自閉症の人は、頭が大きいという話を聞いたことがありませんか?
実は、自閉症は発達障害の一種で、脳の発達に影響を与える症状です。
そのため、自閉症の人は、脳の大きさや形が普通の人と異なることがあります。

しかし、自閉症の人の頭の大きさは、一概には言えません。
自閉症は、症状の程度や表れ方が人それぞれ違うからです。
また、自閉症だけでなく、他の発達障害の人も、脳の大きさや形に個人差があります。

この記事では、自閉症や発達障害の人の頭の大きさについて、科学的な根拠や研究をもとに解説します。

自閉症や発達障害の人の頭の大きさは、どのように決まるのか。
大人になっても変わらないのか。
見た目や性格に影響するのでしょうか。
これらの疑問に答えていきます。

自閉症や発達障害の人の頭の大きさは、どのように決まるのか?

自閉症や発達障害の人の頭の大きさは、主に脳の大きさによって決まります。
脳の大きさは、遺伝や環境などの要因によって変化しますが、発達障害の人は、脳の発達に異常があることが多いです。
そのため、発達障害の人は、脳の大きさや形が普通の人と違う傾向があります。

特に、自閉症スペクトラム(ASD)の人は、脳が大きい傾向があると言われています。
自閉症スペクトラムとは、自閉症やアスペルガー症候群など、自閉症的な特徴を持つ人の総称です。
自閉症スペクトラムの人は、社会性やコミュニケーションに困難があることが特徴です。

自閉症スペクトラムの人の脳が大きいという説は、1943年にアメリカの精神医学者レオ・カンナーが提唱したものです。
カンナーは、自閉症の子どもたちの頭囲を測定し、平均よりも大きいことを発見しました。

その後の研究でも、自閉症スペクトラムの人は、脳の重さや体積が普通の人よりも大きいことが報告されています。

自閉症スペクトラムの人の脳が大きい理由は、まだ完全には解明されていませんが、以下のような仮説があります。

・脳の発達が早すぎるため、脳が大きくなる
・脳の発達が遅すぎるため、脳が大きくなる
・脳の発達が不均一であるため、脳が大きくなる
・脳の細胞の増殖や死滅のバランスが崩れるため、脳が大きくなる
・脳の神経回路の形成や整理が不適切であるため、脳が大きくなる

自閉症スペクトラムの人の脳が大きいということは、脳の機能や特性にも影響を与えます。

自閉症スペクトラムの人は、記憶力や知能が高い場合がある一方で、想像力や感情が乏しい場合があります。
また、自閉症スペクトラムの人は、特定の分野に強い関心や才能を持つことがあります。

これらの特徴は、脳の大きさや形だけでなく、脳の構造や機能の違いにもよると考えられます。

自閉症や発達障害の人の頭の大きさは、大人になっても変わらないのか?

自閉症や発達障害の人の頭の大きさは、大人になっても変わらないというのが一般的な見解です。
しかし、これは必ずしも正しいとは言えません。
なぜなら、脳の大きさは、年齢や性別などの要因によって変化するからです。

例えば、普通の人の場合、脳の大きさは、出生時に約350グラムで、2歳までに約1000グラムになります。

その後、成長期にはさらに増加し、男性は約1400グラム、女性は約1200グラムになります。
しかし、成人になると、脳の大きさは減少し始めます。

これは、脳の細胞や組織が老化や病気などで失われるためです。 また、脳の大きさは、個人差や遺伝的な要因もあります。

自閉症や発達障害の人の場合、脳の大きさは、普通の人とは異なる発達パターンを示します。

特に、自閉症スペクトラムの人の場合、脳の大きさは、2歳までに急激に増加し、その後は停滞するという傾向があります 。
これは、脳の発達が早すぎるか遅すぎるかのどちらかであることを示唆しています。

また、自閉症スペクトラムの人の脳の大きさは、性別や年齢による変化も少ないとされています。
これは、脳の発達が不均一であることを示唆しています 。

したがって、自閉症や発達障害の人の頭の大きさは、大人になっても変わらないというのは、一概には言えません。
しかし、自閉症スペクトラムの人の場合、頭の大きさは、幼児期に決まった後は、あまり変化しない可能性が高いと言えます。

自閉症や発達障害の人の頭の大きさは、見た目や性格に影響するのか?

