自閉症スペクトラム(発達障害・アスペルガーASD)の辛さから、障害者手帳の取得を検討している人は多いと思います。
普段の生活や社会において、辛い思いをし続けているからです。
障害者手帳を取得して、サポートや理解を得られる状況になれば、多少は改善される可能性はあります。
障害者手帳の習得は、個人的に緩いと思います。
自閉症スペクトラム(発達障害)でなくても、精神に問題があれば医師の判断により、等級に違いが出ますが取得が可能だからです。
発達障害以外の条件として、統合失調症、鬱病、てんかん、薬やアルコール依存症、その他の精神疾患があげられます。
その中で、普段の生活に「本人にどれくらいの困難さがあるか」が取得条件のポイントとなります。
また、障害者手帳を持つことに、メリットデメリットはあります。
障害者手帳の一番のメリットは、公共料金が割引されたり、障害者枠での就職、福祉サービスの利用があります。
デメリットは、障害者として受け入れる本人の精神的辛さ。
そして「恥ずかしい」があげられます。
今回は、自閉症スペクトラム(発達障害アスペルガーASD)の人の障害者手帳について書いていきたいと思います。
自閉症スペクトラムは障害者手帳を取得できる?
自閉症スペクトラム(発達障害・アスペルガーASD)の人は、障害者手帳を取得することはできます。
本人の生活状況次第ですが、落ちることはまずないと思います。
「障害者手帳を取得したい」ということは、自閉スペクトラムで問題を抱えて困っており、取得条件に合うからです。
ただ障害者手帳には等級があります。
条件は、自閉スペクトラムの症状や普段の生活の困難さによって判断されます。
私の場合、広汎性発達障害(ASD)であり、普段の生活もほぼ母親にしてもらっています。
食事や洗濯、買い物、手続きなど、ほぼ家のこと全部をしてもらっています。
私がしていることと言えば、シャワーに入る、ご飯を食べる、寝る、PCの前に座っているだけです。
この生活状況で、私は障害者手帳2級の判定となりました。
障害者手帳の区分は、身体・精神・療育に分けられています。
身体は体に問題があり、身体障害者手帳の枠となります。
精神は、発達障害、鬱病、統合失調症など、精神や心に問題を抱えている人であり、精神障害者保健福祉手帳の枠となります。
療育は、知的に問題をかかえるひとであり、療育手帳の枠となります。
この記事では、精神、自閉症スペクトラム(発達障害アスペルガーASD)についての障害者手帳(精神障害手帳)のお話となります。
障害者手帳の等級
障害者手帳の等級の振り分け条件として、本人が普段の生活でどれくらい困っているのかがポイントです。
ほぼ介護なしでは生活が出来ない状態だと1級となります。
例えば、食事は補助なしでは食べられない。
一人でお風呂にも入れない。
誰かの手助けが無い状態では生きていけない、などです。
障害者手帳2級の取得条件は、普段の生活において人のサポートは必要だけど、ある程度一人でできる状態です。
障害者手帳3級の取得条件は、普段の生活において多少の困難さはあるが、サポート無しでもぎりぎりで一人で行動できる状態です。
自閉症スペクトラム(発達障害・アスペルガーASD)の人の場合、大体2級か3級の判定になるのでは、と思います。
発達障害の特性の影響から、普通の人が出来ることができない、難しくなるからです。
自閉症スペクトラムでも、障害者手帳の2級か3級のどちらになるかは、本人の普段の生活状況により異なります。
私のように、長期引きこもりであり、親に全てしてもらっているようであれば2級になる可能性が高いです。
ただ、それは医師の診断書次第です。
障害者手帳を取得するには、自閉症スペクトラムの人の場合、心療内科や精神科で担当医に診断書を書いてもらう必要があります。
担当医の問診、判断により、診断書が作成されます。
私の場合、生活全般、家事など全て母親にしてもらっています。
正直、自分で頑張って行動すれば、ある程度はできます。
ですが、私は発達障害以外にも、うつの薬を飲んでいますし、自己肯定感が異常に低い、対人恐怖症、家から出ることが苦痛などの問題があります。
22年以上引きこもりです。
障害者手帳2級が妥当だとは思います。
