あなたはパニックになったことがありますか。
私は発達障害(ASD)の影響から何度もあります。
例えば、聴覚過敏の影響により音に対して敏感で動悸が激しくなり、心が乱れてしまいます。
また、初めてのことに対する拒絶感が酷く、気持ちがおかしくなります。

一般的にパニックと言えば、混乱する、慌てる、焦るなどのイメージがあると思います。
しかし、発達障害のパニックや、普通のパニック障害は、言葉の意味や症状がまったく違います。

発達障害のASD(自閉症スペクトラム アスペルガー症候群)のパニックは、頭が真っ白になってフリーズする、正気を失って大暴れする、状況判断ができなくなるなどがあります。

標準のパニック障害は、心臓がバクバクして錯乱状態になる、底なしの不安感、死の恐怖、異常な動悸などがあります。

私は発達障害のパニックと、普通のパニック障害の両方に何度かなった経験があります。

上記の症状は一般的に言われているものであり、私がパニックに体験した状態とほぼ同じ特徴です。

発達障害(ASD)のパニックと、一般的なパニック障害は、全く違います。
また、対応の仕方も異なります。

そこで今回は、発達障害のパニックの症状になる原因や特徴、パニック障害との違いについてお伝えしていきます。

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発達障害(自閉症 アスペルガー)のパニックとは

発達障害(ASD)の人がパニックになる原因は、生まれ持っての脳の欠如(未発達)が影響しています。

例えば、ASDの特性(ハンデ)である「感覚の異常」によってパニックは引き起こされます。
感覚の異常とは、聴覚、視覚、嗅覚、味覚、触覚が定型発達の人よりも、敏感、もしくは鈍感な状態をいいます。

発達障害(ASD)は、感覚が敏感なことが多いです。
健常者が感じない、気にしない五感を、何倍もの感覚で感じ取ってしまうのです。
そのため、脳に負荷やストレスがかかり、パニックが起こるのです。

こだわりの異常な強さ

発達障害(ASD)の人は、何事にも全力で、いつも同じルーチン、パターンをする「こだわりの強さ」があります。
また、自分が絶対正しいと思っており、マイルールに基づいて行動し、他人にもそれを押し付けてしまいます。

発達障害(ASD)の人は、これらのこだわり行動ができなくなったとき、思考が停止してうごけなくなり、パニックとなるのです。

想像力の欠如

発達障害(ASD)の想像力の欠如は、人生に多大な被害をもたらします。
想像力が乏しいだけで、対人関係、勉強、社会での振る舞い方など、さまざまな場面で困難な状況に陥ります。

そして想像力の欠如は、パニックになる原因でもあるのです。

想像力の欠如によって引き起こされるパニックとは、「環境の変化」「ばか正直」「コミュニケーション問題」などがあげられます。

「環境の変化」とは、学校やクラスが変わったり、普段のルールが変わるなど、新しい環境や物事の変化に遭遇すると、想像力の欠如からどう対処していいのかわからなくなり、パニックを起こしてしまうのです。

「バカ正直」とは、学校の先生や、医師など、権威を持つ人は絶対に正しいと思っています。

また、人からの皮肉や比喩、冗談などが通じません。
言われたことをそのまま受け取ってしまうので、激怒してしまったり、傷ついてしまいます。

全て想像力の異常な無さが影響しており、感情が揺れ動かされやすく、パニックになる原因となるのです。

「コミュニケーション問題」とは、発達障害(ASD)の人は、相手の気持ちを考えたり、空気を読むことが非常に苦手で、会話が上手くいかないことが多いです。
そのため、人から勘違いされ、嫌われ、避けられ、イジメられたりします。

発達障害(ASD)は、喧嘩や言い合いになると、相手の言動をそのまま受け取ってしまったり、言いたいことがうまく言えなくなってしまいます。
そのため、脳にストレスを抱え、パニックとなるのです。

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発達障害(ASD)のパニックの症状と対処法

発達障害の人がパニックになると、主に2つの反応がおこります。

1つ目は、キレてしまうこと。

発達障害(ASD)は、パニックに陥ると、正気を失って大胆な行動にでます。
周囲の目とか、後先を考えず、怒りに任せて一直線に行動します。

また、発達障害(ASD)の特性である「視野の狭さ」や「想像力の欠如」も相まって、自分の行動が正しいと思い込んでいるのです。

一度パニックになるとASD特有の脳の欠如により、情報が受け取れない(周りがみえない)状態に陥ります。
状況を判断したり、人の指示や声などが全く理解できなくなります。