自閉症や発達障害の人の頭の大きさは、見た目や性格に影響するというのは、一般的な誤解です。
実際には、頭の大きさは、見た目や性格に直接的な影響を与えるものではありません。

見た目や性格は、脳の機能や特性、遺伝や環境などの要因によって決まります。

例えば、頭が大きいからといって、知能が高いとは限りません。

知能は、脳の大きさだけでなく、脳の構造や機能、教育や経験などの要因によって決まります。
また、頭が大きいからといって、性格が悪いとは限りません。

性格は、脳の特性だけでなく、遺伝や環境、社会的な要因によって決まります。

しかし、頭の大きさは、見た目や性格に間接的な影響を与えることがあります。
なぜなら、頭の大きさは、自分や他人の印象や評価に影響するからです。

例えば、頭が大きい人は、見た目が目立つため、他人から注目されやすいです。
しかし、注目されることは、必ずしも良いことではありません。

頭が大きい人は、他人から変だと思われたり、からかわれたりすることがあります。
これは、自分の自信や自尊心に影響を与えることがあります。

また、頭が大きい人は、自分の頭の重さや形に不便を感じることがあります。
頭が重いと、首や肩が痛くなったり、疲れやすくなったりします。

頭の形が変だと、帽子やヘルメットが合わなかったり、髪型に悩んだりします。
これらの不便は、自分の気分や行動に影響を与えることがあります。

したがって、自閉症や発達障害の人の頭の大きさは、見た目や性格に直接的な影響を与えるものではありませんが、間接的な影響を与えることがあります。

しかし、これは、頭の大きさが原因ではなく、結果であるということを理解することが大切です。

頭の大きさは、自分や他人の印象や評価に影響を与えることがありますが、それは、頭の大きさが悪いということではありません。
自分や他人の偏見や誤解によって、悪く見られることがあるということです。
自分や他人の個性や特徴の一つであり、それ自体は何も悪くないということです。

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ASD当事者の話

実際、発達障害ASDの私自身も、頭が大きいです。
頭というか、後頭部がボコッと出っ張っているのです。
例えるなら、ドラゴンボールのナメック星人の頭の形のイメージです。

今、頭を触ってみても、明らかに後頭部が盛り上がっています。

自分の後頭部が大きいと気づいたのは、小学生の頃です。
私が小学5~6年生の頃、クラスの一人の男の子に「後頭部に卵が入っている」と言われたことがあります。

「宇宙人」だとか「ダチョウの卵が入っている」というようなことを言われた記憶があります。
ただ、悪意がある言われ方ではなく、純粋にそう思った感想を伝えられただけです。

私は当時、病気か何か問題があるのではないかと思い、母にそのことを言いました。
そして、病院へ連れて行かれました。

どのような検査をしたかは覚えていないのですが、医師は「何も問題はない」という結論でした。
母親は、私を安心させるために「運動能力が発達しているから後頭部が出ているんだよ」というようなことを言っていました。
しかし、医師は「そうなんですか?」と逆に聞き返していました。

母は「そういうことにしておいてください」というようなニュアンスを返していました。
「空気を読め」と言っているのだと思います。

小学生の頃は短髪でしたので、余計後頭部の頭の変な形が目立っていたと思います。
中学生の頃もまだ坊主くらい短かったので、頭の形で馬鹿にされていた記憶があります。

発達障害は医学的にまだ解明されていないですし、症状も人それぞれです。
頭の大きさについても、発達障害だからといって、全てのアスペルガーASDの頭が大きい訳ではありません。
ただ、発達障害の自閉症ASDの人の「約4人に一人」は脳や頭が大きい傾向があるようです。

まとめ

この記事では、自閉症や発達障害の人の頭の大きさについて、科学的な根拠や研究をもとに解説しました。

自閉症や発達障害の人の頭の大きさは、脳の大きさによって決まりますが、脳の大きさは、遺伝や環境などの要因によって変化します。

特に、自閉症スペクトラムの人は、脳が大きい傾向がありますが、これは、脳の発達に異常があることを示しています。

自閉症や発達障害の人の頭の大きさは、大人になっても変わらないというのは、一概には言えませんが、自閉症スペクトラムの人の場合、頭の大きさは、幼児期に決まった後は、あまり変化しない可能性が高いと言えます。

自閉症や発達障害の人の頭の大きさは、見た目や性格に直接的な影響を与えるものではありませんが、間接的な影響を与えることがあります。

しかし、これは、頭の大きさが原因ではなく、結果であるということを理解することが大切です。

頭の大きさは、自分や他人の印象や評価に影響を与えることがありますが、それは、頭の大きさが悪いということではありません。

頭の大きさは、自分や他人の偏見や誤解によって、悪く見られることがあるということです。

頭の大きさは、自分や他人の個性や特徴の一つであり、それ自体は何も悪くないということです。

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