発達障害のASD(アスペルガー)の人は、自分の興味や特技に没頭することが得意ですが、将来のことを考えることが苦手です。

ASDの私自身も、今現在の事しか頑張ることが出来ないし、「未来をどうするべきか」を想像することが非常に苦手です。

子供の頃も、将来の夢や姿が皆無だったと思います。
ただ漠然と、「公務員になりたい」とは思っていました。

ですが、ASDの特性の影響から、将来を考えるどころか、今の自分をどうにかするだけで手一杯でした。

ASDの特性上、未来志向が非常に苦手であり、さらに発達障害のせいで今を生きるだけも精一杯なのです。

また、発達障害のASDは、先の見えない未来に不安を感じたり、自分のやりたいことや目標を見つけられなかったりすることがあります。

しかし、将来を考えていないと、目標が無く、人生がブレてしまいます。

この記事では、発達障害のASDが先々を考えられない理由と、先を見通すためにできることを紹介します。

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発達障害のASDが先々を考えられない理由

将来の事を考えるのは、発達障害の人でなくても難しいと思います。
自分のしたい事ややりたいことが見つからなかったり、好きなことが生かせる未来を見つけるのが大変だからです。

特に発達障害のasdの人は、自分の興味や特技に集中するのが好きで、今のことに夢中になってしまうことが多いです。

でも、将来のことを考えないと、人生に迷ってしまうこともあります。
自分が何をしたいのか、何を目指すのか、どんな人になりたいのか、そういうことを明確にすることで、自分の人生に方向性や意味を持たせることができます。

ASDが未来志向に苦手な理由

ASDの人は、自分の興味や特技に没頭することが得意ですが、将来のことを考えることが苦手です。
これには、いくつかの理由があります。

ASDの人は未来のことが苦手

まず、ASDの人は、具体的なことに強くて、抽象的なことに弱いという特性があります。
将来のことは、まだ起こっていないことなので、具体的にイメージするのが難しいです。

ASDの人は、現実に存在するものや、自分の経験したことに基づいて考えるのが得意ですが、想像力や創造力を使って考えるのが苦手です。

なので、将来のことを考えるときに、どんなことが起こるのか、どんなことがしたいのか、どんなことが必要なのか、といったことが思い浮かばないのです。

ASDは変化が嫌い

ASDの人は、計画性や柔軟性に欠けるという特性があります。
将来のことを考えるときには、自分の目標や夢を設定したり、それに向かって計画を立てたり、状況に応じて変更したりする必要があります。

しかし、ASDの人は、自分のルーティンや習慣を崩したくないという思いが強く、新しいことに挑戦したり、変化に対応したりするのが苦手です。
だから、将来のことを考えるときに、自分のやり方や考え方を変えるのが難しいのです。

ASDの人は自分を伝えるのが難しい

さらに、ASDの人は、自己認識や自己表現に困難があるという特性があります。
将来のことを考えるときには、自分の気持ちや欲求、価値観や信念、強みや弱みなどを理解したり、他人に伝えたりする必要があります。

しかし、ASDの人は、自分の感情や思考を言葉にするのが苦手で、他人の反応や期待を読み取るのが苦手です。
将来のことを考えるときに、自分の本当の望みや目標を見つけるのが難しいのです。

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ASDの特性や感情が未来志向に及ぼす影響

ASDの特性だけでなく、ASDの人が抱える気持ちも、未来志向に影響があります。
先の見えない未来に対して、ASDの人は以下のような感情を持つことがあります。

・不安:ASDの人は、予測できないことやコントロールできないことに対して、不安や恐怖を感じやすいです。

将来のことは、どうなるかわからないし、自分の意思で変えられないことも多いです。
将来のことを考えると、不安になってしまいます。
そして、自分を守るために、現状に固執したり、将来のことを考えないようにしたりすることがあります。

・無気力:ASDの人は、自分のやりたいことや目標を見つけられないことがあります。

自分の興味や特技に没頭することはできるけれど、それが将来にどうつながるのか、どうなりたいのか、といったことがわからないのです。

自分の人生に意味や目的を感じられないと、将来のことを考えるモチベーションが低くなります。
自分には何もできないと思ってしまったり、どうせ変わらないと諦めてしまったりすることがあります。

・焦り:ASDの人は、自分のペースや能力に合わないことに対して、焦りやストレスを感じやすいです。

将来のことを考えるときに、自分と他人を比べたり、社会の期待や圧力を感じたりすることがあります。
自分が遅れていると思ったり、自分には無理だと思ったりすると、将来のことを考えるのが苦痛になります。
焦りになると、自分を責めたり、無理をしたり、逃げたりすることがあります。

これらの感情は、ASDの人が将来のことを考えるのを妨げるだけでなく、自分の心や身体にも悪影響を及ぼします。
なので、上記の感情をコントロールすることも、未来志向をするために大切なことなのです。