かなり危険な状態です。
そのため、対処法は特になく、放置するしかありません。

発達障害(ASD)がパニックを起こしているときは聞く耳を持たないので、指示や提案などは無意味です。
火に油を注ぐようになり、余計にパニックになってしまうこともあります。

そのため、一度落ち着くまで相手をせず、放置してください。

ASDの私が、パニックの怒りモードになった出来事があります。

一人暮らしをしていたときに、空き部屋だった上階に新しく引っ越してきた人がいました。
壁が薄いアパートだったので、物音が気になる私には辛い環境でした。

当時、就職活動でどうしても早く寝なければならない状況があったのですが、上の階の人の足音が気になってしまっていました。

私には、聴覚異常のハンデがあり、定型発達の人よりも異常に音に敏感です。

普通の人であれば、我慢できる足音だったのかもしれませんが、私には我慢ができませんでした。

そして我慢の限界に達し、部屋の天井の壁をおもいっきり殴っていました。
壁は薄いので、こぶし大の大きな穴が開いてしまいました。

突然の音に上の階の人も気付いたのか、静かになりました。

我慢の限界がきてパニックになる前に、上の階の人に言いに行くべきだったと後になって思いました。
しかし、一度パニックになると冷静な思考はできず、物に当たるという考え以外思いつきませんでした。

当然、アパートから出る時は、敷金から修理費を取られました。

もう1つ音でパニックになった事例があります。

私は、普通の人が気にならない、感じない低周波をもろに感じ取ってしまいます。
例えば、エアコンの室外機の音や車やバイクのエンジン音などです。

私の場合はどちらも、頭と体に直接響いてきてしまいます。

そして、真後ろの家にある、古いエアコンの室外機でトラブルになりました。
その室外機は夏の冷房ではそれほど気にはならないのですが、冬の暖房時に動くと精神崩壊マシンに変わります。

それでも近所トラブルは避けたかったので、1年は我慢できたのですが、劣化が激しくなったのか、全く我慢が出来なくなりました。

耳栓やイヤーマフ、防音の為に特殊なシートを無理やり設置したのですが、全く効果がありませんでした。

低周波は、音ではなく振動が伝わるのです。
そのため、部屋を閉めていればいる程、余計に響いてくるのです。

しかし、私が異常に感じ取ってしまう低周波の振動が、母にはまったく感じられないのです。
私が物凄く苦痛で耐えがたいと言っていても、母には全く感じない、聞こえないと言われました。

そして、夜中寝ているときにずっとエアコンをつけているのか、数分おきに室外機が回り始めるので、眠るのに3~5時間かかるようになってしまいました。

そんな生活が耐えられるはずもなく、ついにパニックになってしまったのです。
一度怒りのパニックモードになったら、止まりませんでした。

母に後ろの家に直接言いに行くといい、静止も聞かずに飛び出してしまいました。

夜の10時くらいだったので、かなり非常識でした。

出てきた人は物腰が柔らかく、良い人だと感じたのですが、私が錯乱していることに気づいたのか、ヤバい人と感じていたと思います。

私自身、元からコミュニケーションに障害を抱えており、さらにパニック状態で、伝えたいことが上手く言えませんでした。
とにかく、室外機を止めて欲しいというニュアンス的なことを言っていたと思います。
今思うとかなり恥ずかしいです。

出てきた人は60~70代のお婆さんで、良識がある人でした。
そしてすぐにエアコンを止めてくれて、それ以来室外機はまったく使われていません。
確か11月くらいだったので、急に暖房を止めさせてしまって、今思うと本当に申し訳なく思います。

