今の時代(2023年)は、発達障害の理解がだいぶ進み、多少は生きやすくなったと思います。
私が子供の頃(1980~90年代)は、発達障害の言葉自体がほぼ無く、理解やサポートが皆無でした。

しかし、現代の学校には、インクルーシブ教育という手厚い支援があります。
インクルーシブ教育とは、簡潔に説明すると、障害のある子供も健常者と同じ空間で成長させる目的です。
もちろん、教師や専門家などのサポートが必須となります。

個人的には発達障害と普通(定型発達)の子どもを同じ環境下で教育するのは、難しいと思います。
発達障害の特性から、どうしても問題が起きてしまうからです。
まして、子供は純粋ですので、嫌な事や不快に思ったら、はっきりとした意思表示をしてしまいます。
また、子供に障害の理解や配慮を求めるのも難しいからです。

発達障害の子どもが学校でどのような教育を受けるべきかは、親や教員にとって悩ましい問題です。
一般的には、インクルーシブ教育と特別支援級の二つの選択肢がありますが、それぞれにメリットとデメリットがあります。

この記事では、発達障害の子どもにとってのインクルーシブ教育と特別支援級の違いや意義、それぞれの長所と短所について解説していきます。

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インクルーシブ教育ってどんな教育

インクルーシブ教育とは、発達障害や知的障害のある子どもでも、定型発達(健常者)の子供と同じ環境(クラス)で学校生活を送る教育です。

障害のあるなしに関わらず、子供が同じ場所で生活し、学習することによって、共生社会の体現を目指しています。

ただ単に障害者を普通級に通わせるのではなく、授業についていけるようにしたり、学校生活で困らないように、複数の教員がサポート役として付いています。

インクルーシブ教育の意義としては、健常者と同じ環境で学び、生活することによって、普通の子と同じような視点でいられるようにする、という意味だと私は解釈しました。

特別支援級だけで育つと、幅広い交流ができなくなり、社会に出たときに人付き合いや普通の振る舞いが苦手になりがちだからです。

インクルーシブ教育のメリット

インクルーシブ教育のメリットとしては、以下のような点が挙げられます。

・障害のない子どもとの交流や体験を通して、障害のある子どもの社会性や自立性を育てることができる。

・障害のない子どもにとっても、障害のある子どもとの接触や協力を通して、多様性や共生の価値観を身につけることができる。

・障害のある子どもが普通の環境で学ぶことで、将来の進路や就労の選択肢が広がる可能性がある。

発達障害の子供が普通(定型発達)の子どもと一緒に学んだり成長することで、将来的に一般就職ができたり、「普通」を頑張ることが出来るのがメリットだと思います。

インクルーシブ教育のデメリット

発達障害の子どもにとってのインクルーシブ教育のデメリットとしては、以下のような点が挙げられます。

・障害のない子どもとのコミュニケーションや競争にストレスを感じることがある。

・障害のない子どもからのいじめや差別を受けることがある。

・障害のある子どもに対する教員や親の理解や支援が不十分なことがある。

一番の問題点は、やはり子供の交流が難しくなることだと思います。
私も発達障害と気づかずに、普通の子どもと同じクラスに混ざった結果、最悪でボロボロの学生時代となったからです。

インクルーシブでの支援があったとしても、どうしても目が行かなかったり手が届かない範囲があります。
発達障害のある子供の全ての交流や会話を手助けできるわけではないからです。

また、学習でも発達障害の子供は得意不得意がはっきりしており、苦手科目については授業についていけなくなります。

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特別支援級のメリット

特別支援級のメリットとしては、以下のような点が挙げられます。

・障害のある子どもが、自分と同じような状況の子どもと一緒に学ぶことで、安心感や自信を持つことができる。

・障害のある子どもが、自分のペースやレベルに合わせて学ぶことで、学習の効果や楽しさを感じることができる。

・障害のある子どもが、障害に応じた専門的な指導や支援を受けることで、障害の改善や緩和の可能性がある。

発達障害ASDの私も、特別支援級に行けていれば、今の酷い未来はなかったと思っています。
とにかく、発達障害の子供は、学校生活において本当に健常者が遭遇し得ない大変で辛い目にあってしまいます。
その問題を、特別支援級に行くことで緩和されるのであれば、絶対に行くべきです。

