一般の人は、発達障害の人とできれば関わりたくない、と思っている人も多いのではないでしょうか。
コミュニケーションが上手く取れなかったり、常識の範囲外の行動をしてしまうからです。
迷惑をかけられてしまうことも多々あると思います。

しかし大人の場合、家族や会社の同僚で、どうしても接しなければならない状況に置かれてしまいます。
あまり関わりたくなけど、仕方ない状況の場合。
どのように関わっていけばいいのでしょうか。

発達障害のある人に、普通の人(定型発達)と同じように接してはいけません。
心無いことを言われたり、何で同じミスばかりするの?とストレスを溜めてしまうからです。

発達障害の人は、意識的に不愉快な発言や、不注意をしているわけではありません。
脳の機能異常により、普通の人と同じようにすることができないのです。
発達障害者本人は、いたって普通のつもりなのですが、周りからは異常な言動になってしまっています。

特に発達障害と自覚していないと自他ともに悲惨な状況に置かれます。

発達障害に本人が自覚なし気づかない大人や子供

発達障害の大人の人には、家族や同僚の理解、関わり方が大切となります。

今回は、大人の発達障害者の接し方について書いていきたいと思います。

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家族に大人の発達障害を抱える人への接し方

成人している大人の発達障害を抱える家族の場合、本人の状況によって関わり方が違います。

本人が発達障害と認識していればいいのですが、家族と自分自身が発達障害とわからずに生活していると大変なことになります。

家族間での大人の発達障害の問題点として、片づけられない、会話ができない、不注意でのトラブル、だらしない、不快感を与える、怒らせるなどなど。
普通の家族と違い、様々なストレスを抱える要因があります。

成人している大人であっても、発達障害の症状(特性)は、子供の頃と変わりません。
本人が発達障害を受容していても、気を付けるべきことは同じです。

家族と本人が発達障害と自覚していない場合、基本的に問題児扱いだと思います。
普通が出来ずポンコツなだけでなく、家族に多大な迷惑を掛けられてしまう。

怒ったり、冷たくあしらってしまう接し方になるのも仕方がありません。

ではどうすればいいのでしょうか。
現在は発達障害の理解が進んでおり、家族にあまりにも普通ではない大人の人がいる場合、気づく可能性は高いです。
ただ、高齢の親の場合、発達障害という言葉自体を知らない人が多いです。
ただの不出来な子供が「大人になっても変わらない」状態のままだと考えられます。
うちの親がそうでしたから。
私が発達障害だったと言っても、本当の理解はしてくれていません。
古い人間なので発達障害の理解がないだけでなく、頑固で融通が利かない為、認めてくれてはいません。

発達障害の自分自身が普通でないと気づき、ネットで調べたり、心療内科や精神科を受診するしかありません。
または、周囲の人が気づいて、アドバイスをもらうなど。

発達障害の大人の場合、家族が理解していないと接し方は大変です。
まずは、問題児扱いするのではなく、原因の究明をして、理解と受容をしてほしいです。
家族が大人の発達障害と認識するだけでも対処や心持は全く違いますので。

発達障害と本人と家族が気づいている場合はどう接すればいいのでしょうか。
発達障害にはそれぞれ特性があり、抱える問題も人によって違います。

自閉症スペクトラム(ASD)の場合は、コミュニケーションが下手すぎます。
家族であっても、敬語だったり、不愉快なことを言う、伝わらない会話をしてしまうなど、意思伝達に難を抱えています。
特に、自分の思いや想像を必要とする表現が苦手です。
事実であれば、わかりきっているのでスムーズに話すことができます。
しかし、雑談や相手の気持ちを汲む会話は非常に苦手です。

発達障害が成人した家族の人であっても、会話には気を使ってあげてほしいです。
確実に変な言動をしてしまうことがありますが、そこは発達障害のコミュニケーションの問題なのだと理解してあげてください。

衝動・多動性・注意欠如(ADHD)の場合、片づけられない、ゴミ屋敷状態、不注意によるトラブル、時間を守れない、忘れ癖など。

家族に大人のADHDの人がいる場合、主に生活、情緒問題があります。

ADHDの人は、注意力散漫で興味が移り変わりが激しく、自分が考えている計画通りの行動が難しくなります。
家出は、使ったものを放置してしまう、後でやると言って忘れるなど、自然にモノがあふれてしまいます。
予定通りの片付けが出来ず、部屋がゴミ屋敷状態になることもよくあります。

また、感情のコントロールを制御することも苦手で、突然怒り出したり落ち込むなど、どう接していいのかわからなくなってしまいます。

家族はどう接すればいいのでしょうか。

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基本的にアスペルガー(ASD)の人も同じですが、予想外の事態を避けるべきです。
きちんとしたするべきスケジュールを決めておき、それ以外のことをしない。
想定外の事態が起こらないように気を付けなければなりません。