しかし、どうにもならないくらい低周波が辛すぎるのです。
大げさに言うと、頭と体に直接工事現場のドリルの振動を味わっている感じです。

パニックになる前に、もっと良い対処法はあったと思います。
しかし、事前に音問題で相談できる市役所や業者に電話しても、解決策はありませんでした。

低周波自体感じ取ってしまう人がごく少数だからです。
国も対策方法は出していません。

だから自分で考え、対策をしたのですがまったく効果がなく、耐えるしかなったのが限界にきてパニックとなったのです。

ASDの怒りモードのパニックは、自分をコントロールできません。
また、後先を考えないので、落ち着いたときに大惨事になっていることもあります。

先ほど対策方法は放置しかないと書きましたが、本当に危険があるときは身体を張って止めてなければならないと思います。

発達障害(ASD)の怒りモードのパニックは、取り返しがつかない状態になることもありますので。

2つ目の発達障害(ASD)のパニックの特徴として、思考停止があげられます。

発達障害(ASD)は、想像力が著しく欠如しており、視野も狭いです。
ですので、予想外のことが起こると対処できずにパニック状態になります。

この思考停止のパニック状態は、物事を多角的にとらえられないので、自分が次に何をどうしたらいいのかわからない状態に陥って、身動きが取れなくなります。

思考停止のパニック状態になると、今まで自分ができていたことや、覚えていたことができなくなります。
本当に何をどうしたらいいのか全く分からなくなってしまうのです。

だから、緊急時のときには、上手く動けなかったり、足手まといになってしまいます。

定型発達の人であれば、パニックになる、もしくはなる前に、脳内の落ち着くための神経伝達物質が働きます。
冷静な状態になれるので、落ち着いた行動や状況判断ができるのです。

しかし、発達障害(ASD)の場合は、この神経機能の働きが著しく劣っているのです。
少しの刺激で動揺が広がり、焦ってパニックになってしまうのです。

発達障害(ASD)が思考停止のパニック状態に陥ったときの対処方法は1つしか思いつきません。
周りの人が、指示を出して行動を促すことです。

思考停止のパニック状態では、自分で考え行動することができません。
本当に固まってしまいます。
ですので、周囲の人がするべき行動を指示してあげてください。

直接介入してもらって、やるべきことを教えてもらえれば、思考停止のパニック状態でも動けます。

基本的に発達障害(ASDの受動型アスペルガー)は、主体性がない指示待ち人間(私も)です。
思考停止のパニックでは、余計に何もできません。

ですので、手取り足取り全て、何をするべきか教えてあげることが、唯一の対処法だと思います。

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普通のパニック障害

パニック障害は、ごく稀に起こる一時的な精神の異常なので、発達障害、定型発達(健常者)のどちらも起こります。

しかし、発達障害の場合は、脳の特性(ハンデ)上、様々な問題をかかえているので、2次障害として普通のパニック障害をおこす場合があります。

そのため、定型発達(健常者)よりも発達障害の人の方が、普通のパニック障害になる確率は高いです。

普通のパニック障害は、発達障害特有のパニックとは違います。

普通のパニック障害の特徴は、稀にくる心身性の発作です。
突然不安感に襲われて、脈拍が異常に早くなり、動悸、息切れ、貧血状態などになります。

そして思考は「やばい、まずい」と極限の不安感が襲い、催眠を受けたかのように思い込むようになります。
永遠に続くかのような強すぎる不安感から、死んでしまうと思い込んでしまい、さらに精神は追い詰められるのです。

発達障害のパニックは、怒りで我を忘れたり、思考が働かなくなり、何をしたらいいのかわからなくなる状態です。

普通のパニック障害は、極限の不安感から過呼吸や、心臓の鼓動が早くなるなど、死の恐怖感を味わい続けます。

発達障害のパニックは、思考停止状態なので、精神的苦しみはありません。
しかし、普通のパニック障害は、心と精神が異常なほどの苦しみ、長時間耐えなければなりません。

また、普通のパニック障害は、前兆がある場合と、前触れもなくいきなり精神が不安定になる2つの状態があります。

発達障害(ASD)の私は、過去に両方の普通のパニック障害を引き起こしたことがあります。

前兆(理由)がある普通のパニック障害の場合

私はかれこれ15年以上引きこもりなのですが、一時期まったく運動せず、1ヶ月に1度しか外出しない時期がありました。
(今もそうですが、人目の少ない深夜にジョギングをするようになりました)

その1ヶ月に1度の外出とは、病院へ行く予定のあるときだけです。

いつもは時間通りに行動できるのですが、たまたま病院の予約時間に間に合わないときがありました。
そして、久々に自転車を思い切りこいでしまいました。

あまりにも無茶をして急いだので、心臓がバクバクしていて、息切れを起していました。
なかなか落ち着けなかったので、辛さは感じていました。

しかし、その辛さがなかなか治らず、徐々に不安感に変わっていきました。
そして「やばい、まずい」という思考がループしていき、普通のパニック障害を引き起こしました。

身体は汗でびっしょりになり、とてつもない恐怖と不安感で心と体がいっぱいになります。

私はそのとき、あまりにも耐えられない苦痛に、近くにあった警察署に駆け込んでしまいました。
私は異常なほどの恥ずかしがり屋なのですが、あまりの辛さになりふり構っていられませんでした。