ある意味、私が通っている心療内科の担当医の人に、もっと酷い状態を報告すれば、障害者手帳1級が通るくらいの診断書を作成してもらうことは可能です。
逆に、私が「頑張って普段の生活をある程度できる」と報告すれば、3級になるような診断書になると思います。
嘘を言って診断書の等級の判断を操作するのは良くありません。
ですが、現在の自分の状況を考え、妥当だと思われる等級の診断書を作成してもらう必要があります。
私が思うに、自閉症スペクトラム(発達障害アスペルガーASD)は、酷すぎる脳の機能異常です。
明らかに社会生活、普段の対人関係において困難さがあります。
普通(定型発達)の人と同じようなことができず、ストレスを抱え、精神的に問題を抱え続けます。
頭の良さ(IQの高さ)、運の良さ、発達障害の症状の重さなど、人それぞれありますので、障害者手帳の等級は本人の普段の生活の困難さ次第です。
ですが、自閉症スペクトラムの人は、他の2次障害を抱えている人も多いです。
障害者手帳の等級は2級が妥当なのでは、と私は思います。
自閉症スペクトラムの人の障害者手帳のメリットデメリット
自閉症スペクトラム(発達障害アスペルガーASD)の人が障害者手帳を取得する・持つメリットやデメリットを説明します。
障害者手帳のメリット
障害者手帳はほぼメリットしかありません。
・福祉サービスを受けられる
・障害者枠での雇用が可能
・税金の優遇
大まかに上記の3つがあげられます。
住んでいる地域によって受けられるサービスが違いますので、一度市役所の福祉課を訪ねてみることをお勧めします。
私の場合、市役所に「障害者施策」というパンフレットがあり、そこに詳しく書いてあります。
今、手元にあるので、私の地域の障害者手帳のメリットをご紹介します。
たぶん他の地域も大体同じだとは思います。
市営住宅・県営住宅の優先権
収入が少ない人が格安で住める住居です。
障害者手帳によって、優先的に入居することができます。
福祉タクシーの利用
障害者手帳1級の人限定です。
タクシーが無料で乗れる回数券をもらえるようです。
所得税・住民税・相続税の障害者控除
障害者手帳2~3級の場合、27万円を控除。
1級の場合、40万円を控除されます。
住民税の控除・非課税
障害者手帳2~3級の場合、所得金額から26万円を控除
障害者手帳1級の場合、所得金額から30万円を控除されます。
自動車税の減免
上限45000円で自動車取得税、自動車税が減免されます。
ただし、精神障害者手帳1級のみです。
無料でバスが乗れる
これは地域によって違います。
私の住んでいる地域では、障害者が無料で乗れるバスがあります。
携帯電話の基本使用料等の割引
携帯電話の利用料が障害者手帳を持っていると割引されます。
携帯電話の会社によって障害者手帳のサービスが異なります。
私の場合、AUですので、スマイルハート割引というものがあります。
基本使用料や通話料が最大で50%の割引となるです。
一応申し込んでいますが、電話帳は0人であり、友達はおろか知り合いもおらず、ほとんど使用していません。
たまに、病院に電話するくらいです。
NHK受信料の免除
NHDの放送受信料を免除されます。
非課税世帯であれば、全額免除。
世帯主または、契約者であれば半額の免除となります。
上記の全ては、自閉症スペクトラム(発達障害アスペルガーASD)の人が取得可能な障害者手帳(精神障害者保健福祉手帳)のメリットです。
障害者手帳のメリットの一番の恩恵は、NHKの受信料の免除と、携帯電話の使用料の割引、障害者雇用だと思います。
NHKの受信料は毎月1200円くらいかかります。
これが半額もしくは全額免除されるのは大きいと思います。
携帯電話も、使う人であれば、かなりお得になります。
基本料も安くなりますので。
障害者雇用は、障害者手帳を持っていないと採用できません。
障害者手帳が必須となります。
障害者手帳のメリットは等級によって違います。
1級が一番手厚いです。
障害者手帳のデメリット
障害者手帳を取得するデメリットは、本人の心の問題と、世間の視線です。
障害者手帳を持つことにより、自分自身が障害者であると証明しているからです。
