握していると思います。
クラス替えで担任の教師にも伝えられているとは思います。

しかし、クラスの担任教師は大多数の健常者を対象に教育の指導を担当しています。
今では10人に一人発達障害がいるとされていますが、発達障害に対する専門的な知識やサポートができる先生は人それぞれです。

その為、保護者側が、学校や担任の教師に直接伝えたり、手紙などでサポートをお願いする必要もあります。
特にクラス替えによって発達障害の人が抱える心や環境の問題は、最初が肝心です。

発達障害の人は、新しい環境(クラス)で戸惑ったり、周囲の人との触れ合いが上手くいかず孤立してしまいます。
何事も最初につまづくと、後から挽回することは難しくなります。
「そういう人」という印象付けをされてしまうからです。

でも学校や新しい担任の先生に配慮を求めても、難しいと思います。
教師が子供の人間関係に口出しできるのは小学生くらいまでです。
中学や高校ではある程度の自主性が求められます。

配慮できるのはあくまで発達障害の特性による困難なことに対してで、友達関係まで関わることは難しいのです。
そして、今の学校の先生は非常に多忙だといいます。
クラス内の1~2人の発達障害の子供に手厚い合理的配慮を求めるのは難しいのかもしれません。

ただ、クラス替えという新しい環境においては、慣れるまでは親身になって欲しいと思います。

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まとめ

発達障害・自閉症スペクトラム(アスペルガーASD)にとって、クラス替えは辛い気持ちをまた味わう最悪なイベントです。
回避不能であり、耐えるしかありません。

クラス替えによってストレスや不安を多大に感じてしまい、学校嫌いになったり不登校になる可能性もあります。
そうならないように、前もって親や学校、担任の先生による配慮が必要です。

全ては発達障害の人を健常者と同じ集団生活を送らせる悲劇です。

発達障害の人と健常者を一緒に学ばせるインクルーシブ教育がありますが、まだ発展途上であり浸透率は低いそうです。

発達障害の子どもにとってのインクルーシブ教育と特別支援級

クラス替えの意義は、環境変化による子供の成長を促す理由があります。
しかし、発達障害のアスペルガーの人にとっては、特性によって逆効果となってしまいます。
精神や心に多大な負担がかかるからです。
また、新しい環境に適応、友達作りなども難しいです。

不登校や学校嫌いになる可能性も高いです。
ただアスペルガーASDの人は、規律やルールを厳守する気持ちを持っているので、耐え抜いてしまいます。
私も、クラス替えによって最悪な状態になっていましたが、休むことはありませんでした。

アスペルガーASDは、普通が判らず、自分がどれくらい酷い状態なのか理解できていないから我慢できるのです。

子供の頃の学校での集団生活や人との触れ合いが、大人になって多大な影響を及ぼします。
発達障害の人は、クラス替えで健常者の何倍も大変な思いをしますが、何とか乗り越えて平穏な学園生活を送って欲しいと願います。

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