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発達障害のASDが先を見通すには

ASDの人が、未来思考をする為に必要なことは何でしょうか。
まずは、一般的な将来の設計図を考えるために必要な思考をお伝えしていきます。

人生の聖書によると・・・

世界で3000万部の大ヒットした「人生の聖書」コヴィーの7つの習慣の1つに、「終わりから思い描くことから始める」という記載があります。

私もこの「7つの習慣」の要約された漫画を持っていますが、かなり為になると思います。

この習慣は、自分の人生のゴールやビジョンをはっきりさせることで、自分がどんな方向に進むべきか、何をするべきかを探ることができるというものです。

では、どうやって終わりを思い描くのでしょうか。
コヴィーは、次のような方法を勧めています。

・自分の葬式に参列している人に来ている人たちの声をイメージする。彼らは自分のことをどう評価しているだろうか。自分はどんな人として記憶されたいだろうか。

・自分の人生のミッション・ステートメントを作る。自分の信条や価値観、夢や目標を言葉にする。それを時々見返して、自分の行動がそれに一致しているかチェックする。

・自分の役割や義務を明確にする。自分は家族や友人、仕事や社会とどんな関係を築いているのか。それぞれの役割で、自分が成し遂げたいことは何か。それを実際の行動に反映させる。

これらの方法は、自分の人生に意味や目的を持たせるのに役立ちます。
すべてを一気にやる必要はありません。
ゆっくりと、自分のペースで進めていけばいいのです。

ASDが未来志向をするには

しかし、ASDの人にとって、これらの方法は簡単ではありません。
ASDの特性や感情が、未来を思い描くのを邪魔してしまうからです。
そこで、ASDの人が未来志向をするためには、以下のような工夫が必要です。

・具体的にする:ASDの人は、抽象的なことに弱いので、将来のことを具体的にイメージしてみる。

例えば、自分の葬式に参列している人の声をイメージするときには、具体的な人物や場面を思い浮かべるようにします。
また、自分の人生のミッション・ステートメントを作るときには、具体的な言葉や例を使って書くようにします。
さらに、自分の役割や義務を明確にするときには、具体的な行動や目標を設定するようにします。

具体的にすることで、将来のことが現実味を帯びて、やる気が出るのです。

・段階的にする:ASDの人は、計画性や柔軟性に欠けるので、将来のことを一気に考えるのは難しいです。

そこで、将来のことを段階的に考えてみてください。
例えば、自分の人生のゴールやビジョンを考えるときには、長期的な目標だけでなく、中期的な目標や短期的な目標も設定します。

また、自分の行動や計画を立てるときには、一日や一週間、一ヶ月などの単位で細かく分けます。
さらに、自分の状況や気持ちに応じて、目標や計画を見直したり、修正したりすることも忘れません。
段階的にすることで、将来のことが管理しやすくなり、ストレスが減ります。

・自分らしくする:ASDの人は、自己認識や自己表現に困難があるので、将来のことを考えるときに、自分の本当の気持ちや欲求を見失ってしまうことがあります。

そこで、将来のことを考えるときには、自分らしくすることが大切です。

例えば、自分の人生のミッション・ステートメントを作るときには、自分の信条や価値観、夢や目標を自分の言葉で書きます。

また、自分の役割や義務を明確にするときには、自分の興味や特技、強みや弱みを考慮します。

さらに、自分の感情や思考を言葉にするときには、自分のペースやスタイルで話したり、書いたりします。
自分らしくすることで、将来のことが自分のものになり、自信がつきます。

これらの工夫は、ASDの人が未来志向をするのに役立ちます。

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まとめ

この記事では、発達障害のASDが先々を考えられない理由と、先を見通すためにできることを紹介しました。
以下に、ポイントをまとめます。

・ASDが未来志向に苦手なのは、具体的なことに強くて、抽象的なことに弱い
・計画性や柔軟性に欠ける、自己認識や自己表現に困難がある
・未来に対して不安や無気力や焦りを感じる

・ASDが未来志向をするためには、具体的にする、段階的にする、自分らしくする

・ASDが未来志向をすることで、自分の人生に意味や目的を持たせることができる。

発達障害のASDの人は、本当に将来の設計図を子供の頃から描くことが絶対にマストです。
何故なら、得意不得意がはっきりしているからです。

また、普通(定型発達)と同じように社会に出ても、明らかにASDの特性が邪魔をして失敗してしまう可能性は非常に高いです。

ですので、親や教師、周囲の人が、発達障害のASDの人に、将来どのような方向に進むべきなのか、積極的にアドバイスをしてあげてください。

ASD当事者の特性を知り、長所を最大限に生かせる未来を進ませてあげてください。

それが唯一の、ASDの人の、未来への細い希望の道筋を歩む方法です。

絶対に、ASDの人には、得意な分野以外の道に進ませてはいけません。
普通の人のように何でもそつなくこなすことが、特性上不向きすぎるので、挫折する確率は非常に高いのです。

また、ASDの人自身が未来を考えることが非常に苦手なので、間違った道に行きがちです。
その様な場合には、やはり親や兄弟、周囲の人がサポートしてあげて欲しいと願います。

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