自分の子供が発達障害と判明したとき、ショックを受けていつまでも現実を受け入れることが出来ない状態になってしまいます。
発達障害者として生まれると、本人の人生は困難になりますし、家族としても支えるのが大変だからです。

発達障害は現代医学では治せない脳機能異常であり、一生の問題です。
そして、「障害」というレッテルは社会において多大なハンデとなります。
親も子供も、普通をあきらめざるを得ない為、悲観してしまうのです。

うちの母親も、私が発達障害という事実を伝えても、未だに受け入れていない・わかっていない状態です。
私の場合は、30代後半になってから発達障害の自閉症スペクトラム(アスペルガーASD)と判明しました。
母親の年齢も70代後半の時であり、発達障害自体を知らない為、仕方が無いのかもしれません。
また、年齢による融通の利かなさや、今更伝えられても困るのだと思います。

一般的に、自分の息子や娘が「発達障害」とわかっても、受容することは難しいと言われています。
特に発達障害の知識が無い親の場合、「子供に障害がある」という事実だけで辛い気持ちになり、受け入れることが困難になります。

今回は、親が発達障害の子供を受け入れられない理由や、親が認めてくれない子供の気持ちについて考えていきたいと思います。

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両親が子供の発達障害・自閉症を認めない理由

親が子どもの発達障害を受け入れて、子育てをすることは難しいと思います。
見捨てることはできないし、我慢するしかないとはわかっていても、感情が追いつかないからです。

様々な葛藤や心理的負担から、自分の子供の発達障害を受容することは難しくなります。

しかし、いつかは感情に折り合いをつけて、慣れる必要があります。
その為には、何が原因で息子や娘の発達障害を認めることが出来ないのか、理解している必要があります。

障害という事実を認めたくない

発達障害は分類的に、障害者の枠に入ります。
自分の息子や娘が「障害者」という事実は、親の立場からすれば絶対に受け入れがたいです。
世間一般的に「障害者」と聞くとマイナスイメージが先行するからです。

自分の子供が障害者だと偏見の目で見られてしまう可能性が高いです。
親戚や友達、社会において恥ずかしい気持ちや劣等感を持ってしまいます。

また、普通から外れてしまう為、一般的な幸せな人生を親子ともに送れなくなります。
普通以下の状態を受け入れる覚悟も必要となります。

「障害」という言葉の重みが、子供の発達障害を受け入れることを無意識に拒絶してしまうのです。

しかし、発達障害であっても、育て方や、能力値(IQ)によっては、健常者以上に圧倒的に成功する可能性もあります。

20世紀最高の理論物理学者である「アインシュタイン」は、学習障害(LD)や自閉症傾向があったとされています。

発明王である「トーマス・エイジソン」も学習障害(LD)の傾向があったそうです。

appleの創設者の一人である「スティーブ・ジョブズ」もADHD(衝動・多動性・注意欠如)、ASD(自閉症・アスペルガー)と言われています。

過去の天才の偉人は、発達障害の傾向があることがささやかれています。

息子や娘が発達障害であっても、決して人生が失敗するわけではなく、絶望してしまうのは早計です。
ただ、発達障害の人が成功するのはごく一部であり、大多数は間違った道に行ってしまいがちです。

全ては、発達障害の子供の頃の教育、自己分析ができるかどうかにかかっています。

その為には、親自身が子供の発達障害の事実を受け入れて、早期対策を検討する必要がマストなのです。

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将来への不安感

子供の未来に対する心配や失望から、発達障害を受け入れることが難しくなります。

発達障害だと、「人との交流が困難になる」、「一般常識が通じない」、「勉強ができない」など、人生において様々な問題に直面します。
結果、将来できる仕事が限られてしまい、低収入になる、結婚できない、社会的身分が低くなってしまいます。

自分の息子や娘の将来を心配するのは、親として当たり前の事だと思います。
発達障害のせいで、幸福な未来を築けない可能性が高くなるのは、受け入れがたいのです。

一番辛いのは、学校の問題だと思います。
発達障害の子供は、健常者と普通に触れ合うことが困難すぎます。
ほぼ確実に、孤立したり、避けられる、友達が出来ない、イジメられるなど、何かしらの問題が発生します。

進級や進学なども、発達障害の人にとっては、物凄く辛く困難な出来事です。
発達障害の特性からつまづきやすく、親子ともに考えさせられてしまいます。

発達障害の子供は学校、社会、日常において問題が発生しやすく、大変です。
子供が発達障害というだけで、未来への困難を想像すると悲観的になってしまい、心が受け入れられないのは仕方が無いと思います。

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発達障害の当事者は親をどう思っている?