ASDの場合、普段と違うことが起こると固まってしまいます。
何をどうしたらいいのかわからなくなるのです。
ADHDの場合、興味がそちらに移ってしまい、本当にしなければならないことをほったらかしにしてしまいます。

普段の予定を変えたり、急用を押し付けない配慮が必要です。
一貫性のある行動を普段から身に着けさせることが大切なのです。

ADHDの人は、感情の起伏が激しい人がいます。
ちょっとしたことでイライラしたり、感情が爆発して家族に暴言をはいてしまうこともあります。
ストレス耐性が低いので、家族であっても煽ったり、不満を感じさせないように注意しなければなりません。

ASDの人は、言葉をそのまま受け取って傷ついたり、怒ってしまいます。
ADHDの人は、想像力が豊かな人が多く、ちょっとした言葉でもその裏を読んだり深く考えてしまいます。
感情を制御するのが苦手な為、落ち着かせように対処しなければなりません。

家族に大人の発達障害を抱える場合、主にコミュニケーション、生活の決まり事に気を付ける必要があります。
また、普通(定型発達)の人よりもメンタルが弱い、感情がコントロールできない、情緒不安定になりやすいです。
ガラス物を取り扱うような繊細さが求められると思います。

発達障害の同僚との接し方

会社に発達障害の人がいる場合、どう接したらいいのでしょうか。

厚生労働省のHPによると、

他の同僚と同様に声をかけるのが望ましい。

最初から声をかけないという判断はせずに、
例えば『参加は強制ではない』といった前提で参加希望を確認し、
本人の主体性を尊重するのが望ましい。
本人が判断できない場合は支援機関や家族とも相談するのが望ましい。

と書かれていました。

まさにその通りだと思います。
特別扱いしてほしくない
いや、特別な目で見られたくないです。
明らかに一歩引いているような態度を取られるとショックを受けます。

自分が発達障害のハンデを背負っているからそうなってしまっている。
普通の人と同じように扱ってはくれない。
悲しい思いをします。

ただ、これは発達障害と本人と同僚がわかっている場合です。

発達障害とわからずに普通の人と同じように接せられると、すぐに不仲になります。
私自身が体験したことです。

大人の場合、発達障害特有の言動ですぐにおかしな人と見破られます。
そして、孤立します。

発達障害の人が無自覚に会社や社会で生き抜くのは大変危険です。
普通ではないので、とにかく辛い目に遭います。
運が良くない限り。

今では発達障害の理解が社会に浸透しているので、サポートや支援を受けられる可能性は高いです。
それでも、軽度だったりグレーゾーンの発達障害の人は、理解されず、辛い思いをし続けていると思います。

誰でもコミュニケーションに難を抱えていたり、得意不得意はあります。
しかし発達障害の人は、普通の人が出来ることができません。

会社においても、発達障害の特性により困難な状況に置かれることがあります。
理解やサポートがある環境であればよいのですが、無い場合、周囲の人の助けが必要です。

困っている同僚がいたら、助けてあげる思いやりの心を持っていてほしいと願っています。

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同じ趣味をもつ

アスペルガー(ASD)の場合、好きなことに熱中します。
興味が限定されており、好きなことの一点に熱意を注ぐのです。

大人の発達障害を抱える家族や同僚の人は、本人の趣味の話を聞いてあげてください。
もしくは、同じ趣味を持つ。

私もですが、好き嫌いがはっきりしており、興味が限定されています。

ADHDの人は広く浅くの傾向がありますが、ASDは自分の興味があること以外、ほとんど関心がありません。
その分、その分野には熱中しており、専門的な知識を有しております。

家族や同僚の接し方として、興味があることを上手く会話につなげれば、コミュニケーションは取りやすくなります。

感覚過敏

発達障害の人は、聴覚、味覚、触覚、嗅覚など、感覚に異常に過敏、もしくは鈍感な傾向があります。
家族や会社の同僚の人は、本人の特性に気を付けてあげてください。

私の場合ですと、異常なほどの聴覚過敏があげられます。
特に低周波、高周波騒音の影響をもろに受けます。
近所の室外機のせいで、ノイローゼになるほどです。

家族に感覚過敏の人がいる場合、音や匂い、服装の接触など、気を付けてあげてください。
同僚の場合、会社内で困っていることはないか、気にしてあげてほしいです。

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まとめ

発達障害は大人になっても、子供の頃と同じ脳の問題を抱え続けます。
脳の成長が止まっている、しない状態だからです。
現代医学では治らず、一生考えなければならない問題です。

家族であれば、子供の頃から似たような状態なので対処には困らないと思います。
同僚の場合、発達障害と自他ともに気づいていれば、対応を考えられます。

どちらにしても、発達障害の人には理解とサポートが必要であることです。
発達障害の大人に無理解、支援が無いと、社会において上手くいく可能性は運が良くない限り不可能です。

家族間においても同様に、不仲、トラブルの原因となります。

発達障害は大人でも常に気を使ってあげる心持が必須なのです。

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