全ての発達障害の人が特別支援級に行く必要はないと思います。
特にIQが高い人は、発達障害でも多少は適応能力が高い場合があります。

IQが低く、環境適応能力が低い子供が、特別支援級で学んで心の問題を改善させるべきだと思います。

特別支援級では、発達障害に理解があり、するべきサポートをわかっているので、子供にとっては過ごしやすいと思います。

特別支援級のデメリット

発達障害の子どもにとっての特別支援級のデメリットとしては、以下のような点が挙げられます。

・障害のない子どもとの交流や体験が少なくなることがある。

・障害のある子ども同士の間にもトラブルやいじめが起こることがある。

・障害のある子どもが自分の障害に甘えたり、劣等感を持ったりすることがある。

発達障害とは言っても、コミュニケーションが苦手だったり、特定の科目が壊滅的、友達付き合いや社会性が欠如しているだけです。
いや、かなりの問題だとは思います。
しかし、それでも普通級の人との交流は必要不可欠です。
特別支援級のぬるま湯と言ってはダメだと思いますが、安心できる環境に慣れてしまうと、一般社会に出た時に苦労してしまいます。
人生の全てを、特別支援級のように理解やサポートのある環境に居られるわけではないからです。

また、発達障害は対人関係が本当に苦手です。
特別支援級の中で不仲になってしまう可能性もあります。

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発達障害の子どもにとってのインクルーシブ教育と特別支援級の選択

発達障害の子供は、定型発達(健常者)の子供と一緒にインクルーシブ教育を受けるのがいいのか、それとも特別支援級に行くべきなのでしょうか。

発達障害はASD(自閉症スペクトラム・アスペルガー症候群)、ADHD(衝動性/多動性/注意欠陥)、LD(学習障害)の3つの種類があり、さらに感覚過敏もあります。

さらに、症状の軽い人から重い人までさまざまで、同じような脳の特性(未発達)の人はいません。

インクルーシブ教育でやっていける発達障害の子もいますし、支援級でないと難しい子もいます。

ただ、インクルーシブ教育に向いていない発達障害の子は大体わかります。

それは、ASD(自閉症スペクトラム・アスペルガー症候群)であり、IQが80以下の子だと個人的に思うのです。

いくら発達障害に理解がある教員がサポートしても、周囲とのコミュニケーションや触れ合いの1つ1つ全てをフォローしてくれるわけではないと思います。

学校生活は学業の他に、ほかの子供と交流を育む場でもあります。

ASDは、想像力の欠如やマルチタスクの困難、興味の限定など、様々な脳の問題を抱えており、他の子とのコミュニケーションが上手にとれません。

インクルーシブ教育は、障害者を健常者と馴染ませる目的もあると思いますが、定型発達の人の全員が全員、コミュニケーションが苦手なASDの人に気を使って生活できるわけではありません。

その為のサポート教員がいるわけではありますが、発達障害(ASD)の当事者からしてみれば、気を使われている環境を申し訳なく思う子もいます。

また、定型発達の人としても、腫れ物に触るような気持になる子もいると思います。

ASD当事者でコミュニケーション障害を抱えていた私は子供の頃に、避けられ、嫌われ、イジメられた学生生活を送りました。

もちろん、インクルーシブ教育は無かったので、一概には言えません。
しかし、どうしても定型発達(健常者)の人とのコミュニケーションがうまくいきませんでした。

インクルーシブ教育でサポートする大人の教員が一緒でも、特別扱いされているように映ってしまうと思います。

ですので、サポート付きでもコミュニケーションが上手くできないASDの子は、インクルーシブ教育を受けるべきではないと思います。

また、発達障害であり、IQが80以下の子もインクルーシブ教育を受けるべきではないと思っています。
これは、IQの値が近い人でないと理解力や会話力に差が出てしまい、コミュニケーションがかみ合わないからです。

