発達障害のASD(自閉症、アスペルガー)を抱えている大人が、普通の一般企業に就職することはかなり難しいです。
理由は、職種にもよりますが、就職試験で落ちてしまうからです。
一般企業の就職試験は、定型発達(健常者)の優秀な人材を確保するために、ふるいわけをしています。
発達障害の人は、脳のハンデから普通の試験の内容につまずきやすいです。
そのため、定型発達との試験結果に差が出てしまうのです。
では、どうすればいいのか。
発達障害(ASD)でも、知能(IQ)が高かったり、ある試験内容でとびぬけた値を出せば、受かることもあります。
しかし、発達障害を隠し(理解されず)定型発達と同じように仕事をしてもうまくいきません。
ASDの社会性の欠如、コミュニケーション障害、想像力の欠如という酷すぎる脳の欠如障害は、会社という大人の集まりの中で、物凄いハンデとなるからです。
実際に私は、発達障害(ASD)で全IQ60台だったので、普通の企業に落ちまくりました。
何十社と受けて、最終的にまぐれで1社に受かりました。
(私は数学以外の全ての科目は偏差値30台ですが、計算(数字)と処理速度だけは平均以上だったので、その試験内容だけで受かったのです)
しかし、最初から人とまったくなじめず、また仕事が理解できませんでした。
さらに、当時は発達障害という概念はありません。
そのため、自分が人とコミュニケーションがまったくとれず、会社での大人の振る舞いができない状態に苦悩していました。
そのため、孤立したことと、仕事の理解、勉強がまったくできず、毎日が苦痛で耐えるのが困難になり、2ヶ月で辞めてしまいました。(以降15年以上引きこもりです)
発達障害の一般企業の就職は、自己分析がしっかりと出来ていて、自分が何をできて何をできないかを知ることが大切だと思います。
しかし、やはり一番は、障害者雇用枠での就職が絶対に良いと思います。
何故なら、発達障害に理解がある環境と無いでは、居心地が全く違うからです。
会社は長い間努める必要があります。
そのため発達障害(ASD)は、働く環境(人、仕事)が整っていないと、どうしても劣等感にかられてたり、鬱になってしまうのです。
また障害者雇用枠は、就職試験にも配慮があると思います。
国が一定の従業員(50人に一人)に対して、障害者の雇用をしなければならない「障害者雇用促進法」があるからです。
ですので、発達障害(ASD)が無理に一般枠(健常者)と同じように就職するべきではないと思います。
今回は、発達障害(ASD)が一般企業に就職できない理由をお伝えしていきます。
発達障害は一般企業への就職が困難
発達障害のASD(自閉症、アスペルガー)が一般企業に採用されず、就職できない理由は主に2つあります。
筆記試験の難しさ
1つ目は、筆記試験で落ちてしまうことです。
仕事の職種はたくさんあるので一概に言えませんが、基本的に知能検査と作文があると思います。
知能検査とは、IQの値を調べることです。
発達障害(ASD)は、この知能検査で脳に凹凸があるのがバレてしまいます。
しかし、同じ業種の知能試験を受けていると、似たような問題なので慣れてきます。
すると、稀に知能試験を通過することもできます。
それでも2次試験以上のテストがあるとボロが出てきてしまいます。
次に作文、小論文です。
発達障害(ASD)は、想像力が著しく欠如しているため、起承転結の文章や、自分の考えや思い付き、感想を書く事が非常に苦手です。
そのため発達障害(ASD)は、作文や小論文を書く試験がある企業は、大抵落ちると思います。
私の場合、たまたま知能テストに通過して、作文の2次試験まで進んだ企業がありました。
しかし、そのときの作文を思い出すと今でも恥ずかしいです。
たしか自由に何かを書くという課題だったと思います。
私は精神年齢も低いので、そのとき何を思ったのか、過去にいじめられた経験を書いたのです。
イジメられた経験を糧に成長したみたいな、普通の人が理解困難なことをです。
さらに幼稚で恥ずかしすぎる文章になっていました。
小学生が書くような駄文で、意味不明な文章。
今思い出しても本当に恥ずかしすぎます。
試験官は、ヤバすぎるキチガイだと思ったに違いないでしょう。
もちろん1発で不採用通知がきました。
面接の困難
2つ目は、面接で落ちてしまうことです。
発達障害(ASD)は、コミュニケーション障害と社会性の欠如のハンデから、面接官との受け答えがスムーズにいかなかったり、変なことを言って失敗してしまいます。
面接官はもちろん面接のプロなので、人の話し方や考え方、仕草などをしっかりと見ていると思います。
発達障害は、想像力の無さから、面接官の言わんとしていることが理解できず、的外れな回答をしてしまいます。
また、その場に即した礼儀や態度、振る舞いが上手くできず、変になってしまいます。
そのため、明らかに定型発達と違う言動や仕草をしてしまい、落ちてしまうのです。
それでも言語優位の発達障害であったり、IQが高ければ面接に合格できることもあると思います。
また、何度も面接を受けていれば、発達障害であろうとも慣れてはきます。
そのため、数をこなせば発達障害であっても、まぐれで就職試験に合格する可能性はあるのです。
しかし、自分の適性(得意なこと)にあった企業でないと、すぐに辞めるはめになるでしょう。
まとめ
発達障害(ASD)が、一般企業に定型発達(健常者)と同じように就職をしようとしても無理です。
さまざまな脳のハンデから、筆記試験や面接で大きな差があるからです。
そして、仮に一般枠で就職できても、発達障害には会社という場に必要な能力が著しく欠如しているので、多大な困難が待ち受けています。
ですので、発達障害は、障害者雇用枠にすがるしかないのです。
しかし、障害者雇用枠で就職したとしても、給料は定型発達(健常者)よりも低いでしょう。
さらに、出世も叶わないかもしれません。
だから私は強く思います。
発達障害に生まれたら人生が絶望だと。
ただ、子供の頃から発達障害の理解ある環境で育ち、自分の得意な事で就職できれば、上手くいくのではないかと思います。
その為にも、発達障害の子どもをもつ親は、子供の自己分析と、何か手に職をつけられるような特技をみつけてあげることが絶対に必要だと感じます。