とにかくじっとしていると恐怖と不安感が思考を支配するので、誰かに助けを求めたくなったのです。

警察署では、落ち着くまで椅子に座っていました。
住所や電話番号を聞かれたのですが、親に心配をかけたくなかったので、連絡しないでほしいと言いました。
しかし、後日わかったことですが、連絡されていました・・・。

前触れの無いパニック障害

家で普通にいつも通りの生活していたのですが、何か息苦しさを感じてはいました。
その息苦しさを何故か意識し始め、だんだんと不安感が増していきました。

不安感を意識しないように、何か別のことをしようと考えても、それが焦りを生み悪循環になってしまっていました。
そして、動悸が早くなり、不安感が極限にまで高まって、パニック障害が発動したのです。

一度パニックになると、30分~2時間くらい治りません。
また、治ったと思っても、けだるさや体調の悪さは残りました。

ちなみに前兆(理由)があるパニック障害では、30分~1時間くらいで治りました。

そして、このパニック障害の不安感に耐えるのは、本当に苦しいです。
そのため、私はどうしても辛くて助けを求めたくなり、緊急の病気を相談するところに電話をかけてしまいました。
しかし、それは間違った行動でした。

元から対人恐怖症やコミュニケーションが苦手なのに、初めての緊急相談の電話で余計に心が乱れ、パニックが悪化したのです。
電話はすぐに切って、そのあとに精神安定剤を飲みました。

私が常時所持している、デパスとインデラルです。
しかし精神安定剤は、パニック障害には本当に効きずらいです。

どちらも心を平穏に安定させてくれて、心臓の鼓動も静めてくれます。
普段なら30分~1時間くらいで効果が効きはじめます。

それでもパニック障害にはあまり効果がありませんでした。
何故なのかはわかりません。

パニック障害は、心の焦りを考えたり思い込む気持ちなので効きずらいのか、それとも普段から飲みなれているので効果が薄いのかはわかりません。

わかっていることは一度パニックにおちいると、なかなか治すのが難しいということです。
気を紛らわせようと、他の事をしても、それが焦っている気持ちのあらわれなのか、余計に不安感が増幅してしまうのです。

とにかく極大の不安感と焦り、死んでしまうという恐怖に耐えるしかないのです。

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まとめ

発達障害(ASD)のパニックは、感情のコントロールができなくなり、突発的な行動にでるものと、思考が働かず、身動きができない状態になる、2つの症状があります。

どちらも精神的な苦痛はないのですが、パニックが収まったころには後悔と惨状が残ってしまいます。

対処する方法は、放置指導です。

発達障害(ASD)が正気を失ってパニックになっているときは、相手にせず、放っておくしかありません。
もちろん、周囲に危険な物や、危害を与える場合は、体を張って止めるべきです。

発達障害(ASD)が、突然の出来事にパニックになってフリーズしているときは、何をしたらいいのか教えてあげてください。
自分では、何をどうしたらいいのか思考が働かないので、パニックの原因となった状況や状態が悪化し続けます。

そのため、積極的にやるべき行動をうながす対処をしてあげてください。

一般的なパニック障害は、思考が異常なほどの不安と恐怖、身体は心臓バクバクで動悸や発汗、眩暈などに襲われます。

耐えるのが本当に辛く、少なくとも30分~2時間くらい、ありえないくらいの精神的苦しみを味わい続けます。

本当に2度とパニック障害になりたくないくらいの苦痛です。

対処法はありません。
深呼吸するとか、落ち着くための儀式みたいなのがあると思いますが、逆効果です。
不安という思考の深みにはまるだけで、何故か余計に苦しくなるのです。

経験上、とにかく耐えるしかないと思います。

パニックは、普通の生活をしている人には起こらない障害だと思っています。

発達障害のパニックは脳の欠如上、仕方がないことです。
しかし、普通のパニック障害は、突然の不安感や、外部要因によって引き起こされるので、何かしら原因があるはずです。

規則正しい生活をして、不安の少ない生活をしている人は、パニック障害に陥ることはほぼ無いと思います。

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