一番酷いのが中学生時代だと思います。
義務教育なので、基本的に頭のいい人(IQが高い人)から悪い人(IQが低い人)まで、同じ環境やクラスで勉強や生活をします。(私立以外)

小学校では、頭の良し悪しの差によって交流の難しさは確かにありますが、それほど影響はありません。

高校は偏差値によって、一定の学力(IQ)の人が集まりますので、会話がスムーズになります。

しかし、中学校でのインクルーシブ教育はかなりシビアな環境であると思います。
中学生の年代は多感な時期ですし、発達障害と定型発達の子を同じ環境で生活させるのはリスクが大きすぎます。

ASDのコミュニケーション障害だけでなく、IQの差によって生まれる会話のかみ合わなさも重なります。
いくらサポート教員がいるとしても、孤立してしまう可能性は高いのではないかと思います。

私自身もIQ60台であり、中学時代は頭の悪い人は40人のクラスに対して3~5人程度でした。
大半の人はIQ80以上であり、会話が上手くいかず、ほとんど話せませんでした。

さらにASDのコミュニケーション障害もあり、クラスで一番ダメな人間としての扱いを受けていました。

発達障害(ASD)でありIQ80以下の中学校の場合、インクルーシブ教育は受けるべきではないと思います。

もちろん、発達障害の子の症状によって違いますので、一概にはいえません。
ですが、中学生の年代はかなり難しい時期ですので、子どもがインクルーシブ教育でやっていけるかどうか、十分に検討をしてほしいと思います。

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特別支援級の意義

インクルーシブ教育が健常者と一緒に学校生活を送るのに対して、特別支援級は、障害をもつ子どもの集まりです。

基本的に症状が軽く、定型発達(健常者)と一緒に過ごしても、それほど影響がなければインクルーシブ教育でも良いと思います。

発達障害の特性が強く、普通級で生活していると様々な困難がある子が特別支援級に行くべきです。

私は広汎性発達障害でIQ60台なのに、普通級で過ごし、最悪な学生生活を送りました。
特別支援級で、サポートされながら平和な学校生活を送ってみたかったです。

発達障害の子が、発達障害に理解のある環境で育ち、似たような境遇の子と一緒に生活することは大切だと思います。

もちろんインクルーシブ教育で、定型発達の子と交流して、様々な普通の体験をすることも大事だとは思います。

ですが前提として、ストレスのかからない安心できる環境で子どもが健やかに育つことが一番重要です。

発達障害の人が子供の頃に、不安やストレスを感じて育つと、2次障害につながる恐れがあります。

発達障害の特性が強い子どもには、平穏な環境の特別支援級に進むことも考えてあげて欲しいと思います。

まとめ

この記事では、発達障害の子どもにとってのインクルーシブ教育と特別支援級の違いや意義、それぞれの長所と短所などについて解説しました。

発達障害の子供にとってインクルーシブ教育を受ける意義は、定型発達の子との交流、体験を経て、将来普通の生活で困難にならないようにするためです。
それによって、社会に出たときに困らないようになったり、自分の夢を追いかけられるようになったりするかもしれません。

特別支援級は、普通級で馴染めない発達障害の子の2次障害を防いだり、サポートのある安心な環境、特性に合った生活を送るためです。
どちらも一長一短であり、発達障害の子にとってどちらが良いのかは、特性やIQ、サポート次第だと思います。

発達障害の子どもにとって最も大切なことは、自分の障害を受け入れて、自分らしく生きることです。
そのためには、親や教員が発達障害の子どもを理解し、尊重し、応援することが必要です。

発達障害の子どもにとってのインクルーシブ教育と特別支援級の選択は、その一つの手段に過ぎません。

一番大切なのは、発達障害の子がストレスフリーな環境で学生生活を送ることだと私は強く思います。

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