自分が発達障害だと気づかない・判明していない状態で社会人として働くとどうなるでしょうか。
私は4ヶ月で会社を辞める羽目になりました。

人間関係、仕事内容、大人としての振る舞いなど、社会人として不適合すぎてどうしようもありませんでした。

子供の頃であれば、普通の人とは違う苦労はあってもぎりぎりで生きてこられました。
しかし、社会の個として生きていかなければならない状態において、発達障害は物凄く酷いハンデとなりました。

発達障害・自閉症の人が一般雇用で働くと悲惨な目にあいます。
もちろんすべての発達障害の人に当てはまるわけではありません。
IQが高かったり、一芸に秀でており、適職に就けた場合などは社会人として上手くいく可能性はあります。

しかし、発達障害の理解やサポートが無いと、コミュニケーションや社会人としての振る舞いが上手くいかず、変な人に見られたり、孤立する恐れがあります。

今回は、本人が発達障害とわからずに健常者として働くとどうなるのか、書いていきたいと思います。

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発達障害・自閉症と判明せずに働くと・・・?

今の時代は発達障害という言葉が広まり、自分が発達障害と判明することが容易だと思います。
子供の頃に変な行動や普通とは違う違和感を感じたら、親や学校の先生などが気づいてくれるからです。
発達障害のテストも容易であり、判明しやすいと思います。

ただ、グレーゾーンだったり、普通の人よりも明らかに劣っているのに発達障害と診断されない人。
そして、発達障害なのに不運にも大人になってしまった人など。

そのような人が一般雇用として健常者枠で働くとどうなるでしょうか。

仕事ができない

発達障害・自閉症の人は、仕事の内容にもよりますが、仕事が上手くいかない、失敗するなどの状態に陥ることが多々あります。

発達障害の人の特性によりますが、想像力の欠如から理解が難しい、手順通りに出来ない、自己流にやってしまう、何がわからないのかわからないなど。

また、コミュニケーション能力の欠如から「わからなかったら聞く」という基本的なことが出来ない。
仕事の現状・経過を上手く報告出来ないなど、社会人として必須の報・連・相が難しい・上手くできないのです。

一般雇用の仕事は、発達障害の人の配慮や理解はもちろんありません。
発達障害と気づかずに働くと、仕事が出来ず、ダメ人間扱い、会社内での身分が最底辺となります。

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社会人としての適応能力問題

会社という場所は大人としての精神・振る舞いが求められます。
子供の頃や学生時代は、発達障害とわかっていなくても問題児扱いされるだけで済んでいました。
しかし、会社の組織の一因として給料を貰って働く社会人になると、まともな人間が求められます。

発達障害・自閉症の人の場合、社会性の欠如から健常者と同じように振る舞うことができないのです。
その為、明らかに会社の中で浮いてしまう存在となります。

例えば、会議の場で適切な行動、言動が出来ない。
仕事中なのに違うことをしてしまう。
休憩時間でないのに、思い立ったら外出してしまっているなど。

発達障害・自閉症の人は、会社の中で適切だと思われる行動や判断が出来ないのです。
もちろんその人の特性や能力、仕事環境にもよります。

孤立する

発達障害・自閉症の人が健常者にまぎれて会社員として働くと、確実にボロが出ます。
明らかに普通ではない言動・行動をしてしまうからです。

特に対人関係でコミュニケーションを数回しただけで違和感を感じさせてしまい、敬遠される・変人扱いされてしまいます。
社会人としてのマナーや振る舞いも苦手であり、変になってしまう為、浮いてしまう存在となります。

結果、孤立してしまいます。
運や環境が悪いとイジメにも発展し、精神的に辛い目に合う可能性が高いです。

上司からも嫌われ、使えないやつ扱いされて退職に追い込まれることもあります。

適応できない

発達障害・自閉症の人は、会社の社風や職場の文化に上手く適応できない・難しくなります。
体育会系や文科系など、企業の気風に溶け込んだり馴染むのが本当に上手くいきません。

気合や根性を求めらえたり、挨拶に厳しいなど、その場で状況判断を求められることに関して適応が難しいのです。
逆に、「マニュアル通りの行動をしろ」と言われたらできるのが自閉症の特徴です。

