誰でも昔に起こった印象的な出来事を覚えていると思います。
楽しかったり、辛い思い出はいつまでも心に残っているものです。

過去の出来事は記憶の片隅にあるので、そうそう思い出すことはありません。
たまに不意に思い浮かんだり、何かのきっかけで回想することがあります。

ASDの私の場合、過去に酷い体験がありすぎて、2~30年経った今でも鮮明に覚えています。
全て発達障害の脳機能異常が原因で引き起こされた、普通の人が体験しない印象的な出来事だったからです。
発達障害の概念が無い時代であり、理解やサポートが無く、健常者と同じ環境で育った悲劇だと言えます。
今でもよく昔の出来事を思い出しては、悶えています。

発達障害ASDの人は、健常者とは違う理由で、いつまでも昔の体験を鮮明に覚えていることがあります。

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発達障害ASDは何故ずっと過去を覚えているのか

発達障害の自閉症スペクトラム(アスペルガーASD)の人の場合、より強く過去の出来事を覚えていることがあります。
ASDの「こだわり」、「反復行動」、「感覚過敏」などの特性から、健常者とは異なる物事の強い印象を受けやすくなります。
その為、過去の印象深い出来事をいつまでも覚えているのです。

またASDは、視覚優位型であり、実際に目撃した出来事を写真や映像のように思い出すこともあります。
タイムスリップしたかのように、いつまでも鮮明に覚えている出来事もあります。

逆に聞いたり話したりしたことは、頭の中で理解したり考えることが苦手な為、印象深くない限り、ほとんど覚えていないです。

過去にこだわってしまう

発達障害ASDの人は、普通の人(定型発達)が体験しないような辛い経験をしてしまうことが多いです。
昔の酷い体験や出来事によって感情が酷く動かされると、いつまでも覚えてしまうものです。

発達障害ASDは「こだわり」の特性から、いつまでも根に持ったり、気にしてしまいます。
自分の中で過去の出来事が消化できていないと、忘れずに残ってしまうのです。

またASDは、楽しかったり、嬉しい出来事はそう多くない為、ずっと覚えていることもあります。

ASDは辛い体験や人生が上手くいかないことが多く、自己肯定感が低下しがちです。
その為、昔の成功体験やポジティブと思えるような要素を思い出して、幸せな気持ちに浸るのです。

私もよく、過去に少しでも楽しかった思い出を回想して、幸福感を得ています。
しかし、一時的な物であり、むなしいだけです。

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反復行動による過去の記憶

発達障害・自閉症スペクトラム(アスペルガーASD)の人は、毎日同じようなルーティーンで活動しています。
自分が決めた規則に沿って行動することで、安心感を得られるからです。
逆に、想定外のことが起こったり、普段の活動が出来なくなると、パニックになったり、不安な気持ちになります。

臨機応変が非常に苦手なので、良い出来事でも悪いことでも、いつもと違うことが起こると、より強く印象深い記憶として残ります。

興味の限定による記憶

発達障害ASDの人は、特定の物事に対して異常に興味を持ったり、追求しています。
自分の好きな事や関心ごとにはとことんのめり込むのです。
その為、時間や熱意をかけた分、いつまでも覚えています。

昔、はまっていたことや遊んでいた出来事を、事細かく覚えています。

感覚過敏による記憶

発達障害・自閉症ASDの人は、「触覚」「嗅覚」「聴覚」「味覚」「視覚」の五感のいずれか、または複数を異常に感じ取ってしまいます。
これらの五感の鋭さにより、健常者よりも物事に対して記憶として残りやすくなるのです。

私の場合、聴覚過敏の影響から、過去の不幸な出来事をいつまでも覚えています。
隣人トラブルや、音による睡眠障害、過去に音で悩まされた事件をずっと記憶してます。
何かしらの音が気になると、不意に過去の音問題を思い出しては辛くなります。

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過去の記憶を思い出す理由

発達障害ASDは、過去の印象深い出来事ををいつまでも覚えています。
しかし、思い出すのは、たまにであり、何かのきっかけが無いと蘇りません。

私は頻繁に過去のネガティブな情報を思い出してしまいます。
理由は、引きこもりだからです。

心療内科の先生に、「過去の出来事を思い出して辛い」というようなことを昔、相談したことがあります。
その時に言われたのが、「新しい情報を得ていない」からです。

引きこもりの影響から、人生経験が得られず、脳への新しい記憶のインプットがほとんどありません。
その為、いつまでも過去の出来事が頭に残っており、思い出されるのです。

引きこもりになる前は、何かしらの活動をしており、過去の酷い出来事をフラッシュバックするようなことはほとんどありませんでした。
日常が忙しいと、過去を振り返っている余裕が無いからだと思います。

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まとめ

発達障害・自閉症スペクトラム(アスペルガーASD)の人は、特性上、過去の記憶を保持し続けてしまう傾向があります。
また、ASDは人生が悪い意味で印象深い出来事に遭遇しやすく、強く経験として残りやすいのです。

過去の嫌な記憶は、思い出すだけ無駄であり、マイナスにしかなりません。
ストレスが溜まり、鬱になったり、精神に支障をきたしてしまいます。
思い出さない為にも、普段から何かに熱中したり、忙しい日々を過ごす必要があります。

それでも何かのきっかけで、思い起こされることはあります。
また、寝る前や暇な時間に不意に考えてしまうこともあります。

そのようなときは、起きてしまったことは仕方がない。
過去は変えられない為、終わったことだと思うしかありません。

過去の辛い気持ちや恥ずかしい出来事は、他人が関係しています。
自分一人だけが認知している辛い問題であれば、それほど記憶に意識づけはされないからです。

そもそも、人は他人の恥ずかしい過去をいつまでも覚えていません。
1カ月以内くらいの出来事であれば、記憶しているかもしれませんが、長年覚えているわけでは無いのです。

私は中学生の頃に物凄くイジメられていました。
毎日、酷い目にも遭い続けており、その時の光景を今でも思い出せます。
しかし、イジメていた側はほとんど覚えていないと思われます。
今では、私の存在すら記憶には無く、懺悔しているとは到底思えません。

私は当時のことを思い出しても、復讐をしたいと言う気持ちにはなりません。
起きたことは変えられず、仕方がないと思っているからです。
今では原因は全て発達障害の影響だとわかりました。
ただ、イジメていた人たちは確実に地獄に落ちると思ってます。

過去は変えられず、記憶は鮮明に残ってしまいます。
何もしていないと思い出すこともあります。
ですが、あまり深く考えず、過去の教訓として捉える必要があります。

発達障害ASDは、未知の出来事や想定外に対しては非常に苦手です。
しかし、経験を積んでいくことで、健常者のようにふるまうことができるのです。

記憶に残っているということは、同じ失敗をしない経験値になっているのだと思う必要があるのです。

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