当事者である子供が「自分自身に発達障害がある」と理解していても、親が受け入れていない場合、何を感じているのでしょうか。
それは、「失望」と「怒り」です。

発達障害は親からの遺伝であり、親の責任です。
発達障害の親からは、高確率で子供に遺伝します。
また、親が発達障害でなくても、不衛生で脳にダメージがある、または高齢出産などのリスクは、発達障害の子供に生まれる可能性が高くなります。

発達障害を抱えている子供自身には何の過失も無く、生きずらい脳に生まれてきてしまっているのです。
その事実に子供が気づいている場合、親に怒りの感情を持つことがあります。

しかし、発達障害・自閉症スペクトラム(アスペルガーASD)の人の子供の場合、親への怒りや失望と言った感情はほとんど持ち合わせていません。

想像力が異常に欠如している為、「そうなんだ」程度にしか感じないのです。
親のせいで自分の脳に問題があり、日常が困難になっている」と感じることもありますが、具体的に考察出来ない・しないので、怒りに直結しづらいのです。

大人になって発達障害ASDが判明した私の場合も「仕方がない」と感じる程度です。
親への恨みや怒りの思いは多少ありますが、普通の怒りの10%にも満たないです。

発達障害がどれほど人生に問題を与え、苦痛を味わうのか、わかっていない・想像できない。
辛い思いを体験していても、他の健常者の普通がわからない為、自分の状態が一般的だと感じているのです。

ただ、親が自分の発達障害を認めずに、辛く当たられたり、余所余所しいと大変なことになります。
発達障害ASDの人は、こだわりが強く、一度自分の心の中で強く思ったことは曲げません。

親が冷たいと、ずっと根に持つため、冷え切った関係になってしまいます。

また、親のせいで発達障害に生まれ、学校や社会で上手くいかなかったと強く認識すると、強い怒りを感じ続けます。

子供が発達障害と判明したら、受け入れるのは難しいと思います。
しかし、辛いのは親だけでなく、子供自身です。
発達障害は早期発見、早期の受容、早期の対策が必須です。

息子や娘が発達障害と判明すると感情を抑えるのは難しいですが、割り切る心を持って欲しいと思います。

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まとめ

期待するから失望する」。

わが子が「優秀であってほしい」と願うのは、親であれば誰でも感じる希望だと思います。
将来、子供が立派に育って欲しい、出来れば幸福な人生を歩んでほしいと強く感じています。

しかし、息子や娘に発達障害と判明すると、その落差が激しくなります。
期待していた分、物凄く落ち込んでしまうのです。

発達障害は、現在では10人に一人はいるとされており、珍しい事ではありません。
ですが、一般的に障害者と認識されてしまいます。
また、健常者の何倍もの苦労が人生に起こってしまいます。

発達障害の事実だけで、悲観的になってしまうのは仕方が無いのです。

自分の息子が発達障害だと、将来的に就職が困難になる、結婚も難しくなると考えてしまいます。
さらに、発達障害に生んでしまったと言う自責の念に駆られてしまいます。

親が子供の発達障害を受け入れられないのは、仕方がないことです。

でも、発達障害であっても子どもは、人生の最後まで生き抜かなければなりません。
その手助けができるのは親だけです。

発達障害の子供が将来辛い思いをしない為にも、早く気持ちの整理をつけて事実を受け入れて欲しいと思います。

特に発達障害は、早期に対策しないと大変なことになります。
普通が出来ずに学校や集団生活で、孤立してしまうからです。

発達障害の子供には理解とサポートが絶対に必須です。
それができるのは親だけですので、気持ちの整理をつけて向き合ってほしいと思います。

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