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クローズドで働く

自分が発達障害としてわかっていない、もしくは判明していても健常者枠で働くクローズドという言葉があります。

クローズドで働く理由は、障害者として思われたくない、健常者として生きていきたい。
また、障害者雇用では給料が安すぎるのが無理というのがあります。

障害者の給料は本当に安いです。
特に発達障害や精神障害の場合。

厚生労働省が5年おきに公表している障害者雇用実態調査があります。
まだ今年のデータは出ていない為、平成30年の結果となります。

障害者雇用の給料では、
身体障害者の平均給料は21万5千円。
知的障碍者の平均給料は11万7千円。
精神障害者の平均給料は12万5千円。
発達障害者の平均給料は12万7千円。

となっています。

身体障害者以外の給料があまりにも低すぎて毎月生活が成り立たないです。
ほぼ県最低の時給かそれ以下の賃金であり、昇給も期待できない、将来が無い状態です。

発達障害を隠してクローズドで働くのもやむを得ないと言えます。

しかし、会社側としては、発達障害の人を雇いたいわけではないと思います。
健常者と同じような能力が発揮できず、使えない人材になってしまう可能性もあります。

厚生労働省の勤続年数のデータでは、
身体障害者が10年2カ月
知的障害者が7年5カ月
精神障害者が3年2カ月
発達障害が3年4カ月

となっています。

発達障害の人は平均で3年と4ヶ月で退職しています。

仕事についていけない、人間関係が築けない、社会人として上手くいかないことから、退職せざるを得ない状況になりやすいのです。
上記の厚生労働省のデータは障害者雇用枠です。
発達障害を隠してクローズドで働く場合、サポートや理解が無い為、もっと早く退職に追い込まれる可能性が高いです。
私は発達障害と気づかずに4ヶ月で退職に追い込まれました。

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一般雇用枠で働いた末路

自分が発達障害と気づかずに健常者枠で働くと、末路は悲惨です。
私の場合、4カ月で退職したわけですが、精神的に物凄く辛い目に遭い、メンタルが崩壊しました。

自分が会社でやっていける能力が無いだけでなく、社会人としての振る舞いやコミュニケーションが全くできない。
対人関係が築けない、仕事ももちろん上手くいきません。

自信喪失、自己肯定感の欠如からやる気がなくなる、うつ病など精神的問題を抱えてしまいました。

もちろん、すぐに就職活動をしたわけですが、発達障害・自閉症の影響から面接段階で全く上手くいかず全て落ち続けました。
2002年の超就職氷河期という悲劇もありました。
ハローワークには本当にまともな求人がありませんでした。
ブラック企業や社会保険無し、そしてハローワークの職員も自己責任扱いされ、全く親身になってくれない。

一度発達障害の人が新卒を失敗すると、再就職は本当に困難です。
今の時代は、発達障害の理解があるからまだいいと思います。

発達障害支援センターや市役所の福祉課など、発達障害に理解がある相談場所があります。

発達障害の人は、健常者に交じってクローズドで働くことはかなりの難易度です。
IQが高かったり、ギフテッドの人や特技がある人でないと難しいです。
コミュニケーションや社会人としての振る舞いなどで、健常者に大幅に劣っているからです。

発達障害の人が一般雇用で働いても解雇される、運が悪いと、転職を何度も繰り返す、無職期間が長くなる、引きこもりになる可能性があります。
また、精神的に問題を抱え、鬱や統合失調症など、メンタルの病を抱えてしまいます。

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まとめ

自分が発達障害と気づかない・判明しない状態で、健常者と同じように一般の会社で働くことは無謀だといえます。
発達障害の特性にもよりますが、ほとんどの人は上手くいかないのではないでしょうか。

会社ではコミュニケーション能力、社会人としての立ち振る舞い、会社の社風に適応するなど、様々な能力が必要となります。
発達障害の人の場合、脳の凹凸からどれも難しい状態に陥るのです。

発達障害の人は障害者枠で働くべきだとは思います。
一般雇用として働いても上手いかず精神的問題を抱えてしまうからです。

しかしそうはいっても、障害者雇用での給料は本当に安すぎます。
自活ができるような給与体系ではありません。
時給換算でいえば、県最低レベルです。

発達障害で生まれた時点で、人生は詰んでいたのかもしれません。
もちろんすべての発達障害の人がそうであるとは限りません。
能力があったり、運が良い、家が裕福など。
ただそう言った人は稀であり、ほとんどの発達障害の人は人生を苦労していると思います。

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