本人が受け入れているのであればいいのですが、誰でも「普通ではない」と思い、劣等感を抱えてしまうはずです。
特に軽度発達障害の人や、自分が普通の環境に置かれている方など。
また、世間(他人)の視線や思考の怖さがあげられます。
私の場合、近所の人には自分が障害者だと思われたくないです。
絶対に奇異の目で見られて、憐れまれるし、底辺の存在として思われてしまいます。
それが苦痛で仕方がない。
普通ではないだけで、区別されるのが本当に辛いのです。
絶対に障害者手帳を持っていることをバレたくないです。
私が障害者手帳を持っているのを知っているのは、母親くらいだと思っています。
後は心療内科や市役所の職員、公共での人くらいです。
兄弟や親戚にはまだ知られていないはず。
もし知られたら辛いです。
ただ、親族には長期引きこもりで働いていないとはバレているので、すでにバカにされている状態だとは思います。
もう、私はあきらめの境地であり、そのことを考えるのを止めて、精神の安定化を図っています。
しかし、不意に考えてしまい、辛くなることがあります。
障害者手帳を取得するデメリットは、自分の精神状態の問題、社会的な偏見に耐える必要があります。
障害者手帳は恥ずかしい
障害者手帳を持つことは恥ずかしいと感じる人がほとんどだと思います。
本人が障害者を受け入れていても、どこかで劣等感を感じてしまうからです。
完全に受容できる人はいないと思います。
私はずっと引きこもっているので、障害者手帳を持っていることを他人に判明しません。
恥ずかしい思いをすることは今のところほとんどありません。
ただ、障害者手帳で物凄く辛い感情になったことがあります。
それは、携帯電話の障害者サービスを利用するために、ショップへ行って手続きをしたことです。
障害者サービスを利用するために、窓口で障害者手帳を見せる必要があります。
普通に対応してくれていたとは思いますが、対応してくれた人はじろじろ見てきたし、明らかに何かしら思うところはあったはずです。
さらに、手続きには2~30分くらいかかっています。
その間、店内で一人でじっと座って待っていなければなりません。
かなりの苦痛な時間を過ごした記憶があります。
25年以上同じ会社の携帯電話の契約をしています。
いきなり障害者サービスの手続きをしたので、受付の人が奇異の目で見るのも仕方がないと思います。
あくまで私の感じた妄想ですので、プライバシーが酷く傷つけられたかどうかはわかりません。
ただ、普通の人から見れば、区別される対象であることは間違いないと思います。
普通の人に障害者手帳の存在を知られるのは本当に恥ずかしいです。
その時だけだったとしても、辛い気持ちは残ります。
また、携帯電話やNHKなど、何かに障害者手帳が必要な場合、記録として残ってしまいます。
そこから、個人情報が流出して、世間に判明するなどがあると辛すぎます。
ほぼ無いと思いますが、絶対ではないため、不安はあります。
まとめ
自閉症スペクトラム(発達障害アスペルガーASD)の人は、障害者手帳の申請、取得が可能です。
本人の普段の生活、社会での困り感次第ですが、ほぼ受かると思います。
障害者手帳の取得のメリットはあります。
NHKの料金が半額、もしくは免除、携帯電話の使用料の割引が大きいと思います。
また、障害者雇用を検討している場合、障害者手帳は必要です。
デメリットは、本人の心理状態です。
障害者手帳を持つことにより、「世間から恥ずかしい目で見られる」という思いの劣等感があります。
気にしない人にはデメリットは無いです。
私は極度の恥ずかしがり屋であり、ダメ人間と思われることが物凄く辛いです。
ですので、絶対に障害者手帳を持っていることを、他人に知られたくありません。
世間的にも障害者手帳を持っていると、ネガティブなイメージがあると思います。
偏見の目で見られる可能性がある為、なるべく障害者手帳を持っていることをバレたくないです。
発達障害は、一般の社会で生きていく上で、普通の人が出来ることが出来ないので、かなりの辛さがあります。
障害者手帳を持つことで、普通ができない証明ともなります。
もし発達障害で辛い思いをしているのであれば、障害者手帳の取得を考えてみるのも良いと思います。